効果的な宣伝活動はマーケティング戦略の中で重要なことです。

そのマーケティング戦略の方法としてプロモーション・ミックスが重視されています。

しかし導入にあたりどの手法を用いればいいか悩むマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。

今回はプロモーション・ミックスの事例や成功させるポイントなどを詳しく解説していきます。

プロモーション・ミックスの事例を解説

インターネット

プロモーション・ミックスとは、マーケティング目標達成のために複数のプロモーション活動を組み合わせることです。

マーケティング戦略の1つとして導入を検討する担当者も多いでしょう。

組み合わせるプロモーション活動には以下のものがあります。

  • 広告宣伝
  • セールスプロモーション
  • PR・広報活動
  • SNS
  • 人的販売

目的や目標を達成するために効果的な組み合わせを考える必要があります。

しかし効果的な組み合わせといっても、それぞれの特徴が分からなければ導入が難しいですね。

今回はそんなプロモーション・ミックスについて事例を交えて詳しくご紹介します。

 

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プロモーション・ミックスが重視される背景

腕を組むビジネスマン

プロモーション・ミックスは近年注目されるマーケティング戦略の1つです。

それではプロモーション・ミックスが重視されるのには、どのような背景があるのでしょうか。

まずはプロモーション・ミックスが重視される背景を見ていきましょう。

メディアの複雑化による変化

インターネットが普及した現代では、これまでと比べてメディアが複雑化しているといえます。

従来の広告といえばテレビCM・新聞・折り込みチラシなどがメインでした。

特にテレビCMは多くの人の目に触れ、影響力が大きいメディア媒体といっていいでしょう。

しかしインターネットの普及により、動画やSNSに触れる人が増加しテレビの視聴者が減ってきました。

多くのメディアが混在しているため消費者が触れるメディアも多岐にわたるでしょう。

メディアが複雑化したため、ターゲットに向けてどのようなメディアを選択するかが重要な課題です。

その中で1つのプロモーション活動に限らず組み合わせるプロモーション・ミックスが必要とされます。

組織内の役割の細分化

メディアの複雑化は組織内の役割にも変化をもたらす可能性があります。

広告担当といっても、紙媒体のようなオフライン広告とWeb広告では手法や考え方が異なる部分があるでしょう。

そのため広告担当の中でも細かく役割が分かれている企業もあるのです。

またインターネットを介した宣伝も、SNS担当など細分化する組織もあります。

複雑化しているからこそ、細分化することでそれぞれの知識やスキルを高めることができるのではないでしょうか。

しかし細分化されたそれぞれの組織が、個々にプロモーション活動をするのは効果的ではありません。

そこでプロモーション・ミックスという方法が重視されているのです。

 

ワンポイント
複雑化したメディアや組織の細分化を背景にメディア・ミックスが重視されている。

プロモーションの2種類のやり方

ミーティング

プロモーション・ミックスの事例をご紹介する前に、プロモーションのやり方について見ていきましょう。

プロモーションにはプッシュ戦略とプル戦略の2種類のやり方があります。

それぞれの特徴を理解してプロモーション・ミックスに活かしてください。

プッシュ戦略

プッシュ戦略とは売り手が消費者に直接アプローチする方法のことです。

プロモーション活動の中で「セールスプロモーション」や「人的販売」がこれにあたります。

しかしプッシュ戦略だけではプロモーション活動の効果を最大限に出すことはできません。

次にお伝えするプル戦略と両立することで、より幅広いマーケティング戦略を打ち出すことができるのです。

プル戦略

プル戦略とは、消費者が自ら商品について情報収集し購買意欲を高める戦略のことを指します。

プッシュ戦略との違いは、プル戦略では消費者の能動的な行動を促すということです。

どのようなプロモーション活動をすれば消費者に「欲しい」と思ってもらうことができるのでしょうか。

プル戦略には「広告宣伝」「PR・広報」「セールスプロモーション」「SNS」があります。

SNSの普及に伴い簡単に商品やサービスの口コミを調べられるようになりました。

少しでも興味のある商品に対して良い口コミが多ければ、購買意欲が高まる消費者も多いでしょう。

 

ワンポイント
プッシュ戦略とプル戦略を組み合わせることで効果的なプロモーション活動が期待される。

プロモーション・ミックスの手法

オフィスにいるビジネスマン

複数のプロモーション活動を組み合わせるのがプロモーション・ミックスという戦略です。

そんなプロモーション・ミックスにはどのような手法があるのでしょうか。

それぞれの特徴をご紹介します。

広告宣伝

広告宣伝はその名の通り広告を使って宣伝活動を行う手法のことをいいます。

宣伝にかかる広告費用はかかりますが、多くの人に商品を知ってもらう手法として効果的です。

従来の広告宣伝としては「テレビCM」「新聞」「雑誌」「ラジオ」といったものが主流でした。

そしてインターネットの普及に伴い、さまざまな種類の広告が登場したのです。

  • バナー広告
  • リスティング広告
  • SNS広告
  • 動画広告

テレビCMや新聞は不特定多数の人に情報発信するのに対し、Web広告はターゲットを絞って効率よくアプローチをするのが特徴です。

セールスプロモーション

クーポン

セールスプロモーションは販売を目的としたプロモーション活動のことで「販売促進(販促)」ともいいます。

販売を目的としたプロモーションとはどのようなものがあるのでしょうか。

  • チラシ掲載
  • 店頭POP
  • 店頭サンプリング
  • クーポン配布
  • 購入特典

これらのことは全て販売を目的として行われるものです。

例えば「〇〇円以上購入で〇〇をプレゼント」といった購入特典は、消費者の購買意欲を高めることができます。

普段なら迷う場合でも。特典があることで購入のきっかけとなる可能性があるでしょう。

PR・広報活動

プロモーション・ミックスにはPR・広報活動といった手法もあります。

広告宣伝は企業が広告費を支払うのですが、PR・広報活動は広告費をかけずに情報を発信できるのが特徴です。

なぜ広告費用をかけずに情報発信が可能なのでしょうか。

それはプレスリリースやニュースリリースといった情報をメディアに提供するからです。

メディアに情報を取り上げてもらうことで、認知度を上げることに繋がります。

SNS

SNS

多くの現代人にとってSNSは重要な情報収集のツールとなりました。

手軽に商品やサービスの口コミをチェックしたり、企業の情報を知ったりすることができます。

インフルエンサーと呼ばれる情報発信者の存在も、プロモーション活動をする上で見逃せません。

SNSを活用したキャンペーンを行う企業も増えているのが特徴です。

しかしSNSはイメージアップに貢献することもあれば、一気にネガティブな印象を持たれるツールといえます。

口コミをコントロールすることはできませんが、SNSを活用することでプロモーションの幅が広がることが期待できるでしょう。

人的販売

実演販売・試食販売

プロモーション・ミックスには人的販売という手法もあります。

人的販売とは、売り手が直接消費者に販売促進を行う方法です。

消費者に直接アプローチする人的販売の例をチェックしましょう。

  • 実演販売・試食販売
  • ダイレクト販売
  • 販売会への参加

人的販売は商品の魅力を直接消費者にアピールすることができます。

また消費者の反応を現場で見ることができるという特徴があります。

しかし消費者が興味を持っていない場合、押し付けられたと感じることもあるでしょう。

担当する人によって能力に差が出てしまうのがデメリットです。

 

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プロモーション・ミックスの事例①:出版×地域の情報サイト

パソコンを操作する女性

実際にプロモーション・ミックスを活用した事例を見ていきましょう。

最初に出版と地域の情報サイトを組み合わせた事例をご紹介します。

有限会社ちばマガジンのスタッフが、「月刊ぐるっと千葉」の情報を「まいぷれ」で取り上げるというものです。

「まいぷれ」は地域密着の情報を発信する地域情報サイトなので、地元住民にとって魅力的なコンテンツといえるでしょう。

ふるさと納税の情報や自治体の魅力発信を通して、地域の活性化に貢献しています。

プロモーション・ミックスの事例②:映画×鉄道

駅構内

プロモーション・ミックスの事例には映画と鉄道を組み合わせたものもあります。

「ハリー・ポッター」は世界中で広く知られている映画の1つです。

この映画のスピンオフ「ファンタスティックビースト」と東急電鉄が共同でイベントを行ったのです。

渋谷駅構内に映画に登場するプラットフォームを設置し、駅利用者が写真撮影できるようにしました。

そして撮影した写真をSNSに投稿してもらい映画のPRを行うという事例です。

プロモーション・ミックスを成功させるポイント

女性

プロモーション・ミックスの事例を見ていくと、さまざまな可能性があることが分かりますね。

そんなプロモーション・ミックスを成功させるにはどうすればいいのでしょうか。

ここではプロモーション・ミックスを成功させるポイントをご紹介します。

実施目的を明確に

プロモーション・ミックスを成功させるためには、実施目的を明確にする必要があります。

マーケティングに効果的な一方で、複数のプロモーションを組み合わせるためコストがかかるでしょう。

費用対効果を高めるためにも目的や目標を明確にして導入を進めてください。

見込み客のニーズを分析

マーケティング戦略を考える上で重要なのは見込み客の存在です。

見込み客のニーズによってプロモーション活動の選択が必要となります。

ニーズを把握しないままプロモーション・ミックスを実施しても売り上げ向上には繋がらないでしょう。

効果を最大限に出すためには、見込み顧客の分析が大切です。

プレスリリースの作成

プロモーション・ミックスを導入する際にはプレスリリースを作成するといいでしょう。

プレスリリースとは企業が新商品やサービスを報道関係者に知らせる文書のことです。

最近では報道関係者だけでなくインターネット上で配信することも増えました。

プレスリリースを作成することで、テレビや雑誌から取材を受ける可能性が出てきます。

メディアに取り上げられれば認知度が上がり、売り上げアップにも繋がるでしょう。

プロモーション開催後のフォロー

プロモーション・ミックスを成功に導くためには、プロモーション開催後のフォローを行いましょう。

マーケティング戦略で大切なのはPDCAサイクルです。

実施したプロモーションの効果を評価していかなければなりません。

 

ワンポイント
プロモーション・ミックスの成功には目的の明確化・顧客ニーズの分析など多くの戦略が必要。

プロモーション・ミックスの効果は組み合わせによって変化する

ビジネスマン

プロモーション・ミックスの効果を最大限に出すためにはどうすればいいのでしょうか。

効果を出すために押さえておきたいのは「組み合わせが大切」ということです。

プロモーションの手法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

どの組み合わせにするかで、消費者への届き方が異なるでしょう。

つまりプロモーション・ミックスによる売り上げアップや費用対効果が変化するということです。

適切なプロモーションを選択するためにも目的・目標・ターゲット層を明確にしましょう。

 

ワンポイント
効果的な手法を組み合わせてプロモーション・ミックスの効果を高めよう。

 

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プロモーション・ミックスに困った時は?

悩む男性

プロモーション・ミックスはメディアの複雑化や組織の細分化に対応する戦略です。

これまでに多くの成功事例があり、導入を検討するマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。

しかしどのプロモーションを組み合わせるべきか悩むこともあるでしょう。

プロモーション・ミックスは組み合わせによって効果に違いが出るので悩むのも無理はありません。

もしもプロモーション・ミックスで悩み事・困り事があればコンサル会社に相談することをおすすめします。

それぞれのプロモーション活動の特徴を押さえて効果的なプロモーション・ミックスを実現させましょう。

まとめ

売り上げアップの図と男性

今回はプロモーション・ミックスの事例や成功のポイントについてご紹介しました。

プロモーションの手法にはそれぞれ強みとする特徴があります。

どのプロモーションを組み合わせるかによって、広く消費者に宣伝することができるでしょう。

メディアの複雑化や組織の細分化などマーケティングにはさまざまな課題があります。

そのような状況にも柔軟に対応できるプロモーション・ミックスを効果的に活用しましょう。