ビジネスではいかに思考を整理できるかが、成功のカギとなることがあります。
しかし、なかなか考えがまとまらなかったり、考えていくうちに脱線したりすることもあるでしょう。
そのようなときに活用したいのが、思考整理法の1つであるマインドマップです。
マインドマップをマーケティングに活用すれば、より効果的な戦略を打ち出すことができるかもしれません。
今回は、そんなマインドマップについて詳しくご紹介します。
目次
マインドマップの概要
マインドマップとはどのようなものなのか、その概要を解説していきます。
思考整理法の1つであるマインドマップは、イギリスの著述家・教育コンサルタントであるトニー・ブザン氏が提唱しました。
マインドマップの大きな特徴は、1枚の紙に考えを図式化して表現するということです。
人間の思考は、考えれば考えるほど複雑化したり、自分自身でも整理できなくなったりすることも少なくありません。
そこで、思考を1枚の紙に書いて可視化するのがマインドマップなのです。
マインドマップは思考を可視化できることから、ビジネスシーンでも広く活用されています。
ビジネス上、特にマーケティング分野においてどのようなことができるのか詳しくみていきましょう。
マインドマップでできること
幅広い分野で活用されるマインドマップですが、マーケティングではどのようなことができるのでしょうか。
ここでは、マインドマップでできることをマーケティングに焦点を当てて3つご紹介します。
データ管理
マインドマップは、データ管理に活用することができます。
企業は他部署との連携や取引先とのやりとりの中で、多くの情報・データを管理することも少なくありません。
しかし、それらの情報やデータをそのままにしておくと、関連性がわからなくなる場合があります。
そんなデータも、マインドマップを活用すれば関連付けた状態で管理することができるのです。
関連性が明確になることで、業務の振り返りやミーティングにも役立つでしょう。
企画立案
企画立案もマインドマップでできることの1つです。
マーケティング戦略を立案するときに、メンバーが出すアイデアは重要なものです。
しかし単に口にするだけでは、いいアイデアを見逃すことになりかねません。
マインドマップを用いれば、アイデアを関連付けながら書き出したり整理したりすることができます。
これによって、新しいアイデアや創造的な思考にいきつくこともあるでしょう。
マインドマップは思考が可視化されたものなので、そのままプレゼンテーションの資料として活用することもできます。
課題解決
マインドマップは課題解決のツールとして活用することもできます。
マーケティングを行う上で、何らかの課題は生じるものです。その課題をいかに解決していくかが、成功のカギといえます。
しかし、なぜ問題が生じたのか・どうすれば解決できるのかわからないということもあるでしょう。
そこで、課題をメインテーマとしてマインドマップを作成していくのです。
課題に関係することを関連付けて書き出すことで、解決策に行きつくことも少なくありません。
マインドマップを作成する過程で、課題に関連する事柄に気づくきっかけにもなるでしょう。
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マインドマップをマーケティングに活用するメリット
思考を書き出して整理するマインドマップは、マーケティング分野においてさまざまな活用方法があります。
そんなマインドマップですが、マーケティングに活用することで複雑化した活動を可視化できることがメリットとしてあげられます。
そもそもマーケティング活動は単純なものではなく、内容が複雑化していることも多いです。
「顧客が商品を購入する」ということに対して、企業は多くの活動を行っているでしょう。
- 商品開発
- 広告などによる宣伝活動
- 販促活動
- リサーチ・市場調査
この他にも顧客が商品を手に取ってくれるよう、多種多様なマーケティング活動を行っているはずです。
これだけの活動を行うということは、それだけマーケティング活動は複雑化しているといえます。
マーケティングという分野が複雑化しているからこそ、思考や業務を関連付けて整理する必要があるのです。
マインドマップは、そんな複雑化したマーケティング活動を可視化し、誰が見てもわかりやすい状態にすることができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マーケティングに役立つその他の図
マーケティングでは、マインドマップに限らずさまざまな手法で思考やプロセスを可視化しています。
ここでは、マーケティングに役立つ図を3つみていきましょう。
それぞれの特徴を押さえて、最適な図を活用してください。
フローチャート
フローチャートとは、業務のプロセスを可視化した図のことをいいます。
チームで取り組む業務には、それぞれが知っておくべきプロセスがあるでしょう。
しかし、それを可視化せず「暗黙の了解」にしてしまうと、トラブルが生じたときの対処ができなくなってしまいます。
またプロセスが明確になっていないと、他部署との連携に支障が出たりクライアントへの説明に不具合が生じたりする事態になりかねません。
フローチャートがあれば、誰が見てもすぐに業務フローを把握することができます。
そのため、業務だけでなく他部署との連携をスムーズにすることにつながるでしょう。
業務の見落とし防止としても役立つはずです。
組織図
組織図は、社内・部署・チーム内のメンバーの役割や配置を可視化したものです。
それぞれの組織の構造がわかるため、他部署からの問い合わせがスムーズになります。
また、誰がどこに配置されているか把握でき、メンバー同士が協力しやすい環境を作ることができるでしょう。
ガントチャート
ガントチャートとは、業務の内容ごとにスケジュールを可視化する図式のことです。
先ほどマインドマップをマーケティングに活用するメリットで説明したように、マーケティング活動は複雑化しています。
さまざまな施策を打ち出す場合、スケジュールを明確にしておくことが重要です。
しかし、それを施策ごとに管理するとチームメンバーが他業務の予定や進捗状況を確認することができません。
ガントチャートは、関連する施策に対してのスケジュールやプロセスを把握するのに役立つのです。
組織内での活用やクライアントへの提示など、企業によってさまざまな活用ができます。
マインドマップの作成手順
マインドマップをマーケティングに活用することで、さまざまなメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。
そんなマインドマップですが、必要性は理解できても作成方法がよく分からないという人もいるでしょう。
ここでは、マインドマップの作成手順を3つのステップに分けてご紹介します。
メインテーマを書く
マインドマップ作成時には、まずメインテーマを決めます。
テーマとするキーワードを決め、紙の中央にわかりやすく書きましょう。
このメインテーマがマインドマップの起点となるので、大きめに書くのがポイントです。
周囲にキーワードを加える
マインドマップのメインテーマを書いたら、その周囲に関連するキーワードを加えていきます。
このとき、関連するキーワードを線で結びましょう。
メインキーワードから放射状に線を引いていくため、その線は枝のように見えくるはずです。
この枝のことを、マインドマップでは「ブランチ」と呼びます。
周辺にキーワードを加えると、カテゴリー分けができるようになります。
ブランチでつながっているキーワードは、それぞれ関連するカテゴリーになるようにすることが大切です。
キーワードを加えていくときに、何らかのルールを決めておくといいでしょう。
全体像を分析する
メインキーワードと関連キーワードを書いたら、マインドマップの全体像を分析します。
思考を書き出したマインドマップは、整理できていなかった考えが関連付けあるいは階層化できているでしょう。
全体を見渡したときに、関連性がないものや反対に関連性が強いものが出てくることもあります。
その場合は、キーワードの配置を変えて再構成するのも1つの手です。
マインドマップツールのおすすめは?
マインドマップはもともと1枚の紙に書いていくというものでした。
しかし、その必要性や活用の幅が注目され、マインドマップのツールが普及しています。
マーケティングに活用するなら、ツールを用いて効率化を図るのもいいのではないでしょうか。
ここでは、おすすめのマインドマップツールを2つご紹介します。
XMind
XMindは、マインドマップツールの中でも高い人気を誇るダウンロード型のツールです。
パソコンだけでなくスマートフォンでも使用できるため、いつでもどこでもマインドマップを作成できます。
ダウンロードしてしまえば、インターネット環境に左右されず使えるのがメリットです。
無料版と有料版がありますが、無料版でも十分な機能が備わっています。
MindMap Tab
MindMap TabはGoogleChromeのアドオンツールで、無料で使うことができます。
テキストを入力していくだけで作成できるという手軽さが、人気のポイントです。
無料かつシンプルな設計なので、はじめてマインドマップを作成するという方に向いています。
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わかりやすいマインドマップを作成するコツ
マインドマップはアイデアを関連付けて書き出していきますが、後から振り返りができることも大切です。
しかし、わかりやすいマインドマップをどのように作成すればいいか悩む人もいるのではないでしょうか。
ここでは、わかりやすいマインドマップを作成するための3つのコツをご紹介します。
文章ではなくキーワードを記入する
マインドマップをわかりやすく作成するために、文章ではなくキーワードを記入しましょう。
例えばメインテーマを「新商品の開発」と設定したとします。
ブランチでキーワードを加えていく中で、「20代女性をターゲットにするのでSNSを活用する」というアイデアが出たとしましょう。
これは1つのアイデアとしてマインドマップに追加すべきですが、文章のまま記入するのは避けましょう。
先ほどのアイデアの場合、以下のようなキーワードに分割することができます。
- ターゲット
- 20代
- 女性
- SNS
マインドマップに文章を記入することで、視覚的に見にくくなってしまいます。
また、1つの文章から関連付けて考えるよりも、キーワードごとに思考を展開した方がより深いところに行きつく可能性があるのです。
そのため、文章ではなくキーワードを記入していきましょう。
抽象的なキーワードから書き始める
マインドマップは、抽象的なキーワードから始めることも大切です。
具体的なキーワードから始めると、そこからアイデアの展開が難しくなるリスクがあります。
それは、関連するキーワードがたくさん出てこなくなる可能性があるからです。
マインドマップはアイデアをたくさん出すことで、これまで気づかかなかった思考・アイデアの発見につながることが期待されます。
新しい思考・アイデアの発見のためにも、始まりは抽象的なキーワードにしましょう。
例えば、「マーケティング」「販促活動」「新商品」といったキーワードから始めてみてはいかがでしょうか。
配色や線の太さを工夫する
わかりやすいマインドマップの作成には、配色や線の太さの工夫も大切です。
メインキーワードから派生する関連キーワードは、いくつかのカテゴリーに分けることができるでしょう。
カテゴリー別に配色を変えることで、見やすくわかりやすいマインドマップになります。
線の太さも同様に、見やすさやわかりやすさのために工夫しましょう。
配色や線の太さをどのように工夫するか、予めルールを決めておくことをおすすめします。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マインドマップをマーケティングに活用しよう
マインドマップは思考の整理や課題解決を可能にすることから、マーケティングに活用する企業も多いです。
アイデアをどんどん出していくことで、新しい発想や創造的な思考が生まれることも少なくありません。
「新しいことを考えよう」という意気込みがあっても、なかなか思うようにはいかないものです。
そこで、マインドマップのマーケティングへの活用が期待されています。
複雑化したマーケティング活動ですが、うまくマインドマップを活用して整理していきましょう。
完成したマインドマップの中に、思いもよらないアイデアが潜んでいるかもしれません。
マーケティングのマインドマップ活用で悩んだら
マーケティングにマインドマップを活用すると、さまざまなメリットが期待できます。
しかし、どのように作成すべきか、どう活用すればいいか悩む方もいるのではないでしょうか。
もしマインドマップの活用でお悩みのことがあれば、デジマクラスにご相談ください。
デジマクラスのコンサルタントが、マインドマップツールの選択も含め、最適な活用方法をご提案させていただきます。
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まとめ
今回は、マインドマップをマーケティングに活用するメリットや作成のコツについてご紹介しました。
マーケティング活動は複雑化しており、それらを関連付けて考えることが大切です。
そのためにも、情報や思考を整理し可視化する必要があります。
マインドマップなら、思考の整理やアイデア出しなど活用の幅は多様です。
作成には手書きだけでなくツールを活用するという選択もありますが、いずれにしてもわかりやすいマインドマップを作ることを意識しましょう。
マインドマップの作成・活用に関するお悩みは、デジマクラスにお任せください。