IT技術の発達に伴い、多くのユーザーがスマートフォンやタブレット端末でSNSを楽しむようになりました。
企業のWebサイトのあり方も変化しており、SNSを利用した分散型メディアが活発になっています。
分散型メディアのメリットや活用方法を知ることでマーケティングに活かすことができるでしょう。
この記事では分散型の事例とともに活用のポイントなどを解説していきます。
SNSを利用したマーケティングに活かせるよう、参考にしてください。
目次
分散型メディアの位置づけ
Webサイト運用はコンテンツを自社のサーバーに集約してひとつの大きなメディアとする企業が多くありました。
自社の情報から始まり動画やその日のチラシまで様々なコンテンツをWebサイトに集約する形です。
一方、分散型メディアは自社のサーバーにコンテンツを収集せず、SNSで共有するという位置づけになります。
従来のようなメディアの運用から分散型メディアに注目が集まった背景や既存メディアとの違いを見ていきましょう。
そもそもどういうこと
従来のWebサイトを主としたメディアは、自社のサーバーにコンテンツを集めていたのです。
情報をユーザーに見てもらうためには、ユーザーに検索エンジンで検索してアクセスしてもらわなければなりませんでした。
ユーザーが打ち込んだキーワードや検索エンジンのアルゴリズムによって集客数が大きく左右される仕組みといえます。
一方SNSを利用すれば自社サイトを1から全て作成する必要もなく、拡散力も期待できるのです。
多くのユーザーがSNSから情報を得ることが多くなり、企業の情報をユーザーに広げるためにも分散型メシアが注目され始めました。
既存メディアと何が違う
既存メディアは様々なコンテンツを自社のサーバー上にあるWebサイトに集約していました。
ページを1から作り、情報を掲載していたのです。既存メディアは自社で情報を集積するため統一感があります。
ユーザーは検索エンジンで検索をしたりSNSで案内されたURLからアクセスしたりする必要がありました。
分散型メディアは自社のサーバーにすべてのデータを集約しません。
SNSで直接発信するため、ユーザーのタイムラインに情報がそのまま流れていきます。
そのためSNSに流せるようなコンテンツが必要になるのです。
既存のメディアとはコンテンツの作成方法が違うといえるでしょう。
分散型メディアの代表的な事例
実際に分散型メディアはどのように運用されているのか代表的な事例を見ていきましょう。
実例を見ることで運用する具体的なイメージに繋がります。
この章で紹介する事例は以下の2つです。
- Now this
- C Channel
それぞれ特徴や運用方法などを紹介します。
Now this
Now thisはその時時のニュースやトピックスを情報として共有しているサイトです。
コンテンツの内容はその多くが動画になっています。
Now thisの特徴は、制作した動画を多くのSNSで発信しているという点でしょう。
動画を配信しているSNSは以下の通りです。
- X(旧Twitter)
- Snapchat
- YouTube
- TikTok
各メディアの規格に合う動画を作成して、それぞれのアカウントで発信しています。
C Channel
C Channelは分散型メディアを利用した女性向けのコンテンツです。
動画を各SNSメディアで配信し、Webサイトで紹介しています。
利用しているSNSは以下の通りです。
- X(旧Twitter)
- YouTube
- TikTok
- LINE
動画は各SNSの企画に合わせて作成されており、メイクやファッション・美容や料理などの情報を配信しています。
動画がメインの理由
分散型メディアはコンテンツそのものを配信しユーザーに見てもらうことが目的です。
従来のようにSNSに広告を出稿して自社のWebサイトに誘導するのが目的ではありません。
そのため、ユーザーに見て貰う価値のあるコンテンツが必要なのです。
SNSの投稿でユーザーの目を引くのは画像や動画コンテンツになります。
SNSのタイムライン上では常に情報が流れていきますので、ユーザーは目についたものから優先して中身を確認するのです。
動きや音があるものはそれだけで人の目を引くことができます。
分散型メディアの運営はユーザーにコンテンツそのものを見て貰う必要があるため、人目を引く動画がメインになるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
分散型メディアのメリット
分散型のメリットは以下の2つが挙げられます。
- コストがかからない
- 認知拡大のスピードが速い
メリットを知ることで自社の方針や目的に沿うかどうかの判断材料にできるでしょう。
それぞれ紹介していきますので参考にしてください。
コストがかからない
分散型メディアのメリットのひとつにコストがかからないという点があります。
従来のWebサイト運用では初期のサーバー導入や開発コストが必要でした。
その後もサーバーを維持していくためにはコストが必要になります。
分散型メディアはSNSを利用するため初期のコストがかからないといえるのです。
自社サイトにすべての情報を収束するためには、情報を発信するページを1から作成しなければなりません。
分散型メディアはSNSのプラットフォームがありますので、動画を作るコストだけで済むのもメリットです。
認知拡大のスピードが速い
SNSでは、気に入った情報があればユーザーは自分のフォロワーに情報を共有することができます。
ユーザーの心を惹きつけるような動画や情報をSNSで発信することができれば、情報はどんどん拡散していくでしょう。
自社のアカウントのフォロワー以外の、新しいユーザーに情報を認知できるチャンスが増えるのです。
従来のWebメディアに比べてSEO対策をする必要もありません。
SNSで話題になると発信した情報は、さらに多くのユーザーの目にとまることになるでしょう。
・サーバーの立ち上げなどの初期コストがかからない
・多くのユーザーに拡散されると認知が加速する
分散型メディアのデメリット
コストがかからず認知拡大も狙える分散型メディアですが、以下のようなデメリットもあります。
- 必ずしも拡散するとは限らない
- 自由度の制限がある
Webメディア運用ではメリットだけに目を向けず、デメリットも知った上で判断していきましょう。
必ずしも拡散するとは限らない
SNSを利用して情報が拡散すれば多くのユーザーの目に情報が届くでしょう。
多くのユーザーが情報を拡散して投稿が一気にトレンドに載ることをバズるといいます。
一度投稿がバズればあっという間に情報が拡散されるでしょう。
SNSで情報が拡散されるのは一般のユーザーの力が大きいです。そのため投稿した情報が必ず拡散されるとは限りません。
また一度投稿した情報は時間が経てば経つほど古くなります。
SNSでは常に新しい情報が発信されていますので、拡散されなかった情報にスポットライトがあたることは難しいです。
投稿した情報によっては、期待した効果を得られない場合があります。
自由度の制限がある
分散型メディアでは多くのSNSを利用します。各メディアは動画や文字数などにそれぞれ独自の基準があります。
そのため、各メディアに合わせた企画で動画を作成する必要があるのです。
サイズの大きさや文字数に制限があるので、自社で情報を発信するメディアに比べると自由度は下がります。
ひとつの投稿の文字制限は決して多くはありませんので、動画に添える文章もある程度推敲する必要があるでしょう。
思い通りの動画や文章を投稿できるわけではありませんので注意してください。
分散型メディア活用のポイント
SNSを利用した分散型メディアで気をつけなければならない点は、情報発信の目的です。
分散型メディアではSNSへの投稿は広告が目的ではありません。
発信した情報コンテンツそのものをユーザーに見てもらうことが大きな目的になるのです。
またそれぞれのメディアの特徴が違いますので、特徴を把握しておく必要があるでしょう。
それぞれのポイントを紹介しますので参考にしてください。
宣伝ではない
従来型のメディアは、自社のWebサイトに呼び込むことを目的としてSNSに投稿していました。
最終的に自社のサーバーにある情報やコンテンツを見てもらう必要があったためです。
一方、分散型メディアはSNS情報発信の目的は宣伝ではありません。
コンテンツそのものをユーザーに見てもらうことが目的になるのです。
そのため作成する動画の内容も異なります。
宣伝を目的とせずに、企業の持っている楽しい・興味深い情報を見てもらうような内容が理想です。
各ソーシャルメディアの特徴を押さえる
動画やコンテンツを作成する際は、各メディアの特徴を押さえておくのもポイントです。
各メディアでは投稿の規格や成約が異なります。またSNSの特色や利用するユーザーも異なるのです。
Instagramで人気のある写真や動画であったとしても、X(旧Twitter)ではあまり話題にならないということもありえます。
各メディアでどのような投稿が好まれるのかを確認しておきましょう。
・宣伝ではなく見てもらうコンテンツを意識する
・各メディアの特徴を抑えてコンテンツを作成する
分散型メディアの調査
実際にユーザーが分散型メディアをどのように利用しているか調査しました。
ユーザーの動きを知ることで、どのように情報を発信していけばよいか見えてくるでしょう。
スマートフォンが普及してユーザーがどのようにSNSやコンテンツと関わっているのか確認していきます。
SNSで検索する
スマートフォンを持つユーザーは、SNSからの通知もたくさん届きます。
フレンドからメッセージが届くたびに通知が鳴るという経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
SNSのアプリをスマホの画面からすぐに呼び出せるようにしているユーザーも多いです。
SNSを身近に感じているユーザーは、知りたい情報をSNSで検索します。
検索に使用されるプラットフォームは検索エンジンだけではないということなのです。
SNSで情報を発信することにより、その情報を知りたいユーザーの目に留まる可能性があります。
スマホで動画を見る
IT技術が発達し通信速度も速くなりました。それに伴い、大容量のデータのやり取りも可能になったのです。
画像や動画コンテンツは情報量が多くある程度の通信速度が保てなければ快適に閲覧することができません。
そのため従来では動画を見るのはPCでというユーザーも多かったようです。
しかし通信速度環境が改善されるとスマホで動画を見るユーザーが増えてきました。
スマホは一瞬でアプリを起動することができるなど、手軽に動画を見ることができるのです。
人気のレシピ動画は
SNSのタイムラインの流れを見ていると、料理やレシピの動画を見る機会も多いです。
人気のレシピ動画は以下のようなものがあります。
- kurashiru(クラシル)
- DELISH KITCHEN
クラシルは自社サイトの他にもFacebookやInstagram・X(旧Twitter)などにレシピ動画を発信しているレシピ動画サービスです。
毎日多くのレシピがアップされるのが魅力になります。
DELISH KITCHENは、上部から撮影した画面が特徴的なレシピ動画を配信するサービスです。
X(旧Twitter)やLINE・Instagramなどでも情報を発信しています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
分散型メディアの将来性
料理動画サービスなど、分散型メディアは急成長をしてきました。今後も同じようなサービスや企業が参入する可能性もあります。
分散型メディアはSNSの発展とともに、さらに規模が拡大する可能性もあるでしょう。
技術が発達することにより、もっと大容量の美しい動画を共有することができるようになるかもしれません。
SNSを利用するユーザーが増えてタイムラインが活発になれば分散型メディアもますます賑わうことになるでしょう。
分散型メディアで悩んだら
多くのユーザーがSNSを利用するようになり、分散型メディアが注目されるようになってきました。
複数のSNSで情報発信を続けることにより、多くのユーザーにコンテンツを見てもらえる能性もあるでしょう。
しかし複数のSNSを活用するためには、各メディアの特徴や仕様に合わせた対応が必要になるなどいくつか注意点もあります。
分散型メディアでの悩みがありましたらデジマクラスにご相談ください。
どのような問題があるのかを一緒に見つけ出して解決していきましょう。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
まとめ
分散型コンテンツは初期コストがかからずすぐに開始することができます。
内容がユーザーの興味を引くものであれば、急速に拡散されて認知が拡大する可能性もあるメディアです。
しかしSNSの投稿は必ず拡散されるというわけではありません。
どんなに動画を投稿しても期待した効果が得られない可能性もあります。
また各メディアはそれぞれ独自の仕様や規格がありますので、それに合わせたコンテンツが必要になるのです。
とはいえ、分散型メディアはITの発達に伴い今後も発展していくでしょう。
もし分散型メディアで悩みや不安がありましたらデジマクラスにご相談ください。
悩みや不安を解消して、注目されるコンテンツを発信してマーケティングに活かしていきましょう。