企業が成長していくには新規事業や事業拡大に取り組む事が必要です。

そのためには自社だけでなく協力関係を築ける企業を見つける事も大切になります。

しかし多くの企業の中からそうした企業を見つけるのは容易ではありません。

互いに高め合える企業と出会うきっかけを作ってくれるのがビジネスマッチングという仕組みです。

この記事ではビジネスマッチングの仕組みやメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

事業拡大や新規事業への着手を検討中の企業の方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスマッチングの概要

まずはビジネスマッチングの概要をご紹介します。

ビジネスマッチングは協力関係を築きたい企業同士を結びつけるサービスの事です。

すべての企業活動を自社の資金や人的リソース等で行う事は難しく、他社と協力した方が効率的なケースも少なくありません。

例えば専門的な知見のないA社が自社のみでWebマーケティングを行うと時間も資金も多く必要です。

その際にWeb関連の専門的な知見を持つB社と協力できれば、互いの持つリソースの活用ができます。

このように互いに協力できる企業が出会う機会を作るのがビジネスマッチングです。

ビジネスマッチングを行う目的

ビジネスマッチングを行う目的は簡単にいってしまえば、ビジネスの拡大や継続です。

基本的に企業の商品や人材などの需要と供給をマッチングさせるのがビジネスマッチングとなります。

したがってビジネスマッチングは以下のような目的を持って行われるケースが多いです。

• 新しい販売チャネルを開拓したい
• 仕入先等を見直して効率化を図りたい
• 専門的な分野をアウトソースしたい
• 新規事業のパートナーを見つけたい 等

事業活動を自社内のリソースのみに頼ると、必要な時間やコストが膨れあがる事は少なくありません。

ビジネスマッチングを活用すれば、事業活動を効率化したり迅速に新規事業に挑戦したりできます。

ビジネスマッチングの仕組み

ビジネスマッチングの仕組みとしては、主に以下の2つがあります。

それぞれについて順に見ていきましょう。

ビジネスマッチングサービスを活用

Web等で「ビジネスマッチングサービス」を利用する仕組みが一般的です。

マッチングサービスでは企業ごとに事業内容や実績等の詳しい情報が掲載されます。

パートナーとなる企業を探している企業は情報を見て、気になる企業に問い合わせを行う事が可能です。

またビジネスマッチングサービスに情報を載せておき、他の企業から問い合わせを受ける事もできます。

ビジネス拡大などを目指す企業同士が出会う場所として、こうしたサービスは非常に便利な方法です。

参加企業同士が直接交渉

Web等のサービスだけでなく、対面で企業同士が直接ビジネスマッチングの交渉を行う事もあります。

この仕組みは、ビジネスマッチングを目的に開催されるイベントで使われるのが一般的です。

イベントの参加企業は自社のアピールをしながら、パートナーとなる企業を探して直接交渉をします。

企業の担当者同士が互いの企業の雰囲気など企業情報以外も見る事ができるのが特徴といえる仕組みです。

なおイベント等に限らず、企業ホームページを見て担当者が直接アプローチをかけるケースもあります。

代表的なビジネスマッチングサービス

ここまでビジネスマッチングの概要や仕組みについてお伝えしてきました。

「実際にどのようなマッチングサービスが利用できるのだろう」と気になりませんか。

ここでは3つの代表的なビジネスマッチングサービスをご紹介します。

金融機関の紹介

ビジネスマッチングサービスの提供者として代表的なのが、メガバンクや地方銀行といった金融機関です。

こうした金融機関では数多くの企業と取引があり事業内容や実績・実態について熟知しています。

また中立的な立場から多様な業界や業種の企業同士をマッチングさせる事も可能です。

最適な企業同士が出会うきっかけを作る事で、企業の事業成長をサポートしているといえます。

銀行等のマッチングサービスに登録してから自社の課題を相談し、マッチングするのが一般的な流れです。

自治体が開催するイベント

自治体でも定期的にビジネスマッチングイベントや交流会を開催するケースがよくあります。

自治体の活性化を目的に行われる事が多く、地域密着でビジネスを展開させていくために有効です。

またイベントテーマが決まっており、ある程度共通項のある企業と効率的にマッチングできます。

ある地域の中で取引を拡大させたり横のつながりを作るために有効なサービスではないでしょうか。

ビジネスマッチングサービスを運営しているWebサイト

ビジネスマッチングサービスを行うWebサイトを利用する方法も人気です。

Webサイトでのビジネスマッチングサービスは、そのサービスに登録した企業同士がマッチングします。

イベント等と異なり、日時や地理的な要因に左右されにくく手軽に利用できる点が特徴です。

またサービスの登録企業はすでにビジネスマッチングを検討しており、交渉力もそこまで必要ありません。

企業の担当者にとって利便性の高いビジネスマッチングの手段といえるでしょう。

ビジネスマッチングを行うメリットは？

ビジネスマッチングには主に3つのメリットがあります。

取引量を増やすことができる

ビジネスマッチングを行う一番のメリットは取引量を増やせる事です。

多くの企業の中から自社の事業や経営戦略に適した取引先やビジネスパートナーを見つけられます。

特にスタートアップ企業や設立間もないベンチャー企業にとって効率的な取引量の増加は大きなメリットです。

また新たな販路の開拓などにおいても、ビジネスマッチングを行う効果が見込めるのではないでしょうか。

協業企業のブランド力を活かせる

ビジネスマッチングにより、有名企業等とマッチングできればそのブランド力を活用できます。

ブランド力は事業を展開していくうえで影響が大きいものの、一朝一夕には確立するのが難しいものです。

すでに高いブランド力を持つ企業と協業する事は自社にとってメリットをもたらしてくれます。

さらに協業企業へ自社から高い技術や専門性などを提供できれば長期的に良好な関係を築く事も可能です。

自社にないノウハウを獲得できる

ビジネスマッチングを活用する事で、自社がまだ持っていないノウハウを獲得できます。

ビジネスマッチングは経営課題の解決を目的に行われるケースが珍しくありません。

そして「必要とする技術を持つ人材がいない」などのノウハウに関する課題を抱える企業は多いのです。

自社で人材育成等を実現できると良いですが、時間や費用の面でそれが最善策ではないケースもあります。

新たなノウハウを獲得し、上記のような課題を解決できるのはビジネスマッチングの大きなメリットです。

ビジネスマッチングを行うデメリットは？

ビジネスマッチングは企業の活動にとって多くのメリットをもたらします。

しかしデメリットについてもしっかり認識する事は大切なポイントです。

ここではビジネスマッチングのデメリットを2つご紹介します。

必ずしもマッチングが成功するとは限らない

ビジネスマッチングを利用しても必ずマッチングが成功するとは限りません。

つまり、自社が求めるような企業が見つからないかもしれない事を認識しておく必要があります。

ビジネスマッチングにおいては自社だけでなく相手側も何らかの目的があるのが前提です。

そのため相手側の目的を満たしておらず、マッチングが成立しない事も充分あり得ます。

なお、ビジネスマッチングをする際は簡単に妥協して協業しないという選択がおすすめです。

マッチングを妥協してしまうと想定した成果が得られずコストばかりかかってしまうおそれがあります。

達成したい目的を明確にし最適だと思える企業とのビジネスマッチングを目指してください。

実際に成果を実感するまで時間がかかる

ビジネスマッチングはあくまで企業同士が出会うきっかけを提供するサービスに過ぎません。

相手企業が「本当に協業するメリットがあるか」「リスクはないか」等を詳しく調査する時間が必要です。

また良好な関係構築や取引がうまく継続していけるか等は、それぞれの企業の努力が求められます。

つまり、マッチング後に実際の成果が出るまでには時間がかかるのです。

またマッチングにより着手する事業によっては費用が発生します。

早急に成果を実感したいという場合、この点がビジネスマッチングのデメリットです。

計画書などを提出してもらい、綿密に検討したうえでマッチングすれば成果を早められる可能性はあります。

時間やコストがかかるケースもある事はビジネスマッチングの利用前に念頭におくようにしてください。

ビジネスマッチングを成功させるポイント

ビジネスマッチングを成功させるためには2つのポイントに必ず留意すべきです。

互いにWin-Winである

ビジネスマッチングを成功させるには互いにWin-Winである事が大切なポイントになります。

お互いに自社で補いたい部分をサポートできる関係の構築を実現させましょう。

また、ビジネスマッチングで価値提供ができるなら、それぞれの企業規模などはあまり影響しません。

たとえば、中小企業でも独自のノウハウ等があれば大企業にビジネスマッチングを通じて価値提供が可能です。

お互いメリットがあるかを意識してやり取りを積み重ねる事がビジネスマッチングを成功に導きます。

互いに相手企業を理解する

お互いにマッチングした企業をよく理解する事もビジネスマッチングを成功させるポイントです。

ビジネスマッチングサービスはきっかけであり、その後は相互理解を深めていく事が大切になります。

相互理解を深めて自社と取引や協業を行う事で見込める成果について有益な提案が必要です。

また対面だけでなくWebサイトでのマッチングもよく行われるようになりました。

そのためマッチングするのは近隣の企業などに限らず、遠方の企業の可能性があります。

地理的に離れている分、相手企業を理解するよう努める姿勢が一層求められるともいえるでしょう。

ビジネスマッチングの事例を紹介

ここではビジネスマッチングの成功事例を2つご紹介します。

ビジネスマッチングにより海外進出を成功させた事例

A社はアジア圏へ自社商品の販路を拡大していく事を検討していた法人です。

同社は地域のビジネスマッチングイベントに参加し、日本法人との連携に強い関心のある海外法人とマッチングしました。

このマッチングをきっかけとして商談を進め、最終的に目的のアジア圏への販路を獲得に成功しています。

同社がビジネスマッチングを成功させたカギは、あらかじめターゲットを明確にしていた点です。

そのため早期に目的に合う企業を見つけ出し、マッチングする事ができました。

ビジネスマッチングにより業務効率化に成功した事例

B社の事例はビジネスマッチングのWebサイトを活用した好事例です。

B社は特殊な部品を小ロットで生産する中小企業で、外注先を探していました。

上記のような特徴を持つ場合、大量生産と体制が異なるため外注先探しは難航するケースがよくあります。

そこでビジネスマッチングのWebサイトで公募を行い、最適な外注先を見つけ出す事に成功しました。

本事例のように外注先となる条件がある場合でも、幅広く公募できればマッチングが可能なのです。

結果としてB社は外注先を獲得して生産体制の効率化を実現し、相手企業は取引先獲得ができました。

ビジネスマッチングに悩んだら

ビジネスマッチングはうまく活用する事で、販路拡大や新規事業のパートナー探しなど様々なメリットを享受できます。

しかし、ビジネスマッチングサービスを使っても必ずマッチングできる訳ではありません。

そのため「マッチングできない」「相手企業が最適なのか不安」等、お悩みの担当者もいらっしゃいます。

ビジネスマッチングに関してお悩みがある場合は、デジマクラスに一度ご相談ください。

デジマクラスには豊富なマーケティング戦略の成功例がございます。

コンサルタントがお悩みを丁寧にヒアリングし、今後のビジネス展開を含めたベストなご提案が可能です。

現状分析も行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回はビジネスマッチングの仕組みやメリット・デメリット、成功のポイントを解説してきました。

ビジネスマッチングは企業同士を結びつけるサービスの事をいいます。

自社商品の販路拡大や業務体制の効率化の他、新たなノウハウの獲得等を実現する事が可能です。

またビジネスマッチングを成功させるにはWin-Winの関係を意識して互いに理解し合う事がポイントになります。

ご紹介した事例を参考にプロのコンサルティングも使って、ビジネスマッチングを活用してみてください。