リッチメディア広告とはWeb広告の1つで、動画・音声・CGなど動的な演出が可能な広告です。
目を引く演出によるユーザーの興味喚起だけでなく、ブランディング・マーケティング向けデータ収集など幅広く活用できます。
日本国内での活用事例は少ないものの、Googleの手厚いサポートも魅力です。
自社に適した広告運用を目指すなら、リッチメディア広告のタイプや演出法の種類を押さえておきましょう。
目次
リッチメディア広告の概要
リッチメディア広告はリッチアド広告ともいい、Webによる集客手法・広告の1つです。
ニュースサイトのトップページなどに埋め込まれている動画広告や音声広告として活用されています。
動画や音声を広告で気軽に活用できるようになった理由はHTMLのバージョンアップが行われたことです。
最新版のHTML5は動画・グラフィック・音声をHTMLタグで簡単に挿入・配置できます。
そのため、動画素材や音声素材をWeb広告に活用するハードルが下がり、幅広い表現が可能になりました。
インターネット広告の事例はこちら
リッチメディア広告の特徴
リッチメディア広告の特徴として最も大きいのがインパクトのある演出で印象に残りやすい点です。
また、アンケート機能や知り合いにシェアする機能の付加も見逃せません。
クリックによってアンケートページへ誘導するなどの仕掛けを用意しておけば、ユーザーからのリアクション向上も期待できます。
ユーザーに覚えてもらいやすい
リッチメディア広告は動的な変化があるため顧客に強い印象を与え、記憶に残りやすくする広告です。
音声や動きによる演出は様々なものがあります。
思わず目を引くというだけでなくエンターテイメント性のある表現も少なくありません。
見ていて楽しいという要素を付与できるからこそリッチメディア広告は記憶に残りやすい広告が多く生まれるのです。
シェアされやすい
リッチメディア広告は口コミやSNSによる拡散可能性が高い広告でもあります。
ユーザーは「面白い!」と思ったものを知り合いにシェアしたい、教えてあげたいという欲求に素直です。
特にX(旧Twitter)・Facebook・Instagramは気軽にシェアできるため、拡散力が強い広告ツールとして注目されています。
ユーザーに面白いと思わせる広告を打ち出すことができれば「SNSでシェアしたい!」という気持ちもあわせて刺激できるでしょう。
また、リッチメディア広告は最近になって技術的に可能になった背景もあります。
これまでになかった面白く斬新な表現方法という点では未開拓の領域が数多く残されているのも魅力です。
リッチメディア広告で期待できる効果
リッチメディア広告には広告そのものに人を引き付ける魅力があります。
そのためブランディング効果が期待できる点も注目が必要です。
エンターテイメント性と特定の人しかたどり着けない特別感を演出できれば広告へのリアクションとファン獲得を期待できます。
またリッチメディア広告のリッチには動的な表現技法のリッチさ、つまりバリエーションの豊富さという意味です。
広告に興味を持たせるリッチな演出もユーザー自ら能動的にクリックしてくれるような効果につながるでしょう。
さらに、リッチメディア広告本来の効果に加えて期待できるのがマーケティングデータの収集です。
ユーザーのダイナミックなリアクションが期待できるので、コンバージョン・クリック率向上などの数字に注目してみてください。
どのような演出効果が有効なのか、精度の高い検証を可能にするデータ収集もリッチメディア広告で期待できることの1つです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リッチメディア広告の主な種類
リッチメディア広告には動画タイプとアクションタイプの2種類があります。
それぞれどのような特徴を持っているか確認してみましょう。
動画タイプ
動画タイプのリッチメディア広告はサイトにアクセスすると動画の再生が始まるリッチメディア広告です。
アクセスとともに再生スタートになるタイプが一般的ですが、閲覧者のマウスの動きに反応して動画がスタートする仕様にもできます。
例えばSNSでタイムラインをスクロールし画面内にある間のみ再生スタートする動画広告を見たことがある人も多いかもしれません。
また、マウスポインタをあわせるとポップアップが画面いっぱいに拡大され動画・音声がスタートする演出も珍しくなくなりました。
テキストや画像など静的なセクションの中に埋め込むことでよりユーザーの目を引ける効果を期待できるタイプです。
アクションタイプ
アクションタイプは広告で表示されるモジュールが何らかのアクションをすることによってユーザーの興味を引く演出です。
例えば、バナー広告にマウスポインタをあわせるとテキストメッセージがポップアップで表示されるなどの演出が該当します。
またスクロール中、広告が表示されている間のみアニメーション的な演出があるタイプもよく見かけるものです。
さらに、3DCGで制作されたモジュールを自分で動かせる高度な演出法も登場しています。
Googleが推進する広告
リッチメディア広告は日本国内での活用・成功事例がまだまだ少ない広告です。
しかし、Googleが推奨する広告の1つであり無料で利用できるサポート体制もいくつかあります。
上手に活用すれば無料でリッチメディア広告に使えるコンテンツ資産を得られるかもしれません。
まだマイナーな広告
リッチメディア広告はGoogleが推奨している広告の1つです。
しかし、日本のリッチメディア広告は海外に比べると活用事例がまだ出そろっていません。
これまでの活用事例も期間限定のキャンペーンなどが主で、他のWeb広告と比較するとマイナーといってよいでしょう。
また、活用事例が特定の企業に偏っている点も見逃せません。
トヨタ自動車など大手企業ではすでに活用が始まっているものの、業種によってはまだまだ浸透していないのが現状です。
ニュースサイトで見る機会も増え始めているので今後の動向に注目しておく必要があります。
Googleが公開している無料の制作ツール
リッチメディア広告はGoogle Web Designerという無料の制作ツールもあります。
Googleが公開している公式ツールでUIも日本語対応済みです。
Google Web Designerの公式YouTubeチャンネルもあり、日本語での解説も視聴できます。
上手に活用すれば無料でリッチメディア広告のコンテンツ、つまり優良な情報資産を自社調達できるかもしれません。
Webクリエイターや広告プランナーのスキルを伸ばしたい人にとっても参考になるでしょう。
Google Web Designerでできる広告例
Google Web Designerを使えば比較的簡単にリッチメディア広告コンテンツを制作できます。
特に注目したい動的演出のタイプは次の5つです。
- 3D回転型
- パラパラ動画型
- ネイティブ動画型
- パララックス型
- パノラマ型
この5つはGoogle Web Designerにデフォルトで作成機能が備わっているタイプもあるので初心者でも挑戦しやすいです。
それぞれの特徴や魅力を押さえて自社に適した演出タイプを選択しましょう。
3D回転型
3DCGで制作したモジュールにアクションをつけられるタイプのリッチメディア広告で3D Swirlタイプともいいます。
- 回転のアクションをつけられる
- アニメ的なエフェクトをかけられる
- マウスポインタをあわせると画像が画面いっぱいに広がる
- スクロールで広告が表示されている間のみアクションするように設定する など
幅広い演出方法があります。
中でも3D回転型のリッチメディア広告をさらに進化させ活用しているのが元々3DCGの高いノウハウを持っているゲーム業界です。
例えば、キャラクターが何らかのアクションをするようなリッチメディア広告などは珍しいものではありません。
用意できる素材のバリエーションが幅広く、エンターテイメント性に優れたアクションが可能な強みがあるからこその活用といえるでしょう。
パラパラ動画型
パラパラ動画型はスクロール連動型の演出で、スクロールで画面が動いている間のみ動画が再生されます。
別名Flipbook型とも呼ばれている演出タイプです。
パラパラ動画型は下にスクロールしている間は通常再生、上にスクロールすると逆再生になる特徴を持っています。
スクロール中再生されるのは数秒程度のショートバージョンで、クリックすれば全編視聴が可能な仕様です。
Google公式の見解でも一般的な動画広告よりユーザーが好感を持ちやすい動画広告形式と報告されています。
ネイティブ動画型
ページの他コンテンツと同様に表示されるネイティブ広告の動画バージョンです。
ニュースサイトや情報系オウンドメディアなどで自然に登場するため、ユーザーにストレスを与えにくい特徴があります。
またエンゲージメント・UX向上も期待でき、配信までの期間が比較的短いのもメリットです。
パララックス型
パララックス(Parallax)とは視差を意味します。
つまり、パララックス型とは奥行きがあるように見える演出方法を用いたリッチメディア広告です。
また、単に奥行きがあるように見えるだけでなくスクロールとともに奥行きを感じられる表現もできます。
視覚的なインパクトがありユーザーの目を引きやすい特徴はユーザーの印象に残る演出となるでしょう。
パノラマ型
パノラマ型(Panorama)ではドラッグもしくはスワイプでホームページのヘッダーでよくあるスライドショーのような演出ができます。
スライドできるフレームは3枚です。
- ブランド認知を高めるロゴ
- ブランドイメージを具体的にする高品質の写真や商材画像
- テキストメッセージ
パノラマ型は動画広告と静止画広告の中間のようなタイプです。
伝えたいメッセージの量やデザインがシンプルだからこそストレートなアピールができます。
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リッチメディア広告制作時に意識すべきポイント
リッチメディア広告を制作する際に徹底したいポイントがユーザーファーストのUXや表現技法です。
特に重要な2つのポイントを押さえておきましょう。
ユーザーの興味をひく
リッチメディア広告は初回のリリースでユーザーの興味をしっかり得ることが重要になります。
なぜならリッチメディア広告は表現の豊かさゆえに広告ではなくエンターテイメントコンテンツと誤解されることもあるからです。
制作期間・工数もそれなりに必要になるため、A/Bテストなどスモールステップでの検証がしにくい点に注意が求められます。
どうすればより興味喚起できる内容になるか、ポイントとしてインタラクティブ性に注目してみてください。
時間と工数をしっかりとかけてユーザーと能動的かつ双方向のコミュニケーションが取れるような広告を目指しましょう。
ユーザーに不快感を与えない内容にする
リッチメディア広告は表現や技術でアピールするのではなくユーザーが心地よい状態を追求することも大事です。
最新技術を駆使した広告表現でも、UIを使いにくくしている・UXを邪魔しているのであればユーザーの好感は得られません。
特にスマートフォンユーザーにとってはデータ量が大量に必要な演出に不快感を覚えるリスクもあります。
リッチメディア広告のメリットは拡散力ですが、好感が持てないコンテンツをシェアしたいとは思わないのではないでしょうか。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リッチメディア広告の活用事例
Googleは様々なリッチメディア広告の事例をアーカイブにして公式サイトで紹介しています。
アーカイブページは日本語未対応ということもあり海外の事例が多いのですが、知名度だけで見ても錚々たるラインナップです。
- リンカーン(自動車メーカー)
- SNICKERS(お菓子メーカー)
- Netflix Narcos・Marseille(ドラマシリーズ)
- ドミノピザ(ピザチェーン店)
- Tourism NZ(ニュージーランド政府観光局)
- Mitsubishi(自動車) など
ビッグプロジェクトも数多く、見ているだけでも楽しい良質なコンテンツが豊富に紹介されています。
制作に無料作成ツールであるGoogle Web Designerを活用している企業も少なくありません。
Google Rich Media Gallery(グーグルリッチメディアギャラリー)で検索すれば閲覧できるので参考にしてみてください。
リッチメディア広告の例で悩んだら
リッチメディア広告はメリットがたくさんあるものの、1点だけ注意すべきデメリットがあります。
それは初動から広告配信に至るまでの期間が長く、緻密な計画を立てないといけない点です。
つまり失敗した場合のリスクは他広告に比べて高く、成功させるには必勝パターンにつながるノウハウが求められます。
- リッチメディア広告で失敗したくない
- 広告効果をできるだけ100%に近づけたい
このようなご要望でしたらデジマクラスにご相談ください。
デジマクラスはWebマーケティング・デジタルマーケティング分野のコンサルティングを専門領域としています。
リッチメディア広告についても的確かつ必勝パターンのポイントを押さえたコンサルティングが可能です。
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まとめ
リッチメディア広告は視覚的な演出の幅広さからユーザーの印象に残りやすく、高いコンバージョンも期待できます。
Google公式のサポートも手厚く、有名企業でもGoogle Web Designerで制作した事例が豊富なWeb広告です。
ただし、失敗リスクをできるだけ回避するためにはヒットの法則をふまえた運用が求められます。
Webマーケティング・デジタルマーケティング分野に強いデジマクラスがお役に立てることも多くありますので気軽にご相談ください。