サイトや広告の作成時など、色々な情報を盛り込んでユーザーの関心を持ってもらえるように工夫する人は多いでしょう。
しかし、提供したい情報が沢山あるからと好きなだけ載せればいいというものではありません。
どんなターゲットにどんな行動をしてもらいたいかを明確にし、その目的に沿った導線を作らなければならないのです。
さらに、導線を作った後の分析もその後の検討に用いる重要な情報です。
今回は、導線の分析方法や設計を行うポイントなどマーケティングに必要な情報を解説していきます。
目次
Webサイトにおける導線の役割
まずは、Webサイトにおける導線の役割について解説していきます。
導線のそもそも持つ役割を理解しなければ、具体的な設計ポイントやその後の分析方法などもわかりません。
Webサイトにおける役割を理解すれば、新規サイト作りの時にどう対応すればいいのかも具体性を増すでしょう。
役割を理解して、導線づくりの基礎を押さえましょう。
運営側の意図通りにユーザーを誘導
導線の役割には、まず運営側の意図通りにユーザーを誘導する役割があります。
当然と感じる人も多いかもしれませんが、この役割は重要な基礎部分になるのです。
現代では、色々なサイトがあふれておりそこに掲載されている情報も大量にあります。
そんな中で、最終的にはサイトの目的はコンバージョンにつながることになるわけです。
そして、コンバージョンにつなげるにはユーザーの動向をある程度運営側が予測して道を作らなければなりません。
ここを怠れば、サイトの効果が半減してコンバージョンにはつながりにくくなります。
サイト訪問をしてくれても、滞在時間が短かったりどこで購入手続きをすればいいのかわかりにくいからです。
そんなことにならないようにし、きちんとコンバージョンまでの流れを作る役割が導線にはあるのです。
運営側の意図通りにユーザーを誘導した場合と、誘導せずユーザーが自由に動いた場合では成果は全く異なるでしょう。
Webサイト設計時に検討
導線の役割については、そのサイト上の重要性も踏まえて理解することができました。
それでは、どの段階からこの導線づくりをしていけばいいのでしょうか。
結論からいうと、Webサイト設計時にはすでに検討し組み込んでいかなければならないものになります。
Webサイトには、ターゲットやそれに向けてコンテンツの内容などを決める必要があるでしょう。
つまり、設計段階でユーザーにどういった情報を提供したいか組み立てるので導線も同時に組み立てる必要があります。
もちろん、一度組み立てて終わりではありませんが設計段階で導線の検討は始めておかなければなりません。
これを怠ってしまえば、サイトにたどり着いても次に何をすればいいかユーザーがわからないからです。
せっかく丁寧に情報をまとめたところで、サイト離れにつながってしまうので設計時に検討が必要になります。
「導線」と「動線」の関係性
導線の役割について知ることができ、どの段階から導線づくりをすべきなのか把握できました。
しかし、サイト作りや運営においてよく聞く言葉に動線というものがあります。
実は導線と動線には、深い関係があり両者をいかに分析検討するかでサイト作りに大きくかかわります。
ここからは、導線と動線の関係性について解説していきましょう。
「動線」の示すこと
導線は先述した通り、運営側の意図通りにユーザーを誘導することを表していました。
一方、動線は実際にユーザーがサイト内で動いたルートのことを表します。
例えば、この情報から購入ページに進んでもらうためにこのボタンを設けるという運営側の意図が導線です。
それに対して、実際にユーザーが購入に至るまでの道を表すのが動線になります。
動線が示す内容としては、ユーザーがたどった道はもちろんコンバージョンに至ったかどうかもわかります。
また、サイト訪問から離脱までわかるのでコンバージョンに至らず離脱した経緯までわかるでしょう。
導線と動線は似たような意味合いですが、予測と事実という大きな違いがあることを理解しましょう。
Webサイト運営にはどちらも必要
導線と動線の役割の違いについて把握できましたが、そのどちらもWebサイト運営には必要になります。
運営側がユーザーの動向を予測して導線を作ることは、先述したとおりサイト設計段階から重要なポイントになります。
しかし、動線についても同じように重要性が高いのです。
その理由は、実際のユーザーの動向である動線がわからなければ導線の検証ができないからです。
予測のもと設計された導線がたとえ緻密に作られていたとしても、実際のユーザー動向はその通りになるとは限りません。
購入までのルートを作っていても、実際の動向データを集めてみると離脱がよく起きていることは多々あるでしょう。
では、なぜ離脱が起きたのか・どこに離脱したのかを検討する必要があります。
その時に、実際にたどられたルートを知る必要があるので動線が必要なのです。
両者がそろうからこそ、サイトを作った後の見直しや検証ができるというわけです。
導線を設計する重要性
導線と動線の関係性を踏まえたうえで、さらに導線の重要性は増していきます。
それは、導線の設計が以下のような結果に直結するからです。
- サイトのシンプル化・最適化
- リピートなどコンバージョンの向上
それは、まずサイトの作りをシンプルにする必要がありそれには導線が欠かせないからです。
コンバージョンにつなげるためにも、ユーザーのサイト滞在時間を適切なものにするにも導線は大きくかかわります。
先述した通り、いくらサイトの情報量が多くて他サイトよりも優れていたとしても次への行動がわからなければ複雑化します。
その複雑化は、サイト離れを招きますしコンバージョンにつながらないことは明白です。
また、そんな複雑化したサイトではいくら魅力的な商品やサービスが並んでもリピートにもつながらないでしょう。
導線を設計するということは、サイトのシンプル化や最適化につなげる手段なのです。
そして、適切な形に構成されることによってコンバージョンやリピート率の向上とサイト全体を向上させてくれます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
導線の分析方法
導線と動線の関係性、そしてその重要性を理解できました。
サイト設計段階から、いかにこれらを作りこむかでコンバージョンなどに大きくかかわります。
しかし、設計段階でうまく作れたからといって終わりではありません。
先述したようなシンプル化や最適化を行うには、設計した導線の分析が必要となるわけです。
では、分析方法にはどういったものがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
ユーザー動線から分析
分析法としては、ユーザー動線から分析する方法が主な手法です。
ユーザーの動線は、どこが購入に至ったかなどの動きを示しています。
そのため、アクセスしてからの動きを見れば離脱したページなどを知ることができます。
ページが特定できれば、離脱した原因がわかるでしょう。
購入ボタンがわかりにくいのか、そもそもランディングページからの移動がわかりにくいのかといった原因解明ができます。
ユーザーの動きが想定通りではなくうまく誘導できていないことなので、導線の問題点がはっきりします。
動線によって導線を改善する方法が、動線による分析方法です。
動線分析に活用できるツール
導線を分析する方法として、動線分析が有効であることはわかりました。
これには自分でサイト内を分析する手法もありますが、自分でデータを取って行うというのは実用的ではないでしょう。
そこで分析に使えるツールについてもご紹介しましょう。
実は、動線分析に使用できるツールは無料のものでも多数あります。
これらのツールでは、多くの場合流入経路や流入キーワードなど多数の情報が把握できます。
ユーザーの情報はもちろん直帰率などもわかるので、ターゲットを見直す際などにも有効に活用できるでしょう。
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Googleアナリティクスでの動線分析
導線分析において、ツールを使ってユーザーの動線を把握することで効率的な分析を可能とすることがわかりました。
中でも、Googleアナリティクスでの動線分析はその後の対策に活かせる非常に有用なツールになります。
ここからは、そんなGoogleアナリティクスについてご紹介していきます。
流入経路
Googleアナリティクスでわかることの内、1つが流入経路です。
これは、ランディングページが機能しているかどうかを主に意味しています。
ユーザーがどこから訪問しているのか、そのスタート地点をみることができます。
入り口として想定しているものは、多くの場合ランディングページでしょう。
そしてランディングページは、その後のコンバージョンにも大きく影響するところです。
ここからの導線がうまく機能していなければ、そもそもコンバージョンには至らないため見直しが必要でしょう。
逆に、流入経路が想定通りであればランディングページも機能しており問題ないということです。
ページ別の閲覧数
次に、ページ別の閲覧数の把握機能です。
どのページがユーザーに最も閲覧されているかを知ることができます。
想定したページが最も閲覧数が多ければ、導線は機能していることになるでしょう。
しかし反対に、最も閲覧数が多くあってほしいページが別であれば問題です。
本当は閲覧数が多くあって欲しいのに、少なければページへの移動が適切に行われていないことになります。
想定したとおりのユーザーの導線になっていないので、見直しが必要ということです。
しかし、悪いことばかりではありません。
もし、閲覧数が多いページを分析し、閲覧に至る理由がわかれば目的のページに応用できるかもしれません。
閲覧数を増やすように取り組み改善できるので、ページ別の閲覧は大きな要素です。
ユーザーのWebサイト内の行動フロー
次にユーザーのWebサイト内の行動フローです。
これは、サイト内でどのような移動が行われているかを知ることができます。
ここでは、導線が間違っているのか商品の訴求方法に問題があるかを見分けることが可能です。
もし、ユーザーの移動が想定通りに行われているのであれば導線には問題がないことになります。
しかしこの場合、商品の訴求方法に問題があることになるでしょう。
商品の魅力が伝わりづらい内容であったり、ページ内の訴求方法や内容に改善の余地があることがわかります。
一方、想定通りの移動が行われていないのであれば導線の仮説が間違っている可能性があります。
この場合は、先述したような要素に加えてさらに導線を練り直す必要があるでしょう。
行動フローを把握すれば、見直す点が訴求内容にあるのか導線にあるのかはっきりさせることが可能です。
動線分析をする際のポイント
動線分析について、Googleアナリティクスによる分析が効果的だということがわかりました。
しかし、いかにツールが有用であっても分析の際のポイントを押さえなければうまく活用することはできないでしょう。
ここからは、動線分析をする際のポイントをご紹介します。
分析の目的を明確にする
まずは分析の目的を明確にすることが大切です。
コンバージョンと一言で表しても、サイトによって全く異なります。
例えば、商品の購入もありますし資料請求もあります。
見積依頼や日程予約など、目的はサイトの数だけ存在するでしょう。
そんなサイトにおいての目的をまずは明確にすることが重要です。
そして目的を明確にすることができれば、次はどうすればその目的を達成できるかを考えます。
目的を定めてその手法をある程度決めることができれば、それに沿ってサイト内で取り組めばいいでしょう。
既に取り組んでいるのに成果が出ないのであれば、他のページなどで想定外の結果も出ているはずです。
もし閲覧数が多いページが他にあるのであれば、その理由を目的のページに応用すれば閲覧数も稼げるでしょう。
このように、まずは目的を明確にすることでサイトが目指す方向性とそのための施策を考えましょう。
分析する動線の始点と終点を決めておく
次に 分析する導線の始点と終点を決めておくことで分析をさらに細かく行うことができます。
始点から終点までということは、つまりはユーザーの行動フローを表しています。
これをあらかじめ決めておくことで、想定した順序や流れでユーザーが動いたのかわかるでしょう。
そして、想定どおりユーザーが行動フローに沿っていれば問題はありません。
しかし、想定通りのフローでユーザーが動かないのであれば導線あるいは想定自体が間違っている可能性もあります。
一方、想定した行動フローのとおりにユーザーが動いているにもかかわらずコンバージョンに至らないケースもあるでしょう。
その場合は、想定が間違っているというよりはコンテンツに問題があると判断できます。
訴求方法や内容が間違っているかもしれませんし、もしかするとその商品自体に魅力がないかもしれません。
このように、動線の始点から終点を決めておくことで見えてくる状況や原因があるでしょう。
より効果的な導線設計を行うポイント
導線を分析するにあたって、動線分析のポイントを理解することができました。
これから分析を行うのであれば、ユーザー行動の分析や目的に沿っているか深堀りをしていく必要があるでしょう。
そして、次の段階に分析から得られた情報からサイトの導線設計を行います。
既存のサイトを改めていく場合も、これから始めてサイト作りをしていく人も導線設計を行うポイントを理解しましょう。
動線を元に改善する
まず1つ目のポイントが、動線を元に改善するということです。
ユーザーはサイト上で実際にどういった行動をしたのか、分析ツールを使えば一目瞭然です。
効果的な導線設計を行うのであれば、これを踏まえて考えればいいのでしょう。
先述したように、仮に想定した行動フローをユーザーが取らないのであれば想定が間違っているケースがあります。
閲覧してほしいページへの導線がうまくいっておらず、まったく別のページに動線ができてしまっているのかもしれません。
こういった動線を元にすれば、どこを改善すればいいのかポイントを把握することができるのです。
そして、対策を練れば正しい導線を設定することができるでしょう。
動線を元に問題点を具体化することができれば、解決策はかなり絞ることができるのです。
ユーザビリティを重視する
ユーザーの使いやすさ、つまりはユーザビリティを重視することも重要なポイントになります。
サイトを使うのは、運営側の人間ではなくユーザーです。
運営側の人間が使いやすいと感じていても、実際に利用するユーザーが使いにくいと感じていては効果的な利用は促せません。
ということは、もちろんコンバージョンには至らないでしょう。
しかし、ユーザビリティを重視すればサイト内の使いやすさが向上するので適切な導線設計ができます。
その結果、コンバージョンにつながるわけです。
例えば、購入ボタンの位置が分かりにくい状況があったとすればユーザーにとっては決して使いやすくはないでしょう。
次の購入への行動が分かりづらいので、当然コンバージョンにはつながりにくくなります。
導線を想定することは大切ですが、ここでは実際のユーザーの使いやすさを重視する方がスムーズな解決が見込めるでしょう。
見やすい位置や動線上にあれば、使いやすさは必ず向上します。
このように、ユーザビリティ重視での考えを行えば適切な導線設定が行えるはずです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
導線設計時に配置すべきものは?
導線を設計するポイントを押さえてきましたが、具体的にこれだけは配置したほうがいいというものがあります。
これを押さえておかなければ、導線設計の成功にはつながらないといえるでしょう。
どんなものを配置すればいいのか、特徴とともに紹介します。
ナビゲーション
1つめがナビゲーションです。
一般的なサイトには、まず間違いなく配置してあるものになります。
ナビゲーションとは、どこに何が書いてあるかを示したもので、メニューなどのようなものです。
サイトによっては、上部にフッターメニューの形であったり左右に表示されたりと様々なパターンがあります。
しかし、どのパターンでもユーザーがどこに何が書いてあるかをわかりやすく示すためのものになります。
もちろん、サイトの都合上ナビゲーションを用いない場合もあるでしょう。
しかし、ユーザーからはあるのが当然というほど基本的な機能になります。
そのため、ナビゲーションがないことによる使いにくさを感じさせる要因にもなるので注意が必要です。
トップページへのリンク
トップページの内容を作りこむことは、誰しも大事なことだと感じると思います。
しかし、トップページへのリンクを各ページに作ることも重要なことです。
トップページ内の内容を充実させることは重要です。
ユーザー離れにつながるため、できるだけ見やすく詳細な情報で関心を引く必要があります。
一方トップページへのリンクが必要な理由は、他のページで何をしたらいいのか分からなくなったときに戻れるからです。
どこで何をしていいのか迷子になってしまった場合に、トップページへのリンクは一度仕切り直しをすることができます。
当たり前のような機能ではありますが、盲点になるケースでもあるので押さえておきましょう。
ランディングページの有益性を示すもの
ランディングページの有益性を示すという点も忘れてはいけません。
ランディングページは、ユーザーにとって最初の入り口です。
そして、ユーザーはそのページを見て有益性を一目で判断するといわれています。
そのため、一目で有益だと感じてもらえる配置やデザインなど内容を作りこむ必要があるでしょう。
視覚的にわかりやすく、一目で判断がつく位置にメニューやリンクを配置することを意識することが大切です。
マーケティングツール導入・活用の事例はこちら
Webサイトの導線分析で困ったときは?
Webサイトの導線というものは、サイト運営において非常に重要なものになります。
ユーザーがどのような行動をとるか想定し、それに対してのコンバージョンを評価するうえで必要だからです。
しかし、効果的な導線設定や分析は簡単なことではありません。
ユーザーの動線を収集・分析することで得られたデータと因果関係から、具体的な対策を打たなければなりません。
それができてはじめて、コンバージョンの改善やその後の検証を行うことができるからです。
また、これらは一度ではなく何度も実行・検証を試す必要があります。
取り組む中で不安や対策に迷うこともあるでしょう。その時にはデジマクラスにご相談ください。
専門のコンサルタントが適切なアドバイスを行い、今後のサイト運営に貢献してくれるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
今回はWebサイトにおけるユーザーの導線分析について、導線設計時のポイントなどを踏まえて解説しました。
サイト運営においては、最終的なコンバージョンにつながるかどうかの重要な事項になります。
しかし、そのためにどういった施策を行うか分析・判断をすることは簡単ではありません。
今回のような情報をもとに、ぜひ効果的なサイト運営のための導線の分析や設定を行ってください。