私たちの日常でSNSは当たり前のように使われています。
なくてはならない存在になりつつあるのも現状です。
有名企業もSNSを有効に活用し、マーケティングを成功させています。
たくさんのユーザーに楽しんでもらいながら、売り上げを上げることができるのであれば、万々歳です。
この記事では、SNSマーケティングを成功させるのに必要な情報を、成功事例とともにご紹介していきます。
目次
一般化したSNSマーケティング
SNSマーケティングは、企業がSNSを利用して、商品のPRや認知度拡大を行うデジタルマーケティングを指します。
スマートフォンが普及されるまでは、テレビやラジオ、新聞などから情報収集することが当たり前でした。
しかし、1人1台スマートフォンを所有するのが普通となった現代では、SNSを利用するユーザーが急増しています。
若者が使うツールとして思われがちなSNSですが、40代以降の利用率も伸びているのが現状です。
老若男女が情報を収集するために利用していることがわかります。
そのことに注目する企業が増え、認知拡大に向けて取り入れるのが当たり前になってきました。
日本では、Facebook・X(旧Twitter)・Instagram・LINEの4種類が主に多く使われています。
本名で登録を行うため信頼性が高くオフィシャルな情報を発信するのに適するFacebook。
140文字の制限があるため手軽に発信でき、「リツイート」機能で不特定多数に情報を広げることができるX(旧Twitter)。
若年層の利用や女性のユーザーが多く、おしゃれな投稿が重視されるInstagram。
日本で月間ユーザー数が最も多く、公式アカウントを「友だち」として登録しお得な情報が得られるLINE。
それぞれの特徴をうまく利用して、マーケティングを行うようになりました。
SNSマーケティングの成功事例を紹介
SNSマーケティングで認知度拡大に成功している企業は増えています。活動事例をご紹介します。
ハーゲンダッツジャパン
ハーゲンダッツジャパンは様々なアイスフレーバーが魅力です。
ハーゲンダッツの蓋を開けると現れることがあるハート型のクレーターが、ファンの間で話題になっていました。
Facebookでシェアされることが増え、ハーゲンダッツジャパンは「ハーゲンハート」としてキャンペーンを企画したのです。
そのキャンペーンとは、ハートの種類で占いを楽しめるといったものでした。
結果として、多くのSNSで写真や占い結果が投稿され反響を呼んだのです。
日本コカ・コーラ
日本コカ・コーラの代表商品となった人気商品『い・ろ・は・す』も1つの例です。
X(旧Twitter)では、2015年10月に販売予定であった新商品フレーバーを4択の中から予想するキャンペーンを開催しています。
正解者には抽選で新商品をプレゼントするという、新しいキャンペーンを行い話題となりました。
キャンペーン当選者に届く特製ボックスは、桃の箱を開けると『い・ろ・は・すもも』が出てくる可愛い仕掛けです。
当選者の半数が特製ボックスの写真ををツイートするという現象も起きました。
予想キャンペーン終了後、正式に『い・ろ・は・すもも』の販売をX(旧Twitter)で公表。
1日に約10万リツイートを記録し、たくさんのユーザーにシェアされています。
Airbnb
Airbnbは、アメリカで誕生しました。
旅行先が決まっていない旅行者への宿泊仲介を担うサービス会社です。
この宿泊仲介会社でも、SNSマーケティングが活用された事例があります。
Airbnbはインフルエンサーマーケティングに目をつけ、Instagramの活用に力を入れました。
例えば、歌手のマライア・キャリーさんがあるビーチに宿泊をしたという情報を発信。
その後約4万5,000件のいいね!を獲得しました。
一気にAirbnbを世界に広めることに成功した事例といえます。
メルカリ
フリマアプリといえばメルカリですが、メルカリもSNSマーケティングに成功しています。
メルカリが力を入れたのは、メルカリアプリダウンロード数でした。
メルカリは、創業からアプリのダウンロード数が伸び悩み頭を抱えていました。
Facebookなどの広告により、最も支持が欲しかったF1層(20歳~34歳までの女性)に向けて発信しアプローチに成功したのです。
またメルカリとSNSからユーザーが興味を持った商品データを集め、合致する広告を表示しました。
それそれに合った広告を表示させ購買に繋げたのです。
株式会社おやつカンパニー
2021年3月、大豆を使用しタンパク質20g配合の『BODYSTARプロテインスナック』を販売しました。
体づくりや筋トレに力を入れているインフルエンサーを起用し、PRに力を入れたのです。
「60秒サーキットリレー」と題したトレーニング動画投稿を促し話題になりました。
筋トレや体づくりに力を入れている人が増えてきた、というニーズをうまく捉えています。
さらに結果を出しているインフルエンサーを起用することで多くの人が注目するのです。
このキャンペーンでインフルエンサーマーケティングをうまく活用し、認知拡大に成功しているといえます。
シャープ株式会社
大手家電会社シャープのX(旧Twitter)公式アカウントについてご紹介します。
一般的な新製品PRなどの投稿は少なく、お笑い芸人のツイートを連想させるようなユーモア溢れる投稿が話題です。
また、ユーザーからの家電買い替えについてのお悩みにも回答しました。
他社の製品を薦める投稿も見られるなど、大手企業の投稿とは思えないものがたくさんあります。
大手企業の公式アカウントというと、宣伝じみたものも多く飛ばしてしまいがちです。
ついつい読んでしまう内容を多く投稿することにより、ファンを獲得しています。
多くのフォロワーに支持され、SNSマーケティングに成功しました。
SNSマーケティングを成功させる方法
次にSNSマーケティングを成功させる方法について見ていきます。
目的・目標を明確にする
SNSマーケティングで最も重要なことは、ゴール・目的(KGI:Key Goal Indicator)を決めることです。
ゴールを決めずにいきなり始めることは、かなりリスクがあります。
SNSでどのように伝えるかにこだわって、ゴールを見失っては意味がありません。
「SNSを活用し、ユーザーに何を伝えたいのか。」「どのようになっていきたいのか。」を明確にすることが重要になってきます。
KGI到達までにどの程度の時間が必要なのかを考えることが重要です。
目標の達成度(KPI:Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を表すことが鍵になってきます。
ペルソナの設定
最も重要としているお客様像を明確にすることも必要です。
自社がイメージしているお客様像によってどのSNSを使用すれば、ペルソナに響くかどうかが変わってきます。
例えば若い女性層をイメージしているのであれば、Instagram、お客様とのコミュニケーションを重要視するのであればX(旧Twitter)が有効です。
どのような内容を投稿するかにも影響し、重要になってきます。
常に改善を意識
SNSマーケティングの効果を実感するためには、定期的に投稿したデータを集めて常に確認が必要です。
そして、その都度改善をしていくことが大切になってきます。
マーケティングに必要であるPDCAサイクルのAction(改善)の部分です。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
投稿した内容からデータを分析、問題点はどこにあるのかをきちんと浮き彫りにし、改善することが必要とされます。
有益なコンテンツ
インターネットの普及で、知りたい情報を気軽に検索し多くのサイトを閲覧する機会が増えました。
私たちは画面上の文字を読むことに慣れてきて、文章だけの情報では満足しなくなっています。
そこで注目されたのがビジュアルコンテンツです。
印象的な画像や写真、動画などで私たちユーザーへ、視覚的にアプローチをします。
X(旧Twitter)では画像と共に投稿した内容と、画像なしの投稿とでは約3倍の違いが確認できたデータもありました。
目を引くビジュアルコンテンツで、ユーザーの心を掴むのです。
SNSマーケティングの事例はこちら
ターゲットに響かせるコンテンツ
むやみにビジュアルコンテンツを利用すればよい訳ではありません。
重要なのは、シェアしたくなるものであるかということ。感情に働きかけられるコンテンツであるかが重要です。
例えば、SNSでは可愛い犬の動画をシェアしているユーザーが多くいます。
その理由は、“可愛い”という感情をたくさんの人と共有したい思いがあるからです。
自分がよいと思ったものは家族や友達に教えたい、分かち合いたいという思いが沸き上がります。
つまり、感情を動かされることがシェアへと繋がるのです。
流行の物、話題になっている物も感情を動かされる傾向にあり、シェアが増えていることがわかっています。
話題になっている物をもっと広めたいという気持ちにさせることから、シェアに繋がっていくのです。
SNSマーケティングにおける注意点
SNSマーケティングには、ビジュアルコンテンツが重要であるとお伝えしてきました。
こだわったコンテンツを作成するには、たくさんの時間と労力は必要不可欠です。
他にも投稿作業や、データ分析、ユーザーからの質問回答など作業は増えていきます。
本来の業務と兼任であると、ほかの仕事をしながら全てを把握するのは難しく効率が下がることも少なくありません。
負担になってしまい、どちらも中途半端になってしまいます。
きちんとSNS担当を決めることが重要です。
SNSマーケティングは自社アプリを活用
自社アプリを活用する企業も多く見られています。その理由を詳しく見ていきましょう。
自社アプリ活用のメリット
アプリを活用することの最大のメリットは、自社のブランディングを自由にできるという点です。
アプリのデザインから、機能まですべて自社で設計することができます。
自社の特徴をアプリに盛り込み、他社との差別化を図ることができれば、マーケティングにも繋がるのです。
JALの事例から学ぶアプリ離れ阻止
この自社アプリをうまく活用しているのがJALです。
JALはアプリをダウンロードしたユーザーに対して、抽選で国内線往復航空券が当たるといったキャンペーンを実施しています。
その結果、アプリのダウンロード者数を増やすことに成功しました。
またこのキャンペーンは、アプリを既にダウンロードしていたユーザーも参加可能だというのがポイントです。
たくさんのアプリが存在するなかで、アプリを整理する人も増えています。
ユーザーを楽しませるキャンペーンを開催し、アプリを消去しようか迷っているユーザーの心を掴みました。
既存ユーザーのアプリ離れを阻止することに成功したのです。
変化するオウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が所有するメディアのことです。このオウンドメディアも時代とともに変化しています。
購買プロセス
消費者の購買プロセスを表すモデルとなっているのがAIDMA(アイドマ)の法則です。
- A…Attention:注目・注意
- I…Interest:興味・関心
- D…Desire:欲求
- M…Memory:記憶
- A…Action:行動・購入
元々消費者は商品に対して注目し興味を持った後、欲しいという欲求にかられ信頼性を記憶して購入する流れでした。
欲しいものがあっても、実際に店舗に出向き自分の目で確認するという作業が必要だったのです。
しかし、インターネットの普及で購買プロセスにも変化が見られます。
株式会社電通が2005年に提唱したAISAS(アイサス)の法則がこちら。
- A…Attention:注意
- I…Interest:興味・関心
- S…Search:検索・情報収集
- A…Action:行動・購入
- S…Share:共有
店舗へ出向かなくても情報が手軽に手に入るようになりました。
ユーザーは自分で情報を収集し、購入するユーザーが増えていきます。
また、SNSを利用することにより共有するといった意識も強くなったのです。
SEOやSEMだけではもう難しい
SEMとは「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)」の略で、検索エンジンを使用したマーケティング全般を指します。
そのなかで有名な対策がSEO対策です。
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略を指します。
Googleなどの検索で上位に表示されるようになればクリックされやすくなるのです。
インターネットで検索することが常識となっていることから、SEO対策を行う企業が増えていきました。
しかしSNSの普及により、今までは検索エンジンで行っていた検索・情報収集をするユーザーが減っています。
その理由は、SNSで検索を行うユーザーが増えているためです。
SNSでは、関連する投稿が表示されたり、興味をもったアカウントから常に情報が流れてきます。
わざわざ検索エンジンを使用して情報収集をしなくても、たまたま開いた画面から情報を収集し選ぶことで解決してしまうのです。
WEBマーケティングを行う際は、自社サイトの運営や検索エンジンのみを意識した取り組みだけで結果を出すことは難しくなります。
SNSを活用したマーケティングが不可欠です。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNSとオウンドメディアの関係
どのようにSNSを活用すればよいのでしょうか。
オウンドメディアを運用する最大のメリットは、自社で情報をコントロールできる点。
自社の信頼度の高い情報を発信することが可能です。
しかし先ほどもお伝えした通り、検索エンジンでの検索が減ってしまった現在。
いくらオウンドメディアで有益な情報を発信しても注目されなければ意味がありません。
そこで活用したいのがSNSです。SNSでHPの情報を発信すれば、正しい情報がシェアされ広がることになります。
それぞれの良さを活かせば、相乗効果を生むことができるのです。
SNSマーケティングと自然検索の違い
SNSはトレンドのものや新しい情報が注目される傾向になりました。
またシェア機能で、一気に情報を拡散することも可能。短期間で爆発的な人気を得ることもできます。
対して自然検索は、網羅性の高さやキーワードの選定力が必要です。
ランキングの順位の変動には一定の時間が必要であるため、上位にヒットするようになればすぐに動くことはありません。
SNSマーケティングで勝つためには
SNSの拡散力には何度も注目してきました。
ユーザーにシェアされる内容を投稿できれば、何も手を加える必要もなくどんどん情報が拡散されていきます。
そのためには、ユーザーにとってどのような情報が必要なのかを常に考えることが必要です。
ユーザーの立場になって考え、共感を得る投稿を増やすこと。
ファンを獲得し、自社の認知度や情報をどんどん拡散してもらうことが重要といえます。
ファン獲得に対してのアプローチが必要です。
SNSマーケティングの事例はこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか。時代とともに消費者の購買プロセスも変わってきています。
時代のニーズや流行にアンテナを張って消費者は何を求めているのかを大事にしていくことが重要です。
成功事例を参考にして、SNSマーケティングを有効活用してみてください!