従来のデータ管理システムでは扱いきれないビッグデータについて分析方法に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
多くの情報を内包するビッグデータを分析・活用できればさらに的確な施策を考えることもできるでしょう。
この記事ではビッグデータの分析方法を解説しています。
ビッグデータの定義や活用して実現できることなども説明しますので参考にしてください。
目次
ビッグデータの分析方法を解説
ビッグデータを分析することで、従来のデータでは見落とされていた情報を知ることができます。
新しい情報を入手することができば、企業の課題や問題解決への新しい方法を取り入れることもできるでしょう。
ビッグデータは、ただ手に入れただけでは適切に使用できない場合があります。
ビッグデータを活用するためにはまずその分析方法を知るのが良いでしょう。
適切な分析をするためにまずはビッグデータの定義や手法を確認していきます。
ビッグデータとは
ビッグデータとはただ大きいデータという意味ではありません。
ビッグデータとは、多様性を持った膨大な量のデータのことをいいます。
日々膨大に生成・記録されるデータを指すことも多いです。
従来では扱わなかったデータを記録・分析することで新たな仕組みやシステムを生み出す可能性もあるでしょう。
意味
ビッグデータは日々膨大に生成・記録されるデータです。
SNSデータ・ストリーミング再生データ・消費者行動やセンサーなどから得られる情報など様々なデータのことを指します。
データの高速処理が実現したことにより、今まで扱いきれなかったデータも分析することができるようになりました。
構造化データ
構造化データは列と行の概念を持つデータになります。Excelで扱うデータやCSVファイルで表現できるものです。
売上データや顧客データなどに用いられることも多いでしょう。
業務の売上や見積もりを管理するデータベースソフトに利用されていることもあります。
非構造化データ
列と行で定義できないデータのことを非構造化データと呼びます。
非構造化データには以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 文書データ
- 音声・画像・動画データ
- 電子書籍
- SNS情報
- Webサイト
従来ではマーケティングのデータとしての活用が難しかったものも、ビッグデータとして分析することで活用が可能になっています。
歴史
ビジネスや視線減少において測定したデータを活用する動きは従来もありました。
これらのデータを効率よく扱うことができるようになったのはコンピューターが発展してきたことによります。
コンピューターに演算させることにより、構造化データを活用することができるようになりました。
またパソコンやそれに付随するソフトウェアの開発・発展により、非構造化データも扱うことができるようになったのです。
日本でもビッグデータという言葉が普及して活用する動きが活発化しています。
データベースの処理が高速化したこともビッグデータ普及につながったといえるでしょう。
一般的な定義
一般的なビッグデータの定義を紹介します。
ビッグデータとして以下の3つから定義することが多いです。
- Volume
- Variety
- Velocity
それぞれの「V」について説明しますのでビッグデータの定義を確認しましょう。
これら「3V」を知ることでビッグデータがどのようなものであるかイメージすることができるかもしれません。
Volume
ビッグデータを定義づけるひとつとして「Volume」があります。Volumeつまりデータ量はビッグデータを考える上で重要な定義です。
Volumeを考える上でデータの種類は考えません。
そのため画像データや通信量が高いSNSのデータもビッグデータといえるでしょう。
Variety
「Variety」はデータの多様性のことをいいます。
ビッグデータは一般的な構造データだけではありません。音声や画像・動画のデータなど大きなデータ量のものも含まれます。
ITが進化するにつれてこの様なデータも自動で収集することができるようになりました。
あらゆるデータを解析できるようになりデータの多様性が進みます。
Velocity
ビッグデータを考える要素のひとつに「Velocity」があります。
Velocityはデータの処理速度のことを指しますので、データを拘束で処理できるかどうかが重要だということが分かるでしょう。
膨大なデータを扱うときにはデータの処理速度はとても大切です。
どんなに活用できるデータを持っていても高速処理ができなければ意味がありません。
インターネットの発展と通信速度の高速化によりデータ通信量も膨大になりました。
今現在も膨大なデータが発生し続けているでしょう。
データを高速に解析できなければ、情報はすぐに古くなり活用ができなくなってしまいます。
そのためビッグデータを定義するときにはデータの処理速度も重要になるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ビッグデータ活用で実現できること
日々生成・蓄積されるビッグデータを活用することにより、社会の動向を捉えることができるようになりました。
リアルタイムで様々な情報を分析することが可能になり、目的に近づく適切な施策を考えることができるのです。
従来ではざっくりとしたデータや経験・勘などで施策を考えることもあったでしょう。
ビッグデータを活用することで顧客ごとの嗜好や行動履歴・グループ分けといった細やかな観点から施策を考え出すことができるのです。
ビッグデータの歴史
ビッグデータという言葉が出始めたのは2010年頃でした。
IT化により情報量が増え、それを活用できるコンピューター技術が発達したことでビッグデータは急速に普及したといえるでしょう。
ビッグデータが普及したことにより話題は「ビッグデータとは何か」から「ビッグデータをどう活用するか」にスライドしています。
ビッグデータの分析方法
ビッグデータを分析するための方法は以下のようなものが挙げられます。
- クロス集計
- ロジスティック回帰分析
- アソシエーション分析
- クラスター分析
- 決定木分析
ビッグデータの分析方法には様々なものがあります。それぞれの分析方法の特徴を捉えて、自分に必要な方法を見つけましょう。
クロス集計
クロス集計はアンケートの集計や世論調査によく使われる方法です。
データを属性ごとに分けて集計する方法であり、表計算ソフトに落とし込むとどのようなデータであるのか見分けることができます。
たとえば顧客データを地域や年齢・性別で分けたデータは、地域別・年代別・性別でのニーズを把握できるでしょう。
表計算ソフトを扱うことができれば簡単にデータ整理ができますので、分析手法としては扱いやすいといえます。
目的に合わせた属性を設定することによりピンポイントで分析結果を表示することができるのも良いところです。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析は質問に対して「はい」「いいえ」で答えさせ、事象の発生確率を予測する方法です。
分析の結果は発生するかしないかの間の数値になります。
マーケティングでは商品が売れるかどうかの予測に使われることが多いようです。
また開発や研究部門のある企業にも適した手法だといえるでしょう。
病気の発生確率を予測するために使われることもあります。
アソシエーション分析
アソシエーション分析はマーケットバスケット分析とも呼ばれ、ネット通販や小売業で使用されます。
一見関わりのないデータから関わりを見つける手法です。
Aという商品はBという商品と一緒に購入されやすいということが分かれば、一緒に展示して売上を伸ばすこともできるでしょう。
有名な例では「おむつ」と「ビール」です。
父親がおむつのついでにビールを購入することが分かったので、商品を近くに配置したところ売上が上がりました。
このように何の関わりもないと思われる「おむつ」と「ビール」の関係性を見つけるのがアソシエーション分析となります。
クラスター分析
クラスター分析は集団ごとの特徴を分析する手法です。
サービスの提供など企業のブランディングに用いられる分析方法になります。
クロス集計のように属性で分けるのではなく、類似性に基づいてグループ分けすることが特徴です。
このように作成したグループのことを「クラスター」と呼びます。
類似性を見ることでデータ同士の関連性を確認し潜在顧客のニーズを知るといった活用方法があるでしょう。
決定木分析
「~だったらどうする?」という仮設を繰り返し、原因のより強い根拠を分析するのが決定木分析です。
ツリーによってデータを分析し機械学習や意思決定にも用いられる手法になります。
原因に対して多くの要因を見つけることもできるため、リスクマネジメントに活用する企業も多いです。
たとえば「ゴルフ用品の見込み客」がどのような集団かを分析すると以下のような要因を見つけることができるでしょう。
- 興味がある・ない
- 自由な時間がある・ない
- 家族にゴルフ好きがいる・いない
このように多くの要因を見つけることができます。この要因をツリーで表示すると見込み客を把握できるようになるでしょう。
ビッグデータの分析の前にすべきこと
ビッグデータを分析する前にどのようなことに注意を払えばよいのかを確認しておきましょう。
何となくデータを集計していても活用できるものにはなりません。
ビッグデータをより有益に活用するためにもデータ分析前に注意するポイントを確認しておきましょう。
分析の目的を明確にする
ビッグデータ分析をする際に大切なことは分析の目的を明確にすることです。
ビッグデータを活用することで新しい施策を得るといっても、何を解決するのかが定まっていなければ意味がありません。
ビッグデータ分析を有効的に活用するためには何のためにビッグデータを使用するのかを明確にしておきましょう。
そのためには現状抱えている問題や課題点を正確に把握することがポイントです。
「顧客満足度を高めるため」「新商品の種類決定のため」など具体的な目標を把握しておきましょう。
データ収集
ビッグデータ分析はデータを収集することから始まります。活用できるデータは社内外に多く存在するでしょう。
収集できるデータには以下のようなものが考えられます。
- 飲食店のアンケートデータ
- 検索サイトの表示順位
- Eコマース上の販売価格やキャンペーン・他社の価格
この様なデータを収集して分析することでマーケティングなどに活かすことができるでしょう。
この他にもSNSやニュースサイトのログ・同業他社のプレスリリースなど多くのデータが存在するといえます。
これらのデータと自社のデータを組み合わせることにより、より精度の高いデータ分析が行えるでしょう。
データクレンジング
収集したデータはそのまま使用するのではなく必ずクレンジングして整えましょう。
重複したデータや誤字脱字など正しくない要素の詰まったデータを分析しても良い結果を得ることはできません。
分析前にはデータを整えることを心がけて、正しいデータ結果を出すようにしておきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
オープンデータとの組み合わせ
オープンデータは誰でも自由に利用可能なデータです。
政府や公的機関が配布しているデータの他にも企業が公開しているデータも含まれます。
自社のデータとオープンデータを組み合わせることにより、新しい施策が見えてくることもあるでしょう。
競合企業や潜在顧客に関するデータをオープンデータから分析して得ることも可能です。
たとえば地域の店舗ごとの売上を上げるためにビッグデータ分析を行う場合についてです。
オープンデータがあれば地域の情報や天気なども同時に考慮に入れることが可能になります。
地域ごとの条件を知ることにより、各店舗にあった施策を考えることができるでしょう。
データ分析に悩んだ時は
ビッグデータを活用することで自社の課題の解決につながる施策を導き出すことができるでしょう。
しかしビッグデータを分析する際には様々な注意点があります。
膨大なデータ量を扱うために様々な手法を理解していなければなりません。
データ解析に悩んだ際にはデジマクラスにご相談ください。
問題点を解決するためのデータ分析が曖昧では正しい施策を出すことはできません。
適切な手法で分析をするアドバイスを受けることにより、より正確なデータ分析になるでしょう。
データ解析・活用の事例はこちら
まとめ
ビッグデータはただデータ量が大きいだけではありません。
目的にあった手法を選ぶことで、従来では導き出せなかった施策を見つけ出すこともできるでしょう。
適切なデータ収集や分析はマーケティングにも活かせます。
もしデータ分析に不安や悩みがあればデジマクラスにご相談ください。
的確なアドバイスがあれば、適切にデータ分析を行うことができるでしょう。