インターネット環境の整備とデジタルデバイスの普及によって知りたい情報に誰でも素早くアクセスできるようになりました。
このことがビジネスに与えた影響は多大です。今後はいっそう顧客ひとり一人に合わせたマーケティングが重要になるでしょう。
そのような変化に比例して、ビジネスにおけるデジタルマーケティングの重要性はより高まっていくことが予想されます。
今回の記事ではデジタルマーケティングを経営者目線でみた時の考え方について解説します。
今後のデジタルマーケットの行方や全体を俯瞰する意識の必要性についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
目次
デジタルマーケティングを経営者目線でみた考え方を解説
デジタルマーケティングという言葉は、それを発する人の立場や用いられる場所・文脈によって意味が異なる場合があります。
経営者が口にするデジタルマーケティングと現場で使われているデジタルマーケティングは必ずしも同じではありません。
経営者には、そんな違いまで含めて全体を俯瞰できる位置に立ち、司令塔として采配を振るうことが求められます。
自分の考えを現場で動くマーケターと共有し、各部門の動きを統一感のあるものにしていく必要があるでしょう。
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経営者目線で見えてきたこと
経営者はデジタルマーケティングという言葉を株主など社外のステークホルダーたちとの対話の中で用いることがあります。
その時デジタルマーケティングという言葉は将来に対する会社の姿勢や今後の方針を示すために使われることが多いでしょう。
ステークホルダーたちが求めるのは会社の生産性の向上と利益率の上昇であり、デジタルマーケティングはそのための手段です。
生産性や利益率の向上のためには、利益を維持しつつコストを減らすか、コストはそのままに利益を増大させるかしかありません。
経営者はデジタルマーケティングによって事業をどう導いていきたいのかを明確に発信する必要があるでしょう。
マーケターと経営者の目線の違い
経営者が口にするデジタルマーケティングと現場で使われているデジタルマーケティングは必ずしも同じではないと述べました。
この項目では経営者とマーケティング部門のマーケターを例に挙げて、それぞれの目線や使う言葉の意味の違いについて解説します。
経営者
多くの場合、経営者には物事や社会の動きを俯瞰的な視点で眺めることが求められます。
変化の大きい現代社会で会社を維持し、成功を積み上げていくためには、不断の情報収集と合理的な経営判断が欠かせません。
その合理的な判断を下すために経営者に必要とされるのが高い位置から全体を見渡す姿勢だといえるでしょう。
経営者には会社の舵取り役として、デジタルマーケティングによって自社をどう導いていきたいのかを明確にする責任があります。
マーケター
多くの場合、現場で実務にあたるマーケターが口にするデジタルマーケティングは業務の効率化と深い関わりを持っています。
デジタルマーケティングによって目の前の仕事の生産性や利益率をどう上げるかという局所的な話に終始しがちです。
マーケターによっては自分が所属する部署のことしか把握できておらず、全体が見えていないことも少なくありません。
そのことが総合的にデジタルマーケティング推進の足かせとなっている場合もあるでしょう。
マーケターには、より経営者的な視点を持って全体を見通す視点が必要とされます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
経営者とマーケターの距離を縮める
全社一丸となって事業にあたることはどんな会社においても必要であり有効だといえます。
デジタルマーケティングを推進するにあたっては、特に経営者とマーケターの認識の距離を縮めることが重要です。
互いの考え方を理解した上で、経営者は全体を見て的確な判断を、マーケターは効率的な業務の実現を考えなければなりません。
マーケターは他部門の動きまで把握することによって会社にとってより有効な戦略の立案に繋げることもできるでしょう。
スマホ顧客と繋がる
デジタルデバイスの普及と進化はビジネスの世界にも大きな変化をもたらしました。
今もまだ変化は続いていて、多くの企業がデジタルへの対応に追われているという状況です。
この項目ではデジタルデバイス、特にスマホによって顧客と企業との繋がりがどう変化してきたかを解説します。
顧客との接点の多様化
スマホの普及は顧客と企業との接点を多様化させました。接点の例として以下のようなものを挙げることができます。
- SNS
- Web広告
- ブログ記事
- ホワイトペーパー
今や多くの企業がSNSの公式アカウントを持ち、様々な情報を発信し続けています。ユーザーとの交流も盛んです。
それらSNSに広告も出稿できます。詳細なターゲティングで効率的に広告を出せることがWeb広告の強みだといえるでしょう。
検索結果で自社商品・サービスの上位ランクインを狙うためにブログの投稿やホワイトペーパーの公開を行う企業も増えています。
O2Oを通じたアプローチ
O2OとはOneline to Offlineの略です。
オンラインでのやり取りを通じて顧客と信頼関係を築き、実店舗などのオフラインの場に誘導することです。
Webサイトの閲覧やSNSアプリケーションの利用など、消費者がインターネットを利用する時間はとても長くなりました。
またマーケティングに利用できる技術も一般化し、企業から個人まで誰もがビジネスに活用できるようになりました。
こうした背景もあってO2Oを通じたアプローチに取り組む企業が増えています。
デジタルマーケティング施策
企業が取り組むデジタルマーケティング施策は実に様々です。
この項目ではそれらの中から3つをピックアップしてご紹介します。
広報
多くの企業が取り組んでいるデジタルマーケティング施策、1つ目は様々な広報活動です。
自社の公式アカウントでSNSを利用したものやWebサイトに掲載するブログなど発信の形も色々なものがあります。
発信の内容はプロジェクトの進捗や各部署の取り組みなど企業や業種によって色々で、枚挙に暇ありません。
社外に対する発信に限らず、同じように社内報も広く世間に発信してブランディングに役立てている企業もあります。
インサイドセールス
多くの企業が取り組んでいるデジタルマーケティング施策、2つ目はインサイドセールスです。
インサイドセールスは内勤を意味する言葉で、電話やメールを用いてオフィスにいながら顧客にアプローチする方法です。
デジタルマーケティングの場合はMAツールなどを使って多くのユーザーに効率的に営業をかけるのが基本といえるでしょう。
インサイドセールスは見込み客を顧客へと育成していくための非常に有力な手段の1つです。
フィールドセールス
多くの企業が取り組んでいるデジタルマーケティング施策、3つ目はフィールドセールスです。
フィールドセールスは外勤営業ともいわれます。営業訪問や商品・サービスの提案、クロージング活動を行う営業手法です。
近年フィールドセールスはインサイドマーケティングとの連携という形で語られることが多くなりました。
単に外回りをして営業をかけるのではなく、インサイドマーケティングによって育成された顧客にアプローチするという形です。
連携が上手く行けばより効率的に見込み客を顧客化することが可能となります。
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経営者がデジタルマーケティングで成功するポイント
経営者がデジタルマーケティングで成功を掴むためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
ここでは成功のためのポイントを3つに絞ってそれぞれ詳しくご紹介します。
クリエイティブな思考を持つ
経営者がデジタルマーケティングで成功するポイント、1つ目はクリエイティブな思考を持つことです。
たとえばSNSによる活発なやり取りがビジネスの世界で行われるなど20年前にはまず考えられないことでした。
その意味ではインターネットの普及とデジタル技術の進化が可能にした新しいビジネスの形だといえるでしょう。
このようにデジタルマーケティングにおいては様々な革新的アイデアが今も生まれ続けています。
経営者が進んで創造性を発揮することで社会や業界に新たなムーブメントを引き起こすことも可能となるでしょう。
ブランディングの継続
経営者がデジタルマーケティングで成功するポイント、2つ目はブランディングの継続です。
SNSやオウンドメディアを用いた情報発信を継続的に行って顧客にコンテンツとブランド体験を提供します。
既存の顧客との関係を深めつつ、様々なコンテンツの提供を通して新規顧客を獲得していくことが理想といえるでしょう。
ブランドサイトの充実や動画コンテンツの配信、新しいサービスや機能の提供といった試みも顧客獲得のチャンスになります。
CCOを経験する
経営者がデジタルマーケティングで成功するポイント、3つ目はCCOを経験することです。
ここでいうCCOはChief Content Officerを意味しています。
CCOは企業が有するコンテンツのデジタルメディアを介した展開に関して責任を負わなければなりません。
より良いコンテンツを適切な方法で発信すれば拡散などの大きなリターンが望める現代においては欠かせない役職です。
経営者がCCOの役割を受け持ってデジタルマーケティングへの理解を深めることで、現場との距離はいっそう縮まるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
広く全体を俯瞰することの重要さ
どんな立場にある人にとっても物事を俯瞰する力は大切です。
全体を見通すことができないと、視野が狭くなって重要なことを見落としたり見逃したりする可能性があります。
目の前しか見えていないと段取りも悪くなり、同じことを繰り返したり順番が前後したりと要領の悪い仕事ぶりになるでしょう。
経営者の判断は会社全体の命運を左右します。俯瞰的な視点は先読みを可能にし、選択肢を増やしてくれます。
重要な決定を下さなければならない立場にある人こそ俯瞰する力を身に付けていなければなりません。
モノからコトへ
現代はモノ消費からコト消費に変わりつつあるといわれます。
消費者が商品の所有に価値を見出す時代から、体験・経験といったものに重きを置く時代になりつつあるということです。
AR・VRなどの技術を使ったものやアトラクション施設型のものなど、コト消費のバリエーションは今後も広がることでしょう。
経営者としては、自社商品・サービスの将来的なコト消費化についても考えておく必要があるのではないでしょうか。
チームを動かし目標達成
広い視野で物事を見据えて先の先まで見通せている経営者には、おのずと自信が生まれます。
その自信に基づいて会社という1つのチームを力強く牽引し、大きな目標を達成することが可能となるでしょう。
目標達成の経験と喜びは社員ひとり一人の自信にも繋がり、会社をいっそう強くしてくれます。
リーダーシップを発揮してチームを動かしていくべき人に先を見通す力は欠かせません。
デジタルマーケティングストーリー
マーケティングにおいてストーリーテリングは非常に重要だといわれます。
そこに人の心を動かす物語があるかないかによって、商品の売上げに数十倍もの差が生まれたという実験結果もあるほどです。
同じように、経営者が組織を動かしていくにあたってもストーリーテリングは大切です。
広く全体を俯瞰して説得力のある物語を構築し、社員の心を動かすデジタルマーケティングストーリーを展開しましょう。
今後のデジタルマーケティングの考え方は
今後のデジタルマーケティングの分野ではいっそう複雑化・多様化が進んでいくことが予想されます。
多くの業界でデジタルマーケティングが行われるようになり、デジタルテクノロジーとの融合が進みます。
顧客の流入経路も多様化することが予想されるため、それに応じた対応ができる社内体制を準備しなければなりません。
SEO対策やアクセス解析の技術の重要性はこれまでよりもいっそう高まることでしょう。
またビッグデータや複雑で難易度の高いデータの管理技術なども求められるため、それらに特化した人材も必要となります。
企業のトップがするべき判断は今よりももっと高度で悩ましいものになるかもしれません。
もしも今後のデジタルマーケティングについて悩んだら、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
デジタルマーケティングのプロが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではデジタルマーケティングを経営者目線でみた考え方について解説しました。
デジタルマーケティングへの取り組みは企業によって千差万別です。それぞれに目指すデジタルマーケティングがあるといえます。
ただ、人材や体制といったリソースが上手く連携しなければ理想に近付くことができないことは共通しています。
その意味で、これからの経営者にはデジタル化を牽引していくための知識とリーダーシップが求められるといえるでしょう。
本稿がそんなあるべき姿を目指す経営者の皆様の一助となれば幸いです。