消費者行動モデルとは、消費者が商品やサービスを知ってから実際の購入に至るまでの心理変化などの行動モデルです。
消費者の心理がどのように動き、購入までにどう行動するかを知ることは非常に重要です。
消費者行動モデルを理解することでマーケティングに活かすことができ、売上拡大につなげられます。
この記事では、消費者行動モデルの種類や特徴などを解説します。
マーケティングをおこなう人や商品・サービスの展開を考える人はぜひお読みください。
目次
消費者行動モデルの種類を解説
この記事では、消費者行動モデルについて種類などを中心に解説します。
消費者が商品やサービスを知ってから購入するまでどのような行動を起こすかは知るべきポイントです。
消費者行動モデルを意識することで、より効果的なマーケティングができる可能性が高くなります。
逆に消費者行動モデルをまったく押さえずにいると、逆効果となる施策をしてしまうかもしれません。
マーケティングを進めるうえでは、消費者の心理や行動について理解する必要があります。
ぜひ消費者行動モデルについて知り、マーケティングに活かすようにしてください。
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消費者行動モデルを知る重要性
消費者行動モデルを知る重要性として、以下のような理由が挙げられます。
- 効果的なマーケティングを進めやすくなる
- 消費者が求めるものや心理などがわかる
- ライフスタイルや社会を知るキッカケにもなるため幅広く活用できる
前述したように、消費者行動モデルは消費者が購入するまでの心理や行動のモデルです。
そのため消費者行動モデルを意識することで、効果的なマーケティングができるようになります。
また消費者が求めるものや心理に対する理解は、マーケティング以外でも役立ちます。
業務遂行において有用となるポイントが非常に多いです。
さらに消費者行動モデルは、時代やライフスタイル・社会情勢などによっても変わります。
そのため消費者行動モデルの研究は、社会を知ることにもつながるのです。
消費者行動モデルを知ることは重要性が非常に高いといえます。
消費者行動モデルを知るメリット
それでは消費者行動モデルを知るメリットを紹介します。
メリットを知ることは積極的かつスムーズな理解のために大切です。
ユーザー心理を理解したマーケティング戦略が可能になる
消費者行動モデルを知ることで、ユーザー心理を理解したマーケティング戦略につながります。
マーケティング戦略はただやみくもに進めれば良いものではなく、心理や行動を予測する必要があります。
しかし知識や情報がない状態では難しく、そもそも何が正解かわからないものです。
その点消費者行動モデルはマーケティング戦略をするうえで非常に有用な存在です。
ユーザー心理の理解ができるようになるため、よりユーザーの目線に立った戦略が立てられます。
ユーザー心理の理解において、消費者行動モデルの研究は効果的です。
多様化した消費者行動に対応できる
消費者行動モデルを知ることで、多様化した消費者行動への対応が可能になります。
近年はマスメディアをはじめ、インターネットやSNSなど情報収集手段が非常に多い時代です。
流行の移り変わりも激しいため、単純な戦略では対応しきれないケースが非常に増えました。
しかし消費者行動モデルを知ることで、多様化した消費者行動への対応ができるようになります。
それぞれの行動モデルについて知る必要はありますが、複雑化した状態への対応には最適です。
さまざまな行動モデルを理解し戦略を立てるためにも、消費者行動モデルを知るべきです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マスメディア主流時の消費者行動モデル
それでは消費者行動モデルについて具体的に紹介していきます。
まずはマスメディアが主流であった頃の消費者行動モデルです。
AIDMA
AIDMAとは購入に至るまでの以下の行動から頭文字をとって作られた言葉です。
- Attention(認知):広告から商品やサービスを知る
- Interest(興味):消費やサービスに興味を持つ
- Desire(欲求):商品やサービスを求める
- Memory(記憶):商品やサービスの存在について記憶する
- Action(行動):商品やサービスを購入する
消費者は商品を知り興味を持ったのちに求めるものの、一度は購入しようとしたことを忘れます。
そのためDesireとActionの間にMemory、すなわち記憶を呼び起こして覚えるという段階を経ます。
これらの行動段階を踏んだうえで購入に至るという行動モデルが、AIDMAです。
AIDCAS
AIDCASは購入の先にまで視点を置いた消費者行動モデルです。
- Attention(認知):広告から商品やサービスを知る
- Interest(興味):消費やサービスに興味を持つ
- Desire(欲求):商品やサービスを求める
- Conviction(確信):商品を購入したほうが良い・購入しても良いと確信する
- Action(行動):商品やサービスを購入する
- Satisfaction(満足):商品やサービスを購入したことに対して満足する
効率的なマーケティングのためには、商品購入をゴールにしてはいけません。
消費者が満足感を得ることで、リピーターになる可能性や口コミでの伝え方などが変わります。
インターネット時代の消費者行動モデル
インターネット時代の到来により、消費者行動モデルは大きく変化しました。
具体的な内容を紹介します。
AISAS
AISASとはインターネット上でのみ見られる特有の行動を重視した消費者行動モデルです。
- Attention(認知):広告から商品やサービスを知る
- Interest(興味):消費やサービスに興味を持つ
- Search(検索):商品の情報や評判などについてインターネットを使って検索する
- Action(行動):商品やサービスを購入する
- Share(共有):商品に対する口コミやレビューをインターネット上で共有する
購入というアクションを起こす前に、インターネットで情報収集をする消費者が非常に増えました。
また購入した商品の感想は口コミやレビューという形でWeb上に投稿されることが多いです。
インターネットによって、これまで見られなかった行動が現れるようになりました。
AISCEAS
AISCEASとは消費者が購入までに起こす行動が増えたことを指摘するものです。
- Attention(認知):広告から商品やサービスを知る
- Interest(興味):消費やサービスに興味を持つ
- Search(検索):商品の情報や評判などについてインターネットを使って検索する
- Comparison(比較):類似商品などを調べながら比較する
- Examination(検討):口コミなどの情報を確認しつつ購入を検討する
- Action(行動):商品やサービスを購入する
- Share(共有):商品に対する口コミやレビューをインターネット上で共有する
口コミやレビューで購入した人の感想を手軽に得られるようになったため、比較検討が加わりました。
Actionまでに踏む段階が増えていることがわかります。
ZMOT
ZMOTとは消費者は店舗へ来る前に購入する商品を決めているという行動モデルです。
「Zero Moment of Truth」を略したもので、店舗で購入するものを選ぶ時間はなくなったとしています。
インターネットが普及した現代においては、店舗へ行く前に商品を選ぶことが可能です。
そのため店舗でのマーケティングではなく、その前段階にあるインターネットの活用が重要といえます。
SMOT
SMOTは商品をリピートするかを判断するまでの消費者行動モデルです。
こちらは「Second Moment of Truth」を略したもので、購入・評価・リピートの決定を表します。
商品を使い体験したときの評価がリピーター獲得に影響することを理解する必要があります。
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SNS時代における消費者行動モデル
SNSの発達・流行も、消費者行動モデルに大きな影響を与えました。
それではSNS時代での消費者行動モデルを紹介します。
VISAS
VISASとはSNSによる口コミの影響を重視した消費者行動モデルです。
- Viral(口コミ):SNSの投稿から商品を知る
- Influence(影響):SNSで情報を発信した人から影響を受ける
- Sympathy(共感):SNSに投稿された商品の良さに共感する
- Action(行動):商品やサービスを購入する
- Share(共有):商品に対する口コミやレビューをインターネット上で共有する
消費者が特に意識を向けていなかったものでも、SNSの投稿から影響を受け購入することを主張します。
VISASはShareまでが1セットであり、このShareによってまた新たなViralが生まれます。
SIPS
SIPSは「A」が入っていないように、購入という行動を重視していません。
- Sympathize(共感):自身と近しい人による投稿で商品を知り、良さやメリットに共感する
- Identify(確認):商品について検索し、より詳細なレビューや情報などを確認する
- Participate(参加):SNSの投稿にリアクションする・実際に購入するなどアクションを起こす
- Share&Spread(共有と拡散):商品に対する口コミやレビューを共有・拡散する
実際の購入ではなくリアクションのような関わり方も、効果として見ています。
ULSSAS
ULSSASとはSNSを中心としているとする消費者行動モデルです。
- User Generated Contents(認知):広告やSNSの投稿から商品を知る
- Like(好印象):SNSの投稿に対して好意的なリアクションをする
- Search1(検索):まずはSNS内で検索する
- Search2(検索):続いて検索エンジンから情報収集をする
- Action(行動):商品やサービスを購入する
- Spread(拡散):商品に関する投稿をSNSなどで拡散する
投稿に対する反応やSNSを活用する割合が増えています。
消費者がSNSを中心に購入までのステップを踏むことを表したものです。
コンテンツマーケティングでの消費者行動モデル
コンテンツマーケティングとはブログやコラムなどのコンテンツを用いたものです。
そんなコンテンツマーケティングに関する消費者行動モデルも存在します。
DECAX
DECAXとはコンテンツの重要性や影響を示した消費者行動モデルです。
- Discovery(発見):興味のある・有益なコンテンツを発見する
- Engage(関係):コンテンツを発信した企業と消費者が関係を深める
- Check(確認):コンテンツの発信元である企業の商品について確認する
- Action(購買):商品やサービスを購入する
- Experience(体験と共有):消費者が商品を使用して体験し、SNSなどでシェアする
コンテンツをキッカケに消費者が企業のファンといえる存在になり、購入につながります。
商品そのものの情報ではなく、コンテンツから入った場合の行動モデルです。
Dual AISAS
Dual AISASとはすでに存在していたAISASの発展形である消費者行動モデルです。
こちらはコミュニケーション関心層であるA+ISASと、購入関心層のAISASを分離して考えています。
コンテンツを通じての興味関心は次のように分かれるといわれています。
- コンテンツを知らせたい・見せたいというコミュニケーションを目的とする
- コンテンツによって商品の購入意欲が高まる
両者の存在を把握することで、より適切なマーケティングが実現可能です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
消費者行動モデルは時代とともに変化
ここまでで紹介してきたように、消費者行動モデルは時代とともに変化しています。
そのためずっと同じ消費者行動モデルを使っては時代に合わなくなってしまう可能性が高いです。
現時点における流行や消費者の情報収集元の把握などがマーケティングには欠かせません。
消費者行動モデルは非常に便利ですが、古いものを使い続けてしまわないよう注意しましょう。
消費者行動モデルをマーケティングで活かすなら?
消費者行動モデルは消費者が商品に対しておこなう行動を理解する助けとなります。
マーケティングで活用するのであれば、次のような使い方が有用です。
- 消費者の行動を先読みした展開を起こす
- 拡散したくなるような内容にするなど、消費者の行動をうながす
- コンテンツの質を高めファン獲得につなげる
このように、消費者の心理や行動に沿ったマーケティング活動をしましょう。
適切な活用ができれば、マーケティングで大きな成果を出すことにつながります。
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まとめ
消費者行動モデルは消費者の心理や行動を掴むうえで非常に有用です。
消費者がどう行動するかを理解していれば、適切なマーケティング戦略が可能となります。
また自社の商品やサービスがどの消費者行動モデルに当てはまるか考えるのも大切でしょう。
消費者行動モデルを押さえることは売上拡大や認知度向上などの成果を得るうえで欠かせません。
消費者行動モデルをしっかりと理解し、マーケティングに活かしていきましょう。