企業には「リーダーシップを持った人材が必要だ」とよく聞きますが、一口にリーダーシップといっても様々な種類があります。
就職・転職活動において「リーダーシップ」をアピールする人は少なくありませんが、その種類を明確に区別できている人は多くありません。
したがって、真のリーダーシップを身に付けるには、その種類を理解して目指すべきリーダーシップを明確にすることが重要です。
ここでは6種類のリーダーシップの概要やリーダーシップを発揮するために必要なこと・高める方法について紹介します。
目次
リーダーシップの考え方
様々なシーンで頻繁に用いられる「リーダーシップ」ですが、その意味とはどういったものでしょうか。
一般的には「統率力」「牽引力」などを思い浮かべる人が多いのが実態ですが、マネジメントとの違いを明確に答えられる人は多くありません。
ここでは改めてリーダーシップの意味・考え方及びマネジメントとの違いについて整理してみましょう。
リーダーシップの意味
リーダーシップとは「統率力」「牽引力」といった意味に加え「行動力」「指導力」「影響力」などの意味も含んだ言葉です。
すなわち、目標に向かって周囲の人々と共に努力できる人・率先してチームを良い方向に導ける人がリーダーシップを持った人だといえます。
かつて、リーダーシップを持った人は「特別な存在」であり、努力だけでは手が届かない存在だとされていました。
しかしリーダーシップの多様性が提唱され、誰もがリーダーシップを手に入れることができると考えられています。
マネジメントとの違い
リーダーシップと似た言葉に「マネジメント」がありますが、正確に使い分けられる人は多くありません。
マネジメントとは、目標達成に向けて戦略を構築・実践するとともにチームメンバーを管理することを意味します。
リーダーシップは行動力や影響力を示す存在であるのに対し、マネジメントは役割としてチームを管理する存在です。
したがって、管理職やチームマネージャーなどの役職者に不可欠なスキルとして用いられるのがマネジメントとなります。
リーダーシップの6種類
リーダーシップには6つの種類があると提唱したのが、アメリカの心理科学者ダニエル・ゴードマン氏でした。
1955年に出版された著書「EQ・こころの知能指数」は50年以上経過した現在でも多くの人々に読まれているベストセラーです。
ここではリーダーシップを深く理解するため、ダニエル・ゴードマン氏が体系化した6つのリーダーシップについて解説します。
ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップは、明確な「ビジョン」「ミッション」を示し、リーダーはメンバーを補佐しながら成長を促すのが特徴です。
目標達成までのプロセスはメンバーが決定するため、自立心を養いメンバーのやる気につながるのがメリットだといえます。
ただし、リーダーのビジョン・ミッションに対する考え方が曖昧だとチームが空中分解することも少なくありません。
また、リーダーが補佐役に徹しきれず、強引に「口出し」するとメンバーからの不信感につながることもあります。
したがって、リーダーには強い信念に加え、懐の深さやメンバーをやる気にさせる指導力が求められるでしょう。
コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップは、チームメンバーの1人1人に寄り添い個々の個性・スキルにマッチしたコーチングを行うのが特徴です。
リーダーは個々のメンバーと深く関わりながら成長を促すため、大きな成長曲線が期待できることがメリットだといえます。
ただし、やる気・向上心のあるメンバーには有効ですが、ネガティブなメンバーには空回りすることも少なくありません。
また、個々の個性・スキルを正確に把握しておかないと、ポイントのずれたコーチングになってしまいます。
したがって、リーダーは個々の個性・スキルを把握し、明確なビジョンをもってチーム編成を行うことが重要です。
関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップは、メンバーとの信頼関係を第一に考え、同じ視点で物事を進めるのが特徴です。
人間関係を重視するあまり、本来の目的である目標達成という点ではやや後手に回る印象が拭いきれません。
そのため1度破綻した人間関係を修復することを目的に取り入れられることが多く、ビジョン型リーダーシップとの併用が一般的です。
したがって関係重視型リーダーシップを実践する際にはメンバーが消極的にならないよう、十分に注意することが大切だといえます。
民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップはメンバーの意見を取り入れることを重視しており、大規模な組織に的しているのが特徴です。
有益な意見はすぐに取り入れられるため、競争原理も働きメンバーのモチベーションアップにもつながります。
ただし、チーム内が活性化されれば多くの意見が集まるため、その集約や採用を決定するまでに時間を要するのがデメリットです。
したがって、民主型リーダーシップを取り入れる際は、リーダーの強い判断力・統率力が求められます。
ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップは、リーダー自らが手本を示しながら目標達成に取り組むのが特徴です。
チーム内メンバーの実力が拮抗しているときに有効であり、チーム全体の実力の底上げに効果を発揮します。
ただし、メンバーの力量を把握した上で取り組まなければ、チーム内にあきらめ感が漂うことも少なくありません。
したがって、リーダーはチームの実力を的確に把握するとともに、メンバーが目指すべき到達点を明らかにすることが大切です。
強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップとは、その名のとおり強制力・圧力をもってメンバーを導くのが特徴です。
現代の風潮において強制力・圧力による統括はマッチしないとの考え方もありますが、災害時など緊急を要する場面では有効だといえます。
ただし、常態的に強制型リーダーシップを強いていると、メンバーの依存心が強くなり上手く育たないといった状況に陥りがちです。
したがって、強制型リーダーシップはあくまでも緊急時に取り入れるものとし、普段は他の手法でリーダーシップを発揮すると良いでしょう。
リーダーシップを発揮する目的をおさえよう
前項で紹介したリーダーシップの種類を使い分け、その効果を最大限に発揮させるにはその目的を明確にすることが大切です。
言い換えれば、リーダーシップを発揮させる目的が定まれば、自ずと取り入れるべきリーダーシップの種類も明らかになります。
ここでは、リーダーシップを発揮する目的について考えてみましょう。
チームの目標の達成
リーダーシップを発揮する目的として、真っ先に思い浮かぶのが「チーム目標の達成」です。
チーム目標は業界・業種・企業によって様々ですが、難易度が高くなるほど多くの関係者が携わることになります。
したがって、チームを目標達成に導くには、豊富な経験・高いスキルを持ったリーダーが不可欠です。
また、チームの力量や置かれている環境などを勘案し、数種類のリーダーシップを上手に使い分けることが不可欠です。
なお、チームの目標達成に有効なリーダーシップの種類はビジョン型・民主型・強制型となります。
チームの団結力の維持
チームの団結力を維持するためにも、リーダーシップはとても重要視されています。
チームで仕事を進める以上、チーム内の人間関係はとても重要な要素であり、万が一破綻した状態だと良い仕事はできません。
反対に団結力が強いチームだと個々の力が相乗効果を生み出し、期待を大きく上回る結果を生み出すことにもつながります。
したがって、チームリーダーはチームの団結力を正しく把握し、団結力を維持もしくは高めながら目標達成に取り組むことが大切です。
なお、チームの団結力の維持に有効なリーダーシップの種類は関係重視型・民主型となります。
個人能力の引き出し
チームメンバーには様々なスキル・経験を持つ社員がいるため、生産性をアップさせるには個人能力を引き出すことが不可欠です。
個人能力を効率的に引き上げるにはチームリーダーがしっかりと個々の能力を把握し、育成ビジョンを持つことが大切です。
さらに、チームメンバーのお手本となる姿勢・スキル・経験を持っていることも不可欠だといえます。
なお、個人能力を引き出すにはコーチ型・民主型・ペースセッター型が有効なリーダーシップの種類です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リーダーシップは誰もが発揮できる「仕事」の1つ
ビジネスシーンにおいてリーダーシップは「役職」ではなく「仕事」の1つです。
ビジネスマンの中にはリーダーシップを発揮すべきは役職者であり、自分は関係ないと考える向きも少なくありません。
しかし、役職者に求めらるのはマネジメント能力であり、リーダーシップは全ての社員に求められます。
例え新入社員であっても自ら率先して行動し、チーム内でリーダーシップを発揮することは可能です。
大切なのは積極的に行動しようとする「気持ち」であり、リーダーシップは仕事の1つであるとの「意識」だといえます。
マーケティングフレームワークの事例はこちら
優れたリーダーシップの発揮に必要なこと
優秀なビジネスマンになるには、状況に応じて様々な種類のリーダーシップが発揮できることが絶対条件です。
状況に応じたリーダーシップを図るには、日頃の行動や考え方・姿勢が大切になります。
ここでは、ビジネスマンが熟知しておきたいリーダーシップを発揮するために必要なことについて考えてみましょう。
目標・ビジョンの明確化と共有
優れたリーダーシップを発揮するには目標・ビジョンを明確にするとともに、チーム内で共有することが不可欠です。
リーダーシップを発揮する目的はチーム目標を達成することであり、そのためには目指すべき目標やビジョンが明確でなければなりません。
目標やビジョンが明確に示されれば、チームメンバーは迷うことなく自分の役割に徹することができます。
したがって、優れたリーダーシップが発揮できるのは、自分の言葉で明確に目標・ビジョンをメンバーに伝えられる能力を持った人です。
メンバーとの深いコミュニケーション
メンバーとの深いコミュニケーション能力も優れたリーダーシップを発揮するには必要不可欠です。
いくら目標やビジョンを掲げても、チームメンバーのモチベーションが維持できなければ達成することはできません。
優れたリーダーシップを発揮するにはメンバー一人一人と向き合い、深いコミュニケーションを取ることが大切です。
したがって、優れたリーダーシップが発揮できるのは、日頃から適度な距離感を保ちチームメンバーと接することができる人だといえます。
主体的な関わり
チームが取り組むプロジェクトや課題に主体的な関わりを持つことも、優れたリーダーシップが発揮できる条件です。
一般的に人から慕われるのは傍観者ではなく、自ら行動し主体的に物事に関わる人だといえます。
いくら言葉で物事を伝えようとしても自らの行動で姿勢を示さなければ、「言葉」に説得力は生まれません。
誰もやりたがらない事項ほど率先して関わっていくことで、周囲の人々は一目を置き自ずとリーダーとして認めるようになるものです。
俯瞰と課題発見・解決
優れたリーダーシップを発揮できる人は、物事を俯瞰し課題を発見・解決する力量を持っています。
物事に没頭していると周囲が見えなくなり自分のことだけで精一杯になりがちですが、これではリーダーシップは発揮できません。
優秀なリーダーとして周囲から認められるには、チーム全体の推進状況を把握し、進むべき方向性を定める決断力が求められます。
言い換えれば、物事を俯瞰し課題を発見・解決する力量がなければ、重要な決断ができずリーダーシップが発揮できません。
リーダーシップを高める方法
実は生まれながらにリーダーシップを持ち合わせている人はごく僅かであり、大半の人は自らの努力で身に付けています。
したがって、リーダーシップを高めるには日々の生活の中で以下のスキルを身につけましょう。
- セルフマネジメント力
- 関係構築能力
- 決断力
セルフマネジメントとは、日常生活においても自ら目標を掲げて取り組むことであり、自己管理能力を養います。
関係構築能力とは自ら話すだけでなく、相手の話を聞くことでより良い人間関係を構築するコミュニケーションスキルです。
リーダーは様々な場面で決断を求められますが、潔く決断する力がなければメンバーから信頼を得ることはできません。
したがって、リーダーシップを高めるには、以上3点を意識的に実践し振り返ることが必要だといえます。
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リーダーシップの注意点
リーダーシップを発揮するには、常に謙虚な気持ちを忘れないことが注意すべき点です。
リーダーシップは役職を示すものではなく仕事に対する姿勢であることから、社内でのポジションに直接影響しません。
しかしリーダーシップの意味を誤解してチーム内で横柄な態度を取っていると、瞬く間に職場内で孤立します。
チームメンバーとの深いコミュニケーションを図る意味でも、常に謙虚な姿勢でいることを心がけましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
自らから率先して行動するリーダーになろう
何事に対しても自ら率先して、積極的に行動するリーダーを目指しましょう。
一般的に人は言葉だけで行動が伴わない人を敬遠する傾向が強くなるといえます。
反対に自ら率先して行動する人に対しては、「憧れ」「好意」「尊敬」といった想いを持つのが一般的です。
優秀なリーダーシップを図るには、何事に対しても積極的に行動するリーダーであることを目指すことが必要不可欠だといえます。
リーダーシップを身につけるキャリア選択は?
リーダーシップを身に付けるキャリアを積むには勢いのあるベンチャー企業がおすすめです。
リーダーシップを身に付けるには様々なキャリアが考えられますが、1人で身につけるには限界があります。
「Wedia」はリーダーシップが身に付けることができる、様々なノウハウを持ったベンチャー企業です。
リーダーシップを身に付け、将来起業を考えるなら「Wedia」への転職・入社を考えてみましょう。
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まとめ
リーダーシップには6つの種類があり、チームの目標・取り巻く環境によって使い分けることが重要です。
また、リーダーシップはマネジメントとは異なり、努力次第で誰もが身に付けられるスキルだといえます。
したがって、日常生活においてもセルフマネジメント・関係構築能力・決断力を身につけることを意識しましょう。
なおリーダーシップが身に付けられるキャリアを目指したいなら、デジマクラスのコンサルタントが有効です。
また、リーダーシップを身につけ、将来起業したいならノウハウや勢いのあるベンチャー企業で経験を積むのが近道だといえます。
リーダーシップや起業する力を身につけることができる「Wedia」への転職・入社を検討してみませんか。