「相手に伝わる説明をしたい」「自分の中で整理ができない」こんな悩みをもつ人は多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、ビジネスコミュニケーションのフレームワークともいわれる「5W1H」です。
5W1Hは英語の授業などで学びますが、どのようにビジネスに活かすのか知りたい人は少なくないでしょう。
今回は、5W1Hをビジネスで活用するメリットや活用方法について詳しく解説します。
目次
5W1Hの考え方はビジネスに活用できる
5W1Hの考え方は、英語を使う時に限らずビジネスに活用できるとされています。
実際にビジネスシーンで活用する人も大勢いますし、ビジネスマナーの研修に使われることもあるのです。
しかし、どのような場面で活用するのか具体的に分からないという人もいるでしょう。
まずは、ビジネスシーンでこのような悩みがないか振り返ってみてください。
- 上司に報告しても上手く伝わらない
- 相手に「結局何が言いたいの?」と言われる
- 連絡した後に漏れがあることに気づくことがよくある
- 情報の整理が上手くできない
ビジネスにおいて「報告・連絡・相談」はとても大切なことです。
しかし、「報告した」「連絡済」というだけでは意味がありません。
相手にしっかりと伝わってこその「報告・連絡・相談」なのです。
5W1H踏まえて伝えることで、これらの悩みを解消することができるでしょう。
また5W1Hは自分自身の思考の整理に使うことができます。
そんな5H1Hは以下の頭文字を取ったものです。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
具体的な5W1Hの考え方は、この後詳しくご紹介します。要点を押さえてビジネスコミュニケーションを円滑にしましょう。
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5W1Hの考え方
5W1Hは、英語の授業などで学んだ覚えがある人は多いのではないでしょうか。
ここでは5W1Hの意味を振り返りながら、ビジネスに活用する時の考え方を見ていきましょう。
When:いつ
Whenには「いつ」という意味があります。
ビジネスで活用する時には、以下のような考え方をするのがポイントです。
- 4月10日に
- 5日6日午後3時
- 6月7日まで
- 7月1日~7月10日の期間
ピンポイントで日付を当てはめるだけでなく、期限や期間といったことも「When」となります。
ビジネスを行う上で、時間を守ることはとても重要なことです。
5W1Hを活用すれば、ビジネスに必要不可欠な時間を漏れなく伝えることができます。
Where:どこで
Whereは「どこで」という意味があり、場所を伝えるために使います。
ビジネス活用する時は、以下のような考え方をするのがポイントです。
- A会議室で
- 株式会社Bの第1会議室で
- 〇〇ツール上で
このように、Whereを活用して具体的な場所を示します。
社内会議の場所や社外の人との打ち合わせ場所などは、外してはならない項目です。
対面ではなくWeb会議システムを使う場合は、システム・アクセス方法も忘れずに伝えなければなりません。
また、ビジネスにおけるWhereの考え方の1つに販売チャネルやルートが含まれていることも押さえておきましょう。
Who:誰が
Whoには「誰が」という人を表す意味があります。
ビジネスで活用する時のWhoの考え方はこちらです。
- 担当者
- クライアント
- 顧客
- 競合他社
先ほどお伝えしたミーティングの場所を表す時は、「担当者」「クライアント」としてWhoを使うことが多いです。
それだけでなく、ビジネス上ではターゲットを絞るために「顧客」や「競合他社」としてWhoを考えることも押さえておきましょう。
What:何を
Whatは「何を」という意味があり、ビジネス上で扱う商品やサービスとして考えることが多いです。
しかし、それだけに限らずWhatは様々なことを示すのがポイントです。
例えばビジネスでWhatを考える時には、以下のようなことを当てはめていきます。
- 商品やサービス
- コンセプト
- 価値
- 内容
商品やサービスは多くの人がイメージできることではないでしょうか。
それだけに留まらず、ビジネスで使うWhatにはコンセプトや価値といった考え方も含んでいるのです。
また、ミーティングの連絡などでは「〇〇についての説明」といった内容を表すこともWhatとして考えます。
Why:なぜ
Whyはビジネスで考えを巡らせるのに重要な「なぜ」を意味します。
このWhyは、以下のような例でビジネスに活用しましょう。
- 顧客満足度を向上させるため
- 業務効率を上げるため
- クレームが発生したため
どのようなことでも、何を変える時や行動する時にはその背景があるはずです。
Whyはそんな背景を伝えるということを考慮するといいでしょう。
Whyを明確にすることで、伝えたい内容に説得力が生まれることを押さえておいてください。
How:どのように
Howには「どのように」という意味があり、ビジネス上では手法や手段と考えることが多いです。
例えば、以下のようなことがビジネス上のHowに当てはまります。
- マーケティング手法
- システムやツール
- 活用する媒体
- フレームワーク
Howを使って、これらのことを明確にしていきます。
5W1Hを活用する必要性は?
ビジネスで活用できる5W1Hは、ビジネスマナーの研修でも使われるほど必要性が高いとされています。
ここでは、なぜ5W1Hを活用する必要があるのか見ていきましょう。
まず、ビジネスにおいて「報告・相談・連絡」が重要だということは先ほどお伝えした通りです。
もしこの内容が漏れてしまうとどうなるでしょうか。
例えば「When」が漏れると、期日が分からない・日程の把握ができないという事態になります。
「Why」が漏れた場合は、「なぜ行う必要があるのか」が相手に伝わりません。
社内での連絡なら確認するだけで済むかもしれませんが、相手がクライアントだとどうなるでしょうか。
トラブルが起こったり、不信感につながるリスクがあることはいうまでもありません。
相手に何かを伝える時は「漏れなく」を意識しなければならないのです。
そういった意味で、5W1Hはビジネスコミュニケーションに必要とされています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
5W1Hをビジネスに活かすメリット
5W1Hをビジネスに活用することのメリットをご紹介します。
メリットを知ることで、より必要性を理解することができるでしょう。
網羅的に情報を把握できる
5W1Hをビジネスに活用するメリットは、網羅的に情報を把握できることです。
相手に何かを伝える時に「漏れ」があってはならないことは先ほどお伝えしました。
また、漏れだけでなく「被り」がない方が理想的です。
5W1Hの活用によって「漏れなく被りなく」情報を伝えることができるでしょう。
そして相手にしっかりとした情報を伝えるということは、自分自身の把握にもつながります。
情報を共有しやすくなる
5W1Hをビジネスに活用することで、情報を共有しやすくなるといったメリットがあります。
もし5W1Hを活用せず、伝えるべき情報が漏れていたらどうなるか考えてみましょう。
「場所はどこ?」「目的は?」「何を使う?」と、不足した情報を補うやり取りが発生する事態に陥ってしまうのではないでしょうか。
不足した情報を補うために何度もやり取りをしていると、どこかでまた漏れてしまったり共有しきれなかったりすることがあります。
また複数人で共有すべき情報だった場合には、補った情報を全員で共有できてないというリスクもあるのです。
こういった事態を防ぐためには、正確に必要な内容で情報共有をしておくことが求められます。
5W1Hを活用することで、必要な情報を網羅しそれが正確な情報共有につながるでしょう。
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5W1Hのデメリットは?
メリットばかりに見える5W1Hですが、ビジネスに活用する上でデメリットもあります。
5W1Hのデメリットは、こちらの2つです。
- 文章が冗長になりやすい
- 情報が足りない・当てはまらない場合がある
「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を埋めていけば、必要な情報を網羅することができます。
しかし、1つ1つを深堀していくと文章が冗長になってしまうでしょう。
あまりに冗長になると、本当に伝えたいことが分かりにくくなってしまう恐れがあります。
そのため情報を網羅しつつ、不要な部分を省くことが必要となる場合があるのです。
また、ビジネスで5W1Hを活用すると足りない情報が出てくることもあるでしょう。
その足りない情報とは「どちら(選択)」「誰のために(ターゲット)」「いくら(費用)」です。
これらの情報を補う方法は、この後詳しくご紹介します。
5W1Hをビジネスに活かす方法
5W1Hの考え方やメリット・デメリットが分かったところで、ビジネスに活かす方法を見ていきましょう。
5W1Hを有効活用するために、どのようなステップが必要なのでしょうか。
5W1Hの要素を書き出す
5W1Hを活用する時は、まずそれぞれの要素を書き出していきます。
こちらが要素を書き出した例です。
- When:8月1日午前11時
- Where:〇〇株式会社で
- Who:営業部長の〇〇様が
- What:当社の商品Aを
- Why:顧客の反響が好調なため
- How:追加で〇個納品希望
最初は「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」の順番で書き出すのがポイントです。
時間や場所を最初に置くことで、その後の内容を把握しやすくなるでしょう。
そして「誰が・何を」という結論、「なぜ・どのように」という結果に至った過程を説明します。
順番を変更して分かりやすく組み立てる
5W1Hの要素を書き出したら、次は順番を見ていきましょう。
先ほどお伝えしたように、基本的に「いつ・どこで」から書き始めるのがポイントです。
しかし、何を最も伝えたいかによって順番を変更することもできます。
また、相手がどのような情報を求めているかによって順番を変えるようにしてください。
ただし5W1Hの要素を漏れなく伝えることは忘れないようにしましょう。
順番を決めたら、すべての要素を分かりやすく組み立てて文章にします。
5W1Hの活用例
5W1Hのビジネスへの活用は、自分自身の思考の整理や相手への伝達だけではありません。
他にも5W1Hを活用すると、目標達成のための過程作りや問題解決につながることがあるのです。
ここでは、5W1Hの活用例を2つご紹介します。
目標達成のための過程作り
5W1Hの活用例として、目標達成のための過程作りがあげられます。
例えば目標を「成約率〇%アップ」として5W1Hを活用してみましょう。
- When:いつまでに達成するか
- Where:どこにアプローチするか
- Who:誰が担当するか
- What:何をすべきか
- Why:なぜそれが必要なのか(Whatに対して)
- How:どのようにアプローチするか
このように、目標を達成するために必要な要素を5W1Hを使って書き出していきます。
ここではそれぞれ1つずつあげましたが、実際は複数個要素を出すこともあるでしょう。
5W1Hを活用して深堀していくことで、目標達成のために必要なアイディアが出てきて過程作りに役立てることができるのです。
問題解決方法を導き出す
5W1Hは問題点を見つけ出すことに活用することができます。
「なぜなぜ分析」と呼ばれる分析方法も、5W1Hの活用の1つです。
この場合、5WのWを「Why」に絞り「理由・原因」と「方法」を軸に考えていきます。
例えば「顧客から電話対応についてクレームが増えた」という課題について、なぜなぜ分析をしてみましょう。
- Why:顧客対応が十分できていないから
- Why:電話対応が遅れているから
- Why:対応できる人数に限りがあるから
- Why:会議や打ち合わせで部署外にいることが多いから
- Why:誰も電話を取れない状況ができてしまうから
- How:部署内でスケジュールを共有し電話対応できるような仕組みを作る
このように「なぜ?」を5回繰り返すことで、原因を深堀りすることができます。
そして、それらの原因をもとに「どうすれば解決できるか」という結論を出すのです。
これも5H1Hの活用として、ビジネスに活かす企業がたくさんあります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
5W1Hの発展系の特徴
5W1Hには、そのデメリットを補うための発展系があります。
不足した情報や5W1Hに当てはまらない時に使うものです。
ビジネスで5W1Hを活用する時に押さえておきたい発展系の特徴を2つ見ていきましょう。
5W2Hの考え方
5W2Hは、5W1Hに「How much」を加えたものです。
「How much」とは「いくら」という意味で、ビジネスでは以下のことをさします。
- コスト
- かかる費用の要素
- 売上
- 損失
つまり、お金に関わることのほとんどが「How much」として考えると思ってください。
「いくら」という要素は5W1Hにはない項目ですが、マーケティングをはじめビジネスでは必要な場面が多いでしょう。
必要に応じて5W2Hの考えを取り入れていくことが大切です。
7W2Hの考え方
7W2Hは、5W1Hに以下の要素を足したものです。
- Which(どちら):選択肢・比較対象がある場合にどちらがいいか示す
- Whom(誰に):ターゲット・対象を明確にする
- How much(いくら)
「How much」については、先ほど5W2Hでお伝えした通りです。
WhichやWhomは、マーケティングでターゲットを明確にする時に活かされるでしょう。
Whoでもターゲットを示すことはできますが、7W2HでWhomをいれた方がより明確になります。
まずは5W1Hに当てはめて、足りなければ要素を加えるのも1つの方法です。
5W1Hの活用方法に悩んだら?
5W1Hはビジネスシーンで様々な活用ができます。
ビジネスマナーの研修で扱われるほど、ビジネスコミュニケーションで必要とされているのです。
また、5W1Hはフレームワークとして課題解決や目標達成にも活用されます。
しかし活用方法が多岐にわたりどのように活用すればいいか悩む人もいるでしょう。
5W1Hの活用方法に悩んだら、デジマクラスのコンサルタントにご相談ください。
最適な活用方法を一緒に考えていきましょう。
マーケティングフレームワークの事例はこちら
まとめ
今回は、5W1Hをビジネスに活用する方法についてご紹介しました。
「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を表すのが5W1Hです。
これらの要素に当てはめていくことで、自分の思考を整理するだけでなく相手に漏れなく情報を伝えることができるでしょう。
ビジネスで活用する時は、必要に応じて「5W2H」や「7W2H」も使うことをおすすめします。
5W1Hはビジネスで様々な活用ができます。活用方法に悩んだら、ぜひデジマクラスにご相談ください。