低迷中の広告市場の中でも成長を続けているのがインターネット広告市場です。
インターネット広告を利用して上手に活かせば企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
インターネット広告市場の規模はなぜ拡大し続けているのでしょうか。
その要因を新分野や今後の見通しもあわせて紹介します。
インターネット広告導入を検討する際ぜひ参考にしてください。
目次
インターネット広告の市場規模を解説
日本におけるインターネット広告費は年々伸長し続けています。
2020年のインターネット広告費は前年比105.9%の2兆2,290億円です。
これは総広告費全体の36.2%を占める割合となっています。
インターネット広告費のうちインターネット広告媒体費は前年比105.6%の1兆7,567億円です。
近年の総広告費は前年を下回り業界全体で見ると停滞しています。
この状況下においてもインターネット広告費は成長傾向です。
今後もインターネット広告費の伸長は止まらない見通しとなっています。
インターネット広告は今やマスコミ四媒体広告費に匹敵するほどの一大市場になっているのです。
インターネット広告の現状は?
日本ではデジタル化が急速に進んできました。
現在はインターネットが一般社会に浸透しています。
インターネット広告をはじめとするデジタル広告はスマートフォン・タブレットの普及で影響力を増しメインとなりつつある広告種別です。
インターネット広告が企業と消費者との懸け橋として見逃せない存在であることは間違いありません。
ここからはインターネット広告の現状について解説していきます。
テレビメディア広告を超えて成長
今まで日本国内ではテレビメディア広告が高いシェアを占めていました。
インターネットが普及している昨今においてはインターネット広告市場が大きく成長しています。
そのような中で、インターネット広告費は6年連続で2桁成長し2019年には2兆1,048億円となりました。
これはインターネット広告費がテレビメディア広告費を初めて上回った瞬間です。
これを機にデジタルトランスフォーメーションが加速しました。
マスコミ四媒体由来のデジタル広告も広く活用されるようになっています。
他の既存デジタルメディアとの統合ソリューションが大きく進化したのです。
インターネット広告の広告市場全体での規模拡大は広告業界全体の大きな転換点となりました。
社会的価値をユーザーも認識しつつある
インターネット広告はメディアとユーザーを効果的に繋ぐことができます。
しかしインターネット広告はネガティブなイメージも持たれがちです。
その一方で、ユーザーの6割がインターネット広告の役割やメリットを理解し9割が受け入れていることが明らかになっています。
このような認識も相乗効果となり、インターネット広告費は拡大の一途をたどっています。
最も活用される検索連動型広告
インターネット広告媒体費を取引手法別に見ると運用型広告費が現在の主流です。
2020年の運用型広告費は前年比109.7%増の1兆4,558億円に伸長しました。
これはインターネット広告媒体費全体の82.9%を占める規模です。
なお、インターネット広告媒体費の構成比で最も大きいのは検索連動型広告であり全体の38.6%を占めています。
検索連動型広告の伸長は今後も続く見通しです。
次いでディスプレイ広告費が32.6%を占めていますが前年比80.1%と減少傾向にあります。
SNS・動画広告が大きく成長
運用型のインターネット広告媒体費の中でも近年急成長しているのがSNS・動画広告です。
2020年にはSNS等で展開されるソーシャル広告費が5,687億円(前年比116.1%)となっています。
ソーシャル広告費はインターネット広告媒体費全体の3割超です。
また、動画広告費も3,862億円(前年比127.2%)と大きく伸長しています。
取引手法別でみると運用型広告が動画広告全体の8割を超える3,206億円です。
動画コンテンツやSNSの普及に伴い今後も継続して成長が期待できる広告種別でしょう。
インターネット広告拡大の要因
以前は新聞・雑誌・テレビ・ラジオの四媒体広告や口コミ等が広告の主役でした。
時代の流れにともないインターネット広告の規模が伸長し続け今後も拡大すると予想されます。
その理由は一体何なのでしょうか。
ここではインターネット広告が持つ性質とともに拡大の要因について解説します。
費用対効果が高い
大きな特徴として低コストで出稿できるということが挙げられます。
紙媒体等の広告と比べて圧倒的に低い予算に抑えられ、効率的な運用が可能なため大企業でなくとも利用しやすいのです。
料金形態はクリック課金型・期間保障型・エンゲージメント課金型・インプレッション課金型・PV保障型から選択できます。
また、広告効果の測定や分析も簡単にできるため費用対効果が明白です。
素早くより良い広告にしていくことができるのも大きなポイントだといえます。
細かいターゲティングが可能
インターネット広告は閲覧者の性別・年齢・広告の表示・クリックの回数等を即座に把握可能です。
また、他の広告と比べ閲覧者の興味や関心に沿った広告を配信しやすくなっています。
ターゲットとする層を細かく絞り込み、変動を続ける景気や需要に対応しやすいのがメリットの1つです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
検索連動型広告が活用される理由
インターネット広告では検索時に結果の上位に表示される仕組みの検索連動型広告が最も活用されています。
以下のことがその理由です。
ニーズが顕在化したユーザーへアプローチが可能
検索連動型広告は顕在層に対して適切にアプローチできます。
すでに特定の分野に購買意欲はあっても具体的にどの商品を購入するか決定していないユーザーを絞り込めるのです。
このため検索連動型広告は高い費用対効果を見込める手法であるといえます。
訴求ポイントを見極めることができる
検索連動型広告は検索した特定のキーワードから想定されるニーズを基に広告が表示される仕組みです。
ユーザーの求めるポイントに効果的に訴えかけることができます。
市場やユーザー層のデータ収集ができる
検索連動型広告を出稿すると提供したい物・サービスとその市場やユーザーのデータ収集が可能です。
今後の戦略を立てる上で重要な情報が手に入りやすいというのは大きなメリットでしょう。
継続して高品質な広告を利用することができるようになります。
インターネット広告の新たな分野
インターネット広告は今後の展望も明るいといえます。
この中で様々なインターネット上のサービスが生み出されるとともに利用され始めた新たな分野があるのです。
どのような広告があるのか以下に説明していきます。
音声広告
音声のみによる広告は四媒体広告の1つであるラジオ広告がメインとなっていました。
近年音楽ストリーミング配信サービスやインターネットラジオの利用者が増えるにつれてデジタル音声広告が認知されつつあります。
オーディオアドとも呼ばれ、欧米ではすでに普及している手法です。
日本ではまだ馴染みの薄い名称ですがこの先さらなる向上が期待できる分野だといえます。
コネクテッドテレビ広告
世界的に急成長している広告手法の1つです。
自宅等にあるコネクテッドテレビを介しての動画コンテンツ視聴を利用したコネクテッドテレビ広告への注目が高まっています。
すでに欧米で大きな市場となっており、日本での今後の拡大が期待できる新分野です。
テレビの視聴率が減少している若年層へ向けても大きな宣伝効果が見込めるでしょう。
インターネット広告の市場成長による影響は?
インターネット広告市場が成長することにより生じる影響にはどのようなものがあるのでしょうか。
主に考えられる2つのことについて説明します。
CPC高騰による広告掲載順位の低下
1つ目はクリック単価(CPC)の高騰です。
競合の激化により費用対効果に悪影響を及ぼす恐れがあります。
効率の良い広告運用ができなくなってしまうでしょう。
商品やサービスの訴求ポイントのコモディティ化
検索した商品やサービスの機能・品質等の付加価値に差が無くなり市場価値が低下するというコモディティ化が起こります。
この場合における商品選択の基準は価格や量のみです。
広告市場はただの価格競争の場となります。
その結果、消費者の商品検討期間が長期になってしまうのです。
インターネット広告市場の今後の展望
インターネット広告市場は様々な要因の影響を受けやすいといえます。
それでもなおインターネット広告市場は今後も伸長が続く見通しです。
GoogleとYahoo!を中心にSNS等も含め新企業の参入も増加すると考えられています。
インターネット広告媒体の規模もさらに成長していくのは間違いなさそうです。
これを基に企業の提供する各種サービスが展開されていくでしょう。
しかしユーザーのニーズは日々変化していくものです。
企業の新規参入による広告費の高騰が懸念されます。
広告を表示させないようにする有料サービスの増加も考えられるでしょう。
この要因によりインターネット広告市場の競争が激化する可能性が高いことを考慮しなくてはいけません。
インターネット広告を導入し生き残っていくためには既存の広告にはない独創性を高めることが求められてきます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
インターネット広告導入時のポイント
インターネット広告市場が拡大し強い影響力を持った現代では、インターネット広告をいかに活用するかが企業の重要な課題です。
最も活用されている検索連動型広告の優勢は今度も続いていくでしょう。
これを前提にインターネット広告市場の成長による影響を踏まえた戦略を考ええていく必要があります。
ここからはインターネット広告を導入する際どんなことに重点を置けば良いのかを紹介しましょう。
品質スコアを高める
押さえるべき重要なポイントは検索結果の上位に表示されることです。
掲載順位はキーワードの入札単価や品質スコアから算出した広告ランクで決定される仕組みになっています。
単に入札単価を高くするだけではコスト増大によるデメリットが大きいでしょう。
このため品質スコアを改善し高めていくことがとても大切です。
品質スコアは広告内容とユーザーの求める情報との関連性が高く有益であるほど上がります。
品質スコアを決定する要素は具体的には次の3つです。
- 推定クリック率
- キーワードと広告の関連性
- ランディングページ(LP)の品質
「推定クリック率」及び「キーワードと広告の関連性」についてはPDCAサイクルを見直すことで改善できます。
注目すべきポイントは「ランディングページ(LP)の品質」です。
ランディングページ(LP)を改善するには次の例を試してみましょう。
- ファーストビューの内容を見直す
- 設計やコンテンツを調整する
ファーストビューの内容を見直せばユーザーが内容を一目で判断しやすくなります。
また、検索ワード等のデータを基にユーザーの目的に合わせて設計やコンテンツを調整しましょう。
ランディングページ(LP)の品質改善に繋がる重要ポイントです。
これには専門的な内容が多くテクニックや費用がかかるというデメリットはあります。
しかしランディングページ(LP)の改善は確実に品質スコア向上に繋がる方法です。
成果に直結するため注力するメリットは非常に大きいといえます。
他社との差別化をはかり「価値」を生み出す
商品やサービスを宣伝する際に価格や品質が優れていることは大前提となります。
これだけでは競合他社から突出してユーザーにアピールすることは難しいでしょう。
独自の「価値」を生み出しそれを分かりやすくアピールすることで他社との差別化を図ることができます。
独自の価値を生み出すための着眼点や効果的にアピールする方法については専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
インターネット広告の導入に困った時は?
インターネット広告はユーザーへの訴求がしやすく低コストで運用できる宣伝方法になります。
費用対効果を高めるためPDCAを意識した計画的な運用が必須です。
適切なキーワードを設定しターゲットとなる層を絞り込むことで効率的に運用できます。
しかしこれは競合他社も同様に行っていることでありプロの知識が必要です。
インターネット広告の効果を最大限に発揮できる広告運用のためにぜひデジマクラスに相談してください。
デジマクラスは広告運用に関して、専門的知識に基づいた最適な方法を一緒に考えサポートしていくことができます。
自分で広告運用のテクニックを身に着けるのは非常に難しく煩雑な作業です。
広告運用についてお悩みの際はデジマクラスへの相談を検討してみてはいかかでしょうか。
インターネット広告の事例はこちら
まとめ
インターネット広告の市場規模や拡大の要因は以下のとおりです。
- 2020年に総広告費の36.2%を占める2兆2,290億円(前年比105.9%)に上り今後も伸長し続ける見通しである
- 2019年にはテレビメディア広告を超え社会的価値をユーザーの9割が理解している
- 費用対効果が高い
- データ収集ができターゲットを細かく絞り込んで効果的にアプローチできる
現在インターネット広告の中で最も利用されているのは検索連動型広告です。
SNS・動画広告も大きく成長しています。
音声広告やコネクテッドテレビ広告も日本国内で注目され始めている新たな分野です。
インターネット広告市場は今後も拡大が期待できると考えられます。
インターネット広告の性質を理解し競合他社との差別化を図ることが必要です。
それを考慮した戦略を立て、運用していくことが重要なポイントだといえます。
インターネット広告は今後の企業戦略としてとても重要な位置付けであることは間違いありません。
インターネット広告導入の際にはデジマクラスへぜひご相談ください。
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