サイト運営を行っていると、自社サイトや競合サイトの過去の状態を知りたいと思うことがあるかもしれません。
その場合に役立つツールが「Wayback Machine」です。
この記事では、Wayback Machineの特徴・使い方・利用するメリットなどを解説します。
また利用する際の注意点や活用方法に悩んだときの対策も説明していますので、サイト運営に役立ててください。
目次
Wayback Machineの使い方を解説
Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは、Webページの過去の状態を見ることができるツールです。
Wayback Machineにはこれまでに5000億以上のWebページが保存されています。
画像やコンテンツが当時の状態で再現され、ページのリンク先についてもデータがWayback Machineに保存されていれば閲覧可能です。
Wayback Machineをうまく活用すればより効率的なWebマーケティングができるため、ツールの使い方は必ず理解しておきましょう。
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Wayback Machineの特徴
ここではWayback Machineの特徴を解説します。
主な特徴は「無料で利用可能」「Webサイト以外のコンテンツも保存可能」の2点です。それぞれ以下で詳細な内容を説明します。
無料で利用可能
Wayback Machineは過去のwebサイトを閲覧できる非常に便利なツールですが、コンテンツを無料で利用することができます。
ツールの運営資金は利用者からの寄付で賄われているためです。
Wayback Machineはアメリカの非営利団体Internet Archiveが運営しており、インターネットの図書館というコンセプトで作られました。
Wayback Machineの登場により、デジタル形式で保存された歴史資料が将来にわたって利用できるようになったのです。
アーカイブされたWebサイトは、研究者から一般の人まで誰でも利用でき、時間や場所も問わず閲覧できます。
Webサイト以外のコンテンツも保存可能
Wayback MachineにはWebサイト以外にも映画・本・音楽・画像などのコンテンツも保存されています。
これらの過去のコンテンツを調べたい場合は、Wayback Machineのグローバルナビ部分でそれぞれのアイコンを選択すると閲覧可能です。
例えば本であれば200万冊以上が保存されていて、出版された年代・トピック・言語などでコンテンツを絞り込むことができます。
日本語の本も3000冊以上が登録されていて、本のジャンルも歴史書・小説・漫画などさまざまです。
Wayback Machineは無料で利用でき、Webサイト以外にも映画や本といったコンテンツも閲覧できます。
Wayback Machineの使い方
Wayback Machineで過去のWebサイトを表示するには、主に「URL検索」と「キーワード検索」の2つの方法があります。
また、特定のWebサイトについてどの時期の状態を見たいのか明確に決まっている場合は、検索期間の設定方法も知っておくと便利です。
以下では検索の方法と検索期間の設定方法を解説します。
URLの検索
Wayback MachineのURL検索では、特定のWebサイトの過去の状態を知ることができます。
URL検索を行うには、まずWayback Machineのトップページにある検索窓にサイトのURLを入力してください。
入力後に検索すると、該当のWebサイトについて閲覧したい期間を設定できるカレンダーの画面に遷移します。
そして検索期間を設定すれば、該当のWebサイトの過去の状態が表示される仕組みです。
キーワード検索
Wayback Machineのキーワード検索は、保存されているWebサイトのうち検索キーワードに関連するものを一覧で確認できる機能です。
キーワード検索を行う際は、Wayback Machineの検索窓に該当キーワードを入力してください。
検索結果にはキーワードに関連するサイト名やサイトURLなどが表示されます。
閲覧したいサイトのURLをクリックすれば、URL検索と同様に検索期間を設定できるカレンダーの画面に遷移する仕組みです。
検索期間の設定方法
URL検索またはキーワード検索を行って検索期間を設定する画面に遷移したら、ページ上部にある横軸の年表から閲覧したい年を選びます。
Webサイトのアーカイブが残っている年は黒いグラフで表示されているため、閲覧したい年はその中から選択しましょう。
年を設定すると、年表の下にその年のカレンダーが表示されます。
カレンダーにはWebサイトが保存された日だけが青く印づけられているので、希望の日にカーソルを合わせてください。
その日の中でサイトが保存された時間がポップアップで表示されるはずです。
時間の候補が一つだけであればそれを、複数あれば都合が良いほうをクリックします。
これで検索期間の設定は完了です。指定された日時のWebサイトが画面に表示されます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Wayback Machineを利用するメリット
Webサイトの過去の状態を確認できることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下ではWayback Machineを利用するメリットを解説します。具体的には以下の4つです。
- 自身の過去サイトを確認できる
- 競合サイトの過去のサイトを分析できる
- 現在と過去のサイトを比較できる
- ドメインの運用歴を確認できる
自身の過去サイトを確認できる
Wayback Machineを利用すれば、自身の過去サイトを当時の状態で確認することができます。
Webサイトを運営する上では、これまでのサイト運営の流れを知っておくことが効果的なマーケティング戦略を立てるために必要です。
Wayback Machineは過去のコンテンツやデザインなどを把握する手段になります。
サイト運営の変遷については前の担当者から說明を受けるかもしれません。
しかし説明と併せて実際に過去のサイトを見られれば、より具体的な理解につながります。
競合サイトの過去のサイトを分析できる
Wayback Machineは競合サイトの過去のサイトを分析するのにも役立つ点がメリットです。
Wayback Machineで競合サイトの過去の状態を見れば、競合サイトがこれまでどのようなWebマーケティング戦略を取ってきたのか推測できます。
これが、今後の自社のサイト運営方針を決める材料になるのです。
例えば競合サイトが急にアクセスを伸ばし始めたとしましょう。
Wayback Machineを使えばアクセスが増えた時期を調べ、その時期にどのようなコンテンツが追加されたのか確認することができます。
そうすれば、アクセスの伸ばし方やユーザーが求めていることを深く分析することが可能です。
現在と過去のサイトを比較できる
現在と過去のサイトを比較できることも、Wayback Machineを利用するメリットの一つです。
これは特にサイトリニューアルを行った際に役立ちます。
リニューアルでサイトのアクセス数などの数値が下がった場合、過去のサイトの状態を再現できれば効率的に原因を探ることが可能です。
Wayback Machineでは過去のサイトがリンク・画像なども含めて当時の状態のままで再現されるので、原因の追求に手間取りません。
実際に、Wayback Machineを利用して数値が下がった原因であるコンテンツを特定し、サイトの数値をすばやく改善できた例もあります。
ドメインの運用歴を確認できる
Wayback Machineを利用すれば、ドメインの運用歴を確認することも可能です。
Webサイトを立ち上げる場合、使用できるドメインには新規・中古どちらも存在します。
中古ドメインでWebサイトを立ち上げると、過去のサイトの評価が新規サイトに影響を与えることがあるため注意が必要です。
例えば、検索エンジンからペナルティを受けていた場合は新規サイトで良質なコンテンツを公開しても数値が上がらないこともあります。
Wayback Machineを利用すれば、取得を検討しているドメインで過去にどのようなサイト運営がされていたのか知ることが可能です。
ドメインの運用歴が分かればサイト運営に不利なドメインを取得せずに済みます。
Wayback Machineを使うと自社のサイトや競合サイトの分析が行えたり、ドメインの運用歴を確認できたりします。
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Wayback Machineに過去ページを保存する方法
Wayback Machineに特定のWebページを保存するにはどうしたら良いのでしょうか。
以下ではWayback Machineにページを保存する方法を紹介します。具体的には以下の2つです。
- 自動保存
- 手動保存
Wayback Machineが行う「自動保存」
自動保存とは、Wayback MachineがWebページのデータを自動的に保存する機能です。
Wayback Machineでは世界中のサイトのデータが定期的に保存される仕組みになっています。
しかしどのタイミングで保存されるのかは知ることができません。
そのため、確実に保存したいデータがある場合は手動保存をしておくことがおすすめです。
データを保存したい人が行う「手動保存」
特定のWebページのデータを確実に保存したい場合は、Wayback Machineに手動で保存することが可能です。
手動保存を行うには、まずWayback Machineのトップページにある「Save Page Now」の部分に登録したいページのURLを入力します。
「SAVE PAGE」ボタンをクリックしてPage save as [URL]と画面に表示されれば保存完了です。
Wayback Machineの過去ページを削除したい場合の対処法
Wayback Machineに保存されている過去のページを削除したい場合は、運営元であるInternet Archiveにメールで削除依頼をします。
メールには、削除を希望するページのURLを記載してください。
また削除の認証はWebサイトの運営者しかできない仕組みになっています。
そのため、メールのやりとりの中で運営者であるかどうかの確認が別途行われるはずです。
Internet Archiveはアメリカの団体であるため、メールの連絡は英語で行うことが必要になります。
Wayback Machineを利用する際の注意点
Wayback Machineを利用する際にはいくつか注意すべきことがあります。具体的には以下の2つです。
- データがない可能性がある
- 表示が遅い場合がある
データがない可能性がある
Wayback Machineを利用する際の注意点の一つは、URL検索を行っても求めているWebページのデータがない可能性がある点です。
既述の通りWayback Machineの自動保存はいつ行われているのか分かりません。
場合によっては希望する日時でデータが保存されていないこともあります。
定期的に保存しておきたいWebサイトがある場合は手動で保存作業を行っておくことが大切です。
表示が遅い場合がある
Wayback Machineでは、過去ページを表示する際に時間がかかることがあるのでツール使用時は注意しましょう。
時間帯などによってはカレンダーの画面から過去ページを表示するまでに10秒ほどかかることもあります。
表示が遅い理由は、Wayback Machineが莫大な量の情報を保有し、画像・動画などの再現を一気に処理しているためと考えられます。
またページの表示リクエストを1分あたり15回以上行うとエラー画面になる点も注意です。
エラーが発生するとWayback Machineを5分間使用できなくなってしまいます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Wayback MachineはSEO対策にも効果的
Wayback Machineは競合サイトの変遷を知ることができるため、SEO対策にも効果的です。
例えば検索順位が上がった競合サイトの過去の状態をWayback Machineで調べ、どんなSEO対策が行われたのか推察することができます。
検索順位が上がる直前に追加されたコンテンツがあれば、同等以上のコンテンツを自社で作ろうとなり、サイト運営の参考にしやすいです。
また、サイトを開設する前に競合サイトの変遷を知っておけば、自社のSEO対策の方針をより具体的に考えることができます。
さらに、新しくWeb担当者になった人の場合はWayback Machineを見たら自社のSEO対策が分かるので、改善策を考える際に便利です。
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Wayback Machineの使い方で困った時は?
Wayback Machineの活用方法で困ったら、デジマクラスなどのWebマーケティングに精通したコンサルタントに相談してみましょう。
Wayback Machineはあくまでツールですので、活用する側の知識やノウハウによってその有用性が左右されます。
Webマーケティングの専門的な視点があれば、サイトの過去の状態を見てサイト運営の施策全体を推察することも可能です。
Wayback Machineから得られる情報を最大限にして効率的にサイトを運営するためにも、コンサルタントに一度相談してみましょう。
まとめ
Wayback MachineはWebページの過去の状態を閲覧できるツールで、URLやキーワードを入力し閲覧したい期間を選択すれば利用できます。
誰でも無料で使用でき、Webページ以外のコンテンツも保存されているので非常に便利です。
また、自社や競合のサイトの過去の状態を知れたりドメインの運用歴を確認できたりします。
賢く活用すればSEO対策にも役立てることができるので、Webサイト運営を行っている人であれば利用しない手はありません。
Wayback Machineの活用方法で困ったら、デジマクラスなどのWebマーケティングに精通したコンサルタントに相談すると良いでしょう。