コンテンツマーケティングは低コストで長期的な運用が可能なマーケティングとして知られています。
日本でも2000年頃から注目されはじめた新しいマーケティング方法です。
では、実際どのように運用方法が最も効果的なのでしょうか。
また、どういった業種と相性の良いマーケティング方法なのでしょうか。
今回はBtoCコンテンツマーケティングに焦点を絞って解説していきます。
併せて成功事例や成功させるコツもご紹介します。
目次
コンテンツマーケティングの概要
コンテンツマーケティングとはどのようなマーケティングなのでしょうか。
ユーザーに対して価値のあるコンテンツ(情報)を提供することを指します。
その目的は以下の2つです。
- 自社のサービスや商品の購入を促すこと。
- 自社にとって優良なファンを獲得すること。
従来、この目的を達成するためにTVCMや新聞広告などのマスメディアを利用することが主流でした。
では、なぜ今コンテンツマーケティングに注目が集まっているのでしょう。
それはマスメディアにはないコンテンツマーケティングならではのメリットがあるからです。
コンテンツマーケティングには以下のメリットがあります。
- 1度配信されたコンテンツは蓄積され自社のブランディングに活用することが可能
- 長期的な運用で自社のファンを増やすことが可能
- 低コストで幅広い地域へのマーケティングが可能
その他にもユーザー同士での情報の拡散効果や自社のブランディングへの活用など、さまざまな活用法があります。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングには3つの種類があります。
- オウンドメディアマーケティング
- ブログマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング
これらは利用するメディア特性によってマーケティング手法は異なります。
コンテンツマーケティングには3つのメディアがある
インターネットを用いたコンテンツマーケティングに欠かせないのがトリプルメディア戦略です。
マーケティング担当者なら1度は耳にされたマーケティング方法でしょう。
トリプルメディア戦略とは、以下の3つのメディアに最適なマーケティングを行う戦略方法です。
- オウンドメディア
- ペイドメディア
- アーンドメディア
次に各メディアとの特徴とコンテンツマーケティングの関係性について解説します。
オウンドメディアマーケティングとブログマーケティング
オウンドメディアとは自社が運営するメディアのことです。
代表例にホームページやECサイトなどが挙げられます。
オウンドメディアを活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
比較的自由度の高いブログはユーザーに役立つ情報発信や社員の生の声を発信することが可能です。
これにより自社に対しての信頼感や親近感を高めることができます。
また、ホワイトペーパーなどの発行が可能なのも大きな特徴でしょう。
CTAボタンの活用で見込み客の獲得や購入アクションの確度を高めることが可能になります。
アーンドメディアとソーシャルメディアマーケティング
X(旧Twitter)などのソーシャルメディアのことをアーンドメディアといいます。
アーンドメディアは企業とユーザーのコミュケーションが図れる相互性の高さが特徴といえるでしょう。
アーンドメディアを用いたマーケティングをソーシャルメディアマーケティングといいます。
多くの企業が自社の公式アカウントを持っており運用を担当されている方もおられるのではないでしょうか。
有名な公式アカウントでSHARPやTANITAなどメディアでも話題のアカウントもあります。
アーンドメディアの最大の特徴は拡散力の高さといっても過言ではありません。
有益な情報やタイムリーな話題はたちまちユーザー同士で共有され拡散されます。
一方で炎上や信用問題に発展する危険性もはらんでおり運用には注意が必要でしょう。
ペイドメディアの活用方法
企業が広告料を支払って企業の宣伝活動を依頼するメディアを総称してペイドメディアといいます。
インターネットでのリスティング広告などのWeb広告もペイドメディアに含まれます。
Web広告は既存のTVCMや新聞広告と比べて低コストでの運用が可能なのが特徴といえるのではないでしょうか。
広告の掲出期間が限定されることや費用が他のメディアよりも割高なのがデメリットといえるかもしれません。
BtoCの特徴
BtoCとは企業の商品やサービスを直接消費者に提供するビジネスモデルです。
BtoBのように購入までの複雑な手続きがないことや買い手が多いのが大きな特徴といえるでしょう。
一方、企業のイメージや広告の印象など消費者の感情に左右されるのもBtoCならではの特徴でもあります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
コンテンツマーケティングがBtoCに効果的な理由
コンテンツマーケティングがBtoCに効果的な理由にビジネスモデルとの相性が良いというのが挙げられます。
では相性が良いとはどういうことを指すのでしょうか。
BtoCのビジネスモデルは消費者のニーズに最適な商品やサービスを提供することです。
コンテンツマーケティングも同様にユーザーにとって最適な情報を提供することを目的としています。
コンテンツマーケティングが成功することはBtoCビジネスの成功への近道であるといっても良いでしょう。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
BtoCコンテンツマーケティングの成功事例
では、実際にBtoC企業はどのようにコンテンツマーケティングを行っているのでしょうか。
ここからは6社の成功事例とマーケティングの特徴についてご紹介していきます。
くらしの良品研究所|株式会社良品計画
くらしの良品研究所はコラムを中心にしたオウンドメディアです。
くらしの研究所の特徴とは一体どのようなものなのでしょう。
それはユーザーからのリクエストを受け付けるコーナーを中心に据えているところです。
広くユーザーの声を集め商品開発までを紹介しているのが他のサイトではないユニークさといえるでしょう。
他にもローカルジャパンというコーナーでは全国のソーシャルグッドな活動を紹介。
企業だけでなく地域の情報も積極的に紹介しています。
くらしの良品研究所はサイトを通じて研究所とユーザーとつなぐ交流の場として機能しています。
マイカジ|花王株式会社
家事に特化した情報サイトです。
季節やライフスタイルなどさまざまなカテゴリーで家事にまつわるノウハウを紹介しています。
マイカジの特徴は自社の商品紹介ではなく家事をメインにコンテンツを構成しているところではないでしょうか。
ライフハック以外にもユーザーの悩みに寄り添うコラムも充実しているので読み物として楽しめます。
ユーザーの暮らしに合わせたカテゴライズを行っているので検索がしやすいのが人気の秘訣といえるでしょう。
また、コンテンツ自体も写真を用いるなど忙しい主婦や家事初心者にも読みやすく工夫されています。
旅ブロ|株式会社エイチ・アイ・エス
エイチ・アイ・エスの海外支店担当者が運用しているオウンドメディアです。
ブログ形式で読みやすく親近感のあるコンテンツなのが特徴です。
主におすすめのお土産や穴場スポットなど旅に役立つ現地の情報が満載で旅行前のワクワク感を高めてくれます。
パンフレットでは分からない現地の様子が手に取るように分かるのがこのサイトの魅力なのではないでしょうか。
他にも地域や車いすで行くツアー紹介などユーザーが検索しやすいサイト作りにも配慮がされています。
ニチイの介護サイト|株式会社ニチイホールディングス
介護にまつわる情報を集約したオウンドメディアです。
介護をサポートする家族や介護従事者をターゲットに幅広い情報を発信しています。
消費者だけでなく介護スタッフに向けのコンテンツを発信しているのが他の業界との違いなのではないでしょうか。
施設やサービス以外にも介護制度や認知症の基礎知識など専門性の高いコンテンツが充実しています。
多角的に社会福祉事業を展開しているニチイだからこそのコンテンツともいえます。
北欧、暮らしの道具店|株式会社クラシコム
北欧雑貨など扱うECサイト内でライフスタイルにまつわる情報をさまざまなかたちで提案しています。
北欧、暮らしの道具店は営業色がないことが大きな特徴といえるでしょう。
ECサイトでありながらセールスコピーなどがなくユーザーが楽しめるコンテンツ作りに注力しています。
ユーザーからも高い信頼を寄せられており、配信しているお役立ちコンテンツは検索上位を獲得することに成功しました。
一貫したユーザーファーストの姿勢で企業アカウントでも異例のフォロワー数を誇っています。
カエライフ|株式会社ホンダアクセス
カーライフを楽しむ情報をはじめキャンプや車中泊など様々なライフスタイルを提案するオウンドメディアです。
カエライフの成功の秘訣は良質なコンテンツ作りとターゲティングといえるでしょう。
従来カーパーツを扱う企業のユーザーは男性が多く車のパーツやカスタムについての情報が中心でした。
しかし、カエライフではサービスエリアのグルメ情報やキャンプなど幅広いジャンルを扱っています。
若年層や女性層など車に興味のない人々をあえてターゲットにしているからです。
この結果、既存の顧客以外にも潜在顧客へのアプローチが可能になり幅広い層のファンを獲得するに至りました。
6つの成功事例に共通して言えることは徹底したユーザーファーストであるということです。
ユーザーのとって利用しやすいサイト作りや役に立つコンテンツを提供することが成功の秘訣といえます。
コンテンツマーケティングの成功に欠かせないのが徹底したユーザーファーストの姿勢です。
BtoCコンテンツマーケティングを成功させるコツ
コンテンツマーケティングを成功させるには以下の3つのポイントを抑えることが重要になります。
- ターゲットの設定
- カスタマージャーニーマップの作成
- KPIの設定
この3つのポイントについて具体的にどうすれば良いかを解説します。
ターゲットを設定する
どんなマーケティングでもターゲットの設定は非常に重要といわれています。
コンテンツマーケティングでも同様で明確なターゲット設定を行わなければ決成功はしません。
では、どのようにターゲット設定を行えば良いのでしょうか。
- どんな人が自社の商品やサービスを利用してくれるのか。
- また、どんな人に自社のサービスを利用してほしいのか。
この2点を基本にすれば自然と明確なターゲットの設定が行えるはずです。
ターゲットが明確になることでメッセージにもストーリーが生まれ、ユーザーの感情を動かすことができるでしょう。
コンテンツマーケティングは人の感情に訴えるマーケティングです。
そういった点でもターゲットの設定は慎重に行うと良いでしょう。
カスタマージャーニーマップを活用する
ターゲットの設定ができたら次はカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
カスタマージャーニーマップとは一体どのようなものなのでしょうか。
消費者が商品やサービスを購入するまでの経緯をカスタマージャーニーといいます。
この旅の過程を1枚のマップに起こしたものをカスタマージャーニーマップと呼んでいます。
カスタマージャーニーマップを作成するとどのようなことが分かるのでしょうか。
マップには「いつ」「どこで」「何を」の他に「何を考え」「どう感じたのか」までを時系列に並べ記入します。
ここで重要なのが「何を考え」「どう感じたのか」の2点です。
ユーザーの思考や感情を視覚化することで彼らの悩みや興味が明確化されます。
これらをもとにコンテンツを作成すればユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツ作りが可能になるでしょう。
適切なKPIを設定する
KPIとは最終的な目標達成のために必要な中間目標のことを指します。
BtoCの最終的な目標が商品やサービスの販売です。
そこに至るまでにはさまざまなハードルが存在しているのを忘れてはいけません。
コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定は運営するメディアによって変わってきます。
例えばオウンドメディアであればPV数や資料請求や購入までの至るアクションを表すコンバージョン率など。
一方、SNSではいいねやフォロワー数などがありますが実際に購入までを目標にするのであれば視点を変える必要があります。
具体的にはSNSから自社HPを訪れた自社URLのクリック率などをKPI設定にすると良いでしょう。
盤石な運営体制で取り組む
コンテンツマーケティングにはコンテンツ作り以外にもさまざまな業務が発生します。
オウンドメディアならWebサイトの構築やデザイン、SNSなら日々の運用などです。
こうした作業は想像以上に煩雑で専門知識も必要でしょう。
1人の担当者では抱えきれない業務量になるのはもちろん、システムのトラブルや知見不足による思わぬ落とし穴も存在します。
こうしたトラブルを避けるためにも外部のデザイナーやシステム担当者など、専門のチームを編成し運営体制を整えることが必要です。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
BtoCコンテンツマーケティングで気をつけること
コンテンツマーケティングは低予算で始められる上にさまざまなメリットもある効果的なマーケティングです。
しかし、必ずしも期待通りの結果が出るとは限りません。
ここからはコンテンツマーケティングを導入する際に注意すべき点について詳しく説明をしていきます。
成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツマーケティングの効果が表れるのは一般的に半年~1年程度といわれています。
マーケティングを導入するなら長期的な運用を考えなければなりません。
中には2年以上の期間を要した企業もあり、その間もコンスタントに記事を掲載していくなど地道な活動を続ける必要があります。
コンテンツマーケティングで成功するためには長期的な目標設定と持続可能な運営方法を検討することが重要といえます。
効果検証は必須
コンテンツマーケティングを行う上での注意点でもお話ししたようにKPIなどの検証も必須になります。
実際にコンテンツを配信しても思うような反応が見られなかったというケースも少なくありません。
また、いいねやフォロー数が多くても実際の購入までに至らないこともコンテンツマーケティングではよくある話です。
定期的に検証を行い問題点や改善策を見出すのもコンテンツマーケティングには欠かせない作業といえるでしょう。
ニーズに対応したコンテンツ作成を心がける
コンテンツマーケティングで最も重要なのが良質なコンテンツです。
良質なコンテンツとはどのようなものを指すのでしょうか。
それはユーザーにとって有益なコンテンツです。
ユーザーの悩みを解決するお役立ち情報や最新のトレンド情報などがこれにあたります。
良質なコンテンツを継続的に提供することで固定ファンを獲得することができるでしょう。
それ以外にも検索エンジンでも高い評価をされるので結果的に上位表示につながります。
コンテンツマーケティングで成功するためには長期的な視点とユーザーの立場に立ったコンテンツ作りが重要になります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoCコンテンツマーケティングで集客力アップを狙おう
コンテンツマーケティングは従来のTVCMや新聞広告など違いさまざまなメディアの活用が可能なマーケティングです。
Web広告やSNSなどユーザーの目に触れる機会が多くなることで自社の存在を知らなかった人が顧客になる可能性も十分考えられます。
また、コンテンツに興味を持ったユーザーが情報を拡散するなどユーザー同士の結びつきが強固なのも大きな特徴といえるでしょう。
このような特徴を上手に活用することは自社の集客力アップにもつながります。
BtoCコンテンツマーケティングで悩んだら
コンテンツマーケティングはメリットもある反面、運用には煩雑な作業や専門知識が必要になります。
事前の準備や日々の運用など社内の担当者だけでは管理できない業務もあるでしょう。
そういった場合は外部の専門企業に業務を委託するのが効果的です。
デザインやシステム管理以外に目標設定や運用方法などコンテンツマーケティングに関わる業務実績のある企業にご相談されることをおすすめします。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
まとめ
今回はコンテンツマーケティングについて成功事例を交えて活用方法や運用について解説をしました。
コンテンツマーケティングは結果が出るまでに時間はかかりますが、それ以上にメリットの多い有益なマーケティングです。
消費者の広告離れが進んでいる中、自社の商品やサービスをアピールするには最適なマーケティングといっても良いでしょう。
コンテンツマーケティングの導入や運用についてお悩みの担当者の方はぜひデジマクラスにご相談ください。