Web広告やSEOの効果を示す指標として重視されているものの一つに「CTR」があります。
自社のCTRを正しく把握するには、CTRの導き出し方を知っておくことが必要です。
この記事ではCTRの計算方法を解説します。
また、CTRを高めるメリットやCTRの改善方法も紹介しますので、マーケティング施策を見直す上での参考にしてください。
目次
CTR(クリック率)を計算する方法を解説
CTR(クリック率)とは、広告や記事が表示された回数(インプレッション数)のうちクリックされた割合を示す数値です。
クリックスルー率やクリック率とも呼ばれています。
CTRは広告運用やSEOの効果を示すとされていて、Webマーケティングにおいて欠かせない指標の一つです。
CTRを上げることは、Webサイトの基盤となるアクセス数を伸ばすことに直結します。
CTRを理解し数値を改善することはWebマーケティングを成功させる上でとても重要です。
まずはCTRの計算方法を知って現状の広告効果を把握しましょう。
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CTR(クリック率)を計算する方法
CTRは「CTR=クリック数÷インプレッション数×100」の計算式で算出できます。
例えばクリック数が50でインプレッション数が1000だった場合、CTRは5%です。
CTRは自分で計算しなくてもGoogle広告やGoogle Search Consoleで確認することもできます。
CTR(クリック率)平均値は?
自社のWeb広告のCTRを計算しても、その数値が良いのか悪いのかの指標がなければ評価しようがありません。
CTRを計算するとともにCTRの平均値を知っておくことも重要です。
また、CTRの平均値はWeb広告の種類によって異なります。
そこで以下ではWeb広告をリスティング広告・ディスプレイ広告・動画広告に分けてCTRの平均値を紹介します。
ただし平均値は検索媒体やデバイスによっても変化しますので、あくまで参考程度に考えておきましょう。
その1:リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンでユーザーがキーワード検索を行った際に検索結果の上に表示される広告を指します。
リスティング広告のCTRの平均値は2~6%程度です。
平均値に数%の幅があるのは、広告主の業界によって平均値に差があることが関係しています。
例えば旅行関連業界のCTRは約5%ですが、人材サービス業界では2%台です。
ちなみに、リスティング広告は以下で紹介するディスプレイ広告よりもクリック率が高く出る傾向があります。
その2:ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの中に設けられた広告スペースに表示される広告を指します。
ディスプレイ広告のCTRの平均値は0.3~1%程度です。
ディスプレイ広告もリスティング広告と同様に業界によって平均値に幅があります。
例えば旅行関連業界では0.5%前後ですが、不動産業界では約1%です。
その3:動画広告
動画広告とは、画像やテキストではなく動画を使用した広告を総称したものです。
動画広告のCTRの平均値は、動画の長さによって変化します。
15秒以内の動画であればCTRの平均値は2%前半です。
16~30秒以内になると2.5%前後に上がり、30秒以上の動画では1.3%と減少します。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
CTR(クリック率)を高めることで得られるメリット
CTRを高めると、以下のようなWebマーケティング上のメリットがあります。
- 広告ランクが上昇する
- 広告・ランディングページの質が向上する
- コンバージョン数が増加する
広告ランクが上昇する
CTRを高めることで、Webサイトの広告ランクを上げることができます。
広告ランクとは、リスティング広告において広告同士を比較した上で決まる掲載優先順位のことです。
広告ランクは「品質スコア×入札単価×広告表示オプション」で求められます。
CTRが上がると品質スコアがアップするため、結果的に広告ランクも上がる仕組みです。
広告ランクが高まれば掲載順位が上がるだけではなくクリック単価を抑えることにもつながります。
広告・ランディングページの質が向上する
CTRの数値を上げると、広告・ランディングページの質も向上させることが可能です。
CTRが高まることでより多くのユーザーデータを集めることができます。
ユーザーデータは質の高い広告・ランディングページを作る上で欠かせません。
効果の出る広告を打つためにはニーズに沿ったコンテンツを設計する必要があるからです。
CTRアップにより質が上がれば、商品購入や申込の率であるCVR(コンバージョン率)の数値も上がります。
コンバージョン数が増加する
CTRを高めることでWebサイトのコンバージョン数を増やすこともできます。
コンバージョン数とは商品購入や申込などWebサイトのゴールが達成された数のことです。
コンバージョン数は「アクセスユーザー数×CVR」で計算されます。
そのため、CTRアップでサイトへのアクセス数が上がるとコンバージョン数もおのずと増えるのです。
コンバージョン数はWebサイトがビジネスに貢献していることを示す大切な指標となります。
CTRの改善はWebサイトの広告運用において欠かせない業務といえるでしょう。
CTRを高めると広告ランク上昇・広告やランディングページの質の向上・コンバージョン数増加などのメリットがあります。
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CTR(クリック率)を向上させるためのポイントは?
CTRを向上させるためには何を意識すればよいいのでしょうか。
以下ではCTRをアップさせるポイントを広告・SEOにテーマを分けて紹介します。
広告
広告のCTRを向上させたい場合は、ユーザーの検索意図に沿った広告文を作成することがポイントです。
リスティング広告においては検索キーワードをタイトルに入れることが求められます。
しかし、検索キーワードだけを意識するのでは不十分です。
ユーザーが知りたい内容が提供できることを広告文で示さなければいけません。
また、広告に対する不信感を払拭するためにサイトの信頼性もアピールしましょう。
例えば、広告タイトルに「公式」と記載するなどの工夫ができます。
上記のような改善を行ってもCTRがアップしないなら広告文以外の設定が原因です。
例えば、そもそも設定している検索キーワードと広告内容が合っていないケースが考えられます。
この場合は広告内容に合った検索キーワードに変更しましょう。
SEO
SEOのCTRを向上させたい場合は、検索結果に表示される順位を上げることが最重要です。
しかもTOP10などに入れば良いわけではありません。
順位が下がれば下がるほどクリック率は大幅に減少します。
CTRをアップさせるためには検索順位で3位よりも2位、2位よりも1位を狙います。
また、検索結果に表示される各ページのタイトルやディスクリプションをユーザー目線の文章に変えましょう。
ユーザーはタイトルやディスクリプションを読んでクリックするかどうか判断します。
ユーザーが求める情報が載っていることを示すためには、記事の内容を端的に示す文章でなければなりません。
また、他の記事との違いを理解してもらうために、記事のオリジナリティを説明することも忘れないようにしましょう。
CTR(クリック率)改善のためのチェックポイント
CTRを改善するためには具体的に何をどう変えれば良いのでしょうか。
以下では、CTRをアップさせるためのチェックポイントを紹介します。
キーワード
広告の管理画面で設定するキーワードや広告テキストに記載するキーワードを見直すとCTRの改善につながります。
例えばリスティング広告で登録しているキーワードについては、ターゲットが適切に絞られているか確認しましょう。
不適切なキーワードを選んでいるとターゲットではないユーザーに広告が表示されてしまい、クリック率は下がります。
広告テキストについては、商材の売りやランディングページのコンテンツとキーワードが合っているかを見直すと良いです。
キーワードがずれていると広告が表示されてもユーザーにメッセージが響かないため、クリックには至りません。
ターゲット設定
CTRをアップさせるためにはターゲット設定も改善しましょう。
ターゲットが広すぎるとクリックする見込みが薄いユーザーにも広告が表示され、CTRは上がりません。
ターゲット設定は、関係のないユーザーをなるべく省き、ピンポイントに絞り込むことが大切です。
まずは地域・年齢・性別の観点でターゲットを見直してみましょう。
例えば30~40代の女性を想定した化粧品の広告に対して、男性や10代の女性などもターゲットに入っていないか確認します。
訴求ポイント
CTRを改善するためには、広告テキストの訴求ポイントを間違えないことも重要です。
訴求ポイントとは、ユーザーが持っている不安・不満を解消して商材の購入を促す情報や表現を指します。
訴求ポイントを間違えるとユーザーは商材に魅力を感じにくいため、広告をクリックすることもありません。
まずはユーザーが抱える不安・不満は何であるのかを正しく理解しましょう。
そして、商材によって不安・不満が解消されることを広告テキストで表現します。
これらの改善を行えばCTRの改善につながるでしょう。
具体的な数字、データ
広告テキストには具体的な数字やデータを盛り込むようにするとCTRの改善が期待できます。
具体的な数字・データというのは、例えば「業界No.1の実績」や「顧客満足度〇%」などです。
数字やデータを入れることで、ユーザーに商材の魅力やメリットをイメージしてもらいやすくなります。
その結果クリックにつながりますので、CTRアップを実現させることが可能です。
広告テキストに掲載する数字・データを選ぶ際は上記の訴求ポイントを意識しましょう。
顧客の不安・不満に応えるものを選ばなければ、たとえ数字・データをテキストに入れてもCTRの改善にはつながりません。
購買決定要因
CTRを改善するポイントとして、購買決定要因に基づいて広告やSEOを設計する点も挙げられます。
購買決定要因とは、価格やブランドなど顧客が商材を購入するかどうかを決める要素のことです。
購買決定要因は商材や想定しているターゲットによって異なります。
例えば、10~20代をターゲットとした脱毛器具であれば価格の低さが主な購買決定要因になるでしょう。
一方、脱毛器具でも30代をターゲットとしていれば購買決定要因は価格より脱毛効果になると考えることができます。
購買決定要因を見極めて広告テキストやキーワードを改善すれば、ユーザーが求めている情報を提供することが可能です。
ユーザーニーズを満たすことは、CTRアップにつながります。
広告表示オプション
CTRを改善する方法として広告表示オプションの活用も忘れてはいけません。
広告表示オプションとは、広告の目的に合わせてプラスアルファの情報を画面上に表示できる機能のことです。
例えばリスティング広告であれば、ディスクリプションの下に掲載商品の価格や簡単な説明文を載せることができます。
広告表示オプションを活用すれば、上記で紹介した購買決定要因となる情報をより多く掲載することが可能です。
情報を十分に提供することでユーザーが興味を持つきっかけとなり、CTRの改善につなげることが可能です。
CTR(クリック率)はユーザーからの有益なフィードバック
CTRは対策をすれば数値も分かりやすく改善しますので、ユーザーからの有益なフィードバックであると捉えましょう。
例えば、訴求ポイントを変えるだけでユーザーの反応も変化します。
PDCAを回して検証を繰り返せば、CTRを平均以上に改善することも難しくありません。
重要なのは、ユーザー目線になって広告やSEOを見直すことです。
まずはユーザーが置かれている状況やユーザーが抱える悩みをなるべく具体的に想定しましょう。
企業が伝えたいこととユーザーが求めていることは必ずしも一致しません。
ユーザーニーズを知り、ユーザーニーズに合わせた形で広告やSEOを設計することがCTRの効果的な改善につながります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
CTR(クリック率)改善時に注意する点
CTRの改善を行うときには、上記のチェックポイントを意識するだけでは不十分です。
まず、CTRの数値だけを追わないよう気をつけなければいけません。
CTRの改善はあくまでコンバージョンを増やすための施策の一つです。
CTRを上げようと広告テキストやキーワードを変更しても、ページと内容が一致してなければコンバージョンにはつながりません。
最終的なゴールにつながるCTRの改善であることを忘れないようにしましょう。
また、CTRの改善は長期的な視点で取り組むことが大切です。
CTRの数値は広告テキスト・キーワード・掲載時間・掲載場所などさまざまな要因に影響を受けます。
短期的な視点で考えても本質的な改善にはなりません。
データ解析・活用の事例はこちら
CTR(クリック率)の計算で悩んだら
CTRの計算や数値の改善方法で悩んだら、デジマクラスなどのコンサルタントに相談してみると良いでしょう。
本質的なCTR改善を最短ルートで実現するためには、Webマーケティングに精通したコンサルタントへの依頼が効果的だからです。
CTRが上がらない理由やCTRアップのための対策はすべての業界・業種に共通するわけではありません。
効率的にCTRを改善するには、原因から対策まで個別に考える必要があります。
また対策を洗い出しても全部を同時に実行することはできません。
最も効率的に改善するために対策の優先順位を決めることも大切です。
これらの原因の特定・対策の洗い出し・優先順位決めを手探りで行うと時間も手間もかかり、機会損失につながってしまいます。
まとめ
CTRは「CTR=クリック数÷インプレッション数×100」の計算式で算出することが可能です。
CTRを高めれば、広告ランクの上昇・広告やランディングページの質向上・コンバージョン数の増加が期待できます。
CTRを上げるためにはユーザー目線で広告やSEOを見直すことが重要です。
ただし手当たり次第に対策を講じても機会損失になります。
CTRの改善方法はデジマクラスなどのコンサルタントに相談すると良いでしょう。