SNSの利用者が増加の一途をたどる近年において、SNS広告を利用する企業もますます増えています。
SNS広告は種類が豊富で金額設定もわかりづらいことが多く、選定に悩む企業担当者も多いでしょう。
この記事では、それぞれのSNS広告の特徴や費用相場などの詳細を解説し、費用を抑えるためのポイントについてご紹介します。
効果的に広告を打つためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
SNS広告にかかる費用相場を解説
近年のSNS広告は運用型広告と呼ばれ、表示回数やクリック回数などによって費用が変わるのが一般的です。
そのため、出稿前にかかる費用を算定しづらく、また費用対効果が高い広告の選定も難しくなってきています。
せっかく広告を出すのであれば、費用対効果を最大限にできる広告を選びたいものです。
そこで、それぞれのSNS広告について特徴や費用の相場を詳しく調べ、以下にまとめました。
ぜひ各項目を参考にそれぞれの特徴を比較し、自社のコンテンツに合うものを選んでみてください。
SNS広告の課金形態をチェック
SNS広告の課金形態には、以下の4つのパターンがあります。
- インプレッション課金型
- クリック課金型
- インストール課金型
- 動画視聴課金型
それぞれの課金型の特徴について簡単に見ていきましょう。
インプレッション課金型
インプレッション課金型とは、広告に対するインプレッション=表示された回数によって費用が変わる課金形態のことをいいます。
CPM(Cost Per Mille)という1000インプレッションごとの金額が設定されている場合が多いようです。
表示されるだけで費用が掛かるためコストはかかりますが、認知を広げるためには有効な広告手法といえます。
ただし、広告を表示したユーザーのうちどれだけ動員につながったかが分かりづらく、効果を判定しづらいので注意が必要です。
クリック課金型
クリック課金型とは、広告をクリックされた回数によって費用が変わる課金形態です。
CPC(Cost Per Click)と呼ばれ、1クリック当たりの金額が設定されています。
インプレッション課金型は表示されただけで費用が発生するのに対し、クリックされるまで費用が掛からないのが特徴です。
そのため、インプレッション課金型に比べると無駄な出費が少なく、より興味を持ったユーザーに届きやすいといえるでしょう。
ただし、強い競合がいるなどクリックされやすい状況にある場合は、想定以上に広告費がかさんでしまう場合もあります。
インストール課金型
インストール課金型は、アプリをインストールされた回数によって費用が変わる課金形態のことです。
アプリの利用者を獲得するまで費用が掛からないため、無駄な出費を抑えられます。
しかしコンテンツに魅力がなければ提携先がメリットを感じにくく、CPMやCPCに比べ露出機会が減ってしまうのが難点です。
またインストールまでのハードルが高い場合、成果につながりにくい一面もあります。
その反面、一度インストールしたユーザーを見込み客として確保できるという利点も大きいといえるでしょう。
動画視聴課金型
動画視聴課金型は動画広告を流し、その視聴回数や表示回数などによって費用が変わる課金形態です。
動画にはスキップできるものやできないもの、動画コンテンツ内で再生されるものやそれ以外のものなど、様々な種類があります。
動画広告の一番のメリットは、アニメーションや効果音などを活用することで、より多くの情報を伝えられる点です。
その反面、強制的に時間を奪われることでストレスを感じるユーザーもいるため、手法の選定は慎重に行った方がいいでしょう。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNSの費用対効果は?
各SNS広告における費用対効果を単純に1つの指標で測定することは難しいのが現状です。
それぞれのSNSによってユーザー層や広告の特徴が異なるため、自社のコンテンツの特性に合わせて選択する必要があります。
そこで、次項からは代表的な4つのSNS広告についてそれぞれの特徴を挙げ、費用相場などを個別に見ていきましょう。
- LINE
- X(旧Twitter)
それぞれについて詳しく解説していきます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
LINE広告の特徴や費用相場
まずはLINE広告について、その特徴や費用相場を見ていきましょう。
LINEユーザーの特徴としては、とにかく利用者が多いことが挙げられます。
人数にしておよそ8600万人以上(2021年1月時点)、日本人のおよそ70%近くが利用しており、群を抜いて広く普及していることが特色です。
そしてそのうち80%以上もの人がアクティブユーザーとして毎日アプリを利用している点も見逃せません。
また、LINEアプリ単体ではなく、LINE広告ネットワークへの広告配信が可能であるという点も大きな特徴といえるでしょう。
LINE広告の特徴
LINE広告では、公式アカウントによるメッセージ配信の他、タイムライン投稿という形の広告枠も設けられています。
その他にもトークリストの上部やニュースページなど、様々な場所に広告欄が設置されており、その種類も豊富です。
課金形式としては静止画の場合はクリック型、動画の場合はインプレッション型と分類されています。
また広告には審査があり、全ての広告が掲載されるわけではないので注意が必要です。
費用相場
LINE広告には最低出稿金額はないため、低予算でも配信できると思われがちです。
しかし実際には入札形式で広告枠を取り合う形になるため、極端に低い予算では広告配信ができない仕組みになっています。
最低入札価格は動画の場合でCPM400円ですが、費用相場としてはCPM400~650円程度と見ておけばよいでしょう。
種類や広告数にもよりますが、月額で30万円程度になります。
広告は自分で出稿することもできますし、運用代行に依頼することも可能です。
運用代行に依頼する場合はその分の費用が掛かりますが、その分手間をかけずに効率よく運用できるというメリットもあります。
Instagram広告の特徴や費用相場
次にInstagram広告について、その特徴や費用相場を見ていきましょう。
Instagramのユーザー数はおよそ3300万人以上(2019年6月時点)で、今や若い女性だけでなく幅広い年齢層の男女に受け入れられてきています。
他人の投稿をシェアする機能がないため拡散性はありませんが、情報収集ツールとして利用されているという点が特徴です。
また、「インスタ映え」という言葉も一般化しているように、新鮮味があり目を引くような広告が受け入れられやすい傾向にあります。
Instagram広告の特徴
Instagramの広告には、タイムライン投稿とストーリーズ投稿の2種類があります。
それぞれに対しCPM・CPC・CPI・CPV(Cost Per View)の4つの課金形態から選択して設定することが可能です。
CPVの場合は10秒以上の再生ごとに課金対象となるため、目的によってCPMかCPVを選択するとよいでしょう。
認知度向上のためであればCPM、コンバージョン目的であればよりコンテンツの魅力を伝えられるCPVがおすすめです。
費用相場
Instagramでは1日当たり最低100円から配信が可能ですが、金額に応じて配信量が決まります。
そのため、あまりに少ない予算では十分に配信されることがなく、広告としての効果が期待できません。
効果を考えたうえでの費用相場としては、CPM150~600円程度といえるでしょう。
種類や広告数にもよりますが、月額で3~10万円程度になります。
Instagramでは、見栄えの良くない広告や何度も目にするような鮮度の低い広告は配信されなくなる傾向が高いです。
そのため、広告代理店やインフルエンサーに依頼して、ユーザーに受け入れられやすい広告を作成する戦略も必要になるでしょう。
X(旧Twitter)広告の特徴や費用相場
X(旧Twitter)広告についてはどうでしょうか。特徴や費用相場を確認していきましょう。
X(旧Twitter)ユーザーはおよそ5000万人(2021年1月時点)と、総数は頭打ちになった感がありますが、まだまだ若い世代を多く取り込んでいます。
匿名性が高いためユーザーの趣味嗜好や思想が反映されやすい傾向にあり、興味関心に基づいたターゲティングが可能です。
また情報の拡散性が高いため、工夫すれば費用以上の効果を得ることもできます。
X(旧Twitter)広告の特徴
X(旧Twitter)上の広告は、表示される場所によって以下の3種類に分かれています。
- プロモツイート(タイムラインに表示)
- プロモアカウント(おすすめユーザー欄に表示)
- プロモトレンド(トレンド欄に表示)
プロモツイートは通常のツイートと同様にリツイート機能で拡散されるため、認知効果が高いのが特徴です。
プロモアカウントはプロモーション用アカウントのフォロー数を増やしたい場合などに用いられます。
プロモトレンドはトレンド欄に表示されるため多くの人の目に止まりやすいのがメリットです。
1日1社限定で最上位に表示される「ファーストビュー」では、当然費用もかかりますが、その分注目度も高いでしょう。
費用相場
X(旧Twitter)広告も入札形式で金額が決定するため、いろいろな条件によって費用が変わってきます。
プロモアカウントはフォロワー1人獲得につき40~100円程度、プロモツイートではRT(リツイート)1件につき40~80円程度が相場です。
ただし、RT先でさらにRTされた場合は費用が掛からないため、予想外に拡散された場合でも予算内に費用を抑えることができます。
Facebook広告の特徴や費用相場
Facebook広告についても特徴や費用相場を見ていきましょう。
Facebookユーザーはおよそ2600万人(2019年4月時点)で、国内では利用者数の減少がみられます。
しかし40代から50代のユーザーにはまだまだ支持されており、その層に向けたアプローチとしては十分に効果的です。
Facebook広告の特徴
Facebook広告は6種類のフォーマットから選ぶことができ、課金形態はインプレッション課金型とクリック課金型の2種類です。
Facebook広告ではターゲティングの設定を「オーディエンス」と表現し、以下の3種類に分類しています。
- コアオーディエンス(年齢や居住地域などで絞り込む)
- カスタムオーディエンス(連絡先リストや特定のアクションで絞り込む)
- 類似オーディエンス(既存の優良顧客と似た傾向で絞り込む)
これらの精密なターゲティングにより、効果的に広告を配信しやすい点が大きな特徴といえるでしょう。
費用相場
FacebookもInstagramと同様に、金額に応じて配信量が決まる仕組みになっています。
そのため費用も予算に合わせて調整が可能ですが、やはりあまりに低予算ではせっかく広告を打つ意味がありません。
広告として効果がある範囲での費用相場としては、CPM200~800円程度が目安になるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
SNS広告の費用を抑えるために意識すべきこと
枠によって金額が一律に決まっている広告とは違い、SNS広告は工夫次第でその費用を抑えることが可能です。
できるだけ費用を抑えて広告を運用するために意識すべきことはあるのでしょうか。
広告費自体を削減するポイントと、手数料を削減するポイントについてご紹介します。
広告費の削減
SNS広告などの運用広告の場合は、広告費を削減してもその効果まで同様に減ってしまうとは限りません。
運用の仕方次第で、費用対効果を最大限に高めることが可能になります。
そのためにはターゲットを明確に決めてピンポイントにアプローチしたり、インパクトのある広告を作成したりという工夫が必要です。
改めてユーザーの目線に立ち、どういった広告であれば反応したいと感じるか想像してみるのも有効な手段でしょう。
日々の成果を見ながら改善に改善を重ねていくのも、運用型広告ならではの腕の見せ所といえます。
手数料の削減
SNS広告は運用代行を利用する企業も多いですが、それに付随して手数料も発生してしまいます。
手数料を削減するためには、運用代行業者の精査も欠かせません。
手数料の設定は業者によるところもあり、また究極の場合、自社の担当者が運用することで手数料をゼロにすることも可能です。
このように運用代行業者の選定に注意を払うことで、手数料の削減も可能になる場合があります。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNS広告の依頼先に悩んだら?
SNS広告の運用を代行業者に依頼する場合は、前述の通り業者の選定にしっかりと力を入れるべきです。
まずはSNS広告を打つ目的をはっきりさせ、その目的に沿って実績を出している業者を探しましょう。
そのうえで、その業者に依頼するコストが広告の効果に見合うかどうか精査し、最終的に依頼先を決定します。
費用は作業内容によりますので、作業のどの部分を外注するのかによっても変わってくるでしょう。
もしどうしても依頼先に悩む場合は、マーケティングのコンサルタントに相談するのも有効です。
SNSマーケティングの事例はこちら
まとめ
SNS広告は費用が流動的で、また種類も豊富にあるため、どれを選んだらいいか迷ってしまう担当者が多いでしょう。
広告を打つ目的を明確に決め、最短距離でその目標にアプローチできる方法を選択するためには情報集めが不可欠です。
丁寧に情報を吟味し、費用対効果を最大限に高めるSNS広告を打ち出しましょう。