Webマーケティング業界でよく聞く「フリークエンシー」ですが、正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そのような方向けに、この記事ではフリークエンシーの効果とリスクを解説します。
また、フリークエンシーを設定するメリットや最適な回数と算出設定時のポイントもご紹介しますので、是非お役立てください。
目次
フリークエンシーの効果とリスクを解説
フリークエンシーは、Web広告を扱っている企業にとって非常に重要な基準となるものです。
誤った解釈をしていると、やっとの思いで獲得した大切な顧客も離れていってしまう可能性があります。
そのため、このフリークエンシーをうまく活用して、効果的にWeb広告を行っていかなければなりません。
Web広告を活かせるか否かはこのフリークエンシーのひふ分析・設定次第といえるでしょう。
次項は、フリークエンシーがもたらすWeb広告の運用結果への影響など、フリークエンシーの概要をお伝えします。
フリークエンシーの概要
フリークエンシーは、重要な基準だとお伝えしましたが、具体的にいうとユーザー1人あたりの広告接触回数のことを指します。
ユーザー1人に対して、一定期間の中で同じ広告がどのくらいの頻度で表示されたかということです。
さらには何回広告を開いてもらえたのかを表している指標にもなります。
例えばWebサイトなどを閲覧していると、同じ広告ばかり何度も表示されることがあります。
それは、フリークエンシーが高いという状況です。
このフリークエンシーを増やしてWeb広告を頻繁にユーザーに接触させれば、広告としての効果が高まりそうに思えます。
しかし、そうとは言い切れないのがフリークエンシーの難しさだといえるでしょう。
また、一度広告を見たユーザに何度も広告配信するリマーケティング・リターゲティングというマーケティング手法があります。
この手法と同義と思われがちですが、フリークエンシーは手法ではなく接触頻度を表す指標なので間違いのないように理解しましょう。
フリークエンシーの効果
それでは、フリークエンシーがもたらす効果としてどのようなものが期待できるのでしょうか。
この項目では、フリークエンシーを設定することによって得られる効果をご説明していきます。
ブランディングが目的の場合
ブランディングを目的としたWeb広告の場合には、フリークエンシーを増やすことで大きな効果が得られるでしょう。
Web広告に頻繁に接触することで、そのブランディングしたい製品やサービスを認知してくれるユーザーが単純に増えます。
さらには、Web広告に載せた戦略的なメッセージをユーザーが正しく読み取ってくれる可能性が高まります。
それもフリークエンシー活用の効果といえるでしょう。
成約数などの成果を出すことが目的の場合
Web広告から製品やサービスを購入して欲しい場合は、考え方はまた別になります。
ブランディングが目的の広告の場合とは逆に、フリークエンシーは減らすべきと考えられているのです。
なぜなら、Web広告が表示されすぎるとユーザーがWeb広告に悪印象を持つ可能性があるためです。
その対策として、フリークエンシーを減らすことが良策といえるでしょう。
1・2回目の広告表示で広告をクリックしなかったユーザーはその後もクリックする可能性は低いといわれています。
よって、フリークエンシーを多くするメリットがあまりありません。
このようにフリークエンシーを把握することで、ユーザの動きに応じた対応ができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リーチとフリークエンシー
Web広告とユーザー接触頻度を表す指標としてもう1つ「リーチ」という言葉があります。
この項目ではリーチの概要やフリークエンシーの関係性を解説していきます。
リーチとは
Webマーケティングでのリーチとは、Web広告の到達率のことを指します。
一定期間の中でそのWeb広告を目にしたユーザーの人数や割合を表す指標です。
例えば、1人のユーザーがサイトを4回訪問して、そのたびに同じ広告が表示されていたとします。
その場合、表示された広告のリーチ数は4ではなく1となります。
このように、同じユーザーを重複してカウントしない仕組みです。
しかし、異なる端末でサイトに訪問した場合には別のユーザーとしてカウントされます。
リーチ&フリークエンシー
Web広告には「リーチ&フリークエンシー」という広告配信手法があります。
この手法は、一定期間の中でユーザーが広告に接触する頻度を調整して広告掲載する手法です。
いくつかの広告を設定した順に配信できるシーケンス配信とストーリーテリングを併用すると、ブランディングも効果的に行えます。
最近ではリーチ&フリークエンシーを取り入れて効果的にWeb広告の配信を行っている広告主も増えてきています。
フリークエンシーを把握するメリット
これまでフリークエンシーの概要についてご説明してきました。
では、フリークエンシーを把握することのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
この項目では、そのメリットについてご紹介していきます。
コストの無駄を省くことができる
Web広告が表示されすぎることで、無駄な広告配信のコストが掛かってしまう可能性があります。
先ほども述べましたが、購入目的の広告の場合は1・2回目の広告表示でクリックされないとその後もクリックは見込めません。
ということは、1・2回目以降に表示される広告はほとんど無駄になってしまいます。
よって、フリークエンシーを把握し調整することでコストの無駄を省くことができるのです。
広告疲れを防ぐことができる
広告疲れとは、同じ広告が何度も繰り返し表示されるがために、ユーザーが疲れてしまうことです。
製品やサービスの購入に繋げようとWeb広告をたくさん配信した結果、ユーザーが広告疲れを起こしていては本末転倒です。
フリークエンシーを把握し調整すると、同じユーザーへの行き過ぎた広告表示がなくなり、広告疲れを防ぐことができます。
設定のポイント
それでは、フリークエンシーを設定するにあたって、注意すべきポイントはあるのでしょうか。
この項目ではそのポイントをご紹介していきます。
ターゲットに合わせた設定
フリークエンシーはターゲットに合わせて設定する必要があります。
同じ広告でも、あるユーザーは不快に感じ、別のユーザーはクリックして購入に至る場合があります。
そのため、むやみやたらにフリークエンシーを多くしたり、極度に少なくしたりしてはいけません。
Web広告の内容や製品の特徴、配信するターゲットに合わせた適切なフリークエンシーを設定しましょう。
例えば、分析により購入意欲が低い層が分かれば、不快に思われないようにフリークエンシーを低くめに設定します。
そして、購入意欲が高いであろう層にはフリークエンシーを高めに設定するなど、戦略的に活用します。
フリークエンシーキャップ
フリークエンシーキャップとは、同じユーザーに同じ広告が表示される回数を制限できる機能です。
この表示回数を設定することでそれ以上に広告が表示されなくなるため、無駄な広告の表示を減らせます。
ただし、テストや細かい分析によってフリークエンシーの最適な回数をフリークエンシーキャップで設定することが重要です。
CPAの調整もできるため非常にメリットが多い機能であるため、有効に活用しましょう。
フリークエンシーキャップで設定できること
便利なフリークエンシーキャップの機能ですが、具体的にはどのようなことが設定可能なのでしょうか。
この項目ではフリークエンシーキャップで設定できる項目やその仕組みについてご紹介します。
フリークエンシーキャップ設定できる項目
フリークエンシーキャップ設定できる項目は「階層」「回数」「期間」の3つです。
「階層」では、階層の基準を「キャンペーン」「広告グループ」「広告」より選択できます。
この階層設定でユーザーへの総表示回数が変わりますので大切なポイントです。
「回数」では、ユーザー1人に対する広告表示回数の上限を設定できます。
この上限は広告掲載サイトによって違いがあるので注意が必要です。
「期間」では、階層・回数の設定を実行する期間が指定でき、日・週・月単位と希望に沿って設定できます。
フリークエンシーキャップが設定できる広告掲載サイト
フリークエンシ―キャップは、以下のような大手のサイトで設定することができます。
- Yahoo!
どのユーザーに広告が何回表示されたかというデータはGoogleもYahoo!も「Cookie」で判断しています。
「Cookie」とはスマホやパソコン内のブラウザに、サイトを訪問した日や回数が保存される情報のことです。
カウント方法
広告の表示回数をカウントする方法は、「インプレッション数」と「ビューアブルインプレッション数」の2つあります。
インプレッション数は、広告がユーザーの視認可能な範囲に表示されたか否かにかかわらずカウントします。
対して、ビューアブルインプレッション数は広告が視認可能な範囲に表示された場合のみカウントされる仕組みです。
GoogleもYahoo!も後者のビューアブルインプレッション数を基準にしています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
フリークエンシーの最適な回数
先ほど、フリークエンシーの最適な回数を設定することが重要と記述しました。
それでは、フリークエンシーの最適な回数はどのようにして判断するべきなのでしょうか。
この項目では、その判断方法について解説いたします。
ケースにより異なる
フリークエンシーの最適な回数は、ケースによって異なります。
広告に載せている製品・サービスの種類や広告内容、ユーザー層によって変化していくためです。
ケースごとに最適なフリークエンシーを算出するには、まずWeb広告を掲載します。
そして、その広告掲載による効果が数値として見えるレポートを抽出し、分析する必要があります。
テストにより判断する
効果が見えるレポートを抽出して分析し、いわゆるテストを繰り返してフリークエンシーを判断していきます。
見切り発車でフリークエンシーの回数を決定してしまうと、そのフリークエンシーが最適か正しく判断できない可能性があります。
そのため、事前に数値を出してテストを繰り返しておくことが大切です。
例えば、期間を定めてその中でのCV数・CPAを抽出します。
そして成果を数値で表せば、その広告のフリークエンシーの最適な回数を見つけることができるでしょう。
算出方法
ここで最適なフリークエンシーの回数の具体的な算出方法をご紹介します。
業界で一般的な広告効果の推計方法であるBBDモデルを使って算出する方法です。
この方法をごく簡単にいうと、まず個人ではなくユーザー全体が広告を見る確率を算出します。
さらに、その確率を基にどの頻度で広告を掲載したら、何回くらい広告を見てもらえるのかを算出します。
その結果によって分析や再びテストを行うという手法です。
フリークエンシーの設定に悩んだら
フリークエンシーは絶対的な正解といえる数値が無いといえます。
細かく分析して最適なフリークエンシーを決定しても、日々変化する社会では必ず効果がでるとは限りません。
フリークエンシーを算出しているうちに、疑問や不明点が出てくることも多くあるでしょう。
時間をかけてフリークエンシーを分析しても、見当違いのやり方では努力が水の泡となってしまいます。
そのような時には、コンサルタントを上手に利用することをおすすめいたします。
マーケティングのプロの見解を聞くことで、最適なフリークエンシーが導き出せるはずです。
自社で全てを背負うよりも効率よく進めることが可能になるでしょう。
デジマクラスではマーケティングに関する相談を受け付けております。
まとめ
今回は、フリークエンシーの効果とリスクなどを深堀してご紹介しました。
広告を掲載している企業はどの企業も、最適なフリークエンシの算出に頭を抱えています。
フリークエンシーは広告掲載において、効果が出るか否かを決める重要な基準です。
適切なフリークエンシーを算出すれば、企業や製品のブランディングや無駄な広告費の削減にも役立ちます。
フリークエンシーキャップを用いれば、ユーザーに嫌悪感や広告疲れを与えないように表示回数を調整することも可能です。
フリークエンシーを算出するにはデータ分析や調査、テストを行って算出しましょう。
フリークエンシーを算出する中で困り事があれば、マーケティングのプロであるデジマクラスに是非ご相談ください。