マーケティング活動や営業活動を効果的に行うために、パイプライン管理が重要といわれています。
しかし、パイプライン管理の目的や方法について詳しく知らないという人もいるのではないでしょうか。
パイプライン管理を行ううえで、関わるメンバー1人1人の理解が必要不可欠です。
今回は、そんなパイプライン管理について目的や方法だけでなく、注意点・ツールに至るまで詳しくご紹介します。
目次
マーケティングにおけるパイプラインの概要
パイプラインとは、営業活動に関連する業務をパイプに見立てて可視化したものです。
1本のパイプに見立てることで、一連の流れを把握しやすく、分析や改善に役立ちます。
マーケティング戦略の成功を考えるとき、営業部門の活動は目標達成に直結する重要な存在です。
しかし、その業務フローを把握することができなければ、売上や成約などの目標にどの程度近づいているのか分かりません。
そこで、パイプライン管理を行って一連の業務フローを把握していくのです。
BtoBにおける営業活動のプロセスを細分化してみていきましょう。
- お問い合わせ・アポイントメント
- ヒアリング
- 初回面談
- 見積もり
- クロージング
- 成約・受注
営業活動では、以上のプロセスによって成約・受注までつなげていきます。
パイプラインを分析することでさまざまな指標が分かることから、経営戦略の1つとして活用されるのがポイントです。
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パイプラインの種類は?
パイプラインには、セールスパイプラインとマーケティングパイプラインの2種類があります。
ここでは、この2つのパイプラインについてそれぞれみていきましょう。
セールスパイプライン
セールスパイプラインとは、営業活動におけるパイプラインのことです。
営業担当者から見込み顧客にアプローチし、購入顧客になるまでのプロセスを表します。
セールスパイプラインでは、プロセスだけでなく金額・案件数もプロセスごとに表すことが多いです。
プロセスごとに、どのような状況にあるのか分かりやすく可視化しましょう。
マーケティングパイプライン
マーケティングパイプラインとは、見込み顧客を生み出すための活動プロセスのことを指します。
見込み顧客を創出するためのプロセスを踏んだうえで、そのデータを営業部門に引き渡すのです。
データを基に営業部門が見込み顧客を購入顧客に成長させるため、マーケティングパイプラインは営業の基盤となるといえます。
そして、セールスパイプラインで何らかの不具合があった場合、マーケティングパイプラインを見直すという関連性があるのです。
パイプライン管理をする目的は?
マーケティングにおいてパイプライン管理が重要視されますが、その目的がよく分からないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、パイプライン管理をする目的を2つご紹介します。
目的を知って効果的なパイプライン管理を目指してください。
プロセスを可視化
パイプライン管理の目的には、営業活動のプロセスを可視化することがあげられます。
営業では、売上目標から逆算して商談数や成約数といった指標を打ち出すことが多いです。
パイプライン管理を行えば、各プロセスを時系列ごとに把握することができるでしょう。
目標に向けた計画を立案してもすべてスムーズにいくとは限らず、状況把握が必要になることもあります。
状況把握のためにも、プロセスの可視化は必要不可欠です。
改善点を見つける
改善点を見つけることも、パイプライン管理の目的の1つです。
先ほどお伝えしたように、プロセスを可視化することで状況を把握しやすくなります。
それはつまり、問題が生じたときに課題や改善点を見つけやすくなるということです。
パイプラインの管理方法
効果的なパイプライン管理を行うためにも、管理方法の理解は必要不可欠です。
ここでは、パイプラインの管理方法を6つの項目に分けてご紹介します。
営業プロセスの可視化
パイプライン管理ではじめに行うのは、営業プロセスの可視化です。
組織全体の営業活動を振り返る際には、個々のプロセスではなく統一されたプロセスが必要です。
そのため、まずは営業プロセスを可視化して業務の標準化を図りましょう。
これによって、個人の力量や努力に頼る営業活動を避け、パイプラインで分析しやすくなります。
プロセスごとの状況把握
営業プロセスを可視化したら、プロセスごとの状況を把握しましょう。
目標に対する到達度だけでなく、営業担当者ごとの偏りも確認していきます。
抽象的な視点ではなく、成約数や目標に対する達成度など具体的な数値で把握することがポイントです。
プロセスごとの課題を抽出
プロセスごとの状況を把握したら、そこから課題を抽出していきます。
目標に到達していない数値があれば、その原因を探りましょう。
プロセスごとの課題は、組織全体で共有することも大切です。
営業組織全体の課題を抽出
パイプライン管理で行うのは、プロセスごとの課題抽出だけではありません。
営業組織全体の課題も抽出し、組織力を向上させることも大切です。
特に営業マネージャーのようなマネジメントを行う立場にある人は、組織全体の課題に注目しなければなりません。
課題別に改善案を考える
抽出した課題に対して、課題別に改善策を考えます。
このとき、個人の課題なのか組織の課題なのかということにも着目しましょう。
営業担当者個人の改善が必要であれば、個別に改善策を考えなければなりません。
まずは、可視化した営業プロセスと比較して不足している点がないか振り返ることをおすすめします。
場合によってはOJTや研修を実施し、営業職としての能力を引き上げることも大切です。
組織全体の課題に対しては、営業マネージャーが先頭に立って改善策を立案しましょう。
マニュアルの作成・見直し、トークスクリプトの作成など組織の力が向上する改善策が必要です。
PDCAを継続的に回す
パイプライン管理は、課題の抽出と改善策の立案で終わりではありません。
改善策に沿って行動し、その効果を評価していきましょう。
そこで必要なのがPDCAサイクルを継続的に回すことです。
- P(Plan):計画
- D(Do):行動
- C(Check):評価
- A(Action):改善
ビジネスを行ううえでPDCAサイクルは当たり前だと思う人もいるでしょう。
その当たり前のことが、パイプライン管理でも重要視されているのです。
PDCAサイクルを回し継続的な評価や改善を行うことが、効果的なパイプライン管理につながるでしょう。
パイプライン管理のメリット
ここまでは、パイプライン管理の目的や方法についてご紹介しました。
パイプライン管理を行うことで、さまざまなメリットが期待されます。
ここでは、パイプライン管理のメリットをみていきましょう。
営業活動の課題を発見できる
パイプライン管理を行うことで、営業活動の課題を発見できるというメリットがあります。
業務フローを可視化できるパイプライン管理では、プロセスを細分化することで分析が行いやすくなるでしょう。
進捗状況や目標の到達度といったものも、業務の可視化によって把握することができます。
営業活動の中でトラブルが生じたり状況が芳しくなかったりするとき、精神論だけでは乗り越えることが難しいでしょう。
- なぜトラブルが生じたのか
- いつから遅れているのか
- どれくらい目標に足りないのか
これらのことを見出すためには、精神論ではなく根拠となるものが必要となります。
業務フローを可視化しておくことで、状況把握が容易になり課題の発見につながるのです。
営業担当者の成長を可視化できる
パイプライン管理によって、営業担当者の成長を可視化できることもメリットの1つです。
先ほどパイプラインの管理方法でご紹介したように、営業担当者の進捗状況や課題を見出します。
改善策を考え実行していくうちに、パイプラインにも変化が出てくるでしょう。
改善の前後で、営業担当者の成長を可視化した状態で把握することができるのです。
成長の可視化は、営業担当者の適正な評価にもつながります。
営業目標・売上計画の算出が可能
パイプライン管理のメリットとして、営業目標・売上計画の算出が可能であることがあげられます。
営業目標や売上計画は、四半期や年度といったスパンで考えていかなければなりません。
パイプライン管理を行うことで、営業活動のデータを蓄積していくことができます。
そして、データを基に根拠のある営業目標や売上計画の算出が可能になるのです。
パイプライン管理を行う際の注意点
パイプライン管理を行う際に、組織全体で注意しておきたい点があります。
注意点を知らずに実施すると、効果を得られないということになりかねません。
押さえておきたい注意点は主に以下の3つです。
- リアルタイムにデータを入力する
- 入力・分析作業は効率よく行う
- 組織全体で共通認識を持つ
営業活動のデータは日々変化していくため、リアルタイムなデータ入力が必要です。
営業担当者がデータ入力を怠ってしまうと、現状を把握することが難しくなります。
しかし、その入力作業が複雑だったり時間がかかったりすると他の業務に影響を与える結果になるでしょう。
また分析に時間がかかるのも避けたいところです。
そのため、入力・分析作業に負担がかからないよう、効率よく行う工夫をしましょう。
パイプライン管理を効率よく行いマーケティングで効果を出すためには、組織全体の共通認識も忘れてはいけません。
なぜリアルタイムな入力が必要なのか、パイプライン管理を行うことで何を目指しているのかということを共有しましょう。
・リアルタイムにデータを入力し反映させる
・作業の効率化を図り負担にならないようにする
・データの共有や共通認識を大切にする
パイプライン管理にはツールを活用しよう
先ほど注意点のところでお伝えしたように、パイプライン管理では入力・分析作業を効率よく行う必要があります。
そこでおすすめなのが、パイプライン管理にツールを活用することです。
パイプライン管理は、Excelでも行うことができますがリアルタイムな共有やデータの反映には向きません。
ツールを導入すれば入力したデータはリアルタイムに反映されます。
データのグラフ化も簡単にできるため、分析作業の効率もアップするでしょう。
ツールを活用するのであれば、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)がおすすめです。
パイプラインマーケティングの実践による施策の最適化
パイプラインマーケティングとは、先ほどお伝えしたマーケティングパイプラインとは異なるものです。
そもそもマーケティングパイプラインのプロセスには以下の3点があります。
- リードジェネレーション:見込み顧客の獲得
- リードナーチャリング:見込み顧客の育成
- リードクオリフィケーション:見込み顧客の中から購入の可能性の高い顧客を選別
そして、パイプラインマーケティングはリードジェネレーションの施策を最適化することを指します。
ビジネスとして行っている以上、マーケティングの最終的な目標は収益を向上させることです。
見込み顧客の獲得は大切なことですが、この部分に注力するあまり最適化できないことも少なくありません。
パイプラインマーケティングでは、それぞれのマーケティング施策がどの程度収益に貢献したのかを把握します。
そして、貢献度の高いマーケティング施策に対してさらに力を入れ、リードジェネレーションを効率化していくのです。
パイプライン管理とともに、パイプラインマーケティングについても押さえておきましょう。
パイプラインマーケティングの考えを取り入れることで、施策の最適化を図ることができます。
リードナーチャリングの事例はこちら
パイプラインの管理に困ったら
パイプライン管理は、営業活動のプロセスを可視化し評価・改善につなげることができます。
根拠のあるデータを基に、現状を把握したり改善点を見出すことができるでしょう。
マーケティング部門と営業部門をつなぐ架け橋としても重要なパイプライン管理ですが、管理方法に悩む人も多いのではないでしょうか。
また、ツールの活用がおすすめとはいっても自社にとってどのツールがいいか迷うこともあるでしょう。
もしパイプライン管理でお困りのことがあれば、デジマクラスにご相談ください。
マーケティングのノウハウを持ったコンサルタントが、最適なパイプライン管理ができるようサポートさせていただきます。
パイプライン管理におすすめのツールについても、併せてご提案することが可能です。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
今回はマーケティングで重要なパイプライン管理についてご紹介しました。
パイプラインにはセールスパイプラインとマーケティングパイプラインの2種類があります。
営業活動やマーケティング活動を可視化することで、進捗状況の把握が容易になり課題の発見にもつながるでしょう。
パイプライン管理を行う際は、実施して終わりではなくPDCAサイクルを回して継続的な評価や改善を行うことが重要です。
また入力や分析作業を効率よく行うためにも、ぜひツールを活用しましょう。
パイプライン管理を効果的に行うことで、目標達成に近づくことができるはずです。
効果的なパイプライン管理を実施し成果を出したいという場合は、デジマクラスにご連絡ください。
結果を重視するデジマクラスのコンサルタントが、最適なパイプライン管理をご提案させていただきます。