学生の皆さんの中には既に何らかのビジネスを展開していく準備を進めている方も多いのではないでしょうか。
アイデアはあるけれどなかなか実行に移せずにいる、という方も中にはいらっしゃることでしょう。
起業は潤沢な資本を持った一部の社会人の特権ではありません。手順を踏めば学生であっても十分に可能です。
今回の記事では学生が起業することのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
学生が起業を成功させるポイントや起業後に就職する場合のポイントなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
学生が起業するメリット・デメリットを解説
学生が起業することには数多くのメリットとデメリットがあります。
いずれも学生という身分と年齢的な若さによって生じるメリットとデメリットです。
起業するにあたってはそれらをよく理解して、活かせるものは十分に活かし、障害となるなら回避しなければなりません。
本稿では学生起業の実際の成功例や成功のポイントについても触れますので、起業を志す方はぜひチェックしておきましょう。
学生が起業するメリット
学生が起業することのメリットは主に4つあります。多くは年齢的な若さに起因するメリットです。
ある程度上の年齢であれば、多くの人は起業にあたっていくつもの大きなリスクを覚悟しなければなりません。
学生という身分の身軽さはそうしたリスクを低減してくれるのです。以下、詳しく見ていきましょう。
低コスト・低リスクで起業できる
学生が起業するメリット、1つ目は低コスト・低リスクで起業できることです。
まずは守るべき家族も立場もある社会人が勤めている会社を辞めて新しく事業を興す場合を考えてみましょう。
彼が考える事業は成功するか失敗するか分かりません。現職を手放すことがどんなにリスキーか誰にでも想像がつきます。
もしも失敗すれば、事業の内容によっては多くの借財を抱えて路頭に迷うことにもなりかねないのです。
一方で、多くの学生の場合はそのようなリスクがほぼありません。
職業に就いておらず、扶養すべき家族もいないことが大半なので、会社を興すことに失敗しても損をするのは自分だけです。
加えて、学生ならば大学を拠点に活動することができるので新たにビジネスのためのスペースを借りる必要がありません。
毎月の家賃や水道光熱費といった諸々の出費を気にせずに仕事をスタートさせることができるでしょう。
事業展開がしやすい
学生が起業するメリット、2つ目は事業展開がしやすいことです。
たとえば大学生の場合、学内にいる仲間や卒業したOB・OGといった多様な力を借りることが可能となります。
多くの知見や知識を持ち寄ってアイデアを見直し、問題点があれば改善して、事業を様々な形で展開していけるでしょう。
特に教授や助教授といった現役社会人の知恵を拝借でき、可能ならその人脈も借りられる環境は有益なことこの上ありません。
場合によっては大学を巻き込んだより大きな事業へと展開していける可能性もあります。
時間に余裕がある
学生が起業するメリット、3つ目は時間に余裕があることです。
社会人の場合、起業を志しても本業があるためになかなか時間を取ることができず、計画が進まないことも少なくありません。
その点、学生であれば授業を受ける以外の時間の多くを起業の準備のために割くことが可能となります。
大学生ならばスケジュールを自分で管理できるのでいっそう多くの時間を起業のために振り向けることができるでしょう。
発案から実行までの時間が短ければ大いに熱意を持ったまま事業をスタートできるというものです。
起業の経験が将来役立つ
学生が起業するメリット、4つ目は起業の経験が将来役立つことです。
起業するには様々な手続きや手順を踏まなければなりません。その多くは一般の学生が経験しないことばかりです。
起業するとそれらの煩雑な手続きと手順を知ることになるため、社会の仕組みについてより詳しくなれるでしょう。
仮に事業が失敗してどこかの会社への就職を選んだ場合も、起業した経験をアピールして周囲に差を付けることができます。
起業経験がある学生は決して多くありません。採用担当者の目に留まり、将来を嘱望されることが期待できます。
学生起業のデメリット
学生が起業することのデメリットもまた学生という身分と若さに起因しています。
デメリットは大きく分けて3つ。学業と仕事の両立の困難さ・資金調達の困難さ・経験や専門知識の不足です。
以下で詳しく見ていきましょう。
学業と仕事の両立が難しい
学生が企業することのデメリット、1つ目は学業と仕事の両立が難しいことです。
学生の本分は勉強することです。学業を疎かにするべきではありません。
学生が起業した場合、学業と仕事を両立させることの困難に直面して、場合によってはどちらかを諦めることになります。
事業の内容にもよりますが、多くの仕事にはクライアントがいて、相手の都合に合せて動かなければならないこともしばしばです。
そんな時「学校に行かなければならないから対応できません」では話になりません。
資金調達が難しい
学生が企業することのデメリット、2つ目は資金調達が難しいことです。
事業の内容にもよりますが、多くの場合起業にあたっては初期費用としてまとまった金額が必要となるものです。
社会人であれば銀行に融資を依頼する所ですが、学生の場合、審査の厳しさからこの融資がなかなか思うようにはおりません。
結果、資金はアルバイトなど他の方法でまかなうことになり、そのことが起業の遅れを生じさせる場合もあるでしょう。
経験や専門知識が不足している
学生が企業することのデメリット、3つ目は経験や専門知識が不足していることです。
起業した学生には社会人としての経験がないことがほとんどです。
企業に採用された新社会人たちの多くが受けるであろう社会人教育なども一切受けることがありません。
業界特有の知識や常識の乏しさゆえに他の企業から相手にされず、事業が頓挫するという可能性もあります。
未熟さは学生起業家にとって常につきまとう大きなリスクです。
学生起業の成功例
煩雑な手続きと様々な困難を乗り越えて見事に企業を果たした学生が数多くいます。
この項目では、その中でも特に成功したとされる例をご紹介します。
彼らが乗り出した事業やその手法に触れて今後の事業展開に役立ててください。
数多くある事例の中から20歳で起業した例を3件取り上げました。
学生起業の成功例、1件目はFacebookです。
運営会社であるFacebook,Incはマーク・ザッカーバーグ氏がハーバード大学在学中の20歳の頃に創業しました。
今では世界中に数億人という規模の利用者を持つFacebookは、当初は大学内でのみ利用される学生サービスだったといいます。
Webの力をアイデアと行動力でフルに活用した好例の最たるものといえます。
ハイパーエイト
学生起業の成功例、2件目は株式会社ハイパーエイトです。
ハイパーエイトは五十君圭治氏が早稲田大学在学中の20歳の頃に創業しました。
Webサービスの展開や街コンなどのイベント運営、飲食店向けのデジタルスタンプサービスの運営で知られています。
そんな同社は現在「少子化問題を解決する会社」として新たな事業に乗り出しています。
Labit
学生起業の成功例、3件目は株式会社Labitです。
書籍のフリマアプリ「ブクマ!」の運営で知られる同社は鶴田浩之氏が慶應義塾大学在学中の20歳の頃に創業しました。
鶴田氏は10代にしてWebサービスを作り、16歳で1度目の起業を果たしたという異色の経歴の持ち主です。
鶴田氏はその後、やはりフリマアプリ運営の株式会社メルカリに入社しています。
学生起業を成功させるポイント
起業という社会人でも難しい挑戦を学生が成功させるためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
この項目では重要なポイントを2つに絞ってご紹介します。
重要なのは最初から大成功を狙わないことと受け身にならないことです。
スモールビジネスからはじめる
学生が起業を成功させるポイント、1つ目はスモールビジネスから始めることです。
起業するからには大成功したいものですが、はじめから多くを望むべきではありません。
リスクもコストも最小限に抑えたスモールビジネスから始めて、業界の慣習や常識について深く知っていくことが肝心です。
事業が成り立つ見通しも立たないまま設備投資に費用を注ぎ込んだりしてはいけません。
意欲的に行動する
学生起業を成功させるポイント、2つ目は意欲的に行動することです。
起業はゴールではなくあくまでもスタート地点です。そこから長い努力と研鑽の毎日が始まります。
学業と仕事のバランスを上手く取って、両方に対して常に意欲的でいられるよう努めなければなりません。
どちらかに傾注すればたちまちバランスは崩れてしまいます。また無理な両立を続けた場合も共倒れになるでしょう。
自身の意欲を一種のバロメーターとして見ながら学業と仕事を両立させる。そんな意識も必要です。
学生起業の経験は就職に役立つのか
学生起業の経験は就職にあたって大いに役立ちます。
そもそも起業するためには優れた創造力や高い行動力など並々ならない力が要求されます。
そんな起業を成し遂げたという事実は、多くの採用担当者にとって高く評価すべきポイントと判断されるでしょう。
実際、事業計画策定能力・計数管理能力・事務処理能力・管理能力と、起業家に求められる能力の多さは一通りではありません。
失敗したにせよ進んで挑戦して社会の荒波に揉まれた、という事実も高く評価されます。
新卒で初めて社会に出る一般の学生と比べた時、どちらが採用される可能性が高いかはいうまでもないでしょう。
学生起業後に就職する場合の強み
学生起業の経験が就職にあたって大いに役立つことには上の項目で触れました。
ここでは学生起業後に就職する場合の強みについてさらに掘り下げて見てみましょう。
経営者目線で仕事に取り組める
学生起業後に就職する際の強み、1つ目は経営者目線で仕事に取り組めることです。
起業して経営者の目線の高さを知ったという貴重な経験が、その後の仕事にも大いに役立つことでしょう。
経営者が持つ理念や目標を高いレベルで共有して、自分の仕事に反映させることができるからです。
常に効率的な仕事を意識したり、上司の意図や指示の内容を瞬時に理解して適切な行動が取れる点も強みだといえるでしょう。
起業で身につけた知識が活かせる
学生起業後に就職する際の強み、2つ目は起業で身につけた知識が活かせることです。
起業にあたって必要となる法律的な知識や会計・経理の基本的な知識などは、企業人として仕事をしていく上でも役立ちます。
また自分が起こした事業と同じ分野の企業に就職すれば、経営者として実務に当たっていた頃の知識が大いに活かせるでしょう。
仕事への愛着や事業の目的に対する理解も一般の社員より深くなります。
学生起業後の就職を成功させるポイント
学生起業後の就職を成功させるためのポイントは、職務経歴書の充実を図ることと自己アピールの方法を工夫することです。
職務経歴書では必ず自分が起こした事業のことについて触れましょう。
自己アピールの機会が来たら事業失敗の理由についても触れ、反省点を挙げてください。
過去の失敗から学んで次へ繋げる意識があることを強くアピールできます。
また自分が起業したジャンルと同じ分野で事業を展開する会社への就職を目指すことも重要なポイントです。
学生起業か就職かで悩んだ時は?
インターネットの普及は学生起業のしやすさにも大きな影響を与えました。
今やアイデアさえあれば多くの学生がイニシャルコストをできるだけ抑えて起業できる時代です。
ただいくら起業家への道が開かれているといっても、リスクを恐れず起業するか無難に就職を選ぶかは悩ましい選択です。
起業か就職か。もしもそんな二者択一を迫られた時にはデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
起業に関するプロとしての立場からスタッフが親身になって話を聞き、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では学生が起業するメリットとデメリットについて解説してきました。
学生起業家として事業を立ち上げ、社会を変えるほどの大きな成果を上げた実業家の例は枚挙に暇ありません。
もちろん失敗した事例も多くあります。けれど失敗から得た学びはきっと次の挑戦のための糧となるはずです。
もしも起業と就職の間で迷ってしまっているならぜひ一度コンサルタントに相談してみてください。
本稿が学生起業という高い目標を持つ皆さんのための一助となれば幸いです。