ABCDフレームワークは効果的な動画広告クリエイティブを作成するための要素としてGoogleが提唱しているものです。
最終的なコンバージョンに繋がる動画広告を作るため、このフレームワークを積極的に用いる企業は少なくありません。
今回の記事ではそんなABCDフレームワークの重要性について詳しく解説します。
動画広告でABCD各要素が果たす役割やABCDの詳細な手法・動画広告の実例もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
ABCDフレームが果たす役割
ABCDフレームワークはコンバージョンの獲得に効果的な動画広告を作成するためのガイドラインとしての役割を果たします。
ABCDフレームワークのABCDが示す要素はそれぞれ以下の通りです。
- Attract(ひきつける)
- Brand(ブランド)
- Connect(つながる)
- Direct(誘導する)
これらの要素に留意することで、企業はコンバージョンに繋がりやすい動画広告を作成することが可能となります。
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動画広告におけるABCDの重要性
ABCDフレームワークの各要素は視聴者とのコンタクトからコンバージョンまでの重要なポイントをもれなく押さえています。
まずは視聴者の注意を早めに引きつけなければなりませんし、ブランドのメッセージを端的に伝えなければなりません。
また様々な形で視聴者との繋がりを創出して動画とブランドを印象づけ、最終的な行動を促すことも必要となります。
これらすべてを網羅しているという点で、ABCDフレームワークは動画広告の作成にあたって非常に重要です。
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4つの要素の詳細
GoogleのABCDフレームワークを用いることで、企業はユーザーがコンバージョンに至りやすい動画広告を作成できます。
たとえばユーザーに最終的な行動を起こさせるためには「Direct」を充実させて積極的に行動喚起を行わなければなりません。
このようにABCDフレームワークの各要素はそれぞれが果たすべき役割を担っているともいえます。
ここではそんな4つの要素それぞれについて詳しくご紹介します。
Attract
ABCDフレームワークの4つの要素、1つ目は「Attract(ひきつける)」です。
動画広告には視聴者の心を一瞬で掴む仕掛けや目を引きつけて離さないための工夫がなければなりません。
こうした仕掛けや工夫がなければ、視聴者は動画広告の冒頭をやり過ごしてすぐに他のページやサイトへ移ってしまうでしょう。
ストーリーを持つ多くのエンターテインメントと同じように、動画広告も冒頭のツカミがとても大切です。
Brand
ABCDフレームワークの4つの要素、2つ目は「Brand(ブランド)」です。
Brandは、単に企業名や商品名を視聴者の記憶に残すことを狙って繰り返しアピールすれば良いわけではありません。
社名やロゴの表示は確かに重要ですが、表示の位置やタイミングを計算して効果的に行う必要があるのです。
この工夫をするかしないかで、視聴者への印象づけの結果は大きく変わってくるでしょう。
Connect
ABCDフレームワークの4つの要素、3つ目は「Connect(つながる)」です。
広告主は動画広告が映像と音声を用いてストーリーを伝えられる媒体だということを意識しなければなりません。
人は他者のストーリーというものに強く引きつけられる傾向があります。それを上手く利用して自社と視聴者を結びつけましょう。
特に広告のターゲットとなる人物を中心に起用してインパクトを持たせた動画広告が有効です。
Direct
ABCDフレームワークの4つの要素、4つ目は「Direct(誘導する)」です。
GoogleはABCDフレームワークの提唱にあたって、多くの動画広告でこのDirectが十分でないことを指摘しました。
視聴者との繋がりを築く所まではできていても、そこから先の行動喚起があまりできていないという指摘です。
動画広告はDirectの要素を充実させることによって初めて効果的なものになるといえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
視聴者の関心を引き込む方法
この項目ではABCDフレームワークの「Attract(ひきつける)」要素に関して具体的な方法をご紹介します。
動画広告で視聴者の関心を引き込む方法はいくつもありますが、特に効果的なものの中から2つピックアップしました。
動画広告作成の際はぜひこれらの方法を取り入れてみてください。
被写体はアップで使う
動画広告で視聴者の関心を引き込む方法、1つ目は被写体はアップで使うということです。
被写体が人物であれ商品であれ、カメラを引いた構図よりもアップの方が視聴者の関心を引くことができます。
シナリオ上の狙いがない限りは、冒頭では被写体をアップで捉えることを心がけた方が良いでしょう。
被写体をアップで捉えてみせることで、視聴者に動画広告の主役が誰であり、問題の中心は何なのかを伝えることができます。
冒頭の5秒を大事にする
動画広告で視聴者の関心を引き込む方法、2つ目は冒頭の5秒間を大事にするということです。
この5秒間のクオリティを高めることで、たとえスキップされても印象に残る広告を作ることができます。
可能なら冒頭5秒間に2つ以上カットを入れましょう。動き出した話の結末が気になって最後まで見てしまう人は少なくありません。
人物を登場させる場合は、視聴者に向かって語りかけることも関心を引くための手段として非常に有効です。
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ブランドの認知を促す方法
動画広告が作られる理由は様々です。ブランドの認知を促すことだけを目的とする場合も少なくありません。
視聴者に対してブランドの認知を促すにはバランスが重要です。あまりに押しつけがましいと逆に嫌われる可能性もあるからです。
この項目ではブランドの認知を促す方法の中から特に有効な2つを取り上げてご紹介します。
冒頭の5秒でブランド名を出す
動画広告ブランドの認知を促す方法、1つ目は冒頭の5秒でブランド名を出すということです。
先に紹介したAttractの項目で「冒頭の5秒間を大事にするべき」と説明しました。
ブランドの認知を促す場合も同様で、やはり冒頭5秒間のうちにブランド名や商品名を示し、視聴者に印象づけなければなりません。
視聴者が広告をスキップしても、冒頭の5秒間でブランドのロゴや名称を提示できていれば記憶してもらえる可能性があります。
またブランド名は連呼すれば良いわけではありません。動画広告のストーリーの中に自然に溶け込むよう工夫することが重要です。
ロゴを中央から左に配置する
動画広告ブランドの認知を促す方法、2つ目はロゴを中央から左に配置することです。
これにはロゴが見えなくなることを避ける狙いがあります。右寄りにするとロゴがスキップボタンで隠れる可能性があるのです。
せっかく配置したロゴや商品名が思いがけない隠れ方をしないように、中央から左寄りになるよう心がけましょう。
ロゴや商品名に限らず、動画広告に登場する重要なアイテムなども画面の右下に置かないようにすることが肝心です。
ブランドと視聴者を結ぶ方法
優れた動画広告にはブランドと視聴者を結びつける工夫が随所に施されています。
それらの工夫があって初めて視聴者に動画広告を最後まで見てもらえると考えた方が良いでしょう。
この項目ではブランドと視聴者を結ぶ方法を2つピックアップしてご紹介します。
どちらも視聴者の継続的なエンゲージメントを向上させるための有効な手段なのでぜひ取り入れてみてください。
ブランドに適した訴求をする
動画広告でブランドと視聴者を結ぶ方法、1つ目はブランドに適した訴求をすることです。
業界・業種・ブランドのイメージにふさわしい演出やメッセージを盛り込んだ動画広告を作成しましょう。
ただし、自社の都合ばかりを考えるのではなく、視聴者のニーズを満たすことを前提に作成しなければなりません。
視聴者が自社ブランドに求めるものは何なのかを徹底的に考え、訴求すべきは機能か感情か、それとも他のものかを見定めましょう。
ストーリーの中心に人物を据える
動画広告でブランドと視聴者を結ぶ方法、2つ目はストーリーの中心に人物を据えることです。
多くの人は他人の言動に興味を持ちます。人物を登場させ、視聴者に相手が何を伝えようとしているのか知りたいと思わせましょう。
視聴者に対して直接呼びかけたり語りかけたりして、登場人物のスピーチに集中させる手法は特に有効です。
ブランドの魅力を伝えるのにふさわしい人物は誰なのかを吟味し、その人物に何をどう語らせれば良いかを考えましょう。
直接語りかける手法はブランドと視聴者の間にある壁を壊し、距離を縮めるための効果的な手段の1つです。
視聴者に行動を促す方法
視聴者を引きつけブランドに興味を持たせることができても、「ではどうすれば良いか」を伝えきれないと動画広告は片手落ちです。
視聴者には必ず次の行動を促し、コンバージョンに繋がるよう工夫しましょう。
この点を満たしていない動画広告が多いという事実を、ABCDフレームワークの提唱にあたってGoogleも指摘しています。
この項目では動画広告で視聴者に行動を促す方法を2つ取り上げてご紹介します。
お得感や切迫感を与えるフレーズを使う
動画広告で視聴者に行動を促す方法、1つ目はお得感や切迫感を与えるフレーズを使うことです。
「今だけ半額」や「セール終了まで残り時間わずか」などのフレーズを効果的に用いることで視聴者に行動を促すことができます。
視聴者に「今行動しておかなければ損をしてしまう」という意識を持たせることができれば成功といえるでしょう。
自社商品・サービスを十分に伝えた後、ダメ押しのように行動を促すことでコンバージョン率を高めることができます。
具体的な行動を促すフレーズを使う
動画広告で視聴者に行動を促す方法、2つ目は具体的な行動を促すフレーズを使うことです。
どんなに優れた内容の動画広告を作ることができても「ではどうすれば良いか」が伝わらなければコンバージョンには繋がりません。
自社商品・サービスの購入・加入方法を具体的に伝え、すぐに行動するように視聴者に訴えかけましょう。
「いいねを押してください」や「チャンネル登録をお願いします」などの具体的なフレーズを盛り込むことも重要です。
視聴者への適切な行動喚起ができていれば実店舗への来訪やプランへの加入といったステップアップが起こりやすくなります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
理想的な動画広告の例
ABCDフレームワークを活用した動画広告を作成するにあたって優れた動画広告を参考にすることはとても重要です。
他社が動画広告でどのような訴求を行っているかABCDフレームワークの考え方を軸に分析してみましょう。
この項目では理想的な動画広告の実例を3つ取り上げてご紹介します。
Indeed
理想的な動画広告の例、1つ目はIndeedです。
Indeedは一般的な求人サイトではなく、求人情報を専門的に扱う検索エンジンとして知られています。
動画広告では、冒頭からすぐにブランド名を出すことを欠かしていません。
その後、魅力的な登場人物によるユーモアたっぷりな展開で視聴者を引きつけ、距離を縮めます。
オファーの提示の仕方も自然で分かりやすく、ブランドの魅力を過不足なく伝えることに成功しています。
サントリーウェルネス株式会社
理想的な動画広告の例、2つ目はサントリーウェルネス株式会社です。
サントリーウェルネスは美容サプリメントやスキンケア商品を扱う事業を展開しています。
「Liftage」という製品の動画広告では複数の著名な人物をモニターとして登場させました。
1分を超える動画広告で、その間ずっと動画の上下に製品の詳細な情報が静止画として固定されています。
「初回限定50%OFF」「送料無料」などのお得な情報を強調することも忘れていません。
動画と静止画の良さをどちらも取り入れた広告といえるでしょう。
株式会社NTTドコモ
理想的な動画広告の例、3つ目は株式会社NTTドコモです。
NTTドコモは日本最大手の携帯電話の無線通信サービス事業者として広く知られています。
「ギガホ・ギガホライト」の動画広告では視覚に強く訴えかける配色と人物の魅力で冒頭から視聴者を引きつけて放しません。
短い動画なのでストーリーはありませんが、伝えるべき内容を強く印象づけることに成功している広告の好例といえるでしょう。
ABCDフレームを用いた動画広告の作成で困ったら
ABCDフレームワークを用いて優れた動画広告を作成するためには動画と広告の両方に関して技術と知識が必要です。
また業界や業種、ユーザーのニーズについて一定の知見があることも重要といえるでしょう。
もしも自社にリソースがない場合は、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
Webマーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではABCDフレームワークの重要性について解説しました。
動画広告の需要は近年ますます高まっています。今後もABCDフレームワークを用いた動画広告がどんどん登場することでしょう。
今回の記事を参考にして、ぜひ他社に負けない良質な動画広告を作成してみてください。