KPIの設定方法を解説!KPIを設定する目的は?設定のポイントやWebマーケティングのKPI設定例もあわせてご紹介!

KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で日本語では「重要経営指標」「重要業績指標」などと訳されます。

目標を達成するためにプロセスが適切に行われているかを管理・評価する指標としてご存知の方も多いことでしょう。

適切な数値でKPIを設定できた場合は、組織全体の最終目標を具現化して目標を達成することができます。

本稿ではKPI設定のポイントや正しいKPI設定で得られるメリット、WebマーケティングのKPI設定例などについて解説します。

KPIの設定方法を解説

KPIを設定する時は、まず何のために設定するかということを十分に理解した上で目標を立てるようにしましょう。

そのためまずは組織が最終的に達成するべき目標にあたるKGI(経営目標達成指標)を設定しなければなりません。

その後、経営目標達成のために必要な各プロセスの到達目標にあたるKPIを設定していくことになります。

KPIを正しく設定することは、組織が高いパフォーマンスで目標を達成する上で必要不可欠です。

KPIを設定することでビジネスの現状が可視化され、課題や強みの発見や問題点の洗い出しに繋がるでしょう。

KPI設定の目的

KPIを設定する際には成果や活動の評価システムを体系化して組織の誰もがわかるように明確化することが大事です。

KPIが適切に設定されると目標が達成しやすくなりますし、チーム全体の最終目標へ向けてメンバーのパフォーマンも上がります。

こうしたプラスの変化は組織の団結力を高めることにも繋がるでしょう。

KPIはKGIを元に設定されるものです。KPIを設定することで最終的な達成目標がオープンになりプロジェクトの過程が可視化できます。

課題を明確にする

組織の最大の目標であるKGI、たとえば「次年度の売上げ100億円」などをただ掲げても意味がありません。

その大きな目標を達成するためにどのようなプロセスがあるかを考え、各過程の到達目標であるKPIを定める必要があります。

KPIを設定することは「見える化」「標準化」によって課題を明確にすることです。

これによって組織のメンバーは目標達成のために必要な個々の役割を再認識し、効率的に業務に取り組めるようになるでしょう。

目標が達成しやすくなる

KPIを設定して最終目標達成のために辿るべき道筋と課題が明らかになると、組織のメンバーは個々の役割を再認識できます。

同時にKPI達成のために必要な組織的・個人的課題も把握できるので、目標を達成しやすくなるでしょう。

KPIが目標として大きすぎる場合には、それをさらに小さな課題へと細分化していく作業が必要となります。

達成可能なレベルにまで小さくした目標を1つずつクリアしていくことが最終的な大目標の達成に繋がるのです。

組織の団結力を高める

適切なKPIの設定と定期的な再評価は、組織の目標を達成しやすくするだけでなくメンバーのパフォーマンスも上げてくれます。

またメンバー同士のコミュニケーションの活発化にも繋がり、組織の団結力向上が期待できるでしょう。

団結力向上によってさらに組織のパフォーマンスは上がります。

KPIの設定はこうした理想的なスパイラルアップのきっかけともなりえるのです。

 

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KPIとKGIの関係性

KGIは「Key Goal Indicator」の頭字語であり、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。

KPIが最終目標を達成するための進捗状況に関する評価指標であるのに対して、KGIは企業全体の戦略的な最終目標です。

KPIは最終的な目標であるKGIに至るまでの各段階での小目標にあたるともいえるでしょう。

そのためKPIはKGIを達成するために行わなければならない施策を最終目標から逆算して設定します。

KGIは達成すべき目標ですので設定後は変更しないことが一般的ですが、KPIは場合によって柔軟に変更する必要があります。

KPIの設定方法

効果のあるKPIを設定するためにはゴールにあたるKGIについて深く理解することが必要です。

適切に設定されたすべてのKPIが達成された時、KGIもまた達成されているでしょう。

逆にいえば、中間地点の評価指数であるKPIをクリアしない限り最終目標であるKGIが達成されることはありません。

数値化できるものの洗い出し

KPIを設定するには、第一に営業活動の中で数値化できるものを洗い出すことから始めましょう。

例として以下のようなものが挙げられます。

  • 成約率
  • 訪問件数
  • 顧客単価
  • 解約件数
  • 代金回収率
  • 資料請求の件数
  • アポイントの件数

営業パーソンが動かせる数字を設定

KPIを設定するには営業パーソンが動かせる数字を設定することが必要です。

たとえば訪問件数や成約率は営業パーソンが動かせる数字ですが、利益率は動かせない数字に分類できるでしょう。

実際に使える営業のKPIとしては、制約が見込める営業機会数・成約率・営業案件数・顧客単価・受注期間などが挙げられます。

KPIを設定するには営業パーソンが動かせる数字の設定が欠かせません。

KPIを設定するものを絞る

設定するKPIは必要最低限に絞ることが大事です。

KPIの設定をする時、あまりにも多くのKPIを設定してしまうと営業パーソンは混乱します。

色々な要素がありすぎて重視するべき指標がどれなのか判断が付かなくなるのです。悪くすると組織全体の混乱を招くでしょう。

有効な設定項目の例として営業機会数・成約率・営業案件数・顧客単価・受注期間を挙げることができます。

測定期間を定め適宜見直す

KPIの測定期間は週次、月次など短期間で定め、達成の度合いを評価して適宜見直すことが必要です。

簡単に達成できないような、目標として高すぎるKPIを設定しても意味がありません。

重要なのは小さな成功を積み重ねていくイメージです。PDCAのサイクルを意識してスパイラルアップを目指しましょう。

KPIの測定期間が短期間である一方、最終目標であるKGIは1年や3年といった長期間で設定されることが一般的です。

 

ワンポイント
適切なKPIの設定と着実な実行にもPDCAサイクルが欠かせない。

KPI設定のポイント

KGIという明確なゴールがあって、そこへ到達するために何ができるか、何をするべきかを「見える化」するのがKPIです。

設定は数字として確認できることが理想的です。全体で情報を共有することや進捗を見て変更を加えることも必要となるでしょう。

この項目ではKPIを設定する際のポイントを上記の他に4つピックアップしてそれぞれ詳しくご紹介します。

SMARTの法則を意識して設定する

適切なKPIを設定するためによく使われる目標設定法として「SMARTの法則」があります。

SMARTとは以下で紹介する目標達成に必要とされる5つのキーワードの頭文字からなる言葉です。

  • Specific(具体的でわかりやすい)
  • Measure(計測可能な)
  • Achievable(達成できる)
  • Relevant(関連した)
  • Time-bounded(期限を明確に定めた)

SMATの法則を活用することで適切な目標設定が可能となるでしょう。

またすでに設定してあるKPIも、この法則に改めて照らしてみることで問題点を浮かび上がらせることが可能となります。

KPIツリーを活用する

KPIはKGIを分解することで図に表すことができます。これが「KPIツリー」です。

KGIを頂点として樹形図的に枝を伸ばした複数のKPIを想像すると分かりやすいでしょう。

KPIツリーを作成して全体を可視化することで、目標達成までの道筋や組織と従業員の関係性を浮き彫りにできます。

可視化と標準化は個々の役割に対するメンバーの理解とモチベーションアップを促し、全体のパフォーマンスを向上させます。

KPI設定の数を増やしすぎない

営業活動を進めるにあたって重要となる指標には実に様々なものがあります。

新規コール数・新規メール数・飛び込み件数・資料送付数・通話時間、アポイント獲得数(率)など、挙げればきりがないほどです。

しかしKPIに関しては、あれもこれもと欲張って多くを設定するべきではありません。

KPIの数を増やしすぎるとどれが重要なものなのか判断が付かなくなり、現場に混乱が生じる可能性があるからです。

現場の混乱は全社に波及して、場合によっては目標達成に大きな遅れが生じる原因ともなります。

厳選された適切な数のKPIを設定するよう心がけましょう。

先行指標に着目する

企業としての最大の目標であるKGIを事業部レベル、部署レベル、課・個人のレベルへとブレイクダウンして設定するのがKPIです。

末端のKPIの先には次のKPIがあり、すべては樹形図の頂点にあるKGIへと繋がっています。

KPIの適切な設定のためには、それら先行指標にあたるKPIにも着目しましょう。

先行指標からいかに適切な主要課題を導き出すかが効果的なKPI設定の鍵となります。

 

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KPIを設定するメリット

KPIを設定するメリットの1つは施策の実施途中でその施策が適切に機能しているかを確認し軌道修正を図ることができる点です。

また目標を可視化してメンバー同士や会社全体で共有できることも大きな魅力だといえます。

最大の目標から細分化した目標に至るまで、すべてを企業内で共有することは生産性を向上させることに繋がるでしょう。

企業内全員が同じ目標に向かって行動することで社員全員のモチベーションが上がることや進捗管理ができることもメリットです。

KPIを自分自身で納得して設定すれば責任感の醸成やモチベーション向上にも効果があり、達成したいという意欲も強まります。

達成すべき期限や目標値が具体化され、進捗状況が明らかで目に見えて分かれば目標達成までのやる気も維持できます。

進捗が思わしくない場合にも中間地点でKPIの効果を測定し、早めに修正することが可能となるでしょう。

 

ワンポイント
KPIを設定することは企業の団結力とパフォーマンスアップに繋がる。

KPIの設定は組織のメンバーが納得することが重要

KPIの設定がモチベーションのアップに繋がることを紹介しましたが、そのためにはまずKPIに対するメンバーの納得が欠かせません。

KPIが単なる上層部からの押し付けになってしまっては逆にメンバーのやる気を削いでしまうことにもなりかねないでしょう。

KPIに対する納得感を得るための最適な方法は、KPIの設定の場面にメンバーひとり1人を参加させることです。

可能であれば個々人の意見を吸い上げ、設定に反映させましょう。これは当事者意識を育むことにもつながります。

大きな目標を達成するために、チームのメンバー全員がそれぞれ高いパフォーマンスを発揮できる環境を作りましょう。

 

ワンポイント
適切なKPIの設定にはメンバーの納得が必要不可欠。

WebマーケティングのKPI設定例

Webマーケティングの分野で設定されうるKPIとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 検索エンジンからの流入数
  • ディスプレイ広告からの流入数
  • 検索エンジンからの訪問者のCVR

WebマーケティングでKPIを設定する際も、KGIからブレイクダウンしていく過程を考えます。

たとえばECサイトの売上増加をKGIに設定してみましょう。

売上を伸ばすためには訪問客数を伸ばす、CVRを改善する、顧客単価を上げる、などの具体的な目標が想定されます。

導き出されたそれらの目標を達成するためにはどうするか、さらにそこからブレイクダウンを続けてKPIを設定していきます。

例①:コンバージョン率

CVR(コンバージョン率)はセッション数のうちコンバージョン(具体的成果)をどれくらい獲得できたかの割合を表す指標です。

ECの場合は商品の購入まで至った件数、資料請求数や問い合わせならその獲得件数をコンバージョンと見なせるでしょう。

KPI設定ではとても大事な指標です。アドビ社の調査によるとECサイトの全体の平均CVRは約3%といわれています。

例②:顧客単価

ECサイトで売上をアップさせるために重要な要素としてサイトのアクセス件数、購入率、顧客単価の向上が挙げられます。

顧客単価を上げるためには商品単価か1回あたりの平均購入個数を上げるというKPIを設定しなければなりません。

商品価値を上げて平均購入個数を上げるなど具体的な施策が必要となるでしょう。

 

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KPIの設定で困った時は?

ここまでKPIを設定することの重要性や設定のポイントについて解説してきました。

KGIという大きな目標を達成するためには適切なKPIの設定が欠かせません。

必要があればその下に「Sub KPI」を据えて、KPI達成のためのKPIとして活用しても良いでしょう。

企業の数だけKGIがあります。自社に最適なKPIの設定を目指してメンバーとの相談を重ねましょう。

ただ、KPIが適切かどうか判断できない場合もあるでしょう。そんな時はデジマクラスコンサルタントに相談してみてください。

マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、場合に応じた最適なアドバイスをさせていただきます。

 

ワンポイント
KPIの設定で困った時はプロに相談するのが解決の早道。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の記事ではKPIの設定方法やその目的について解説しました。

KPIはビジネスにおける最終的な目標であるKGIに対して設定するものです。

具体的に何を指標とするかは経営戦略やリードに対するアプローチによって異なります。

事業目標を達成するためには、その目標達成に必要となるプロセスを具体化して考えなければなりません。

KPIはビジネスの目標を誰でも理解できるように数値化した指標です。

KPIを設定しないと最終目標達成のための道筋は不明瞭なものになってしまうでしょう。

そうした事態に陥ると、組織のパフォーマンスも個々のモチベーションも低下してしまいかねません。

実現可能な目標としてのKPIを設定して、それを日々着実に実行し、KGIの達成を目指しましょう。

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