第三者の意見を正しいと思ってしまう心理効果・ウィンザー効果は、マーケティング戦略に非常に役立ちます。
評価や口コミを参考にして商品やサービス・お店を選ぶという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウィンザー効果の基礎知識やメリット・デメリット、マーケティングに活用する際のコツもご紹介しています。
ウィンザー効果を活用したマーケティング戦略に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
目次
ウィンザー効果の基礎知識
ウィンザー効果とは、第三者から得られた情報に対して高い信頼性を感じるという人間の心理効果のことです。
行動経済学の用語としても知られており、マーケティング戦略においても効果的に用いられています。
ウィンザー効果の由来・メカニズムなどの基礎知識について、詳しく解説していきましょう。
由来
ウインザー効果の由来は、ミステリー小説の登場人物のセリフにあることをご存知ですか?
アメリカの女性作家アーリーン・ロマノネスによって書かれた「伯爵夫人はスパイ」に、ウィンザー公爵夫人という人物が登場します。
「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」という彼女のセリフがウインザー効果の由来です。
では、ウィンザー効果はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。
メカニズム
人間は、利害関係のない第三者から発信された情報を信じやすい傾向があります。
また、自分の意見よりも人数が多い集団の意見の方が正しいと感じる傾向もあるのです。
例えば、「私はみんなから好かれる人気者です」と自分で言っている人の言葉を鵜呑みにする人は少ないのではないでしょうか。
その意見に疑問を感じる人がいてもおかしくありません。
しかし、「あの人はみんなから好かれている人気者だよ」という第三者の意見を聞くと、自然に受け入れる人が多いでしょう。
このように、ウィンザー効果は日常生活の中で私たちの心理に影響を与えているケースが多いのです。
注目される理由
ウィンザー効果が注目される理由は、マーケティングに活用できるからです。
ネット上に掲載されている評価や口コミがその代表的な例になります。
商品やサービスに対する顧客からの忌憚のない意見をたくさん掲載することは、ウィンザー効果を活用した経営戦略なのです。
ウィンザー効果を活用することでどのようなメリットが得られるのかを、次の章で詳しく解説します。
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ウィンザー効果のメリット
ウィンザー効果をマーケティングに活用するメリットは大きいです。
ウィンザー効果のメリットについて詳しく解説していきます。
購買促進効果がある
1つ目のメリットは、購買促進効果があることです。
口コミやレビューは、さまざまな人がいろいろな言葉で商品やサービスの感想を述べています。
Webサイトで一方的に情報を発信するよりも、ボキャブラリー豊富な口コミやレビューの方が訴求力が高いのです。
たくさんの口コミやレビューによるウィンザー効果は、ユーザーや顧客の購買欲求に大きな影響を与えます。
レビュー数が多い商品をつい買ってしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
ウィンザー効果は、購買行動の促進に非常に役立つのです。
信頼感を与えることができる
2つ目のメリットは、信頼感を与えることができるということです。
口コミを投稿しているのが第三者である顧客やユーザーであれば、商品やサービスを褒めても何も得られるものがありません。
投稿者と商品やサービスの提供者との間に利害関係は発生しないのです。
閲覧するユーザーはそのことがわかっているからこそ、口コミを正しいものだと認識します。
良い評価や口コミがたくさん集まれば集まるほど、ウィンザー効果により商品やサービスの信頼性を高めることが可能です。
ウィンザー効果のデメリット
ウィンザー効果のデメリットは、悪い評価が拡散した場合に信じられてしまうリスクがあるということです。
良い評価の数より悪い評価の数が圧倒的に多ければ、かえって信頼が失墜してしまうという結果になりかねません。
もし悪い評価を見つけたら、改善策を講じて早めに解決することが大切です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
活用例①:第三者の意見を取り上げる
ここからは、ウィンザー効果の活用例をご紹介します。
1つ目の活用例は、第三者、つまり利害関係が発生しない顧客やユーザーの意見を取り上げる方法です。
顧客やユーザーの意見を集める方法は複数あります。
それぞれの方法について1つずつみていきましょう。
アンケート
アンケートは、顧客やユーザーの意見を集めるもっとも代表的な方法といえるでしょう。
アンケートの回答方法には次のようなものがあります。
- アンケート用紙への記入
- ハガキ・封書で郵送
- Webアンケート
アンケートの回答方法のうち、現在Webアンケートの利用が増えています。
Webアンケートの利用が増えている理由は下記のとおりです。
- 印刷・郵送のコストがかからない
- 回答の集計が簡単
Webアンケートであれば、回答フォームを作成してしまえば回答者がアクセスしてくれます。
Googleフォームのように無料で利用できる作成ツールも多く、運営費もかからないことがほとんどです。
また、集計も自動で行ってくれるので、手書きの回答をいちいち入力する必要がありません。
アンケートで回答を集めるのであればWebアンケートがおすすめです。
インタビュー
インタビューは、あらかじめ質問内容が決まっているアンケートよりも柔軟に対応できることが魅力です。
顧客の回答内容や反応に応じて質問内容を変えることで、より有益な意見を聞き出すこともできるでしょう。
紙面上でだけではわからない「生の声」を知りたいときに有効な方法です。
モニター募集
モニター募集は、特定の条件で回答者を募り、決められた期間内に情報や回答の収集を何回か行うシステムのことです。
商品やサービスのターゲットに絞って回答者を募集することができます。
モニター募集に参加する回答者は、商品やサービスをより良くしたいという意識の高い顧客が多いです。
アンケートやインタビューよりも自社にとってさらに役立つ回答が得られることも期待できるでしょう。
回答を聞けるのが1度きりということも少なく、同じ顧客から何度も回答を得られることもメリットといえます。
・アンケート
・インタビュー
・モニター募集
活用例②:口コミによるマーケティング
2つ目の活用例は、口コミによるマーケティングになります。
商品やサービスを選ぶときに、インターネットで口コミを検索して比較・検討するという人は多いでしょう。
企業による宣伝文句よりも、同じ消費者目線の口コミの方が信用できると思えるのは、まさにウィンザー効果です。
いかに多くの良い口コミを集められるかどうかが、マーケティング成功のカギとなります。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、口コミを最大限活用したマーケティングです。
人気があるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらえれば、情報が一気に広がります。
フォロワーが多ければ数多くの口コミが投稿されることも期待できるでしょう。
SNSで影響力が強いインフルエンサーが発信する情報は、一般のユーザーの情報よりも信憑性が高く感じられる傾向にあります。
まさにウィンザー効果を活用したマーケティングといえるでしょう。
オンラインキャンペーン
オンラインキャンペーンにおいても、口コミを活用したマーケティングは可能です。
話題性のあるユニークなキャンペーンを展開して、多くの投稿を集めます。
たくさん集まった投稿の中で閲覧者の興味を惹くものがあれば、SNSを通じて情報はどんどん拡散されるでしょう。
SNSであれば口コミだけでなくいいね!やシェアなどのアクションもできるので、注目度はさらに高くなります。
さらに多くの投稿を集めたいのであれば、画像や音声素材を提供する・撮影環境を整えるなどの工夫が必要です。
アイデア次第で非常に宣伝効果が高くなるマーケティング施策といえます。
・インフルエンサーマーケティング
・オンラインキャンペーン
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食べログの活用事例
ウィンザー効果を活用した企業の成功事例として、食べログの活用事例をご紹介しましょう。
食べログは、カカクコムグループによって運営されている日本最大規模のグルメサイトです。
「ランキングと口コミで探せるグルメサイト」というコンセプトのとおり、ランキングと口コミからお目当てのお店を探すことができます。
ユーザーは飲食店の写真や口コミを自由に投稿することが可能です。
その他、食べログには次のような特徴があります。
- まったく関係ない第三者が飲食店を評価している
- 月間1億人以上のユーザーが利用しており、口コミの件数が非常に多い
- 投稿者が行った店の数やエリアだけでなく、投稿数やフォロワー数などを確認することができる
第三者による口コミが非常に多いことから、ウィンザー効果がとてもうまく活用されていることがおわかりいただけるでしょう。
飲食店にとって都合の悪い意見も分け隔てなく掲載していることで、食べログの信頼性はさらに高まります。
さらに、投稿者の情報が確認できるということもユーザーにとっては大きなメリットです。
フォロワー数が多ければ多いほど、その投稿者の意見は正しいと判断されるでしょう。
さまざまな要素が重なってさらに高い相乗効果を生み、食べログは多くのユーザーに利用されるグルメサイトへと成長したのです。
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ウィンザー効果をマーケティングに活用するコツ
ウィンザー効果をマーケティングに活用するコツは次の3つです。
- 口コミは平等に掲載する
- ターゲットにあわせて意見を選ぶ
- 顧客満足度を数値化する
それぞれ1つずつみていきましょう。
口コミは平等に掲載する
良い口コミも悪い口コミも平等に掲載することは、ウィンザー効果をマーケティングに活用するうえで非常に大切になります。
企業の宣伝同様、良い口コミばかりが並んでいると「この口コミは本当なのだろうか」と不信感を抱く人もいるでしょう。
好印象を与えるために良い口コミしか掲載しない、という選択はかえって逆効果となるのです。
悪い口コミが一定数存在することで、口コミが本当に第三者からの意見であるということを証明することにつながります。
ウィンザー効果を最大限活かしたいのであれば、口コミは選り好みせずにすべて掲載するようにしましょう。
ターゲットにあわせて意見を選ぶ
口コミを選ぶときは、良い評価・悪い評価で選ぶのではなく、ターゲットにあわせて意見を選ぶことがポイントです。
ターゲットにあわせて意見を選ぶことは、狙ったターゲット層の集客効果を上げるためにも効果的な手段になります。
自社がアピールしたい商品やサービスの内容について触れている口コミを前面に押し出すことで、PR効果が高くなるのです。
顧客満足度を数値化する
顧客満足度を数値化することも、PR効果を高めるために有効な手段です。
例えば食べログの場合、飲食店の評価が星の数で一目でわかるようになっています。
総合評価だけでなく、料理やサービス・店内の雰囲気など項目別の平均点も確認することが可能です。
主観的な口コミだけでなく、客観的な評価も一緒に掲載することでクチコミの信頼性がより高くなります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ウィンザー効果をマーケティングに活用しよう
ウィンザー効果をマーケティングに活用することで、商品やサービスの集客効果や購買促進効果を高めることが可能です。
第三者からの意見が多ければ多いほど、ウィンザー効果が人間の心理に与える影響は大きくなります。
アンケートやオンラインキャンペーンなど、自社に適した方法で口コミを集めるといいでしょう。
前の章でご紹介したコツを押さえて口コミを掲載すればさらに効果的です。
ウィンザー効果をマーケティングに活用し、商品やサービスの収益性につなげましょう。
ウィンザー効果の活用に悩んだら
ウィンザー効果をマーケティングに活用するためには、マーケティングに関する専門知識が必要です。
アンケートやインフルエンサーマーケティングなどの戦略を自社だけで展開しようとすると、成果が出るまでに時間がかかります。
ウィンザー効果の活用で悩んだら、専門コンサルタントのデジマクラスにぜひ相談ください。
マーケティングに精通したスタッフが御社の経営戦略を全面的にサポートいたします。
まとめ
第三者からの意見を正しいと感じるウィンザー効果は、マーケティング戦略に活用することが可能です。
ウィンザー効果は顧客やユーザーの心理に影響を与え、間接的に商品やサービスの収益性を高める効果があります。
ウィンザー効果でマーケティングの成果を確実に得るためには、専門のコンサルタントを利用することが一番の近道です。
マーケティングに関する疑問点があれば、デジマクラスまでお気軽にご相談ください。