一般検索と対比される「指名検索」は固有名詞を含むクエリを使った検索行動です。
企業名やブランド名・サービス名で指名検索されると検索結果の上位に自社のページが表示されます。
では指名検索の結果にリスティング広告も表させるべき理由とは、何なのでしょうか?
広告を出稿した方がよいケースや不要なケースを確認して、今後のマーケティング施策を定めましょう。
この記事では指名検索数の改善や、指名検索のリスティングで成果を出すために必要なポイントも解説します。
目次
指名検索と指名キーワードの関係性
「指名キーワード」とは固有名詞を含むクエリです。主に以下の4つの1つまたは複数が入ったキーワードを指します。
- 企業名
- ブランド名
- 商品名
- サービス名
特定のページへのアクセスを目的とする指名検索では、指名キーワードが使われます。
例えば「マーケティング戦略」で検索すると、結果上位に表示されるWebページは多様です。
しかし指名キーワードとなる「デジマクラス マーケティング戦略」で検索をかけると、上位表示が変わります。
検索結果の上位に表示されていてユーザーの目にとまるのは、本メディアのマーケティング戦略に関するページです。
指名検索でリスティング広告を表示させる重要性
指名検索が増えればリスティング広告に指名キーワードを使う必要がないと考えるかもしれません。
しかし指名検索でリスティング広告を表示させることは、マーケティング戦略において非常に重要です。
得られるメリットを理解して広告を出稿する際の施策に役立てましょう。
他社の広告表示による機会損失の防止
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれている通り、ユーザーが入力したクエリの内容に応じて表示される広告です。
自社のブランド名やサービス名が入っていても、他に一般名詞を含むと関連する他社の広告も配信される可能性があります。
自社サイトへアクセスしようとしたユーザーが目的を達成する前に、ライバル企業のサイトに行くという事態を招きかねません。
固有名詞で検索するユーザーは購買意欲が高い傾向にあり、他社に流れてしまうと大きな機会損失となり得ます。
指名キーワードでアクセスを試みる潜在顧客を確保できるよう、指名検索の結果にもリスティング広告を配信しましょう。
検索画面の占有面積の増加
指名検索の結果にリスティング広告を表示して、検索画面の占有面積が増やすとアクセスの増加を見込めます。
検索エンジンを使ったユーザーの約6割がアクセスするのは、上から2番目までに表示されているページです。
指名検索では自社のページが上位に表示されますが、リスティング広告も配信していればさらに目立ちやすくなります。
結果として固有名詞で検索した購買意欲が高いユーザーを、より確実に自社サイトへ誘導できるようになるのです。
・他社の広告によって潜在顧客が流出するのを防止できる
・上部の広告にも自社のページがあることでユーザーの目にとまりやすくなり、アクセス数の増加が期待できる
リスティング広告を指名検索で出稿すべき基準
指名検索でのリスティング広告出稿が急がれるのは、具体的にどのような場合なのでしょうか?
基準となる自社と競合の関連を調べるには、指名キーワードで検索してみることが重要です。
検索結果から分かる出稿の必要性を確認していきましょう。
競合他社の広告表示
検索連動型広告はキーワードを自由に選んで出稿できるため、他の会社の名前やブランド名を使うことも可能です。
実際にGoogleでは商標を広告の出稿に使う際、特に制限や調査を設けていないとしています。
検索結果に競合他社のリスティング広告が配信されているなら、同じキーワードを買うタイミングと考えましょう。
指名キーワードに含まれる一般名詞によっても表示されますが、他社が狙って競合の名前を使っている可能性があります。
リスティング広告の表示位置が決まるに当たって、クリック単価だけでなくキーワードとページの関連性も重要な要素です。
自社のブランド名や商品名を含むキーワードで出稿すれば、競合よりも目立つ位置で広告を配信できる可能性が高まります。
同名の他社・他サービスの広告表示
自社と名前が同じだったり似ていたりする企業・商品・サービスが表示される場合も、出稿の必要があるケースです。
コンサルティング業の「A社」を検索したとき、電気機器メーカー「A社」の広告が表示されてもユーザーの目的は達成されません。
インターネットを使って情報収集をする場合、時間的なコストをかけずにゴールにたどり着きたいと考えるのが通常です。
ユーザーに余計な手間をかけて機会を損失しないためにも、自社で指名キーワードを買って出稿しましょう。
自然検索における自社サイトの順位
関連する指名キーワードで検索されたとき、自然検索結果の上位に表示されるのは基本的に自社のページです。
しかしSEO対策が不十分などの理由で1位を他社に取られているなら、リスティング広告を出す必要があります。
検索画面の上部を占有する面積が増えれば増えるほど、取り逃しなくユーザーを自社のページに誘導可能です。
SEO対策を練って自然検索の順位を上げるには相応の時間と手間がかかります。
対策に十分なリソースがない・短期間で成果を上げたいという場合は、リスティング広告で対処するのが手っ取り早い方法です。
・競合他社に指名キーワードを使われており、重大な機会損失につながる可能性がある
・同名他社や似た名前のサービスが表示されており、アクションまでのハードルが上がっている
・自然検索で上位を取れておらず、検索画面上部の占有率が低い
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
指名検索数を改善するポイント
指名キーワードを登録するときに工夫を施すと、指名検索からの流入数・コンバージョン率の改善が可能です。
具体的にはどのようなポイントを意識すると効果的なのでしょうか?
検索するユーザーのシチュエーションや実際の行動を考慮して、施策を打つことが重要です。
打ち間違いを考慮してキーワードを登録する
検索するときのタイプミスは頻繁に起こるため、キーワードを登録する際は打ち間違いやすいワードも入れましょう。
例えばデジマクラスなら登録しておきたいキーワードとして、「デジマグラス」「デジマグラフ」などが挙げられます。
特にSNSなど固有名詞が目にとまる時間が短い媒体で知名度の向上を図っているなら、ユーザーへの配慮が必要です。
せっかく興味を持って指名検索をしても打ち間違いで広告が表示されないと、アクセスにつながりません。
潜在顧客を取り逃さないためにも、可能な限り打ち間違いのバリエーションを考えてキーワードを登録しましょう。
かな表記・英語表記のテキストを使い分ける
Google検索では配信された広告文の中で、ユーザーが入力した内容と一致する部分が太字で表示されます。
検索したワードが太字表記になっている広告は、太字がない広告と比べてアクセス率が上がるのが一般的です。
ただテレビやSNSで商品やサービスの知名度を上げても、興味を持った人全員が正確な表記を覚えているわけではありません。
名称が英語表記の商品やサービスがあるなら、かなに直した表記も広告テキストに含めましょう。
テキストを使い分けると自社へアクセスしたいと考えているユーザーを取りこぼさなくなり、指名検索数を改善できます。
・打ち間違いやすいワードもキーワードとして登録する
・英語表記の商品・サービスの名前はかな表記も作り、テキスト分けする
指名検索の効果を高めるポイント
指名検索の結果へリスティング広告を表示させるに当たって、効果を上げるには工夫が必要です。
アクセス数やコンバージョン率の向上に有効な施策を3つチェックしましょう。
いずれもユーザーのアクションを促す取り組みだという点がポイントです。
説明文などにユーザーに有益な情報を記載する
広告が表示されたときにユーザーが最初に見るのはタイトルと説明文です。
クリック数を増やすにはユーザーにとってのメリットを分かりやすく提示する必要があります。
期間限定のキャンペーンなど有益な情報が説明文に記載されていれば、アクセス率や購入確度が高まるのです。
Google広告では説明文と別に詳細なサービス情報を表示できる、「コールアウト表示オプション」も用意しています。
最大10個まで登録できるため都度説明文を書き換える手間がありません。
タイトルには説明文ほどの情報量を入れられませんが、消費者に刺さる文言を使うのがポイントです。
自社サービスと分かる文言と訴求力のあるフレーズを盛り込みましょう。
ユーザビリティを高める
広告を見たユーザーが目的を達成しやすくする施策も、指名検索の効果を高めるのに有効です。
「サイトリンク表示オプション」を使えば広告文の下に、問い合わせやFAQなどのページに飛ぶリンクを表示できます。
目的を達成できたユーザーの満足度は高まり、購買意欲の向上につながるのがメリットです。
また複数のページへのリンクを表示することで検索画面の占有面積を増やすという効果もあります。
地域別に広告をカスタマイズする
ユーザーがいるエリアによって配信する広告を決めるのも、指名検索の効果向上に役立つ施策です。
Google広告の「地域ターゲティング」という機能では、消費者が現在いると思われるエリアに関連した広告を表示できます。
位置情報に基づいて広告内容をカスタマイズすれば、ユーザーが必要としているサービスのPRが可能です。
地域ターゲティングでは除外するエリア・興味のある場所に応じた広告配信など、細かくカスタマイズできます。
・ユーザーがメリットを感じる情報を、説明文やコールアウト表示オプションで提示する
・目的達成の手助けとなるように、サイトリンクオプションで特定ページへの導線を作る
・ユーザーのいる地域や興味のあるエリアに基づいて、配信する広告をカスタマイズする
一般キーワードと指名キーワードの特徴も踏まえよう
固有名詞を含まない一般キーワードと指名キーワードでは、リスティング広告においても違いがあります。
それぞれの特徴や違いを踏まえた上でROIや指名検索の効果が高まるように出稿しましょう。
一般キーワード
「マーケティング 施策」といった一般名詞のみで構成されるキーワードが「一般キーワード」です。
一般キーワードを買ってリスティング広告を出す場合、多くの競合他社と入札で競い合わなければなりません。
登録している企業が多ければ多いほどクリック単価は上がる傾向にあります。
広告として配信するページの質を高めていかなければ、よい位置を獲得しにくいという点もデメリットです。
ただ指名検索を得られるほど知名度が高くないのであれば、一般キーワードを買う方が適しています。
指名キーワード
指名キーワードは基本的には自社のみが使うため、一般キーワードと比べてクリック単価は安くなります。
またクリック単価を決定する要素として重要なのが、ページ内でキーワードと同じ単語が使われているかです。
自社の固有名を含む指定キーワードを買って出稿すれば、必然的にキーワードとの一致率が上がり単価は安くなります。
ただし実際の単価は1つ下に表示される広告によって上がる場合もあるため、入札額は引き上げすぎない方が賢明です。
リスティング広告を指名検索にしなくてもよい場合は?
指名検索で1位を獲得できていて競合他社の広告も表示されないのであれば、指名キーワードでのリスティング広告は不要です。
占有面積を増やさないと収益を確保できないなら出稿すべきですが、現状で問題なければ自然検索だけでも十分でしょう。
判断するポイントは自社に流入するはずだったユーザーを、他社に取られるリスクが高いかどうかです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
指名検索でリスティング広告を出稿する際の注意点
指名検索のリスティング広告で効果を上げるには、自社の固有名詞が含まれるキーワードを買うだけでは不十分です。
リスティング広告の出稿で成果を出すために注意したいポイントを2つ紹介します。
一般キーワードと指名キーワードでキャンペーンを分ける
同じ広告でも一般キーワードと指名キーワードでは、ユーザーのクリック率やコンバージョン率が変わります。
施策が有効だったのかを解析しやすくするためにも、両者で違うキャンペーンの広告を打ちましょう。
キャンペーンを分けると予算管理がしやすくなる点もメリットの1つです。
一般キーワードは指名キーワードと比べて、クリック単価やコンバージョン単価が高い傾向にあります。
同じ枠内で予算を決めると、一般キーワードにばかり費用がかたよってしまいがちな点に注意しましょう。
効果につながらないキーワードを除外登録する
指名検索をする人の意図によっては、広告を配信しても効果が出ないどころかマイナスになる場合も出てきます。
「A社 解約」など不利益につながりやすいワードは、除外登録をして外すことができます。
マイナスになる言葉だけでなく一般キーワードも、指名検索と混ざらないように除外登録をしておきましょう。
キーワードの種別ごとにデータを取れるようにしておけば、効果測定をしやすくなります。
リスティング広告をどうやって指名検索させるか困ったときは?
指名検索の結果にリスティング広告を表示させるには、買うキーワードの選定や競合の状況確認が必要です。
費用対効果が高い出稿の仕方も考えなければ、成果につながらず大きなマイナスになってしまう可能性もあります。
指名キーワードでのリスティング広告出稿にお困りなら、デジマクラスのコンサルティングサービスをご活用ください。
相談無料でリスティング広告に関する悩みだけでなく、デジタルマーケティング全般の課題解決をお手伝いします。
まとめ
指名キーワードで検索上位を獲得しても、競合他社や同名他社・類似サービスの広告が表示される可能性があります。
より確実にユーザーを自社へ誘導したいならリスティング広告も表示させましょう。
指名検索数を改善するには打ち間違いを計算に入れたキーワード登録や、表記の使い分けが求められます。
より効果的に収益の向上を図るには配信する広告に、ユーザーのアクションを促せるような工夫を施すのがポイントです。
一般キーワードとのキャンペーン分け・除外登録の活用といった注意点も意識して、リスティング広告で成功を目指しましょう。