運営している情報サイトやECサイトのセッション数はそれなりなのに、なぜかなかなかCVに至らない。
アクセス解析からコンバージョン直前の離脱率が高いことは明らかなのだけれど、どう改善すべきか分からない。
そんな悩ましい問題を抱えていらっしゃるサイトオーナーの方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、webサイトで離脱が起こる原因を再確認すると共に離脱率の改善方法を解説します。
離脱率の分析方法や特に離脱率を改善した方が良いページはどこなのかもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
離脱率の改善方法を解説
離脱率を改善するには離脱が起こる原因を探らなければならず、そのためには訪問者の動向に関する詳細な分析が欠かせません。
日本の検索エンジンシェアのほとんどを占めるGoogleの「Googleアナリティクス」を用いて分析を行いましょう。
まずはサイト全体の離脱率やページ別の離脱率を確認しましょう。特に注意すべきなのはトップページとCV関連ページです。
離脱率の高いページを確認できたらさっそく改善に取りかかりましょう。改善方法は大きく以下の3つに分けられます。
- 構造の改善
- 内容の改善
- 速度の改善
具体的な改善方法はこの後の項目でご紹介します。ぜひ目を通してみてください。
離脱率に目安はある?
離脱率に目安はないと考えて良いでしょう。ただし過去の自社データと比較して離脱率が上昇しているなら要改善です。
また、離脱率が高いからといって必ずしも問題視する必要はありません。
なぜなら離脱率の高さとユーザーの不満足の度合いはイコールではないからです。
目的が達成されたことによってページを離れた、という場合も大いに考えられます。
離脱率の高さが問題になるのはトップページやランディングページ、そしてCV関連ページです。
これらのページを解析してもしも離脱率が高かったら、構造・内容・速度を見直すようにしましょう。
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Webサイトで離脱が起こる原因は?
そもそもWebサイトで離脱が起こる原因は何なのでしょうか。理由を把握することで改善と予防に役立てましょう。
ここでは離脱発生の原因を5つご紹介します。
ユーザーのニーズとコンテンツの不一致
Webサイトで離脱が起こる原因、1つ目はユーザーのニーズとコンテンツの不一致です。
これは内容の問題にあたります。不一致の理由は大きく2つのパターンに分けることができるでしょう。
求めていた内容ではなかった場合と、求めていた内容だったけれど内容に不満があった場合です。
必要としているものが訪問したページにないと分かると、ユーザーは早々と離脱してしまいます。
内容の加筆・修正にあたっては滞在時間の長短にも注目しておきましょう。
導線が不明瞭
Webサイトで離脱が起こる原因、2つ目は導線が不明瞭な場合です。これは構造の問題にあたります。
デザインに凝りすぎたり逆に無頓着すぎたりして、リンク先への飛び方が判然としないなどの問題を抱えていないでしょうか。
こうした場合、行き先が分からなくなったユーザーはああでもないこうでもないと悩みながらしばらく滞在した末に離脱します。
ユーザーの目線に立った親切な造りのWebサイトであることを常に心がけましょう。
ユーザーが行う操作が過多
Webサイトで離脱が起こる原因、3つ目はユーザーが行う操作が多すぎることです。これは内容の問題にあたります。
良質なコンテンツに満足してCV直前まで進んだユーザーでも、入力フォームの項目が多すぎると離脱してしまうでしょう。
その場合、入力してもらう内容を精査して本当に必要なものだけに厳選する必要があります。
他にも、入力の際にエラーが出やすくなっていないかどうかも併せてチェックした方が良いでしょう。
ページが重い
Webサイトで離脱が起こる原因、4つ目はページが重いことです。これは速度の問題にあたります。
せっかくクリックしてみても、目的のページがなかなか表示されないと、じれたユーザーはすぐに離脱してしまうことでしょう。
ページの表示速度を改善する方法には、サーバーの応答時間を見直すことや不要なリダイレクトをなくすことなどがあります。
構造と内容の双方にまたがった問題としてこの速度の問題があるともいえるでしょう。
ユーザーの目的がページ内で達成された
Webサイトで離脱が起こる原因、5つ目はユーザーの目的がページ内で達成された場合です。これも内容の問題にあたるでしょう。
とはいえ、ユーザーがWebサイトを訪問する理由は実に様々なので正確に推し量ることはなかなかできません。
CVまで進むつもりがそもそもないユーザーであることも、閲覧者が競合のスタッフであることも考えられます。
離脱が起きたページがどのような内容のページだったかを再確認して、特に問題がなければ一喜一憂することは止しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
離脱率の分析方法
ここで離脱率の分析方法を確認しておきましょう。
Googleアナリティクスの該当する項目をチェックすれば一目で分かりますが、手作業で数値を出すことも可能です。
サイト全体の離脱率を出す時もページ別の離脱率を出す時も、同じ計算方法で算出することができます。
さっそくそれぞれ詳しく見ていきましょう。
サイト全体の離脱率
サイト全体の離脱率はサイト全体の離脱数をサイト全体のページビュー数で割ることで算出します。
サイト全体の離脱数が常にサイト全体の訪問数と同値であることはいうまでもありません。
そのためサイト全体の訪問数をサイト全体のページビュー数で割ることによってもサイト全体の離脱率を求めることができます。
ページ別の離脱率
ページ別の離脱率は、確認したいページから離脱した回数を、そのページを経由して他のページに遷移した回数で割って求めます。
離脱率を調べたいページを含むすべてのページの離脱数のうち、当該ページが最後のページになった割合を求めるということです。
ページごとの離脱率を算出することによって、どのページに問題があるのかを一望の下に確認することができるでしょう。
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離脱率が高くて問題ないページもある
ページごとの離脱率を確認したとき、離脱率の高さを特に問題視する必要のないページというものも存在します。
会員登録をした後や購入ボタンを押した後に表示される「サンクスページ」と呼ばれるページがそれです。
こうしたサンクスページからの離脱はサイトの目的を達成したことを示しているのでむしろ喜ばしいことだといえるでしょう。
離脱率を特に改善すべきページ
サイトのアクセス解析をした時、離脱率の高さを大いに問題視して改善するべきページがあります。
購入確認やフォーム入力のページ・コンバージョン前のページ・PV数が多いページです。
それぞれについて詳しく解説しましょう。
購入確認やフォーム入力画面のページ
離脱率を特に改善するべきページ、1つ目は購入確認やフォーム入力画面のページです。
購入確認やフォーム入力画面のページの離脱率が高いということは、ゴールの直前で離脱されてしまっていることを示しています。
あと一歩の所でサイトの目的を達成できなかったということなので、必ず見直しをしましょう。
購入画面やフォームの入力箇所があまりに多いと、面倒な気持ちが先に立って購入や入会を断念するユーザーは少なくありません。
必要最小限の入力に留めて、ユーザー側の負担を可能な限り小さくしてあげる工夫が必要です。
コンバージョン前のページ
離脱率を特に改善するべきページ、2つ目はコンバージョン前のページです。
多くの情報サイトやECサイトの最終目標は新規入会や商品の購入、サービスの利用といったコンバージョンの達成です。
コンバージョン前のページの離脱率が高いことはサイトの存在意義に関わるのでただちに見直しをする必要があるでしょう。
たとえば、デザインに凝りすぎたせいでリンクボタンの位置が不明瞭になってはいないでしょうか。
サイトを客観的に眺めた時にユーザーにとって分かりにくい構造になっていないかなど、チェックするべき点は数多くあります。
PV数が多いページ
離脱率を特に改善するべきページ、3つ目はPV数が多いページです。
PV数が多いページはユーザーが情報を求めてやって来たページであり、ランディングページなどである場合も多いでしょう。
サイトの顔ともいうべきページで離脱されてしまう場合、コンテンツや構造に何らかの問題があることがほとんどです。
タイトルと内容は間違いなく一致しているか、ユーザーファーストな造りになっているかなど、あらゆる点をチェックしましょう。
具体的な改善方法
この項目では離脱率の高さを改善するための具体的な方法について解説します。
先に触れた構造・内容・速度に関する改善方法をそれぞれ把握し、離脱率の改善とコンバージョン率のアップに繋げましょう。
EFO
離脱率の高さを改善するための具体的な方法、1つ目はEFOです。
EFOとは入力フォーム最適化のこと。訪問者にとってより良いフォームにすることで入力完了率を引き上げようとする試みです。
フォームの入力が難しい、または入力する内容が多すぎるなどの理由でサイトから離脱してしまう訪問者は少なくありません。
戻るボタンをうっかり押したときやエラー表示のたびに入力した内容を再入力させられることも強いストレスに繋がります。
そこでEFOを実行してユーザビリティを向上させ、スムーズに入力完了してもらうことによって離脱率の改善を図るのです。
コンテンツやキーワードの見直し
離脱率の高さを改善するための具体的な方法、2つ目はコンテンツやキーワードの見直しです。
記事の内容が訪問者のニーズを満たすものではなかった場合、コンバージョンはまず期待できません。
タイトルとコンテンツの間に整合性はあるか、キーワード設定に不備はないかなど内容を細部まで見直しましょう。
その際に重要なのが、訪問者がどのようなルートを辿ってサイト内を巡回し、最終的にどこから離脱したか把握することです。
それらの動向を詳細に分析し、ニーズを推定した上でリライトやリニューアルを進めましょう。
内部リンクの強化
離脱率の高さを改善するための具体的な方法、3つ目は内部リンクの強化です。
関連記事や入力フォームへの誘導ボタンへのリンクを適切に貼ることでユーザビリティを向上させます。
ユーザーは迷うことなく次のリンクへ進むことができ、その後のコンバージョンもスムーズに進むでしょう。
このように、サイト全体のコンテンツを密にリンクさせることによってユーザーの行動をサポートすることが可能です。
このことがユーザーの満足に繋がり、ひいてはコンバージョン率の上昇にも繋がるでしょう。
導線の再設計
離脱率の高さを改善するための具体的な方法、4つ目は導線の再設計をすることです。
記事の内容が良質でも、申し込みをしたいと思った時すぐにリンクやボタンが見つからなければ訪問者は離脱してしまうでしょう。
ページのどこをクリックすればどのページに飛べるのか分からない場合も、迷っているうちにユーザーの興味は薄れてしまいます。
こうした離脱を防ぐために有効なのが導線の再設計です。ユーザー目線に立った分かりやすい導線となるように努めましょう。
ページスピードの改善
離脱率の高さを改善するための具体的な方法、5つ目はページスピードの改善です。
サイトの表示速度が遅すぎるとユーザーは待ちきれなくなって離脱してしまいます。
表示速度が遅いと検索エンジンから低評価を受け、検索結果ページでランキングが下がることにも繋がるので注意しましょう。
表示速度を上げるためには主に以下のような手段があります。
- 画像の最適化
- リソースの圧縮
- キャッシュの活用
画像を適切なフォーマットで保存することやリサイズすることでファイルの容量を抑え、表示速度を改善できるでしょう。
リソースの圧縮とはサイトを構成するHTML・CSS・JavaScriptなどへのアプローチのことです。
コード内の無駄を省くことによっても表示速度を改善できるので、自動圧縮ツールなどを有効活用しましょう。
また、ブラウザのキャッシュが活用されていないと、同じページにアクセスする時に無駄が生じて表示速度が遅くなります。
不要な通信が減らせるように設定を見直すことで通信速度を改善しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ビジネスへの影響度や優先度から、まずは直帰率の改善を軸にする
Webサイトを運営するにあたって離脱率よりも重視するべきものがあります。それは直帰率です。
直帰率とは、すべてのセッションのうち、訪問したページだけを閲覧して帰ったユーザーの割合を示すもの。
サイト内を巡回せずに帰ったユーザーがどれくらいいたかということを表しています。
自然検索で訪問したユーザーが商品・サービス紹介のページから直帰していたりする場合、ページに問題がある可能性があります。
また広告から流入したユーザーが直帰している場合も、やはり広告やコンテンツに問題があるかもしれません。
こうした直帰はWebサイト側がユーザーのニーズを満たしていない可能性を示しているので早急な改善が必要です。
離脱率の改善で悩んだら?
離脱率を改善することが重要な場合があることは理解できた。そのための方法もよく分かった。
けれど実際に行動を起こそうとすると、具体的に何から始めれば良いのか検討もつかない。そんな方も多いのではないでしょうか。
離脱率の改善に関して悩んだら、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
Webサイトの運営に精通したスタッフが親身になって話を聞き、適切なアドバイスをしてくれることでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではWebサイトで離脱が起こる原因やその改善方法についてご紹介しました。
離脱率の高さは時に自社サイトがユーザーのニーズを満たせているかどうかを判断するための指標ともなります。
必要と判断した場合は適切な改善を施しましょう。今回の記事がそのための一助となれば幸いです。