BtoBビジネスを成功に導くためには、自社製品の認知を広げることが重要なポイントになります。
認知を広げる手法として欠かせないのが、Webサイトの検索順位を上げるSEO対策を行うことです。
検索順位を上げることでユーザーの目に止まる可能性が高まり、自社サイトの情報を広く伝えることができるでしょう。
今回は、BtoBのSEO対策の進め方について解説していきます。
検索順位を上げるためのポイントや活用できるツールなどについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
BtoBにおけるSEO対策の重要性
SEO対策は日本語に訳すと「検索エンジンの最適化」であり、設定したキーワードが検索された際に上位表示させる取り組みを指します。
BtoBビジネスにおいてもSEO対策は重要な要素の1つです。
以前は主流だった取引先で直接情報を集める手法や、新聞などの紙媒体からの情報収集よりもWebを使うことが圧倒的に多くなっています。
そのため、自社に関連するキーワードで検索された時に少しでも上位に表示することが業績に直結するといっても過言ではありません。
また、BtoBの場合キーワードをうまく設定するとBtoCに比べて高いコンバージョンを得ることも可能です。
個人で検索する場合では、実際の購入意思が低くても興味関心がある項目をネットサーフィンのように検索することも少なくありません。
しかし、BtoBにおいては自社の事業とまったく関係ない項目は検索しないのでコンバージョンに直結しやすくなるのです。
検索される数はBtoCに比べて少なくなりますが、成果に結びつく可能性が高いことがBtoBのSEO対策の特徴になります。
・検索数はBtoCに比べて少ないが、その分実績につながる可能性も高い
BtoBがSEO対策に取り組むメリット
BtoBがSEO対策に取り組む具体的なメリットについて解説していきます。
中長期的な集客が期待できる
SEO対策では1ヶ月などの短い期間で上位表示を実現させることができません。
ユーザーから評価を得られ有益なコンテンツとして検索エンジンに認識されるまでには一定の期間を要します。
しかし、裏を返せば一度評価を得られればすぐには順位が変動しないということです。
そのため、中長期的な集客を得るために大きな効果を発揮することができます。
他のWeb広告などでは広告費をかければ一時的に露出を上げられますが、掲載を止めてしまえば当然まったく露出されません。
SEO対策ではコンテンツ作成にコストがかかりますが、一度作成してしまえば効果が持続できることが大きなメリットです。
ブランディング効果が得られる
SEOで上位表示されると認知を広げられるだけでなく、ブランディング効果も得られます。
上位表示されるためには、有益なコンテンツであるとユーザーや検索エンジンに評価されることが必要です。
また、その評価もすぐに反映されるものではありません。
評価を得るためには前述の通り一定の期間をかけて検索エンジンに認められなければなりません。
そのため、上位表示されているということは継続して実績を挙げているということを意味しており信用を得られやすくなります。
また、特定のキーワードの検索で上位表示されることで、そのキーワードで自社サービスが想起されやすくなるのです。
キーワードとの関連性を高めることで大きなブランディング効果が得られます。
ターゲットに合わせた戦略が立てやすい
検索キーワードの中でも一語のみの検索のビッグワードで上位を狙うことは、競合の多い業種では容易ではありません。
しかし、キーワードを複数並べたロングテールキーワードであればビッグワードよりも比較的効果を上げやすいです。
例えば、「Web広告」のビッグワードよりも「Web広告 外注」とすると検索対象が絞られるので上位表示を狙いやすくなります。
また、ロングテールキーワードの場合では組み合わせ次第でコンバージョンに直結させやすくなるのです。
ただ漠然と「Web広告」と検索するケースよりも、「Web広告 外注」と検索しているほうがより広告出稿の意志が強いでしょう。
自社に関連するワードでコンバージョンに直結しやすいものを複数並べることで実績につながりやすい顧客を集めることができます。
SEO対策の事例はこちら
BtoBのSEO対策の進め方
BtoBのSEO対策の進め方について解説していきます。
ペルソナを設定する
SEO対策を行う上で、まず初めに行うことはペルソナの設定です。
自社製品を販売するターゲットである顧客像を明確に設定することで、アプローチの方針が立てやすくなります。
ペルソナが抱える悩みを洗い出し、その課題を解消するためには何が必要かということを中心にコンテンツを形成するのです。
また、コンテンツのイメージもペルソナに沿ったもので統一することも重要となります。
特にBtoBでのSEO対策は基本的に顧客は企業となるので、ビジネスに相応しいコンテンツとなるような配色や画像の選定が必要です。
プロセス別にペルソナの知りたい情報を整理
同じカテゴリー内のペルソナであっても、プロセスが変わるだけでターゲットは変化します。
例えば、「SEO対策」のキーワードで検索していてもSEO対策を始める段階と導入後の効果を検証したい場合では求めるものは違うのです。
プロセスごとにユーザーがどういったことを求めるか整理をして、自社に合ったペルソナを絞ることが重要となります。
それには事前の市場調査でユーザーの動向を掴み、対象となるユーザーが検索しやすいキーワードを効果的に使うことが重要です。
キーワードの選定
SEO対策でユーザーが検索するキーワードの選定は重要なポイントの1つです。
キーワードの選び方でも検索順位は大きく変動します。
カテゴリーなどの一語だけで検索順位上位を狙うには競合が多い業種では容易ではありません。
しかし、ペルソナを設定し自社製品に関連するユーザーの行動が把握できれば、条件に合ったユーザーを獲得しやすくなります。
また、コンバージョンに近いユーザーの行動を絞りこんだキーワードを選定するとさらにSEO対策の効果が高くなるのです。
自社製品のターゲット層となるユーザーがどういうキーワードで検索を行うか、市場調査を徹底することが重要なポイントになります。
コンテンツの作成
ターゲットになるペルソナを絞り込み検索キーワードの選定ができたらサイトのコンテンツを作成します。
ここで作られるコンテンツは、検索者であるユーザーのニーズに沿ったものでなければなりません。
コンテンツは検索されたキーワードを中心にを作成しますが、キーワードを多用するだけではユーザーの課題は解消されないのです。
ユーザーがどういった意図で、そのキーワードを使って検索をしているかを探り課題が解消されるコンテンツである必要があります。
例えば、「SEO対策 効果測定」で検索した場合では効果測定の方法を探すだけでなく他の意図も秘めている可能性もあるのです。
効果測定の方法を探すということは、現状のSEOの効果に満足していないことも考えられます。
キーワードから考えられる潜在的な需要も考慮し、コンテンツ作成に反映するとユーザーからの評価も得られやすくなるのです。
計測と改善
実際に戦略を立てて構成したSEO対策の結果を計測し改善させていくことも重要なポイントです。
施策を実行してすぐに満足のいく結果が得られれば問題ありませんが、大半のケースでは改善が必要になります。
プロジェクトでPDCAサイクルを行うのと同様に、仮説を立てて行ったSEO対策を客観的に評価し課題を見つけることが大切です。
また、効果が出ている部分に対してもなぜ良い結果が得られているのか、伸び悩む部分とは何が違うか深掘りしていきましょう。
そうすることで問題点がより鮮明になり、ユーザーにとって有益なコンテンツへとブラッシュアップされていきます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoBならではのSEO対策の注意点
BtoBならではのSEO対策の注意点についてご紹介します。
キーワードの検索ボリュームが限られる
BtoBの検索ボリュームはBtoCに比べると少なくなります。
検索母数が少ないため、BtoCでのSEO対策よりも施策の施行回数なども限られるのです。
個人に向けて販売する商品やサービスではなく、特定の企業に向けて販売するものでは場合によっては検索頻度は極端に少なくなります。
そのため、施策の反応を確かめるのもBtoCほど簡単ではありません。
検索ボリュームを増やすためにはターゲットとなるキーワードの幅を広げる必要があります。
CVに結びつくキーワードが少ない
BtoBでのSEO対策では業種によっては検索されるキーワードの幅が狭い場合があります。
選択肢が少ないことで、BtoCでのSEO対策と比べるとCVにつながるキーワードを見つけづらい側面があるのです。
CVに直結するようなキーワードを選ぶことが難しい場合では、まずは自社サイトへ検索者を流入させることを第一に考えます。
特定のキーワードで上位表示されるようになれば、たとえCVにつながらなくても企業のブランディングに効果があるのです。
認知が広がっていくと、その後の戦略も立てやすくなるので集客効果の高いキーワードを選ぶことが重要となります。
・CVに直結するキーワードを見つけづらい場合がある
キーワード選定のポイント
キーワード選定で重視するポイントとして以下のものが挙げられます。
- ペルソナのニーズに沿ったキーワードであること
- ロングテールキーワードを活用する
- CVに近いキーワードを設定する
キーワード選定で意識しなければならないのは、自社製品のペルソナのニーズに沿ったキーワードであることです。
ユーザーが自社製品を求めて検索を行う場合では、どういったキーワードを使用するか事前に調査する必要があります。
これは企業側がイメージするものと、実際に検索を行うペルソナの視点では乖離が生じる可能性も考慮しなければなりません。
他社サイトのキーワードなども参考にして、ターゲットユーザーの思考に寄り添ったキーワードを設定することが重要です。
また、一語のみのビッグワードではなく複数の言葉を並べるロングテールキーワードのほうが上位表示の可能性が上がります。
一語のみのビッグワードではさまざまな要素を含んでしまうため、多くのサイトと競合しなければなりません。
自社製品に関連するキーワードを複数選択することで検索対象が絞り込まれるので、結果的に上位表示の可能性が高くなります。
そして、ロングテールキーワードを設定する上でCVに近いキーワードを設定すると実績に直結させやすくなるのです。
例えば、「スマホ 検討」で検索するユーザーよりも「スマホ 購入」で検索するユーザーのほうが製品の購入の可能性が高くなります。
ロングテールキーワードを設定する際には、自社製品に結び付きやすく、さらにCVにつながりやすい用語を並べることが効果的です。
・ビッグワードよりもロングテールキーワードを活用する
・CVに近いワードを選択する
モバイルデバイスへの最適化とSEOでの影響
スマートフォンやタブレット端末が広く普及されている昨今ではモバイルデバイスでのSEO対策も欠かせません。
同じキーワードでもPCから検索するのとモバイルデバイスから検索するのでは検索順位は変わります。
検索結果を決定づけるアルゴリズムがPCとモバイルデバイスでは異なるため、同じ検索結果とならないのです。
一般的にモバイルデバイスのアルゴリズムは、モバイルファーストで作られたサイトが評価されるとされています。
パソコンとモバイル端末では表示する画面のサイズが大きく違うため、Webサイトの構成をそれぞれ変えなければなりません。
パソコンの画面だけに合わせて作られたサイトは、モバイル端末では画面内に収まりきらないなどで見づらくなってしまうのです。
スマートフォンやタブレットの画面でも見やすいように作られているサイトが検索順位でも優遇されるようになっています。
モバイルサイトでのSEO対策では、キーワード選定だけでなくサイト設計の部分もSEOに影響するので注意が必要です。
SEO対策の事例はこちら
検索順位アップのための改善ポイント
検索順位をアップさせるための改善ポイントについて解説していきます。
タグの見直し
Webサイトを作るにはHTMLと呼ばれるプログラミング言語を使って作られます。
その際に「タグ」という文章の内容を表す目印を使う必要があり、このタグの使い方を見直すこともSEOに影響する要素の1つです。
タグの例としては、見出しを意味する「h1タグ」や、本文を書く時に使う「pタグ」などがあります。
タグを設定する上で、大見出しには「h1タグ」を使い、中見出しには「h2タグ」を使うなどいろいろなルールを守らなければなりません。
ルールが守られていないと検索エンジンが正しく情報を認識できず、サイトの構造を評価しづらくなってしまうのです。
その結果検索順位にも影響してしまうこともあるため、タグが正しく使われているかというのも注意するポイントになります。
他にもサイトのタイトルになる「titleタグ」の中には、ユーザーが検索しやすいキーワードを入れることが重要です。
また、検索結果上でタイトルの下に表示される「descriptionタグ」の内容もサイト概要を伝えるのに必要な要素となります。
タグの設定はサイト設計のために使われるだけでなく、SEOにも関係する重要な要素となるのです。
内部リンクの最適化
自社のWebサイト内で、ページ内のコンテンツをリンクさせる内部リンクの最適化もSEOに影響を与える要素です。
内部リンクを設置すると、クローラーと呼ばれる検索エンジンがサイト情報を取得する巡回プログラムが内容を認識しやすくなります。
関連するコンテンツの内部リンクを設置すると、クローラーが効率良くサイトを参照できるので検索結果に反映されやすくなるのです。
また、検索エンジンへの対策だけでなくサイト内の関連コンテンツを紹介することは訪問したユーザーにも良い影響を与えます。
ユーザーが知りたい情報を求めてサイトに訪れた時に、さらに関連する新たな情報を見つけられれば満足度の向上につながるでしょう。
サイト内でユーザーが内部リンクをたどることで、サイト内でのユーザーの滞在時間が長くなりサイトの評価に良い影響を与えます。
関連するコンテンツを効果的に訴求するためにも、内部リンクの設置は重要な要素となるのです。
コンテンツの質を見直す
定期的にサイト内のコンテンツの質を見直すことも重要です。
どんなに良い内容のコンテンツであっても時間の経過と共に古くなってしまい、現在の状況に合わない内容となることもあります。
作成した段階では最新の情報を掲載していても、技術は日々進歩しており新たな商品も次々に開発されるのです。
その度に新たな記事を作成することも1つの方法ですが、その場合では古いコンテンツに訪れる人はほとんどいなくなるでしょう。
可能であれば手直しを行い現在の状況に即した内容に変更できれば、コンテンツの価値を維持することができます。
少しでも多くのコンテンツを有益なものとして価値を保つために、定期的にコンテンツの内容を見直すことが重要です。
・内部リンクを設置し関連コンテンツを訴求する
・時間が経ち古くなったコンテンツの内容を定期的に見直す
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoBのSEO対策で活用できるツール
BtoBのSEO対策で活用できるツールについてご紹介します。
Googleキーワードプランナー
効果的なキーワード選定を行う上で活用できるのが「Googleキーワードプランナー」です。
これは、Google検索で使われているキーワードごとの検索数などを確認することができます。
自社製品に関連するキーワードの中で、検索数が多いキーワードはどういったものかを調べることができるのです。
この機能はGoogle広告内のツールの一部であり、Google広告で広告配信を行うユーザーに向けて提供されています。
Google広告で広告配信を行っているユーザーであれば無料で使えるツールです。
しかし、それ以外の場合はキーワードプランナー自体は利用できても詳細な検索数などは確認できない仕組みになっています。
一定以上の広告費を使う必要がありますが、主要検索エンジンであるGoogleの検索情報が調べられる有効なツールです。
検索順位チェックツールGRC
GRCとは検索順位を調べるためのチェックツールです。
自社のWebサイトと調べたいキーワードを登録すると、日々の検索順位を測定することができます。
また、検索エンジンを指定することが可能で、Google・Yahoo!・Bingなどそれぞれの順位が確認できるのです。
利用するには1年契約の有料プランに加入が必要で、最安で約5,000円のものから段階的に5つのプランが用意されています。
自社サイトの順位が確認できるだけでなく、任意のキーワードの上位100位までのサイトを確認することも可能です。
検索上位のサイトの順位変動も確認することができるので、どのような要素で変動するのか参考にすることもできるでしょう。
SEO対策の事例はこちら
BtoBのSEO対策で困ったら
BtoBのSEO対策では効果的なキーワードを選定することなどで、CVに直結するユーザーを取り込むことができます。
またキーワード選定だけでなく、タグの見直しや内部リンクの設置、コンテンツ内容の見直しなども検索順位に影響を与える要素です。
しかし、BtoBでの検索ボリュームはBtoCに比べて少なく業種によっては成果につなげづらい場合もあります。
BtoBのSEOの対策であれば、デジマクラスにご相談ください。
デジマクラスでは豊富な業界知識とノウハウを使い、悩みに合わせたアドバイスを行うことができます。
SEO対策だけでなく、効果的なコンテンツの作成方法などについてもご相談いただけますのでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
Webサイトを使って集客を行う上で、検索エンジンで上位に表示されることは業績に直結する重要なポイントです。
どんなに良い内容のコンテンツであっても、ユーザーが検索で見つけられなければ集客できません。
さらにBtoBのSEO対策ではBtoCに比べてCVに直結しやすく、検索順位を上げることが売上を上げる施策といっても過言ではないでしょう。
SEO対策で分からないことがあれば、プロのコンサルティングであるデジマクラスに相談することをおすすめします。
専門家の知識や活用できるツールなどを使い情報を集め、効率良くSEO対策を行っていきましょう。