マーケティングの手法として、パーミッションマーケティングがあることはご存知でしょうか?
お客様から許諾をもらい行うマーケティング手法ですが、このように書いてしまうとピンとこないかもしれません。
さまざまなマーケティング手法があるなかで、パーミッションマーケティングを使う理由は何なのでしょうか?
パーミッションマーケティングについて、そしてメリットなどを解説します。
目次
パーミッションマーケティングのメリットを解説
パーミッションマーケティングを理解するためには、他のマーケティングとの違いや関係性・メリットなどを知る必要があります。
パーミッションマーケティングの目的であるお客様から許諾をいただくというのは何なのか。
これはダイレクトメールなどを送る許可を取ることです。
この許諾を取らずに送ってしまうと、お客様からのイメージが悪くなってしまうことになりかねません。
お客様から許諾をいただくことについて、理由を理解しておく必要もあるでしょう。
パーミッションマーケティングのメリットについて解説していきます。
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パーミッションマーケティングの概要
事前に許可を得た顧客や消費者にのみマーケティング活動を行うことを、パーミッションマーケティングといいます。
これはYahoo!の副社長であるセス・ゴーディンが提唱した手法です。
メールによる広告は、時として押し付けがましく感じられてしまこともがあります。
実際に受け取ったメールなどで不快感を覚えたことはないでしょうか?
顧客の好感度を下げることもあるので、事前に承諾を得ることでレスポンス率などのコミュニケーション効率が高まります。
インバウンドマーケティングとの関係性
インバウンドとは海外から日本に来る訪日外国人のことではありません。
外側から内側に向かう流れのことです。
ブログやSNSなどで積極的に情報発信して、顧客に興味関心をもってもらう戦略のことを指します。
パーミッションマーケティングと組み合わせることで、嫌悪感を顧客に抱かせることがなくなります。
そして顧客と良好な関係を保ち、最終的に成果を上げることに繋がるマーケティング手法だといえるでしょう。
パーミッションマーケティングはいつから存在するのか
パーミッションマーケティングは今始まったことではありません。
昔からすでにあるマーケティング手法で、真新しいマーケティングであるとは言えません。
毎日送られてくるさまざまなメルマガも、パーミッションマーケティングの1つです。
顧客にメールアドレスを教えててもらい、メールマガジンを購読してもらうことが許諾を得ていると判断されます。
パーミッションマーケティングが持つメリット
パーミッションマーケティングの概要をご紹介しました。
行う上でのメリットを確認していきましょう。
顧客との関係を長期的に保てる
顧客の承諾を得て自社の情報を配信することは、顧客に嫌悪感を持たれることがありません。
嫌悪感を持たれないということは顧客との良好な関係を続けることが可能になります。
顧客は嫌悪感を感じていないので、企業と長期的な関係を続けても良いと思い、長期的な関係が保つことができます。
相手を不快にしないことが長期的な関係を築くことを目標としましょう。
ターゲットからのレスポンス率の高さ
情報を本当に求めている人にのみ提供することが可能なことが、パーミッションマーケティングの最大のメリットです。
情報を求めているわけですから、普通に提供するよりも反応が高いです。
レスポンス率も自然と高くなるので、不特定多数の人に商品をアピールするよりも高い購入率を見込めます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
インターラプションマーケティングとの違い
パーミッションマーケティングの同じような手法なのが、インターラプションマーケティングです。
従来のマスマーケティングのことを指しています。
- CM
- 新聞広告
- インターネット広告
これらを用いて一方的に広告を発信するのです。
顧客の行動を中断させて商品やサービスを紹介するので、インターラプションマーケティングと呼ばれています。
パーミッションマーケティングとの大きな違いは、一方的なアプローチか承諾を得ているかの違いです。
インターラプションマーケティングのメリットである商品の認知度向上やロングセラー商品の宣伝には有効です。
インターラプションマーケティングは、消費者ニーズの多様化や購買行動の複雑化により時代遅れとされています。
インターラプションマーケティングから、パーミッションマーケティングに切り替えを考える必要がありそうです。
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パーミッションマーケティングの重要性
パーミッションマーケティングは顧客に対するものだけではありません。
BtoB企業の場合でも重要になっています。
マーケティング担当
マーケターの場合は、展示会やWebページで新規の取引先と繋がることが多いでしょう。
アンケートを取ることや、ノベルティを用意してダイレクトメールのパーミッションを取るといったケースが必要になります。
ダイレクトメールは取れても、その先である実際に訪問するためのパーミッションが取れないことが往々にしてあります。
新規拡大や販路拡大のためには、取引先と繋がることが必要です。
ダイレクトメールから訪問するためのパーミッションを得る必要があります。
営業担当
営業の場合は、アポ取りまでこぎつけても、2回目以降のアポを断られてしまうことなどは珍しくありません。
相手側もどれだけ価値がある企業であるのかを見たくて訪問を受けるはずです。
しかし、2回目以降となると必要ない場合は断ってしまうでしょう。
相手との信頼関係を築きながら、あなたの企業と取引をする価値を見出してもらえるようにすることが大事です。
パーミッションマーケティングのコツを紹介
パーミッションマーケティングを行う場合、相手に不快感を与えないことが重要になります。
そのためにはどのようなことを注意すればよいのでしょうか?
相互コミュニケーションを意識する
不快感を与えないためには、相互コミュニケーションを意識することが大切です。
パーミッションを得てからの情報発信等を行っているわけですが、そこで終わりであっては意味がありません。
それではインターラプションマーケティングと変わりがなくなります。
一方的ではない、「押し付けのコミュニケーション」とならないため、コミュニケーションをとるようにしましょう。
関係性によってメッセージをアレンジする
パーミッションを得た後の行動はとても重要になります。
1度で終わりではなく、継続して情報を受け取ってもらえ、ファンになってもらうことが最終目的となるからです。
繰り返し行うことで顧客の情報も得ることができます。
属性やニーズに合わせた情報のアレンジをしながら進めていきましょう。
結果を計測し続けること
常に改善施策を行っていくことが、パーミッションには必要となります。
顧客の情報(関心や反応など)を具体的にデータとして残しておくようにしましょう。
データに基づいてLTV(顧客生涯価値)や費用対策効果を測定するからです。
費用対策効果が低い場合は、改善施策を行うようになります。
情報伝達の手段を準備しておく
パーミッションマーケティングを実行する際には、情報を伝達する手段を準備しておく必要があります。
メール・SNS・メルマガ等、企業に合った伝達手段であり、顧客が取り入れやすい方法を準備しましょう。
もし、顧客に興味がなくなった場合には登録を解除してもらうえるようにしましょう。
興味がなくなり、迷惑メールと思われ、設定されてしまうよりも登録解除してもらったほうが良いからです。
常に分かりやすい位置に登録解除のためのリンクを設置しておくようにしましょう。
一度登録解除をしてしまっても、迷惑メールになっていなければ、また登録してもらえるチャンスはあります。
登録解除ができず、不信感を抱かれてしまった場合には戻ってきてくれるチャンスはないと思ってよいでしょう。
知っておきたいパーミッションマーケティングの手法
ここからは、パーミッションマーケティングの手法を確認していきましょう。
基本的な手法を確認することで、パーミッションを行いやすくなります。
自社サイトの訪問者へアプローチ
まずは自社サイトやSNSなどにアクセスした訪問者へアプローチをすることから始めます。
パーミッションマーケティングの手法の1つは、自社のホームページにアクセスし、会員登録をしてもらうことです。
X(旧Twitter)、Facebookなど、公式SNSなどがあればフォロワーになってもらうことも同様の意味があります。
登録やフォロワーになってもらえたということは、自社の商品やサービスに興味を持っている場合が多いです。
登録直後などは一番興味関心を持っていますので、会員制のWebサイトなどで積極的なPR活動を行いましょう。
高い確率で商品購入が期待できます。
また、フォロワー限定キャンペーンなどを実施することで、フォロワーに対しての効果的な販売促進も行うことが可能です。
フォロワー限定キャンペーンはフォロワーでない人も興味を持ちフォロワーになる可能性もあります。
オプトインメールの活用
オプトインメールもパーミッションマーケティングには有効な手法です。
入力フォームやサイトのチェックボックスなどで、メルマガや広告メールの受け取りを許諾して人だけにメールを送る方法です。
事前に登録している顧客のみへメールなどを送ることで、本当に情報を欲しい人にだけ情報を送ることが可能になります。
不特定多数へメールを送り、不要である場合には配信停止の依頼をしてもらう「オプトアウトメール」もあります。
配信停止を依頼するのも面倒だという人もいますので、迷惑メールや不快感を持たれてしまう場合もあります。
許諾している人にだけ送るオプトインメールはこのような問題がないのがメリットです。
展示会やセミナーの開催
展示会やセミナーを開催し、参加してきた人も許諾を得ていると考えて問題はありません。
自社製品に興味があって足を運んでいるので、直接アピールを行うことは効果的な方法となります。
相手からも直接質問をされたり、抱えている課題を聞き出すことができるので、より効果的であるのがこの手法の強みです。
展示会やセミナーで得た情報もパーミッションとなり、終了後にも引き続きPRを行うことができます。
さらに確度の高いマーケティング活動が行えます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
パーミッションマーケティングの実例を知ろう
パーミッションマーケティングの実例をご紹介します。
パーミッションマーケティングの実例として分かりやすいのが、インターネットで配信するDM(ダイレクトメール)などです。
日本では2002年に「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」が制定されました。
企業がDMなどを送信する場合には事前に顧客からパーミッションを得ていないといけないことになっています。
DMやメルマガ発信には法律に則り許諾を取る(オプトイン)ことが必要です。
その上で興味がある内容に関しての情報を送ることが正しい手段とされます。
ゲーム会社がSNSのフォロワーに最新情報をメルマガとして送信するために、アドレス登録をしてもらいます。
メルマガを配信して良いかの確認の案内を出し、その案内に反応して登録した人はメール会員になることを許諾したことになるのです。
メール会員には定期的に最新情報などのメルマガを発信したり、メール会員特典などの情報を送ります。
上記の情報発信をすることで、紹介されたイベントや特典などへのレスポンスがたかくなります。
効率的な運営が可能になるのです。
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パーミッションマーケティングが思うようにいかない時は
事前に許諾した顧客だけに販売勧誘を行うことをパーミッションマーケティングといいます。
一定の関心や意欲のある顧客に直接働きかけをすることができる、効率の良いマーケティング手法です。
顧客の関係性を築くことが容易になり、徐々に信頼を得ることが可能となります。
無駄を省くことでコスト削減にも繋がります。
パーミッションマーケティングは短期的な施策ではありません。
パーミッションマーケティングと合わせて他のマーケティング分析などをすることも必要でしょう。
さまざまなマーケティング分析がありますので、どれが適切か分からない場合などにはデジマクラスへご相談ください。
マーケティング知識豊富な担当者が、ご相談に乗り、企業に合ったマーケティングついて提案ができます。
検討している分析方法などへのアドバイスも可能です。
分からないことは悩んでいるだけでは問題解決はできません。
知識豊富な専門家への相談が最適です。
まとめ
パーミッションマーケティングのメリットなどについて解説しました。
BtoB企業、BtoCでも活用が可能であるパーミッションなので、継続的に続けていくことが大切になります。
長期的な関係を続けて、信頼を得ていくことは短期間の施策では難しいことです。
パーミッションを続けることが、情報が溢れる現代において必要なことだといえるでしょう。