BtoBでのEC導入メリットを解説!導入時のよくある課題は?BtoB-ECサイトの構築方法やEC導入時のポイントもご紹介

BtoB ECをご存知でしょうか。BtoB ECを導入して成功している企業が増えており注目を集めています。

BtoB ECとは企業が企業に対して行う電子商取引を意味し、多くのメリットが期待できるビジネスモデルです。

ただし、単にBtoB ECサイトを構築するだけでは、十分な効果を得ることはできません。

BtoB ECを成功させるには、その目的を明確にし効果的なサイトの構築・導入時のポイントを踏まえることが不可欠です。

BtoBでのEC導入メリットや課題に加え、BtoB ECサイトの構築方法やEC導入時のポイントも紹介します。

BtoBにおけるECの位置付け

BtoB ECの導入にあたっては、事前にBtoBにおけるECの意味や市場規模を正しく理解しておきましょう。

さらにBtoC ECにはない特徴を把握しておくことで、円滑に導入・活用することが可能です。

ここでは、導入前に理解しておきたいBtoBにおけるECの位置付けについて解説します。

BtoB ECの意味

BtoBとは「Business to Business」の略称であり、企業が企業に対してアプローチするビジネスモデルです。

ECとは「Electronic Commerce」の略であり、Web上でモノやサービスの売買を行う電子商取引を意味します。

すなわちBtoB ECとは企業が企業に対して行われる電子商取引のことです。

ネットを介することで、従来の電話やFAXなどを活用した取引よりも迅速に決済・発送することができます。

また、Web広告・検索により販路が拡大できることから、全国各地に新規顧客を開拓することも可能です。

したがって、BtoB ECは効率かつグローバルな取引が可能なビジネスモデルとして注目を集めています。

BtoB ECの市場規模

BtoB ECの市場規模は2015年には280兆円だったものが、2019年には350兆円を超えており拡大傾向にあります。

市場規模が拡大している理由の1つに、各企業において業務の効率化・コストの削減が求めらていることがあげられるでしょう。

また、取引先がいち早くBtoB ECを導入したことにより、BtoB ECの導入を求められることもあります。

いずれにしても各企業において業務のIT化が進んでいる現状では、さらにBtoB ECの市場規模は拡大が予想されています。

BtoC ECにはない特徴

BtoB ECは企業間での取引であることから、企業対個人の取引であるBtoC ECと比較すると取引にかかる金額が大きく異なります。

具体的にはBtoB ECが約350兆円規模なのに対し、BtoC ECは約18兆円規模であり約20分の1程度の市場です。

さらに、BtoB ECは企業間取引であることから「自動見積」「掛売り」機能が必須である点もBtoC ECにはない特徴です。

 

ワンポイント
BtoB ECは企業が企業に対して行われる電子商取引であることを理解しておきましょう。

BtoBでECを導入するメリット

企業間取引におけるBtoB ECの必要性は、今後も益々高くなることが予想されています。

多くの企業がBtoB ECを導入していることから、乗り遅れまいと導入を急ぐ企業も少なくありません。

しかし、BtoBでECを導入するメリットを正しく理解しておかなければ、上手に活用することはできないでしょう。

ここでは、BtoB ECの導入にあたって把握しておきたい、BtoBでECを導入するメリットについて解説します。

業務効率化

BtoBでECを導入するメリットとして真っ先にあげられるのが「業務効率化」です。

従来の取引ではまず取引先から見積書の提出を受け、電話やFAXなどで商品を注文するのが一般的でした。

見積もりの作成や発注作業においては手作業に頼る部分も多く、煩雑なばかりかミスが起こりやすいこともデメリットです。

BtoB ECでは見積書の作成や発注作業はシステム内で作成されることから、手間を省くことが可能となりミスも激減しています。

BtoB ECに伴う発注作業の負担軽減及び業務ミスの減少は業務効率化に大きく貢献しているでしょう。

新規顧客の獲得

従来型の営業手法では営業マンのスキルや経験が実績に大きく影響するだけでなく、成約までに多大な時間が必要でした。

BtoB ECでは営業マンのスキルや営業拠点からの距離などに左右されず、正確な販促情報を見込み客に訴求することができます。

なお、新規顧客を獲得するにはWebサイトへの誘導がカギとなり、いかに成約までの導線を確保するかがポイントです。

従来の営業スキルが不足していてもWebマーケティングを実践すれば、全国から新規顧客を獲得することが可能となります。

システム化による既存顧客からの受注増

BtoB ECを導入するにはシステム化が必要不可欠ですが、システム化を進めることで既存顧客からの受注増が期待できます。

リアルタイムで売り上げ状況が把握できることから、販売促進を目的として様々な仕掛けを施すことが可能です。

売り上げ状況から特定の顧客にニーズにマッチした販売促進のほか、新製品やキャンペーンの案内などを周知することができます。

また、BtoB ECを新規導入した顧客に対して優遇措置を講ずることで利用増を図ることも可能です。

既存システムとのデータ連携

既存システムとのデータ連携が可能であることもBtoB ECを導入するメリットの1つです。

BtoB ECを導入する際、既存顧客のデータ連携を行うことでこれまでの売り上げ実績をシステムに反映させることができます。

その結果、顧客のニーズにマッチした提案・販売促進が可能となり長期的な利用を促すことができるでしょう。

 

ワンポイント
BtoB ECのメリットを正しく理解してサイトの構築に取り組みましょう。

BtoB ECの種類

BtoB ECには「クローズドBtoB」「スモールBtoB(スモールB)」の2種類があります。

BtoB ECを有効に活用するには事前にそれぞれの特徴を把握しておくことが大切です。

ここではBtoB ECを有効活用するために理解しておきたい「クローズドBtoB」「スモールBtoB(スモールB)」の特徴を紹介します。

クローズドBtoB

クローズドBtoBとは既に取引のあるクライアントを対象としたBtoB ECです。

既存のクライアントのみを対象としているサイトであるため、検索エンジンで上位表示されるなど集客のための仕掛けは必要ありません。

クローズドBtoBの目的は、事業所側における受注業務や決済処理にかかる「業務の効率化」になります。

クライアントは事業者側から提示された「URL・ログインID・ログインパス」を持っていないとサイトに入ることすらできません。

スモールBtoB(スモールB)

スモールBtoB(スモールB)とは既に取引のあるクライアントに加え、一般の顧客も対象としたBtoB ECです。

新規顧客の獲得も視野に入れているサイトであるため、SEO対策やWebマーケティングの手法が必要となります。

スモールBtoB(スモールB)の目的は「業務の効率化」に加え「事業の拡大」「新規顧客の獲得」です。

営業マンではフォローしきれない遠方の顧客や、自社に興味を持つ新規顧客にアピールできるかが特徴だといえます。

BtoB ECの活用事例

事業者向け工業用間接資材を専門的に取り扱う「モノタロウ」は、BtoB ECの成功事例として頻繁に取り上げられています。

工場用間接資材を注文するには、カタログからの注文もしくは直接業者に依頼するのが通例であり非常に面倒です。

そこでモノタロウはスモールBtoB(スモールB)を展開することで、全国どこからでも簡単に注文することを可能としました。

小ロットであっても価格差がなく、当日出荷・翌日配送を可能としたことから既存顧客に加え、新規顧客に拡大に成功しています。

業務用食材の「フーズリッジ」もスモールBtoB(スモールB)を展開することで新規顧客の獲得に成功しました。

また、LINEやAmazonのアカウントから会員登録できる仕組みづくりを行い、リピーター獲得に向けて取り組んでいます。

 

ワンポイント
BtoB ECを成功させるには活用事例を参考にしましょう。

BtoB EC導入で直面する課題

ここまで紹介してきたとおり、非常にメリットの多いBtoB ECですが直面する課題があるのも事実です。

BtoB ECを成功に導くには事前にその課題を把握しておくことが大切だといえるでしょう。

ここではBtoB ECの導入にあたって、事前に把握しておきたい課題について解説します。

要件定義の負担が大きい

BtoB ECの導入において、真っ先に直面する課題がBtoB ECサイトに関する要件定義です。

クライアントの利便性を重視したBtoB ECサイトを構築するには、どういった機能を導入すべきかを慎重に検討する必要があります。

したがって担当者は営業マン・エンジニアらと綿密な打ち合わせ・調整が必要となり、サイト構築にかかる予算管理も不可欠です。

もちろんサイト構築後の修正も可能ですが、BtoB ECを成功させるには要件定義の成否がポイントであり負担も大きいといえます。

属人化している業務フローの洗い出しが必要

BtoB ECの導入はサイトの構築が全てではありません。業務フローを見直し再構築することも大切です。

とりわけ属人化している業務フローについては、丁寧に洗い出すことが必要不可欠だといえます。

洗い出した業務フローからBtoB ECサイトにマッチしたものに再構築する際には、シンプルな業務フローとすることが基本です。

特定の社員だけが使えるものではなく、誰もが簡単に理解できる業務フローを目指しましょう。

既存顧客への取引ルート変更のサポート

BtoB ECサイトが構築できたら、既存顧客に取引ルートの変更にかかるサポートを丁寧に行いましょう。

とりわけBtoB ECサイトを利用したことがないクライアントの場合、サポートが不親切だと他社に移行することにもなりかねません。

自社BtoB ECサイトを利用したことで、クライアントに「便利になった」と思わせることが大切です。

 

ワンポイント
BtoB ECの課題を事前に理解し回避する方法を講じましょう。

BtoBのEC構築は「簡単な範囲内からコンパクトに」が基本

BtoBのECサイトを構築する際、注意したいのが機能や商品の「詰め込み過ぎ」です。

多機能で多くの商品が紹介されているECサイトはとても魅力的ですが、最初から目指す必要はありません。

まずは「簡単な範囲内からコンパクトに」を基本に構築し、徐々に機能や商品を増やしていくのが理想的です。

理想のサイトにこだわり過ぎるとサイトの構築に時間がかかり、スピード感が失われることを心得ておきましょう。

 

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BtoB ECサイトの主な構築方法

BtoB ECサイトにはいくつかの構築方法があり、企業の課題・ニーズによって使い分けることが大切です。

言い換えれば構築方法の種類を理解せずに取り運ぶと、期待される効果が得られないことも考えられるでしょう。

ここでは、BtoB ECサイトを導入する際に理解しておきたい主な構築方法を紹介します。

ASP型

ASPとは「Application Service Provider」の頭文字を取った略称であり、必要なシステム環境などを提供するサービスです。

あらかじめECサイトの構築に必要な機能が備えられていることから、短期間でECサイトを構築・運営することが可能となります。

ただし、システム環境やテンプレートなどは既に完成されたものであるため、拡張性に乏しいのがデメリットです。

初めてBtoB ECサイトを構築するもしくは短期間でスタートさせたい場合に最適な構築方法だといえます。

パッケージ型

パッケージ型とは、ECサイトの基本機能をパッケージしたシステムを使って構築する方法です。

パッケージシステムはソフトベンダーが開発したものであり、導入する企業のニーズによって拡張・カスタマイズすることができます。

機能面での利便性が追求できるだけでなく、サイトデザインも比較的自由にカスタマイズできることからブランディングも可能です。

ただし、システムパッケージの購入・カスタマイズには大きな費用がかかることがデメリットとなります。

クラウド型

クラウド型とは、その名のとおりクラウド上で提供されるシステムを使ってECサイトを構築する方法です。

ASP型と似通った構築方法ですが、外部システムとの連携・フルカスタマイズが可能である点が異なります。

初期費用・毎月の使用料はパッケージ型と同等ですが、システムの更新にかかる費用は必要ありません。

ただし、ソースコードは企業側に公開されないので保守管理の面において注意が必要です。

フルスクラッチ型

フルスクラッチ型とはECサイトを一から構築する方法であり、企業独自のシステムを作り上げることができます。

システムの拡張・カスタマイズ・デザインの全てにおいて柔軟性があり、企業の思い通りのシステム運用ができる点が大きなメリットです。

ただし、システムの構築及びランニングコストには多大なコストがかかり、システム開発者との入念な打ち合わせが必要となります。

したがってBtoB ECサイトでの実績があり、さらなる業績拡大・業務の効率化を目指す企業に適した構築方法です。

BtoB ECサイト導入時のポイント

BtoB ECサイトを導入する際には、その後の運営方法もしっかりと視野に入れておきましょう。

中には「サイトを構築すればOK」とばかりに、全く運営に興味を示さない企業もあります。

定期的なリニューアルはもとより、クライアントの反応や集客状況を見据えて適時適切な対応を行うことが大切です。

言い換えればBtoB ECサイトは構築してからが「勝負」だと心得ておきましょう。

 

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BtoBのEC活用で成功をつかむなら

BtoBのEC活用で成功をつかむなら、デジマクラスのコンサルティングを活用しましょう。

BtoB ECサイトの構築は決して簡単なものではなく、豊富な経験や高い技術力が必要です。

とりわけ、サイトのコンセプトや方向性は売り上げに大きく影響することから、丁寧に検討することが必要不可欠だといえます。

デジマクラスのコンサルタントは様々な業種に精通しており、的確なアドバイス・サポートが期待できます。

 

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まとめ

企業が企業に対して行う電子商取引がBtoB ECであり、多くの企業が注目・実践しています。

BtoB ECには「クローズドBtoB」「スモールBtoB(スモールB)」の2種類があり、メリットは事業効率化・新規顧客の獲得です。

ただし、要件定義の負担が大きいなどの課題もあり、BtoB ECサイトの構築方法を理解し効率的に推し進めることが大切になります。

BtoB ECに取り組むには豊富な経験と高いスキルが必要であり、その習得にはデジマクラスのコンサルタンティングがおすすめです。

デジマクラスのコンサルタンティングは的確なサポートに定評があり、BtoB ECを成功に導くためのサポートが可能です。

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