企業ブランドのビジュアルデザインを統一することでブランディング戦略を考える企業は多いです。
VIの作り方や押さえておきたいポイントが分かれば、マーケティング効果のあるVIを作成することもできるでしょう。
戦略の展開事例を知ることによりどのような効果があるのかを考えることもできます。
この記事ではVIのブランディング戦略展開事例を解説しますので参考にしてください。
作り方やポイントも紹介しますので確認しておきましょう。
目次
VI(ヴィジュアルアイデンティティ)の意味
VI(ヴィジュアルアイデンティティ)はCIを構成する要素のひとつになります。
企業の行動理念や経営方針をビジュアル化することで、内外に共有することができるのです。
VIは単なるロゴやシンボルマークではありません。
企業の理念や経営方針を内外と共有し浸透させることが重要なのです。
社外のユーザーが「○○社の製品なら安心して使用できる」と思えるようなVIを心がけるのがポイントになります。
社員が自社の行動理念を理解して動くことができるよう、理念を浸透させる役割を担うこともあるでしょう。
VI・CI・ブランディングの関係性
VIはMI・BIとともにCIを構成します。
CIはコーポレート・アイデンティティと呼ばれ、統一された企業メッセージを認知していくためのものです。
企業の理念や方針を広く共有することにより、オリジナリティを確立していきます。
オリジナリティを確立してブランディング活動を行うことで、企業の価値の長寿化を図るのです。
MIは行動理念を明確にし、BIはMIを実現するための具体的な行動を表します。VIは構成要素のうち、視覚的な訴えをする役割を担うのです。
ひと目見て企業のイメージや理念が伝わるVIを作成することでマーケティングの効果を得ることができるでしょう。
VIの策定で得られる5つの効果
VIはただ単に統一されたロゴを作成するだけではありません。企業の理念や方針を浸透させる役割を担うのです。
VIを適切に選定することで以下のような効果を得ることができるでしょう。
- ブランド認知・浸透
- 識別・想起のされやすさ
- 統一された印象による信頼感
- 独自性の蓄積
- 企業価値の強化
それぞれ詳しく説明しますので参考にしてください。
ブランド認知・浸透
VIはユーザーが一番に目にするものです。統一されたロゴを見ることで企業のブランドとして認識します。
企業の理念や方針を表現したVIは、ブランドを認知・浸透させる役割があるのです。
統一されたデザインのロゴが入った製品を展開することで、ブランドが徐々に認知されていくでしょう。
気をつけるべきポイントは、VIだけが独り歩きすることはないという点です。
VIはあくまでも企業の理念を表現したものだということを忘れないようにしましょう。
識別・想起のされやすさ
VIが浸透することで「このロゴはこの企業の製品だ」と認識するユーザーも増えてきます。
企業の理念を文字で読むユーザーは少ないかもしれません。
しかしVIを作成すると、ユーザーはひと目見て企業の製品だと識別することができるのです。
また統一されたVIがあれば、VIを見ただけで企業のことを思い出してもらえるかもしれません。
ユーザーに広く認識されることにより、企業のブランディング活動もスムーズに行えるでしょう。
統一された印象による信頼感
統一されたロゴやキャッチフレーズを見たユーザーは、その製品がその企業のものであるとすぐに認識します。
しかし「この製品は○○社のものだ」という認識だけではVIの役割として不十分です。
企業の理念や精神・経営方針が広がることにより、ユーザーは安心感や信頼感を得ることができます。
企業に対する安心や信頼があれば、新しい製品であっても購入を検討することができるでしょう。
「○○社の製品だから安心だ」と感じるユーザーが増えることで、マーケティングも効率良く行えます。
独自性の蓄積
VIはひとつの製品を展開して終わりというわけではありません。
統一された理念の基、VIを見せ続けることによって企業のオリジナリティが蓄積されていくのです。
同じロゴを使った製品を展開し続けることで、ユーザーの記憶に定着化させる効果があります。
企業としてのオリジナリティを蓄積することで、同じ市場の他社との差別化を図ることも可能です。
独自性を蓄積して「○○社の製品を探すときには○○が目印だ」という認識を広めていきましょう。
企業価値の強化
VIを選定しCIを作成することで、統一された理念を根源に据えることができます。
その場その場で思いついた製品を展開するだけでは、いずれ企業活動は先細ってしまうでしょう。
企業の価値を高めて長く続かせるためには、はっきりとした行動理念や方針を浸透させることが重要なのです。
企業の理念を浸透させるためのVIだと考えるのが良いでしょう。
VIが浸透して独自性が高まってくると、企業の価値もあがります。
理念や方針が伝わるビジュアルのVIは、企業の価値を高める役割も担うことができるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
VIのブランディング戦略展開事例
具体的にVIのブランディング戦略展開の事例を見ることで、どのような効果があるのかを考えることができます。
この章ではVIのブランディング戦略を展開している企業を紹介しますので、参考にしてください。
三井住友銀行
三井住友銀行は以下のような理念を掲げています。
- ユーザーに価値あるサービスを提供し、共に発展する
- 事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る
ロゴに使用されているのはフレッシュなグリーンカラーです。
それに加えてトラッドグリーンを背景色に置き、若々しさや優しさ・伝統や信頼感を表現しています。
フレッシュグリーンのマークには「一層価値あるサービス」や「ユーザーとともに発展していく思い」が込められているのです。
ブランド価値の向上のため、グループの呼称変更とともにグループロゴマークを設定しています。
企業の理念を表現したロゴマークになっていると感じることができるでしょう。
インターネットの発展とともにサービスを拡大したFacebookでは、多くのアイコンやロゴが作成されました。
「F」という文字は同じであるものの、フォントや色合いなどにもばらつきが見られたのです。
Facebookは、それを改善するために「ファビコンをサブブランドのアイコンの中に使用しない」というルールを敷きました。
分かりやすいルールを適用することでデザインの方向性を固めたのです。
今では群青色の背景に白い文字で「f」と書かれていれば、すぐにFacebookを思い浮かべる方も多いでしょう。
Lyft
Lyftはアメリカで展開されている配車サービスです。
アプリを使用してわずか数回のタップで手軽に配車できるサービスになっています。
ドライバーの登録も簡単に行えるため、すぐに業務が開始できるシステムです。
Lyftのドライバーとして仕事をしているときには、車の前部にピンク色の付け髭を飾るのが特徴のひとつといえるでしょう。
使用されているロゴは、鮮やかなピンクを使用したものになります。
車に飾るピンク色の髭とロゴマークのピンクが統一感のあるブランディングを感じさせるのです。
優れたVIの特徴
VIはユーザーに企業の独自性を伝えるための手段です。
そのため、ひと目見て「企業らしさ」を感じることができることは重要だといえるでしょう。
統一されたVIを使用することにより、企業のブランドや理念をすぐに想起させることが大切です。
「このロゴは〇〇社のものだ」という認識だけではVIが成功しているとはいえません。
優れたVIは企業のブランドだけではなく、企業に対する信頼感や安心感も想定させることができるのです。
他社と似ていない自社らしいVIであることも重要になるでしょう。
VIの作り方
この章ではVIの作り方について紹介していきます。
企業の理念や方針・独自性を伝えることを念頭に置いて、VIを作成していきましょう。
企業価値やブランディングの目的を具体化
VIはただ単に統一されたロゴを作るのではありません。企業価値やブランディングのために作成するのです。
そのためVIを作成する際はいきなりデザインから入ることはおすすめしません。
まずどのような企業価値を目指すのか・どのようにブランディング活動を行うのかを明確にしましょう。
ヒアリングをして社員の意見をまとめるのもひとつの手です。
何を目指しているのか・どんな目標を持っているのかを集めて言語化していきましょう。
ブランドパーソナリティの考察
VIを考える上で重要になるのがMIです。
企業の行動理念をベースに考えることで、CIの構成要素としてのVIが出来上がります。
自社が掲げる理念やブランドの持つイメージはどのようなものであるかを考えてください。
ブランドのパーソナリティは以下のような例が挙げられます。
- 落ち着いた
- 革新的な
- 前衛的な
- ユニークな
ブランドのパーソナリティはそれぞれの企業によって様々です。MIがベースにあることを考えながら考察してください。
自社の個性を伝えるためにも、ブランドパーソナリティを明確にしていきましょう。
カラー・イメージの考察
パーソナリティが決まれば次はカラー・イメージの考察です。
ロゴは背景色を決めて文字の白黒を指定するだけではありません。
どのようなカラーが自社のパーソナリティを表現できるのかを考えましょう。
その結果1色だけではなく、数色の組み合わせになることもあるかもしれません。
温かいイメージなら暖色系・活気があるなら鮮やかな色など色合わせの原則から案を出し合うのも良いでしょう。
MIを表現できているかを念頭に置きながら考えてください。
デザインの考察
デザインの段階だからデザイナーに任せたほうが良いと考える方もいらっしゃるかもしれません。
VIはただのロゴデザインではなく、MIをベースにして自社の理念や方針を伝えるためのものです。
そのためデザイナー任せにするのではなく、考察は自社内でしっかりと行うことが理想でしょう。
MIをベースにして様々な要素を検討してみてください。
はじめからはっきりとしたロゴを作成するのではなく、コンセプトや要素を集めるのもひとつの手です。
最終確認
デザインを出し合いフォントや製品への親和性を確認したら、最後に資料をまとめましょう。
MIをベースにした一貫性のあるデザインであるかどうかを最後に確認します。
誰が見ても意図を理解できるようなデザインが理想です。
できあがった最終案はVIを作成したグループ外の社員に確認してもらうのも良いでしょう。
ただのロゴではなくCIの要素としてのVIを意識して仕上げてください。
マーケティング戦略の事例はこちら
VIで押さえておきたいポイント
ブランディングに悩む企業は以下のような問題点を抱えていることが多いです。
- 製品に統一感がない
- 企業理念が曖昧な印象
- ロゴが製品にマッチしていない
VIを作成する際は、上記のような問題が解決できたかどうかを見てください。
単なるロゴ作成ではなく、MIをベースにして企業の理念を表現したVIを作り上げるのです。
ポイントはMIに沿っているかどうかになります。
作成中もMIがベースであることを念頭に置いておきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
VIは「見えるところ全て」
MIをベースにして、企業の理念や方針を浸透させることはとても大切です。
そしてVIはそれを視覚的に伝える手段になるといえるでしょう。
統一されたイメージを使用して企業のオリジナリティを伝えていくことが重要です。
VIでは見えるところ全てを使って表現する必要があります。
フォントのデザインはもちろんのこと、使用するカラーや背景の大きさ・ロゴのデザインなど念入りに確認しましょう。
巧みなブランディング戦略でマーケティング成果を出すならプロへの相談がおすすめ
ブランディング活動を行うことで、マーケティングの成果をあげようと考える企業は多いです。
しかしCIやVIの専門的な知識がなければ、曖昧な戦略になってしまう可能性もあるでしょう。
企業理念が曖昧に伝わったりデザインが何を表現しているのか分からなかったりするのであればVI作成は成功したとはいえません。
VIを使用したブランディング戦略で成果を出すのであればマーケティングのプロに相談するのがおすすめです。
ブランディング戦略で悩みがある場合はデジマクラスにご相談ください。
抱えている問題を一緒に見つけ出して効果のあるマーケティングを行いましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
安心感や信頼感を与えることができるのが優れたVIです。
ただ単に統一されたロゴを使用するだけでは優れたVIとはいえません。
企業の理念や方針であるMIを基にして作成したVIなら、オリジナリティを伝えることもできるでしょう。
VIを作成する際はMIをベースに考えることを念頭に置いてください。
優れたVIを使用してブランディング活動を行いましょう。
ブランディング戦略に悩みがありましたらデジマクラスにご相談ください。
戦略上で抱えている問題点を見つけ出し、一緒に適切なマーケティングを行いましょう。