マーケティングでは商品開発のためや顧客動向を知るための市場調査は重要なものです。

ただ市場調査にはどのような方法があるのか、費用はどのくらいかかるのかが気になるところです。

こちらでは市場調査の料金体系について解説しています。市場調査の種類や注意点なども紹介しているので参考にしてください。

市場調査で行うこと

グラフ,アップ

市場調査は顧客の動向や意向を数字で把握する調査をいいます。

市場調査で行うことは目標を立ててデータを集め分析することや、仮説を立ててデータを収集しそれを検証することなどです。

調査方法はさまざまです。それぞれにメリットはあるのですが1番多く使われるのはネットリサーチでしょう。

1度で多くの人数のデータを収集でき、比較的低コストで迅速な調査が期待できます。

市場調査は企業のマーケティングには欠かせないものですが、その費用も気になるところです。

 

消費動向・購買モデルの事例はこちら

 

市場調査の費用と所要時間に要注意!

費用

市場調査の費用は内容ごとに違っており、各リサーチ会社によって設定されています。

総合的に良心的な価格となっているものや、基本料金は低価格でもオプションが加わることで高額になる会社もあるのです。

また調査にかかる日数も各会社で幅があります。タイムリーに調査を依頼したいのなら費用の他に調査期間にも注意が必要でしょう。

予算に合うことも大切ですが、必ず納期も確認して見積もりを取るようにしてください。

見積もりは当然ですが数社で出してもらうと比較できてよいでしょう。

リサーチ会社の料金体系

コスト,費用

市場調査を依頼するのはリサーチ会社ですが、目的に合わせた料金体系で選ぶことも1つの業者選びの方法となります。

基本料金にすべてが含まれている料金体系と、本調査のみの料金提示で別途料金という場合があるのです。

会員登録することで料金体系が変わる場合や、月額定額料金でサービスが使い放題というプランもあります。

また明確な料金体系の業者もあれば、曖昧な料金表示となっているところもあるので、注意しましょう。

市場調査の主な手法の費用と納期

費用

市長調査の手法には大きく分けて「定量調査」「定性調査」があります。

定量調査は数値で表すことのできるデータを収集し分析する手法です。

定性調査は数値にできない感情や行動で見えて来る情報を探り、データ分析する手法です。

費用相場

定量調査の場合、設問数やサンプル数によって料金は違ってきます。またインターネットリサーチの場合は低コストのことが多いです。

インターネットでの調査でアンケートデータのみ納品の場合10万円以内という例もありますが、相場は20万円前後です。

その他郵送調査・該当調査など50万円前後、訪問調査では100万円を超えサンプルが増えれば600万円前後の調査費用がかかる場合もあります。

定性調査ではインタビュー形式での調査など踏み込んだ調査が必要となるため、調査人数(サンプル)の割に費用相場は高くなっています。

定性調査の費用相場は100万円前後で、50万円から200万円位の費用がかかる場合が多いです。

平均的な納期

納期も定量調査のインターネットリサーチが最も早く、最短1日での納品をうたっている業者もあります。

インターネットでの調査の場合、2日前後が平均的な納期となるでしょう。

その他の調査ではやはり1ヵ月ほど納期がかかるため、迅速な調査結果が望めるインターネットの調査が好まれるのでしょう。

定性調査の場合は納期も定量調査より日にちがかかる場合が多く、平均1ヵ月から長い場合には2ヵ月位かかることもあります。

迅速な調査が望まれる市場調査に逆行するようですが、消費者の深層心理もつかめ商品開発のヒントになる調査もまた大切なのです。

 

ワンポイント
市場調査の主の手法は「定量調査」と「定性調査」でそれぞれで費用も納期も違います。

市場調査の目的は?

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市場調査は顧客が商品やサービスに対してどう感じているのか、という評価を数値で明確に知る事を目的としています。

定性調査の場合は数値だけではわからない消費者の心の中の正直な思いを深掘りして、仮説を構築し数値の結果を理由付けします。

そうして得た結果で消費者が求めているものを知り、ニーズに合わせた商品開発に役立てるのが目的です。

市場調査を行う意義

市場調査を行う意義は顧客の気持を広く知り、喜ばれる商品やサービスを開発することにあります。

顧客が商品やサービスに対して満足しているかいないかを数字で把握し、それはどういう理由なのかを深掘りして把握します。

市場調査は企業にとって顧客の動向を知ることと、顧客の求めているものを探るためにも必要なことといえるのです。

市場調査結果の主な活用方法

市場調査はお話してきたように顧客の気持を知るための調査といえるのですが、その得られた結果はどう活用されるのでしょうか。

市場調査の結果は新商品の開発に活かされます。自社商品だけでなく、同業他社の商品との比較なども開発のヒントになるのです。

顧客が購入しやすい価格も調査結果を参考にして設定されることも多いのです。

 

ワンポイント
市場調査の目的は消費者の動向や考えを知りニーズに合わせた商品開発に役立てることです。

市場調査の種類は?

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市場調査の必要性についてはお分かりいただけたでしょうか。市場調査にはさまざまな種類があります。

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

その1:定量調査

すでにお話しましたが、市場調査でもっともよく使われるのが定量調査ではないでしょうか。

定量調査は数値で表せるデータを収集して分析する調査方法です。

例えば商品を購入した人に向けて、その商品を気に入ったか気に入らなかったか・価格は高いか安いかなど項目を分けて答えてもらいます。

その回答によって、満足した人の割合や価格はどのくらいが妥当なのかが数字で明確になるのです。

インターネットでのアンケート調査も多くなり、比較的低コストで迅速な回答が期待できるのも定量調査のメリットといえるでしょう。

その2:定性調査

定性調査は消費者の感じ方をより深く調査する手法です。定量調査では満足度は明確に出ますが、どうして満足なのか理由はわかりません。

どういった所が満足できたのか、ここがこの価格でも購入したいと思う理由だなどという原因を探ることができるのです。

市場調査で定量調査と定性調査を組み合わせるのは、数字で導き出した答えを検証することでより確実なものにできるからなのです。

その3:ホームユーステスト(HUT)

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ホームユーステストとは定量調査の手法の1つで、新製品などを対象者に一定期間試してもらい感想を回答してもらう方法です。

期間を決めて試してもらうため途中経過の確認が必要など手間はかかりますが、生の声を聞くことができるのはメリットでしょう。

その4:会場調査

会場調査は、ホームユーステストと同じように商品を対象者に試してもらい感想を聞く定量調査の手法の1つです。

対象者に会場へ集まってもらい一斉に商品を試してもらうため、その日の内に結果を回収できます。

生の声を聞くことができ、回答をより深く聞き出すことも可能になります。

その5:グループインタビュー

グループ

グループインタビューは5、6人の対象者を集めインタビュー方式で回答を導き出す定性調査の手法の1つです。

商品について、またサービスについて深いところまで聞き出すことが可能なので、より顧客の思いを商品開発に活かすことができるのです。

グループでインタビューを行うメリットは、1人の意見に共感した何名かがまた活発な意見を発表して多くの意見が聞けることでしょう。

ただ、人の意見に流されてしまうことも考えられインタビュアーの力が大切になります。

その6:デプスインタビュー

デプスインタビューとはインタビュアーと対象者が1対1で対話しながら回答を導き出す定性調査の手法の1つです。

じっくりと時間をかけて話し合えるので、さまざまな質問に答えてもらうことが可能になります。

また曖昧な回答に関しても、会話をしながら探り出すことができることもデプスインタビューのメリットといえるのです。

1人にかける時間が長いのはメリットであると同時に、コスト面でいうと単価が高くなり費用がかさむデメリットにもなり得ます。

 

ワンポイント
市場調査の方法は定量調査のインターネットリサーチからインタビュー形式のものまで様々です。

 

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市場調査をする上での注意点

ポイントを解説する男性

市場調査は正確にデータを収集できれば企業のマーケティングには不可欠なものです。

顧客の動向を知り思いを知ることで、より顧客に喜ばれる商品やサービスを開発することができるのです。

ただし市場調査をするには注意しなくてはいけない点もいくつかあります。どのようなことに注意が必要なのでしょうか。

調査目的を明確にする

市場調査を依頼する時には、なぜ調査をするのかその目的を明確にしておく必要があります。

ただ単に数字を出す事が目的ではなく、顧客の気持を知る事を目的と考えて調査を依頼する必要があるのです。

調査結果によって商品を改良し、より顧客に喜んで購入してもらいたいという気持ちこそが市場調査の目的でなければならないのです。

定量調査と定性調査の両方実施で深掘りする

その目的のためには、数値の結果だけでなく顧客の本音を知る必要があります。

定量調査と定性調査を共に行うことで、顧客の真実の声を聞くことができ調査結果を深掘りすることが可能になるのです。

定量調査で得た結果をもとにその原因を深く掘り下げるために定性調査を組み合わせることで、より調査は確実なものになります。

また定性調査で仮説を構築することで、それをもとにして仮説を定量調査で検証することが可能となるのです。

定量調査と定性調査を上手に組み合わせることが必要になるでしょう。

サンプル数は適切に設定する

グラフ

市場調査ではより詳細な結果を求めるのなら、サンプル数は多い方がより良いといわれます。

ただサンプル数は多ければよいという訳ではなく、求める結果内容の許容誤差と予算に合わせて適切な数を設定する必要があります。

より精度の高い調査が必要な場合にはサンプル数を多くする必要はあるでしょう。

調査票が結果を左右することに留意する

調査票を作成する場合、その結果を左右する設問内容や設問数に留意する必要もあります。

設問内容についてはどのような点に注意が必要なのか挙げてみましょう。

  • 誘導的にならない
  • 主語を必ず入れる
  • 専門用語や略語は使わない
  • 差別用語・過度な敬語謙譲語は使わない
  • 1つの設問は1つの内容だけにする

「この意見に賛成ですか…はい/いいえ」これは誘導的な設問です。

この場合は「どう思いますか…賛成/反対/どちらともいえない」とするべきなのです。

あなたはどう思うか、あなたは一日に何度携帯を見るか、など主語は必ず入れて下さい。

専門用語・略語・過度な敬語は使わない方が良いでしょう。また差別用語にも充分な注意が必要です。

AとBについて質問しますと1つの設問に2つの事柄を入れないようにしましょう。

設問数は対象者が積極的に回答できる数に抑えると正確性が高まります。

一般的に回答者のモチベーションが維持できるのは20問前後といわれています。あれもこれもと設問数を増やすことは逆効果です。

また回答時間は長くても10分以内に回答しきれるような設問数が理想です。

選択肢は5段階を限度にすると対象者が迷わず回答しやすくなるでしょう。

市場調査をより精度の高いものにするために様々なことに気を配りながら、マーケティングに役立ててください。

 

ワンポイント
市場調査をする上での注意点を考慮しながら調査結果をより正確なものにすることが大切です。

市場調査の事例

アイコンとタブレット

続いて市場調査で成功した事例をいくつか紹介しましょう。

アサヒビール「ドライゼロ」

ノンアルコールビールでは「オールフリー」「キリンフリー」などにおされシェア2%ほどだったアサヒビールの例です。

市場調査でノンアルコールビールを飲むのは女性だけでなく、ビール愛好者の男性もノンアルコールを飲むという実態を掴んだのです。

そこであえて男性的なイメージで男が飲むノンアルコールビールをコンセプトにして、「ドライゼロ」をシェア24%以上に引き上げました。

セブンイレブン「金の食パン」

セブンイレブンはアンケート調査からみた消費者の、値段は高くても上質な美味しいものを好む傾向から「金の食パン」を開発しました。

さらにホームユーステストを取り上げ、徹底的にテストマーケティングを行い価格250円を割り出し大ヒットしたのです。

市場調査の費用で悩んだら

悩む男性

様々な成功事例があるように、市場調査はマーケティングに於いてもっとも重要なものといっても過言ではないのです。

そのためには単に形式だけの市場調査を行うのではなく、より効果的な市場調査を行うことが大切になるのです。

どのような調査が必要なのかどういう方法が効果的なのか、また費用の面でも悩むことも多いでしょう。

そんな時にはデジマクラスに相談してください。しっかりとサポートして問題解決し、マーケティングを成功に導きます。

 

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まとめ

コンサルタント

市場調査には定量調査と定性調査があり、両方を上手に組み合わせて活用することが市場調査を成功させるためには必要です。

費用はその内容や方法により違ってきますが、定量調査はインターネットリサーチなど比較的低コストで行われるものもあります。

納期はインターネットリサーチで1、2日から定性調査では2ヵ月程かかる場合もあり、調査内容により方法を考える必要があるでしょう。

市場調査を成功させるためには注意点に留意しながら、より効果的な調査を行う必要があるのです。

市場調査の方法や費用に悩んだら、デジマクラスなどコンサルタントに相談することで問題を解決しましょう。