QRコードは1994年にデンソーウェーブ(開発当時はデンソー)が発明したマトリックス型2次元コードです。
電子決済サービスを支える技術として世界的に普及している他、販促物からWebサイトへの誘導方法の1つとしても欠かせません。
今回の記事ではそんなQRコードを使った販促の効果を測定するアクセス解析の方法について解説します。
様々なQRコード解析ツールやQRコードを用いたマーケティングの事例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
目次
QRコードアクセス解析の概要
QRコードを使うと、1文字ずつ入力するには長すぎるURLも一瞬で読み取ることができ、素早くサイトにアクセスできます。
そのためマーケティングツールの1つとしてユーザーを販促物からWebサイトへ呼び込むために使われることが多々あります。
マーケティングツールとして用いるからにはアクセス解析によってその効果が測定できなければなりません。
アクセス解析を行うためにはQRコードを発行する際にURLを「短縮URL」に変換する必要があります。
QRコードサービスのベンダー企業の場合、この短縮URLへのアクセスを計測することによってアクセス解析を行います。
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QRコードでアクセス解析をする理由
QRコードの技術はオープンソースであるため、今では世界中の様々なシーンで用いられるようになっています。
マーケティングツールとしての利用は数ある用途のうちの1つにすぎないといえるでしょう。
マーケティングに用いられる販促ツールではその効果を測定して問題点を洗い出し、より良い施策を打ち出していく必要があります。
QRコードを用いた販促の場合も同様で、アクセス解析で得られたデータを元にPDCAサイクルを回していかなければなりません。
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QRコードでアクセス解析するツール
QRコードを記載した印刷物の反応を確認したり販促の効果測定をするためにはアクセス解析をするためのツールが必要となります。
QRコードはオープンソースなのでサービスを提供する企業は数多くあり、アクセス解析ツールも多種多様です。
今回はその中から無料で使うことができるQRコードのアクセス解析ツールを3種類ご紹介しましょう。
QRのススメ
QRコードでアクセス解析するツール、1つ目は「QRのススメ」です。
QRのススメは株式会社インフォリオが提供するQRコード作成サービスです。
自分用のQRコードを誰でも無料で作成でき、商用利用をする際も無期限・無制限な上、面倒なユーザー登録も必要ありません。
QRのススメではURLを短くして小さなQRコード「短縮QRコード」に変換し、アクセス解析を可能としています。
アクセス集計の表示は専用サイトで行われ、データはおよそ3時間ごとに最新の数値が反映されます。
ただし分かるのは毎日のアクセス数だけで、そのデータも無料版では30日間しか保存されません。
クルクルマネージャー
QRコードでアクセス解析するツール、2つ目は「クルクルマネージャー」です。
クルクルマネージャーはアララ株式会社が提供するサービスで、QRコードの作成から効果測定まですべて無料で利用できます。
アカウント登録が必要ですが、一時的に保存されたQRコード作成履歴とアクセス解析のデータ閲覧だけなら登録は必要ありません。
作成したQRコードからは以下の3つの情報を確認することができます。
- 読み取り回数
- 読み取り場所
- ユニークユーザー数
これらのデータはリアルタイムでチェックできる上、グラフ表示によって視覚的に確認できます。
Googleアナリティクス
QRコードでアクセス解析するツール、3つ目は「Googleアナリティクス」です。
上記2つのサービスとは違って、GoogleアナリティクスはQRコードに特化したものではありません。
しかしアクセス解析によってデータを詳細に分析し、様々な項目を確認することができます。
QRコードによるアクセスをGoogleアナリティクスで解析する具体的な方法についてはこの後の項目で詳しく解説します。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
QRコード解析ツールの選び方
直前の項目で紹介した通り、QRコードの解析ツールの機能は種類によって様々です。
そのため選ぶ際には自社の利用目的に最も適したツールを選ぶと良いでしょう。
イベントなど短い期間のアクセス数だけを調べたい場合は「QRのススメ」がおすすめです。
ユーザー数をグラフでチェックしたり読み取りされた地域を確認したりしたい場合は「クルクルマネージャー」を使いましょう。
より詳細なデータ分析を行いたい時は「Googleアナリティクス」を使うと本格的な解析データが得られます。
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Googleアナリティクスのアクセス解析手順
先の項目で紹介した、QRコードによる販促の効果測定にGoogleアナリティクスを用いることについて詳しく解説します。
GoogleアナリティクスはWebマーケティングに不可欠なツールです。もしまだ導入していない場合はぜひご利用ください。
専用のアカウントを作成すればWebサイトからの基本的なデータの収集と分析を誰でも無料で行うことができます。
この項目ではアクセス解析の手順を3つのステップに分けてご紹介します。
パラメータを設定
Googleアナリティクスの利用登録が済んだら、まずはパラメータを設定したURLを作成しなければなりません。
メニューの「発見」からキャンペーンURL作成ツールの「移動」をクリックすると専用サイトに移動します。
パラメータを設定したURLの作成専用サイト「Campaign URL Builder」でURLを作成してください。
遷移先アドレス、流入ツールの名前、媒体名、キャンペーンの時期などを入力してパラメータ付きURLを作成できます。
QRコードに変換
パラメータ付きURL作成サイトCampaign URL BuilderでURLが作れたら、次はQRコードを作成します。
誰でも無料で自分専用のQRコードを作成できるサービスがいくつもあるので好みのものを利用してください。
先の項目で紹介したQRのススメやクルクルマネージャーではアカウント登録をしなくてもQRコードの作成が可能です。
多くの場合、パラメータ付きURLをコピー&ペーストするだけでQRコードを作成できます。
データを確認
作成・保存したQRコードをDMやチラシなどの印刷物に載せてキャンペーンを展開します。
GoogleアナリティクスではユーザーがQRコードを読み込むとそのデータを解析してユーザー数や詳しい行動が分かります。
あらかじめWebサイトにコンバージョンタグを設定しておくことで、問い合わせや商品購入などの実績も確認できるでしょう。
マーケターはこれらのデータを元にしてより良いマーケティング施策を実行することが可能となります。
Googleアナリティクスを使わないアクセス解析手順
Googleアナリティクスでは、基本的に自社で管理しているWebサイトのURLについてしか解析と管理ができません。
そのため、例えばX(旧Twitter)の自社アカウントや他社サイトがQRコードのリンク先になっている場合はデータ収集できません。
他社の動向を把握することはより良いマーケティング戦略を立案するために欠かせないことです。
この項目ではGoogleアナリティクスを使うことなく、リンク先が他社サイトでもアクセス解析できる方法を紹介します。
QRコードを生成
QRコードのリンク先が他社サイトの場合、アクセス解析を行いたい時は先の項目で紹介したクルクルマネージャーを使いましょう。
QRコードの作成履歴の保存がしたい場合はアカウント登録を行い、アクセス解析したいURLを入力します。
URL入力欄の下にある「アクセス解析」を有効にし、「アクセス解析方式」は「リダイレクト」を選択してください。
解析方式を「シークレット」にするとクルクルマネージャーの公式アプリのユーザーしか解析できなくなるので気を付けましょう。
あとは「QRコード作成」ボタンを押下してQRコードを生成するだけです。
QRコードの読み取り回数を確認
改めてクルクルマネージャーのサイトにアクセス・ログインし、QRコード一覧から作成したQRコードを選びます。
選んだQRコードの「読み取りログ」をクリックすると読み取り回数・参照回数・ユニークユーザー数・地域などを確認できます。
読み取りログの情報を共有したい場合は「読み取りログの共有」ボタンから共有対象のメールアドレスを登録してください。
共有にあたってはタイトル編集や閲覧など、与える権限を限定することも可能です。
結果確認方法
たとえどのような販促キャンペーンであっても、実施して終わりということはまずありません。
マーケターはキャンペーンの詳細なデータを収集して分析し、次のマーケティング戦略に活かす必要があります。
QRコードを用いた販促活動においてもそれは同様です。
この項目ではQRコード経由のアクセス解析をGoogleアナリティクスで行った場合の結果の確認方法について解説しましょう。
どの媒体から流入した?
QRコードを用いた販促活動で気になるのは、ユーザーがチラシやDMなど多種多様な媒体のうちのどれから流入したかです。
Googleアナリティクスの「集客メニュー」から「すべてのトラフィック」を選び、「参照元/メディア」を選択してください。
するとどの媒体からどれだけのユーザーが流入したか確認することができます。
流入したユーザーの行動を確認
Googleアナリティクスの「集客メニュー」から「キャンペーン」を選び、「すべてのキャンペーン」を選択します。
すると設定したキャンペーンコードが表示され、どの媒体からユーザーの流入があったかを把握することができます。
ただし、ユーザー行動を詳しく調べるためにはあらかじめWebサイトにコンバージョンタグを設定しておかなければなりません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
QRコードを活用したマーケティング事例
QRコードは誰でも簡単に作成でき、読み取る側にも負担をかけることの少ない便利なツールです。
マーケティングツールとして販促活動に利用すると、顧客やリードのニーズを分析・把握することも可能となります。
この項目では実際に行われたものや企業が想定しているマーケティングの事例を3つ取り上げてご紹介しましょう。
自社でも応用できそうなものがあればぜひ挑戦してみてください。
コーヒーショップの活用例
QRコードを活用したマーケティング事例、1つ目はコーヒーショップの例です。
ブレンドの人気投票にQRコードを利用して、読み取るだけで投票されるという仕組みを作り上げました。
ユーザーはスマートフォンを向けるだけで良く、店側も集計が簡単です。
投票内容をSNSで共有できるようにしたり、ブレンドの豆知識を動画配信したりする施策も同時に展開して効果をあげました。
カーディーラーのQRコード活用例
カーディーラーの場合も、QRコードを使って顧客のニーズを分析し、適切なサービスに繋げることが可能です。
DMに載せたQRコードのリンク先を数パターン用意し、「新車購入」「中古車購入」「車検」などニーズを分析します。
得られた結果を元にして更に最適化したサービスを展開すれば、より顧客のニーズに添ったマーケティングが可能となるでしょう。
スーパーマーケットチェーンの事例
QRコードを活用したマーケティング事例、3つ目はスーパーマーケットチェーンの事例です。
営業時間内には店舗に来ることができないビジネスマンをターゲットとしたECショップを展開するという事例がありました。
駅のホームにECショップで購入できる商品とQRコードが付いたポスターを設置し、待ち時間に購入できるようにしたのです。
商品は自宅に配送されるシステムになっており、通勤・退勤の途中に気軽に買い物ができる点が高く評価されました。
QRコードのアクセス解析の活用方法で悩んだら
誰でも無料で簡単に自分専用のものを作成できるとあって、現在QRコードは世界的に普及しています。
利用のされ方も色々で、名刺に載せたり手書き解消ツールとして用いたりと挙げればきりがありません。
自社商品・サービスの場合、QRコードを用いてどのような販促活動ができるか検討してみてはいかがでしょうか。
その際、QRコードのアクセス解析の活用方法で悩んだらぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してください。
マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではQRコードでアクセス解析する方法について解説しました。
QRコードは世界的に普及している非常に便利なツールで、ユーザーをスムーズにWebサイトに誘導することが可能です。
販促活動の際、チラシやDMに記載することで自社サイトへのユーザーの流入が期待できるでしょう。
その際はぜひ今回ご紹介したツールを利用してみてください。