韓国に市場を求めて進出を企てる日本企業も少なくありませんが、全ての日本企業が成功するわけではありません。
韓国と日本では文化的な背景による商習慣が大きく異なり、日本同様のWebマーケティングの手法では通用しないのが実態です。
ここでは、韓国におけるWebマーケティングの特性や韓国で成功する日本企業の特徴・韓国で必須の媒体について紹介します。
日本と韓国のWebマーケティングの違いを正確に理解して、効果的・効率的なマーケティング戦略を構築・実践しましょう。
目次
韓国のWebマーケティングの実態
韓国のWebマーケティングは日本とは大きく異なり、「NEVERブログ」によるプロモーションが主流です。
NEVERは検索エンジンを有しており、ブログだけでなく様々なサービスを提供しておりプラットフォームの役割を担っています。
日本における「Google」もしくは「Yahoo!」と同等のサービスといえますが、独自のSEO対策が必要です。
さらにWebマーケティングは影響力のある個人ブロガーに委ねる部分が多く、日本とは異なったアプローチを行わなければなりません。
また、商習慣も日本とは異なることから「日本との違い」を踏まえた戦略・対策が重要だといえます。
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韓国はSEOが通用しない?
韓国ではSEOが「通用しない」といわれていますが、これは間違った解釈です。厳密には従来のSEOが通用しません。
このことは韓国で用いられている「検索エンジン」事情が大きく関係しています。
日本をはじめ世界各国では「Google」もしくは「Yahoo!」が検索エンジンの主流でありスタンダードです。
しかし、韓国では「NEVER」と呼ばれる検索エンジンが主流であり、「Google」のSEO対策が通用しません。
「NEVER」には独自のSEO対策が必要であることから、一般のSEO対策は通用しないのが実態です。
韓国で日本企業がマーケティング戦略に取り組むときには、韓国のSEO事情を正しく理解しておくことが重要になります。
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韓国で日本企業が成功するために注意すべきポイント
韓国と日本では文化や伝統・物事に対する考え方が大きく異なることから、日本と同じマーケティング戦略では不十分だといえます。
韓国マーケットで成功するには文化的な背景による商習慣の違いなどを正確に理解しておくことが重要です。
ここでは韓国で日本企業が成功するために注意すべきポイントを紹介します。正しく理解して自社マーケティング戦略に活かしましょう。
文化背景による商習慣の違い
韓国は「近くて遠い国」だといわれるように、同じアジア圏でも文化的な背景によって商習慣は大きく異なります。
同じアジアの隣国だからといって日本のビジネスマナーを押し付けていると、良好な関係を築くことはできません。
日本人は「ビジネスはビジネス」と割り切る傾向が強くありますが、韓国は真逆の商習慣を持っています。
具体的には韓国ではプライベートの関係もビジネスにおいても重要視される傾向が強く、家族ぐるみのお付き合いも稀ではありません。
韓国で成功するには相手事業所を頻繁に訪問することは当然として、プライベートでのお付き合いも大切にすることが不可欠です。
外交の影響
韓国企業とビジネスを進めて避けて通れないのが外交の影響であり、多くの企業が苦労している点です。
歴史的な背景から韓国と日本は外交面で対立してきました。今後もこの状況は続くことが想定されます。
例え、企業間では何のわだかまりがなくとも、韓国マーケットは外交によって過剰な反応を示すことも少なくありません。
韓国企業とビジネスを進める際には常に外交の状況にアンテナを張り、場合によっては撤退することも視野に入れておきましょう。
プロモーション戦略
韓国で日本企業が成功するには、韓国のユーザーに合わせてプロモーション戦略をカスタマイズすることが不可欠です。
いわゆる韓国のエンドユーザーに効果的なプロモーションを仕掛けるには「ブロガー」「インスタグラマー」がポイントだといえます。
何より韓国で多くの人々が利用する大手検索エンジン「NAVER」対策を十二分に行うことが必要不可欠です。
成功する日本企業はNEVERや有名ブロガー・インスタグラマーを活用して、エンドユーザーに直接届くプロモーションを展開しています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
韓国で失敗する企業の特徴
韓国では失敗してしまう日本企業も少なくありません。失敗する企業には「失敗する理由・原因」があります。
韓国で日本企業が成功するには、失敗する企業の特徴を正確に掴んでおくことも大切です。
ここでは韓国で失敗してしまう日本企業の特徴を紹介します。同じ轍を踏まないよう、しっかりと理解しておきましょう。
プロモーション戦略が違う
韓国において日本と同じプロモーション戦略を展開している企業は概ね失敗しています。
日本では企業のWebサイトをはじめ、テレビ・ラジオなど様々なメディアでプロモーション活動を展開していますが韓国では通用しません。
韓国では影響力のある個人ブロガーによる発信、「カフェ」と呼ばれるコミュニティサイト上のバナー広告がプロモーションの主流です。
したがって、日本のプロモーション戦略をそのまま持ち込むのではなく、韓国版にカスタマイズすることが必須となります。
親密度を深めない
ビジネスはビジネスとして割り切った対応をしていると、韓国ではビジネスが成り立ちません。韓国では企業間の親密度が優先されます。
日本では品質を最優先する傾向が強くありますが、韓国では親密な「信頼関係」が構築できなければ交渉や契約は頓挫します。
失敗する日本企業の多くはこのことを理解せず、提案内容を説明するばかりで親密度を深める努力に目が向いていません。
まずは、担当者間の親密度を高め、徐々に企業間の親密度を高めていくことが重要になります。
意思決定が遅い
韓国の企業は日本企業に対して「意思決定が遅い」といったイメージを持っています。これは両国企業の決定権者の違いが主な原因です。
日本企業で意思決定するのは幹部であり何人かの役職者の承認を必要としますが、韓国では担当者に裁量が与えられています。
韓国企業では親密な信頼関係を作るまでに時間を要しますが、信頼関係さえ構築できればトントン拍子に契約まで進むのが一般的です。
そのため、日本企業が意思決定している間に競合他社と契約されてしまうことも少なくありません。
韓国企業と円滑なビジネスを進めるには、意思決定までのプロセスを見直すなど韓国のビジネスマナーに合わせることも重要です。
韓国ビジネスで成功するコツ
韓国でビジネスを成功させるには、日本市場における戦略を一旦リセットしてカスタマイズすることが求められます。
まずは、韓国におけるビジネス戦略のコツを理解・実践することが成功への近道です。
ここでは韓国ビジネスで成功するコツを紹介します。固定概念を払拭して、韓国ビジネスにマッチした戦略を展開しましょう。
Webマーケティングを強化する
韓国では老若男女問わずインターネットの利用率が高い国であり、ビジネスで成功するにはWebマーケティングの強化が必須です。
ただし、Google・Yahoo!の検索エンジンを意識した日本式のWebマーケティングでは通用しません。
韓国ではNEVERが最もポピュラーな検索エンジンであり、独自のSEO対策が必要不可欠です。
つまり、韓国国内のインターネット事情を踏まえたWebマーケティングの強化を行うことが重要だといえるでしょう。
柔軟に対応する
韓国ビジネスで成功するには、何事に対しても柔軟かつ迅速に対応することが必要不可欠です。
韓国企業の大半では担当者が決定権を持ってビジネスを回しています。これに対応するには当方も同じスピードを持たなくてはなりません。
そのためには、日本企業も決定までのプロセスを見直すとともに、担当者にも裁量を持たせることが必須です。
したがって、担当者もこれまで以上に責任を持ってビジネスに取り組む心構えが必要だといえます。
韓国式マナーを理解する
韓国式のビジネスマナーを理解することも韓国で成功するためには大切な要素です。
韓国と日本では歴史も商習慣も大きく異なり、それぞれに確固たるビジネススタイルを持っています。
しかし韓国でビジネスを展開する以上、韓国式マナーを理解することは非常に重要です。
どういった場合でも年功序列を意識し、常に当方からお辞儀をすることは基本中の基本だといえます。
特に信頼関係を重んじる韓国では「日本の企業だから」といった言い訳は通用しないことを心得ておきましょう。
信頼するパートナーを見つける
韓国で円滑にビジネスを進めるには信頼できるパートナーを見つけることも重要なポイントです。
韓国企業では信頼関係を重要視する傾向が強く、「ビジネスの内容」だけではパートナーにはなり得ません。
まずは、プライベートも含めて相手の懐に入ることから始めましょう。信頼できるパートナーを作ることが成功への近道です。
一度信頼関係を築くことができれば、交渉・契約は驚くほどスムーズに展開します。焦らず時間をかけて関係構築に努めましょう。
NAVERブログ
韓国でビジネスを展開する上で避けて通れないのが、韓国で多くの人々が利用している「NEVERブログ」です。
ここではNEVERブログについて詳しく紹介します。NEVERブログの実態を理解してWebマーケティングに活用しましょう。
NAVERブログって何
NAVERブログは日本でいえば「Yahoo!」「Google」と同様にプラットフォームタイプの検索エンジンです。
韓国では「Yahoo!」「Google」よりもメジャーな存在であり、NEVERブログ抜きにはWebマーケティングは通用しません。
韓国におけるWebマーケティングの基本は個人ブロガーやインスタグラマーとのパートナーシップが不可欠です。
NEVERブログには有力な個人ブロガーが多数存在しており、市場への影響は計り知れません。
また、独自のSEO対策が必要なことからも、Webマーケティングを進めるにはNEVERブログを攻略することが不可欠です。
開設するには
NEVERブログの開設方法は日本における無料ブログの開設方法とほぼ同じです。まずは会員登録を行うことから始めましょう。
トップページから「会員登録」(ハングル語で表記)をクリックし、氏名・携帯電話番号などを入力します。
その後、登録した携帯電話にSMSで送信されるコードを入力し、認証されれば会員登録は完了です。
ブログの開設はトップページに戻り「ブログ」(ハングル語で表記)をクリックし、必要事項を入力すれば開設できます。
なお、NEVERブログを投稿する際の注意点・ポイントは以下のとおりです。
- 専門分野に特化した内容とする
- キーワードを最適化する
- 広告性のある投稿は行わない
- 定期的に記事を更新する
NEVERブログは韓国でWebマーケティングを展開する上で、非常に重要なツールです。
有力な個人ブロガーの投稿を参考にして、「韓国流」ブロガーの流儀をマスターしましょう。
種類
NEVERにはブログのほかに「ニュース」「WEBサイト」「動画」「ショッピング」など約50のカテゴリーが用意されています。
まさに韓国版「Yahoo!」といった趣ですが、メインコンテンツは「ブログ」であり、次の3種類に分類されているのが特徴です。
- 今月のテーマ:テーマごとにNAVERブログサービスチームが紹介したいブログ
- 公式ブログ:機関・企業・団体などが運営しNEVERが認証するブログ
- パワーブログ:優秀なコンテンツを持つブログ(2008年~2014年で終了)
「今月のテーマ」はさらに次の種類に分類されます。
- 今月のテーマ:NAVERブログの基本テーマ31個の中から選択されたブログ
- エディターピック: NAVERブログサービスチームが直接お勧めする良質なコンテンツを持つブログ/
- テーマブログ:NAVER ブログの基本テーマをより細分化したブログ
- ルーキーブログ: 1年以内に作られユーザーから支持されているブログ
NEVERブログをWebマーケティングに活用するには、まずルーキーブログを目指しましょう。
韓国の検索連動型広告
韓国では検索連動型広告がネット広告の半数程度を占めており、個人事業主や中小企業の利用が進んでいます。
韓国ではNEVERが最もポピュラーな検索エンジンですが、その検索結果の画面に表れるのが検索連動型広告です。
特にNEVERの検索広告は日本とは異なり、登録キーワードで使えるのは「完全一致」のみであることが大きな特徴だといえます。
また、登録キーワードは拡張されないことから、潜在的なユーザーが検索するワードをしっかりと分析して登録しなければなりません。
したがって、リサーチ力の有無・高さが検索連動型広告を成功させるか否かの重要なポイントとなります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
韓国広告代行サービス
韓国でビジネスを成功させるためには、NEVERブログにおける広告掲載が非常に重要なポイントです。
しかし、これまでに紹介したとおりNEVERブログは日本式のSEO対策は通用せず、登録キーワードは「完全一致」のみになります。
こうした課題を解決すべく、多くの日本企業が利用しているのが韓国広告代行サービスです。
韓国広告代行サービスでは韓国のWeb事情に精通したコンサルタントが、ターゲットユーザーに応じた戦略を提案しています。
さらに、「検索連動広告」「ディスプレイ広告」「ブランド検索広告」などの広告媒体の運用代行もサービスの1つです。
韓国でのビジネス経験が浅い企業であれば、戦略の提案~実行・運用を代行する広告代行サービスは大きな味方だといえます。
韓国向けのWebマーケティングで悩んだら
韓国向けのWebサービスを実践するには、日本とは異なる手法・戦略を効率的に構築・実践することが不可欠です。
とりわけNEVERブログの攻略は必要不可欠であり、GoogleではなくNEVER独自のSEO対策を施すことが求められます。
デジマクラスでは韓国向けのWebマーティングに精通しており、効果的かつ効率的な手法・戦略を丁寧にレクチャーしています。
韓国向けのWebマーケティングで悩んだら、迷わず早い段階でデジマクラスに相談してみましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
韓国で日本企業が成功を収めるには、Webマーケティングをはじめ様々な戦略において「韓国の流儀」を理解することが不可欠です。
Webマーケティングにおいては、韓国で大多数が利用する「NEVERブログ」の仕組みに加え、個人ブロガーの影響力を理解しましょう。
韓国企業との商取引においては「信頼関係」の構築と柔軟かつ迅速な対応が大きなポイントです。
日本の企業だからといって「日本のビジネスマナー」を押しつけているようでは、到底成功は見込めません。
デジマクラスでは韓国におけるWebマーケティング・ビジネスの進め方をレクチャーしており、経験の浅いマーケターにもおすすめです。