企業やブランドの名前・商品名で検索する「指名検索」は、売り上げやコンバージョン率の向上につながります。

指名検索が重要視される理由や増やすことで得られるメリットを知り、自社のマーケティングに役立てましょう。

増やす手段やブランド価値を向上させる方法、指名検索からの流入数をチェックするツールの使い方も紹介します。

指名検索数の増加に活用したい媒体の種類もチェックしておくと、施策を打ちやすくなるでしょう。

指名検索の概要と特徴

「SEARCH」と書かれたタグの画像

指名検索とはメーカー名やブランド名・商品名といった固有名詞「指名キーワード」で、ユーザーが検索する行動です。

単に固有名詞だけを入れて検索する場合だけでなく、「パソコン Apple」のように一般名詞と組み合わせる場合も該当します。

指名検索をする人がアクセスしたいサイトは、はっきりと決まっている場合がほとんどでしょう。

このような検索行動で入力されるキーワードは「ナビゲーショナルクエリ」と呼ばれています。

固有名詞を入れて検索するユーザーは元々、その企業やブランド・商品・サービスを知っているのが特徴です。

指名検索が多い企業やブランドは認知度・知名度が高いといえます。

指名検索の重要性

デジタルマーケティングにおいて指名検索が注目されているのは、なぜなのでしょうか?

従来のSEO対策が持つ弱点と売り上げの向上という2つの観点から、指名検索の重要性を読み解いていきましょう。

従来のSEO対策だけでは上位表示が見込めない

「SEO KEYWORD」の文字が入ったブロック画像

指名検索の数を増やすことは近年のSEO対策において非常に重要です。

世界中でトップシェアを誇るGoogleで検索上位に表示されるページは、Googleが独自に定めた基準に基づいて決定されます。

SEO対策を練るにはGoogleが何を評価しているかを知り、自社のサイトやPR方法を改善していかなければなりません。

2014年Googleは検索品質評価ガイドラインに「E-A-T」という評価項目を追加しました。

E-A-Tとは次の3つの言葉を組み合わせて作られた造語です。

  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

E-A-Tはページの品質を評価する上での最重要評価項目として扱われており、知名度も信頼性の担保に欠かせない要素です。

指名検索数が増えれば企業やブランドの知名度が高いと判断されるため、Googleの評価基準に即したSEO対策に役立ちます。

以前の主流だった「コンテンツ量や被リンクを増やす」という方法だけでは、十分に対策できなくなってきているのです。

今後の長期的な戦略を成功させるためにも、指名検索を増やせる施策を取り入れて上位表示を目指しましょう。

指名検索で流入するユーザーは購買意欲が高い

ビジネスイメージとスーツを着た男性の画像

指名検索でサイトを訪れるユーザーは、企業やブランド・商品・サービスについて事前に知識を備えています。

キーワードに固有名詞を入れて検索するということは、ある程度はその対象に興味を持っているということです。

購買意欲は対象への興味に比例するため、自社や自社サービスへの名前で検索するユーザーを増やせば売り上げの向上を期待できます。

例えば「パソコン おすすめ」で検索した人よりも、「パソコン Apple」と検索した人の方がMacに対する購買意欲は高いでしょう。

 

ワンポイント
指名検索が重要視される理由
・従来のSEO対策だけではGoogleの評価項目を満たせなくなってきており、信頼性の担保につながる指名検索の増加が必要
・指名検索でサイトに訪れたユーザーは元々ブランドや商品に興味を持っているため、購買意欲が高く売り上げ向上につながる

 

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指名検索を増やすメリットは?

指名検索を増やすための施策を取り入れるメリットは、SEO対策購買意欲の高いユーザーの流入だけではありません。

他にはどのような効果が期待できるのでしょうか?

検索アルゴリズムに左右されない

青い町並みとグラフ背景の画像

固有名詞を入力して検索しているユーザーは、自身のアクセスしたいページがある程度決まっています。

特定のページにたどり着くためのクエリは、Googleなどプラットフォームのアルゴリズムに左右されにくいのが特徴です。

例えば「パソコン 最新」で検索したときにApple社のページが表示される順位は、アルゴリズムにより変動します。

しかし「パソコン 最新 Apple」で検索されたなら、ユーザーが求めているのはApple社のページです。

Googleをはじめとした検索エンジンは基本的に、ユーザーの検索意図に沿ったページを上位に表示します。

指名検索が増えればアルゴリズムに何らかの変更があっても、自社のサイトやページが検索下位に落ちずに済むのです。

コンバージョン率が高い傾向にある

ビジネスマンとグラフの画像

商品の購入や問い合わせ・会員登録など収益に結びついた人数を図る指標が、コンバージョン率です。

売り上げや利益につながる行動を取る人は共通して、商品やサービス・ブランドに対して魅力を感じています。

指名検索が増えれば元々自社サービスに興味を持っている人が集まるため、コンバージョン率も当然上がるのが通常です。

一般的なWebサイトのコンバージョン率は、商材や業界によって変わるものの1〜5%とされています。

しかし指名検索でのアクセスだけを見た場合、うまくいけば10〜20%のコンバージョン率を達成できる可能性もあるのです。

自社サイトのコンバージョン率低迷に悩んでいるのであれば、指名検索を増やすことで課題解決につながります。

広告オークション競争に飲まれなくなる

グラフと拳を突き上げるビジネスマンの写真 グラフと拳を突き上げるビジネスマンの画像

指名検索を増やすメリットは自然検索だけでなく、リスティング広告(検索連動型広告)にもあります。

リスティング広告とはユーザーがあるキーワードで検索したときに、上部に表される広告枠です。

広告として表示されているサイトがクリックされた回数に応じて、広告主が料金を支払います。

広告枠はクリック単価に入札するオークションによって、目立つ位置の取得が可能です。

しかし多くの企業が1つのキーワードに入札していれば、当然クリック単価は高騰します。

しかし自社名や商品名が含まれる「指名キーワード」に入札すれば、競合と競争する必要がありません

指名検索を増やせば指名キーワードの広告が表示される回数も増えます。

結果として競争率の高いキーワードへの出費を抑えられ、費用対効果を向上できるのがメリットです。

指名検索を増やす方法

指名検索が増えれば自然検索のSEO対策にも、リスティング広告のコスト削減にも役立つことが分かりました。

では具体的にどのような施策が指名検索の増加に役立つのでしょうか?

ターゲティングしたユーザーへの露出増加

ターゲティングのビジネスイメージ画像

ユーザーが検索するときにブランドやサービスの名前を思い出せなければ、指名検索につながりません。

自社に関係する固有名詞で検索されるには、ターゲットとなるユーザー層に対する露出を増やす施策が必要です。

テレビのCMでブランド名を広めるのが最も効果的といわれていますが、他にも手段は複数あります。

つながりのあるサイトにリンクを載せてもらうバックリンクや、ターゲット層がよく使うSNSでの広告も選択肢です。

広告枠を設けているプラットフォームにPRを載せる方法もあります。

ターゲットとなり得るユーザーに最も届きやすい方法と、予算のバランスを見て手段を決めましょう。

シェアされやすいコンテンツの作成

スマホを持つ手とネットワークイメージの画像

SNSでのシェアはユーザーへのブランド名・サービス名の認知を広めるのに役立ちます。

「昨日シェアされていたサービスを調べてみよう」と、固有名詞での検索をする人は少なくありません。

多くのシェア数を獲得するにはコンテンツの内容を工夫する必要があります。

まずはターゲットとなる人たちに響くように「ジャンル」「方向性」を決めるのが先決です。

十分に訴求力のある方向性が定まったら具体的にどのような内容にするかを考えましょう。

SNS運用によって指名検索数の増加を狙う場合も、ターゲットに刺さる方向性とコンテンツが重要です。

Webサイトの改善

ビジネスマンと上向き矢印のイメージ画像

自社やサービス名で検索されても、Webサイトに最低限のSEO対策が施されていなければ上位に表示されません。

指名検索される回数を増やせてもアクセス数が少なければ、実質的に「指名検索が増えた」とはいえないでしょう。

まずは指名検索を想定しているキーワードに対して、タイトルがふさわしいものかを確認する必要があります。

またサイトに掲載するコンテンツも読み手にとって有益でなければ、上位表示を見込めない点にも注意が必要です。

興味を引くだけでなく実際にユーザーの役に立つような、充実したコンテンツを用意すると品質が上がります。

自社のWebサイトに課題が多くあるなら、指名検索からのアクセスを増やすためにも早急に改善しましょう。

 

ワンポイント
指名検索を増やす方法
・テレビやSNS・Webに広告を出し、ターゲット層に対する露出を増やす
・多くの人からシェアを獲得できるように、ターゲットに刺さる方向性・内容のコンテンツを作る
・キーワードに即したタイトルコンテンツの充実度など、自社のWebサイトが持つ問題を改善する

指名検索を増やすためにすべきブランド価値向上の施策

企業のブランド価値は指名検索の数に大きく影響する要素であり、向上できれば根本的な対策につながります。

ブランド価値を向上させる取り組みを知って、指名検索を増やす土台を作りましょう。

商品・サービスの質を向上

3C分析のイメージ画像

ユーザーが特定の企業に関わる固有名詞で検索するとき、まず意識するのが「商品やサービスの質」です。

知名度では大手に劣る中小企業でも、PRの仕方が多様化している近年は質で勝負できる可能性もあります。

まずは自社が提供する商品やサービスが消費者のニーズを満たせているか、改めてチェックしましょう。

カスタマーサポートなど窓口となる部分の整備も合わせて行えば、より企業のブランド価値は高まります。

知名度を上げる

「MAJOR MINOR」と書かれた積み木ブロックの画像

企業やブランド・サービスの名前が知られている度合いが「認知度」です。

一方で「知名度」とはそのブランドやサービスの特徴や、使うメリットを理解されている度合いを指します。

指名検索では認知度に加えて知名度も欠かせません。

広告で露出を増やす際は名称をアピールするだけでなく、強みや特徴を分かりやすく伝える内容を考えましょう。

自社が出している広告の改善点が知りたい場合は、コンサルティングサービスを活用するのも1つの手です。

 

ワンポイント
ブランド価値を高める施策
・商品やサービスの質を向上させ、指名検索をしようと考える人を増やす
・自社サービスの強みや特徴が分かる広告を打ち、知名度を向上させる

 

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指名検索を増やすために活用すべきものは?

自社に関連する固有名詞での検索数を増やすには、さまざまな角度からのアプローチが必要です。

主に役立つ3つの媒体とそれぞれを活用するメリットを知って、指名検索数の増加に役立てましょう。

リスティング広告

ビジネスイメージと男性の手の画像

リスティング広告に指名キーワードを使うメリットは、競合とのオークション競争を回避できるだけではありません。

指名検索をしたときに広告枠にもサイトが表示されれば、流入するユーザーの数を増やせる点が魅力です。

自然検索のみに表示されるよりも、広告枠にもサイトを表示できた方がユーザーの目にとまりやすくなります。

広告枠を含めた上位1〜2位のサイトには、6割ほどのユーザーがアクセスしているという事実も見逃せません。

リスティング広告に指定キーワードを使えば検索結果の専有面積が増え、競合に消費者が流れてしまうリスクを減らせます。

消費者の目に触れたり実際にアクセスされたりする頻度が増えるほど、指名検索の数も増えていくでしょう。

SNS

世界地図とネットワークのイメージ画像

SNSでの発信は企業ブランドや商品・サービスの認知度向上に役立ちます。

投稿を見たユーザーが興味を持ち指名検索で自社のホームページにアクセスするのが、理想的なSNSマーケティングです。

結果を出すにはターゲット層に刺さるコンテンツの作成だけでなく、時間帯や発信頻度にも工夫をしなければなりません。

うまくSNSを運用できればフォローやシェアを確保でき、効果的に指名検索の数を増やせるでしょう。

オウンドメディア

業界・ビジネスのイメージ画像

コラムコンテンツなどを提供するオウンドメディアは、デジタルマーケティングの基本となる媒体です。

指名キーワードからの流入を増やすには、オウンドメディアで発信するコンテンツの質を上げましょう

自社の魅力や理念も伝えられるサイト上では固定ファンの獲得も可能です。

オウンドメディアに繰り返し訪れるユーザーは、企業やブランドの魅力や強みをよく知っています。

結果的に指名検索が増えさらなる収益の向上につながるのが、オウンドメディアを活用するメリットです。

 

ワンポイント
指名検索を増やすために活用したいもの
・リスティング広告で専有面積を増やし、他社への流出を防ぎながら指名検索も増やす
・SNSを活用して自社サービスの魅力を伝え、固有名詞での検索を増やす
・オウンドメディアの質を上げてファンを増やし、指名検索数の増加につなげる

指名検索の流入数を確認する方法

分析のビジネスイメージと虫眼鏡の画像

指名検索で流入したユーザー数を調べるのに使えるツールが、「Google Search Console(サーチコンソール)」です。

Googleアカウントがあれば無料で使え、主に企業のSEOやマーケティング担当者に活用されています。

ログインして設定を済ませたら解析したいURLを「ページ」から選び、クリックしましょう。

続いて「クエリ」をクリックすると、どのキーワードから何回のアクセスがあったかを確認できます。

想定していた指名キーワードからの流入数を見れば、どの程度効果が出ているのか簡単に分かるでしょう。

アクセスに使われた全てのキーワードを確認できるため、隠れた顧客のニーズも発見できます。

指名検索を増やした企業事例

チェックマークとビジネスマンの画像

Instagramの運用で指名検索を増やした企業の事例として、光脱毛器の外資系メーカーが挙げられます。

日本での知名度が低かったためにリスティング広告で競合他社に負けており、ブランド価値の周知が課題でした。

写真でユーザーに魅力を訴えられるInstagramの特性を生かし、視覚的にブランドイメージを広めます

投稿に魅力を感じたユーザーが指名検索をすることで、自社サイトへの流入が大幅に増加しました。

利益率の低いECサイトから撤退して自社サイト経由の売り上げを伸ばし、課題の解決につなげています。

指名検索の増やし方で困ったときは?

腕組みするビジネスマンの画像

指名検索を増やすには露出の増加やシェアされるコンテンツ作り、Webサイトの改善などさまざまな手段があります。

しかしデジタルマーケティングに長けた担当者がいなければ、課題の分析も具体的な施策の立案も簡単ではありません。

あらゆる角度から指名検索の増加につなげるのが難しいと感じるなら、コンサルティングサービスの活用がおすすめです。

デジマクラスではマーケティングに課題を持つ企業に対して、コンサルティングを行っています。

指名キーワードからの流入を増やす施策を検討しているなら、ぜひ本ページのボタンからご相談ください。

 

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まとめ

グラフの描かれた黒板とビジネスマンの手

指名検索とは企業やブランド・商品名など、固有名詞を使って検索する行為を指す言葉です。

自社に関連するキーワードでの検索が増えれば、検索上位表示売り上げ・コンバージョン率の向上が見込めます。

リスティング広告やSNS・オウンドメディアといった幅広い媒体を活用して、指名検索を増やしましょう。