「検索意図」はマーケティングの分野では頻繁に使われる言葉ですが、その意味を正確に理解している人は意外と少ないのが現状です。

検索意図とは、ユーザーがネット上の検索機能を使用して、検索キーワードを入力する際の「心理」「目的」のことを表します。

マーケティングを行う上で、ユーザーの購買意欲を左右する検索意図は非常に大きな意味を持っているといえるでしょう。

この記事では「検索意図」をテーマに、マーケターが知っておきたい分析・活用方法などについて考えてみましょう。

検索意図の概要

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検索意図を分析してマーケティングで活用するには、その概要を理解することが不可欠です。

検索意図の概要を理解しないまま分析方法だけ学ぼうとしても、適切に分析結果を活用することはできません。

ここでは検索意図の分析方法を学ぶにあたって、事前に知っておきたい検索意図の概要や種類について解説します。

検索意図とは

企業が提供する商品やサービスを利用する際、多くのユーザーはネット上の検索機能を使って様々な情報を集めます。

検索意図とはユーザーが検索機能を利用する目的や、検索窓に入力した検索キーワードを選んだ理由を意味する言葉です。

企業はユーザーの検索意図を明確にすることで、より効果的なマーケティングが展開できることから非常に重要視しています。

したがって、マーケターは検索意図の概要を正しく理解し、分析方法をマスターすることが不可欠だといえるでしょう。

検索意図の種類を紹介

検索意図はその目的・意図によって次の3種類に分類できます。

  • ナビゲーショナル(案内型)
  • トランザクショナル(取引型)
  • インフォメーショナル(情報収集型)

ナビゲーショナル(案内型)は、ユーザーが探しているWebサイトに行くことを目的とした検索意図です。

トランザクショナル(取引型)は、ユーザーが何らかのアクションを起こすことを目的とした検索意図になります。

インフォメーショナル(情報収集型)は、ユーザーが何らかの情報を収集することを目的とした検索意図です。

効果的なマーケティングを行うためには、検索意図の違いを正しく理解しておくことが鉄則だといえるでしょう。

 

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検索意図を分析する方法

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検索意図を分析する方法は1つではありません。様々な方法があり、ケースバイケースで選択することで適切な分析を行うことができます。

また、1つの分析方法に固執せず、いくつかの方法から導き出した分析結果を基に仮説を立てて考えることが大切だといえるでしょう。

ここでは正しく検索意図を分析するために、マーケターが知っておきたい分析方法を解説します。

その1:サジェストから読み解く

Googleの検索機能における検索窓に検索キーワードを入力すると、他のユーザーが検索しているキーワードが現れます。

Yahoo!やYouTubeにおいても同様の機能を搭載されており、多くの人々が利用しているのがサジェストキーワードです。

サジェストキーワードは大多数のユーザーが検索しているキーワードであり、検索意図を読み解く際に役立ちます。

自社製品の検索意図を分析したい場合、サジェストキーワードを分析することで自社製品に対する世間の評判が一目瞭然です。

仮にネガティブなキーワードが数多く現れるなら、商品開発に活かすことで「売れる商品」に作り変えることも可能になります。

その2:関連検索と「他の人はこちらも検索」から読み解く

関連検索と「他の人はこちらも検索」もサジェストキーワードと同様に、検索結果とともに関連するキーワードが表示されます。

サジェストキーワードと同様にユーザーがよく検索しているキーワードであり、あまり大きな違いはありません。

ただし、サジェストキーワードは頻繁に更新されるのに対し、関連検索・「他の人はこちらも検索」は更新頻度が低いのが特徴です。

検索意図を分析する際にはサジェストキーワードはトレンド、関連検索などは普遍的なキーワードであると理解しておきましょう。

その3:上位表示サイトから読み解く

上位サイト

検索エンジンにおいて上位に表示されるWebサイトから、検索意図を分析することもできます。

GoogleやYahoo!はそれぞれに独自のアルゴリズムを用いているため、検索結果はやや異なるのが一般的です。

ただし、双方ともユーザーに役立つWebサイトが上位表示されるよう設計しており、その結果は検索意図に大いに関連します。

したがって、上位サイトから共通する見出しやコンテンツを抜き出すことで、購買意欲に結び付くキーワードを見つけ出せるでしょう。

その4:共起語から読み解く

検索エンジンが導く上位サイトで、頻繁に使われているキーワードを共起語と呼び、WebサイトにおけるSEO対策などで活用されています。

共起語はツールを使用すれば簡単に抽出することが可能であり、検索意図を導くキーワードが含まれていることも少なくありません。

ただし、サイト数が少ないと正確な分析が困難になりますから、少なくとも上位3〜5サイトの共起語を抽出して分析してみましょう。

その5:出稿されているキーワードから読み解く

リスティング広告は検索機能の検索結果に連動して掲載される広告であり、キーワード選びが実績に大きく影響を及ぼすのが特徴です。

広告主は検索意図を十分に考慮・研究した上でキーワードを選択して、リスティング広告を出稿しています。

つまり、リスティング広告に出稿されているキーワードを分析することで、検索意図の分析にも役立つといえるでしょう。

ただし、リスティング広告における商材が必ずしも自社の商材とは一致しないことを理解しておくことが大切です。

 

ワンポイント
検索意図を分析するには、複数の方法を用いてターゲットとなるキーワードを探し出しましょう。

Googleが考える検索意図を考える

ビジネスマン,考える

インターネット関連サービスの最大手Googleでは、様々な検索機能をユーザーに提供しています。

Googleが目指すのは検索意図を大いに意識し、ユーザーに役立つ検索結果を提供することです。

そのため、Googleではクエリ(検索キーワード)を4つの種類に分類し、検索意図を意識した検索結果をユーザーに提供しています。

つまり、Googleが分類している4つのクリエの意味を理解することで、検索意図の分析にも大いに役立つでしょう。

ここでは、マーケターが知っておきたいGoogleが考える検索意図について考えてみましょう。

①Knowクエリ

物事について「知りたい」「理解したい」ときに用いられるのがKnowクエリです。

GoogleではKnowクエリを後述するGo・Do・Buyに該当しないクリエと位置づけています。

なお、言葉の意味を知りたい時に用いられる「○○とは」もKnowクエリです。

したがって、Knowクエリは購買に直結する検索意図としては非常に弱いといえるでしょう。

②Goクエリ

Goクリエは特定の場所もしくはWebサイトに行きたい場合に用いられるクエリです。

検索意図の種類においてはナビゲーショナル(案内型)に該当します。

Goクエリに分類されるキーワードで検索すると、一般の検索結果に加え「地図」などが結果として表れるのも特徴です。

例えば、「カレー 渋谷」と検索すると渋谷区内のカレー店に加え所在地が地図となって示されます。

さらに飲食スタイルなども検索結果として表示されることから、検索意図の分析にも大いに役立つといえるでしょう。

③Doクエリ

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Doクエリは何らかのアクションを起こしたい場合に用いられるクエリです。

検索意図の種類においてはトランザクショナル(取引型)に該当し、企業が期待する検索意図に合致しやすいのが特徴です。

例えば、イベントなどに興味がある場合、ユーザーは「〇〇イベント 資料」と検索します。

したがってDoクエリを探し出せば、イベント集客のマーケティングに活かすことができるでしょう。

④Buyクエリ

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Buyクエリは商品やサービスを購入したい場合に用いられるクエリであり、企業が求める検索意図に合致します。

例えば、エアコンを購入したい場合、「エアコン 購入」「エアコン 安い」などで検索します。

したがって、Buyクエリを探し出せば、購買意欲のあるユーザーに訴えかけるマーケティングが可能となるでしょう。

 

ワンポイント
DoクエリもしくはBuyクエリは購買に直結しやすいキーワードであることを理解しましょう。

検索でニーズを探し出す方法

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Google検索には様々な検索結果が表示されることから、その結果を元に検索でニーズを紐解くことができます。

とりわけ「バーティカル検索」「ユニバーサル検索」はGoogleならではの検索機能です。

ここでは「バーティカル検索」「ユニバーサル検索」を用いて検索でニーズを探し出す方法を解説します。

バーティカル検索

バーティカル検索とは、Googleの検索画面の上部に現れるカテゴリーのタブを活用した検索方法です。

例えばGoクリエである「レンタカー 渋谷」で検索すると、渋谷区のレンタカー会社が検索結果として現れるのが一般的です。

さらに、検索画面上部に現れる「地図」タブをクリックすると、渋谷区の地図が表示されレンタカーの位置が示されます。

なお、バーティカル検索のカテゴリーを見れば、ユーザーのニーズが以下のとおり予想できます。

  • Goクエリ:「すべて⇒地図⇒画像⇒ショッピング⇒ニュース」
  • Doクエリ:「画像」「動画」のいずれかが優先
  • Buyクエリ:「ショッピング」「画像」のいずれかが優先

ユニバーサル検索

Googleの検索結果に併せて表示される動画や画像・X(旧Twitter)のリアルタイム検索のことをユニバーサル検索と呼びます。

ユニバーサル検索で表示されるのは検索ワードに関連した、動画や画像など様々な媒体を介する情報です。

したがって、Webサイトだけでなく動画・画像などの検索結果を見極めることで、ユーザーのニーズを確認することができます。

 

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検索意図に対してターゲットキーワードをどのように評価する?

ビジネスマン,評価

ここまで紹介してきたとおり、検索意図とターゲットキーワードには密接な関係があることは間違いありません。

ただし、全てのターゲットキーワードが企業の求める検索意図に対して有効ではないことも事実です。

例えば、エアコンの購入に関わる検索意図を知りたい場合、Knowクリエである「エアコンとは」では販売に繋がりにくく評価できません。

この場合だとBuyクリエである「エアコン 買いたい」が評価されるターゲットキーワードとなります。

つまり、評価されるターゲットキーワードとは、企業側の目的に合致する検索キーワードです。

 

ワンポイント
評価されるターゲットキーワードとは、一般的にはBuyクリエもしくはDoクリエに分類されるものだといえるでしょう。

検索意図を知るにはまず「考える」ことから

ビジネス,考える

ユーザーの検索意図を知るには「なぜこのキーワードで検索したのか」を考えることから始めましょう。

ここまで紹介してきた手法を実践すれば検索キーワードを抽出することは可能ですが、その全てが検索意図に関わるものではありません。

したがって、抽出された検索キーワードの絞り込みが必要でが、ここでいかにユーザーの意図を考えるかがマーケターの腕の見せどころです。

検索意図を考える時は「購入を促す」「興味持たせる」など、企業の目的に沿った検索意図に繋がるか否かで判断するのがコツです。

検索意図に沿った企画と記事のコツ

ビジネスマン,アイデア

ユーザーは検索意図に基づいて検索キーワードを選択しています。検索結果が意図に沿っていなければ、検索エンジンの満足度は下がります。

検索エンジンの主な収入源は広告収入ですから、各社ともユーザーが満足できる検索結果となるようアルゴリズムの改善に余念がありません。

つまり検索意図に沿った企画・記事を作成するには、検索エンジンが導く上位サイトからキーワードを抜き出し分析することが大切です。

なお、ターゲットキーワードを抜き出す際、1つの手法に拘りすぎると結果が偏り検索意図を正確に分析できなくなります。

したがって、可能な限り複数の手法・複数の上位サイトから共通するターゲットキーワードを見つけ出しましょう。

 

ワンポイント
ターゲットキーワードは企業が期待する検索意図に通じる、DoクリエもしくはBuyクリエから探し出すのがコツです。

検索意図の分析を支援するツールを紹介

ビジネスマン,ツール

検索意図を一から分析するには、質の高い上位サイトの選択やサジェストの確認・共起語の抜き出しなど、非常に手間がかかります。

これらの作業を全てもしくは一部をツールに任せることで、作業効率が高まるばかりでなく、正確な分析結果を導くことが可能です。

なお、検索意図の分析を支援するツールには以下のものがあります。

  • 共起語検索ツール(共起語の抽出)
  • ラッコキーワード(サジェストキーワードの抽出)
  • SE rankings(検索意図の分析全般)
  • Keywordmap(検索意図の分析全般)
  • LSI Graph(検索意図の分析全般)
  • MIERUCA(検索意図の分析全般)

これらのツールにはそれぞれ特徴がありますので、ツールを使って「何がしたいのか」を明らかにして導入することが大切です。

 

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検索意図の分析で悩んだら

コンサル,相談

検索意図の分析は企業の実績に大きく関わるものですが、その方法は非常に複雑であることから手法を理解して取り組むことが必要です。

しかし、ネットなどの情報だけでは理解しきれない部分も多く、検索意図の分析が上手くいかず悩んでしまう人も少なくありません。

検索意図の分析に悩んだら速やかにコンサルを活用しましょう。コンサルはマーケティングのプロであり検索意図の分析にも長けています。

マーケターの不安や悩みを解消すべく、これまでの経験で得た様々なノウハウをレクチャーしてくれるでしょう。

まとめ

明るい,未来

商品やサービスを購入する際、多くのユーザーは事前にネット上で商品検索を行い知りたい情報を得ています。

したがって、ユーザーの購買意欲を実績に繋げるにはターゲットキーワードを探し出し、検索意図を分析することが不可欠です。

ターゲットキーワードは、ユーザーの検索意図に基づき「Know」「go」「Do」「Buy」に分類できます。

マーケターが注目したいのは「Do」「Buy」に分類されるターゲットキーワードです。

両者とも購買意欲に結びつきやすいターゲットキーワードであり、企業が期待する検索意図にも合致しやすいといえるでしょう。

なお、検索意図の分析は非常に手間がかかる作業ですが、効率化を図るには支援ツールの活用が有効です。

しかし、ツールを活用し様々な媒体から情報を収集しても、検索意図が分析できないマーケターも少なくありません。

こういった場合にはコンサルに相談しましょう。豊富な経験値や高いスキルを持っており、最適なレクチャーが受けられるでしょう。