ホームページやチャットツールにおいて、チャットボットに触れたことや聞いたことがあるでしょう。

顧客の問い合わせなどに自動返信できる機能なので、顧客満足向上につながります。

そんなチャットボットですが、LINEにも導入可能なことをご存じでしょうか。

LINEを利用している企業は多いですが、今後の顧客満足向上のためにもこの機能を使わない手はないでしょう。

今回は、LINEチャットボットの作り方やメリットを導入事例をふまえてご紹介します。

LINEチャットボットの特徴

LINEチャットボット

LINEチャットボットはマーケティングにおいても活躍するツールです。

その特徴は、主にLINEを通じてユーザーと自動で会話ができるという点です。

チャットとロボットを組み合わせたものをチャットボットといいます。

通常であれば、チャットを運用する人とユーザーとがやり取りします。

この場合、チャットを運用する人が常にチャットの前に待ち構えていないといけません。

ユーザーが問い合わせてきた場合に、迅速に対応しなければならないので人員を割く必要があります。

しかし、LINEチャットボットの場合はこの心配はありません。

自動でロボットがユーザーに回答や選択肢を与えるチャットを返してくれます。

もちろん、細かな設定もLINEチャットボット運用側が設定可能です。

例えば、お店の予約などであればLINEチャットボットによって自動で予約まで完了します。

また、プランの提案などであればユーザーの選択肢によって適切なものを自動で提案できるのです。

このように、自動でユーザーとのコミュニケーションが取れることがLINEチャットボットの特徴です。

さらに、LINEチャットボットの基本的な機能や特徴についてもご紹介します。

LINEチャットボットのメッセージ基本機能は以下の3つになります。

  • ボタン
  • 確認
  • カルーセル

1つ目はテキストだけでなく画像などを設定できるボタン

2つめが、ボタンに選択しなどのアクションを設定する確認機能。

3つめが、複数設定した選択肢をスクロールして表示させるカルーセル機能になります。

カルーセルについては、選択肢を表示するだけでなく画像をスクロールして表示させることも可能です。

こういった基本機能や特徴を理解しておけば、効果的なLINEチャットボットを運用することができるでしょう。

 

ワンポイント
LINEチャットボットは、ユーザーに自動でコミュニケーションをとってくれます。

LINEチャットボットの機能

機能

基本的な特徴を抑えたところで、詳細な機能についても押さえていきましょう。

実はLINEチャットボットと一言で表しても、機能面で大きく分けることができます。

この機能は、運用していくうえで理解しておかなければどういった自動応答をつけるべきか判断できません。

適切な応答機能をつけるためにも、機能について理解していきましょう。

応答メッセージ

応答メッセージ

1つ目の機能が応答メッセージになります。

この機能は、LINE公式に標準搭載の機能です。

大きな特徴として、ユーザーからメッセージを受信した際に自動でメッセージを自動送信できます。

あらかじめ設定したキーワードが入っているメッセージを受信すると、それに対応したメッセージを自動送信できます。

送信するメッセージについても、キーワードに対応した内容を設定することができるのです。

設定が容易であり、機能の中でも最も取り入れやすいものになるでしょう。

しかし、設定が簡単で取り入れやすいがゆえに使用シーンが限られる弱点もあります。

キーワードに対して、自動送信するメッセージを設定はできますが細かくパターンを分けることができません。

ユーザーのメッセージ内容によっては、適さないメッセージを送ることになります。

また、キーワードに対して自動送信するメッセージを設定するためにユーザー側がキーワードを知っておく必要があります。

ユーザーに特定のキーワードを入れて返信を求めるなど、工夫が必要となるでしょう。

AI応答メッセージ

AI応答メッセージ

2つ目の機能がAI応答メッセージです。

こちらもLINE公式に標準搭載の機能であり、応答メッセージと基本的には同じです。

しかし、キーワードに対して自動返信する応答メッセージとは違い内容に対して判断し自動返信を行います。

ユーザーから送られてくるメッセージ内容と意図をAIが読み取り、それに対して適切な応答を行います。

また、このAIについてもLINEが提供しているものなので別のアプリとの提携などの手間もありません。

応答メッセージとは違い、適切な返信を返すことができるので応用範囲は広いです。

しかし、長文や複雑な質問には返信することはできないで注意が必要です。

この場合は、問い合わせをスタッフへとつなげるなどの工夫をするといいでしょう。

Messaging APIの利用

Messaging API

3つ目の機能が、Messaging APIを利用したものです。

この機能は、LINE公式の標準搭載機能ではありません。

ベンダーなどが開発し提供しているものを利用し、LINEと提携して使うものになります。

そのため、高パフォーマンスでコストを抑えられる製品を選ぶ必要があるでしょう。

応答メッセージやAI応答メッセージと比べて、細かな応答が設定できることが特徴です。

また、メッセージだけでなく音声や画像・動画の使用など自由の幅が大きいのも大きな特徴となります。

LINEチャットボットの作り方

LINEチャットボット、作り方

LINEチャットボットの主な機能について把握することができました。

今後運用するにあたって、どの機能が必要となってくるのか検討する必要があるでしょう。

それでは、具体的にどのようにしてLINEチャットボットを作ればいいのでしょうか。

ここからは、作り方についてご紹介していきます。

LINE公式アカウントを開設

アカウント

LINEチャットボットを作るには、LINE公式アカウントを開設しましょう。

開設の手順は、まず1つ目にLINE for Businessにアクセスします。

そこでアカウントを作成します。アカウントには個人で登録するか企業のメールアドレスなどで登録するか選びましょう。

その後ログインを行い、必要な情報を入力するとアカウント開設完了となります。

LINE管理画面でラインボットを作成

管理画面

開設が完了したら、次は管理画面にてラインボットを作成しましょう。

LINE公式アカウント管理画面では、応答メッセージとAI応答メッセージを作成できます。

まずは、応答メッセージとあいさつメッセージを設定しましょう。

応答メッセージでは応答モードをチャットにします。

あいさつメッセージでは、ユーザーが友達追加を行った際に送るあいさつ文を作ることができます。

次に、応答メッセージを設定していきましょう。

管理画面の応答メッセージ欄にて、メッセージに内容も含めて設定することができます。

自動返信に対応するキーワードの設定もこの管理画面で行うことができます。

より高度なAI応答メッセージの場合は、スマートチャットを設定しましょう。

設定の詳細設定から、スマートチャットを選択することができます。

次に、4つのカテゴリーからAI応答メッセージの種類を選びましょう。

このカテゴリーに沿って、内容にあったメッセージを作成していきます。

メッセージの編集が終わったら、最後に保存して機能をオンにします。

LINE公式で標準搭載されている機能を使うには、これで設定は終了です。

しかし、Messaging APIを利用する場合はベンダーとの提携が必要となります。

必要な機能を備え、コストパフォーマンスの良いベンダーを見つけ相談し提携操作を行いましょう。

 

ワンポイント
LINEチャットボットの作り方や手順を把握しましょう。

LINEチャットボットを導入するメリット

メリット

LINEチャットボットの作り方を把握し、すぐにでも運用を考えている企業も多いでしょう。

しかし、LINEチャットボットを導入するメリットを抑えておく必要があります。

運用メリットを押さえておかなければ、効果的な活用を行うことはできません。

特徴の把握とともに、メリットになるポイントを押さえましょう。

新たなリーチを獲得できる

リーチ

メリットの大きな1つが、新たなリーチを獲得できる点です。

LINEの利用者は日本人口の65%以上で、8,600万人ともいわれています。

多くの人が日常的にLINEを利用しているので、その分LINE公式アカウントを見てもらえる可能性は高いのです。

LINE公式アカウントであれば、テレビ・動画広告やLPとは違ったアプローチ方法になります。

また、アプローチできる顧客層も異なります。

新たな顧客を獲得するうえでも、LINE公式アカウントは大きな活躍が見込めるのです。

ユーザーに親近感を抱いてもらいやすい

親近感

LINEが日常的に使用されている点は、ユーザーの親近感にも大きく影響します。

親近感を抱いてもらいやすいために、LINE公式アカウントとの距離も身近に感じてもらえるのです。

LINEはもともと、個人間でメッセージを交わすアプリとして浸透しています。

そのため、LINE公式アカウントとのメッセージページも親和性が高いのです。

また、動画広告のようなユーザーのストレスにもなりにくい点もLINEの特徴にあります。

家族や友人とのメッセージやり取りと近い感覚で、ストレスなくLINE公式アカウントともやり取りができます。

その結果、コンバージョンにもつながりやすいというわけです。

ユーザーがアクションを起こしやすい

ユーザー、アクション

ユーザーがアクションを起こしやすいことも、大きなメリットの1つです。

LINEは、先述した通りユーザーになじみあるツールの1つになっています。

そのため、LINE公式アカウントへの問い合わせに関してもユーザーからアクションを起こしやすいのです。

通常、企業などへの問い合わせはユーザーから行動を起こさなければなりません。

ユーザーからすると担当者へ連絡しなければならないことはハードルの高い行為になりがちです。

しかし、LINEであれば日常に溶け込んでいるツールだからこそ違います。

問い合わせとはいえ、LINEであれば簡単にできるのでハードルは低いのです。

ユーザーが比較的能動的にアクションを起こしやすいことは、LINEチャットボットだからこその強みです。

継続的にアプローチできる

アプローチ

継続的にアプローチできる点も、LINEチャットボットの特徴です。

店頭の広告やECサイトなどの場合、ユーザーに訪問されても一度離れたら次のアプローチはほぼ不可能です。

広告を打ち出したとしても、それを見てもらえるかもわかりません。

しかし、LINEチャットボットであれば一度離れたユーザーにも継続的にアプローチできます。

たとえ購入に至らず離れたとしても、アカウントをブロックされない限りはつながっています。

そのため、ユーザーに対して引き続きメッセージを送ったりとアプローチができるのです。

また、購入後のユーザーに対しても継続的なアプローチは効果を発揮します。

アプローチを続けていれば、ファンになってくれる可能性もあるからです。

 

マーケティング戦略の事例はこちら

 

LINEチャットボットのデメリットはある?

デメリット

メリットの多いLINEチャットボット。

ユーザーへのアプローチについてなど、このツールだけの強みがあります。

しかし、もちろんデメリットもあります。

デメリットについても把握したうえで、運用を行うか判断が必要となるでしょう。

では、どんなデメリットがあるのでしょうか。

1つ目が、導入に手間がかかる点です。

もちろん、コストもかかりますが導入に時間がかかるのです。

メッセージ内容を検討することはもちろん、特定のキーワードなどの設定も簡単ではありません。

ユーザーの関心があって、さらには問い合わせに多いキーワードを設定する必要があります。

これらの各種設定を詳細に整えるのに時間がかかるでしょう。

また、Messaging APIの場合はベンダーの検討にも時間を要します。

どこがコストパフォーマンスがいいのかといった見当も必要になるため手間がかかるでしょう。

2つ目のデメリットが、友達登録されなければ何も始まらない点です。

LINEの特性上、まずはLINE公式アカウントとユーザーがつながらなければなりません。

つながる前に公式アカウント側から、ユーザーにアプローチはできないのです。

この点は、X(旧Twitter)などのSNSとは異なり弱点になります。

友達登録されなければ継続的なアプローチなど不可能なので、まずは友達登録への施策を打ち出さなければらないでしょう。

最後のデメリットが、複雑な質問への回答に限界があるということです。

もちろん、AI応答メッセージなどはある程度複雑な内容にも対応できるようにはなります。

しかし、長文質問内容が難しい場合は自動返信では限界があるのです。

これはLINEに限らずチャットボットの限界でもあります。

 

ワンポイント
デメリットも把握したうえで、導入を検討しましょう。

LINEチャットボット導入事例

導入事例

LINEチャットボットの導入に向けて、メリット・デメリットも理解できたでしょう。

次は、導入事例を紹介していきましょう。

実際に導入された事例を知れば、現在の自社の状況と照らし合わせることもできます。

導入事例や成功事例に照らし合わせて、今後の運用の施策などに活かしてください。

株式会社ユニクロ

株式会社ユニクロ

1つ目の導入事例が、株式会社ユニクロの運用事例です。

主に購入後のユーザーの動きについて、対応できるチャットボットの構成になっています。

問い合わせはもちろん、注文内容の確認や配送について確認できます。

また、返品・交換についても対応できるつくりです。

ユーザーは、それぞれのカテゴリーを選択するだけで自動応答が始まります。

そのためストレスも少なく、企業側にとっても問い合わせのコストを削減でき成功させています。

ライフネット生命株式会社

ライフネット生命株式会社

2つ目の事例が、ライフネット生命株式会社の運用事例です。

LINEにて、手軽に保険内容の問い合わせが行えるようにしています。

保険内容の問い合わせや見積もり依頼などは、時間がかかるものです。

しかし、LINEチャットボットの運用によりユーザーの時間がとられる弱点が軽減されました。

その結果、ユーザーにとって手軽さが増し保険の不安を解消できる身近なツールになったのです。

またこれにより、これまで不安でも時間がなかった若い世代の問い合わせが増えました。

LINEチャットボットによって、新たな顧客層を獲得できた成功事例になります。

ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸株式会社

LINEによってユーザーが能動的に動くメリットをうまく活用した事例が、ヤマト運輸株式会社の事例です。

LINEチャットボットでできることは、主に再配達依頼配送状況の確認です。

しかし、これまでの再配達の手続きの面倒をLINEチャットボットでうまく減らしています。

これまでは、再配達は担当につながる電話などで手続きを必要としていました。

しかし、LINEチャットボットの導入によりLINE上で手軽に手続きが行えるようになったのです。

LINEは先述した通り、ユーザーにとっては身近なものであり手続きも電話より簡単です。

すぐにユーザーが対応できる点と、企業にとっては能動的に動いてくれることによる負担の軽減。

この2つの点で、非常に効果的にうごいている成功事例といえるでしょう。

LINEチャットボットが向いている企業

企業

成功事例を含め、LINEチャットボットの特徴や実用性を実感しているでしょう。

自社でも運用を開始しすれば、効果を発揮してくれると期待が膨らんでいる企業も多いと思います。

しかし、実はLINEチャットボットにも向いている企業とそうでない企業があります。

ここからは、向き不向きを理解してどちらを導入すればいいのか検討していきましょう。

シナリオ型が向いている企業

シナリオ型

まずはシナリオ型の向いている企業です。

シナリオ型とは、質問内容をあらかじめ想定しそれに対応する回答を設定しておくものです。

設定しておいた回答をユーザーへと送ります。

そのため、あらかじめユーザーの問い合わせから回答してからの流れやシナリオを詳細に考えておく必要があります。

この特性上、シナリオ型には問い合わせ内容が限定できる企業や店舗が適しているでしょう。

問い合わせ内容や回答の種類が沢山あるような場合は、シナリオ通りに進まないことが考えられます。

そうなると、自動返信ではユーザーの求める回答が返せないことになります。

シナリオ型に適した企業かどうかを見極めて導入しましょう。

AI搭載型が向いている企業

AI搭載型

シナリオ型であれば、比較的問い合わせ内容が絞られる企業が適していることがわかりました。

では、問い合わせ内容が難しい場合やいくつもパターンが考えられる場合はどうすればいいのでしょうか。

その問題を解決してくれるのが、AI搭載型になります。

ユーザーの質問内容や意図を読み取って回答してくれるのが、このAI搭載型の大きな特徴です。

質問内容は同じでも表現が異なるケースがありますが、この場合でも同じ質問として認識し対応できます。

さらに、AI搭載型は過去の質問から学んで回答になかったパターンも自ら作って回答します。

そのため、シナリオ型と比較すると非常に高性能であり幅広い質問内容に対して回答可能です。

いくつも問い合わせパターンがある企業や、質問内容が難しくなることが想定される企業に向いているでしょう。

 

ワンポイント
自社に向いているLINEチャットボットについて把握しましょう。

LINEチャットボット開発にかかる費用

コスト

自社向きのLINEチャットボットがどれか把握することができたと思います。

しかし、気になるのがコストの問題です。

もちろん、これらのツールを導入するにはコストがかかります。

大きく分けると、LINE公式アカウントの費用ベンダー費用です。

まずLINE公式アカウント費用ですが、こちらはプランによって料金が異なります。

例えば、フリープランであれば月額固定費は無料ですが無料メッセージは1,000通しかありません。

また、1,000通を超えての追加メッセージは不可能になります。

一方、スタンダードプランであれば月額固定費は15,000円で無料メッセージは45,000通まで可能です。

さらに、追加メッセージは従量課金制で1通あたり3円で可能になります。

それぞれのプランを検討して、最適なものを選びましょう。

次にベンダー費用ですが、もちろん使わない場合は費用は発生しません。

しかし、もし使用するのであればシナリオ型AI搭載型で費用は異なります。

シナリオ型であれば、初期費用約10万円・月額約3万円で運用が可能です。

また、AI搭載型であれば初期費用約100から300万円・月額約20から50万円程度かかります。

エンジニアが社内にいる場合は、開発から運用まで行うのでコスト削減することもできるでしょう。

しかし、外部のベンダーを利用する場合は上記のような非常に大きなコストがかかることは覚えておきましょう。

 

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LINEチャットボットの活用方法で悩んだら

悩み

成功事例も含めて、メリットや運用のためのコストについて解説しました。

LINEチャットボットはユーザーとのつながりをもたらしてくれるので、非常に有用です。

これまでの問い合わせなどの対応も、ユーザーにとっても企業にとってもメリットは大きいでしょう。

しかし、もちろん運用は簡単ではありません。

先述したようなデメリットはもちろん、ユーザーの問い合わせ内容の想定も容易ではないでしょう。

そんな運用についての悩みや、少しでも心配に思う方はデジマクラスに相談してみてください。

専門のコンサルタントが、今後の導入から運用まで適切なアドバイスを行います。

これからの集客やユーザーとの関係性を考える上で、かならずお役に立てるはずです。

 

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まとめ

まとめ

今回は、LINEチャットボットの有用性と作り方について解説しました。

非常に有用なツールであり、今後のユーザーとのつながりを持つには非常に効果的です。

しかし、運用するには特徴やデメリットも適切に把握しなければなりません。

今回の記事をもとに、ぜひ今後の導入の検討材料や運用に活用してみてください。