自社サイトを運用するマーケターや経営者にとっては、今やSEO対策はなくてはならないものとなっています。
対策の精度を上げるために、結局どのツールを使用すればよいのか迷っている方も多いでしょう。
AhrefsはMozやSEMRushと並んで世界で導入実績の多いSEO分析ツールであり、被リンクやキーワードの分析に大いに役立ちます。
どのような機能や特徴があり、導入することでどういったメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
目次
Ahrefsの使い方を解説
実際に自社サイトのSEO対策としてAhrefsの導入を検討していても、どのように活用していいか分からないという方は多いようです。
特にAhrefsは無料体験版が用意されていないため、事前に詳細な情報を集めておく必要があるでしょう。
ここではAhrefsについて、使い方や活用法・料金体系などについて詳しく解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、導入の検討に役立ててください。
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Ahrefsの概要
Ahrefsについて、まずは概要を整理しておきましょう。
Ahrefsは全世界で使用されているSEO分析ツールです。
14兆ものリンクデータを保有し、24時間につき約40億のWebページをクロールしており、データ量は圧倒的でしょう。(2018年11月現在)
流入キーワード分析や被リンク調査などに主に用いられ、数だけでなく質を考慮した被リンク調査が行えるという特徴があります。
基本的な機能やAhrefsを使用する上でのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
基本機能を紹介
まずはAhrefsの基本的な機能についての簡単な紹介です。
「サイトエクスプローラー」では、ドメイン単位やURL単位で対象サイトのSEO分析をすることができます。
「コンテンツエクスプローラー」は、該当するワードについてソーシャルメディアで人気の高い記事を探せるツールです。
「キーワードエクスプローラー」では、キーワードの検索ボリュームや難易度を調査することもできます。
その他にも「アラート機能」や「ランキング調査」・「Ahrefs API」といった、SEO対策に役立つ様々な機能が使用可能です。
Ahrefsを使うメリット
SEO対策のためには、質の高い被リンクを獲得することが重要課題といえます。
Ahrefsを使う最大のメリットは、競合サイトの被リンクデータを取得できることにあるでしょう。
数はもちろんのこと、被リンクの質についてもどのようなサイトからどのようにリンクされているかなどを詳細に調査できます。
これにより得た情報を自社サイトの改善に活かすことができ、検索順位の向上に役立つのです。
Ahrefsのデメリット
Ahrefsの導入を考えたときに1番大きなデメリットといえば、無料トライアルができないという点でしょう。
トライアル自体はあるのですが、7日間で$7の有償となっています。
また機能のほとんどが英語版しかなく、公式ヘルプも英語で表記されているため、英語を苦手とする方は使いづらさを感じるでしょう。
しかしそれらのデメリットを考慮してもなお利用者が多いことから、SEO分析には必須のツールともいえます。
AhrefsのSEO対策での活用方法
AhrefsをSEO対策で活用するために、その有効な使い方についてご紹介します。
大まかに列挙すると、以下の5点にまとめられます。
- ドメインパワーの比較
- 被リンクの詳細を確認
- 流入キーワード調査
- 対策キーワードの選定
- 順位変動の履歴を確認
それぞれどのようなことができるのかを詳しく見ていきましょう。
競合サイトとドメインパワーを比較
Ahrefsでは独自の評価基準を用いてDR(Domein Rating)という指標でドメインパワーを比較することが可能です。
「サイトエクスプローラー」の「ドメイン比較」という機能を使うことで、比較したいドメインのDRが確認できます。
DRスコアを比較して大きく差があるような競合サイトとは、質で勝負してもなかなか検索順位は上がりません。
そのような場合は自社サイトの被リンク対策を優先的に行うなど、戦略を方向付けるために比較結果を活かすことができます。
被リンクの詳細を確認
おそらくAhrefsの機能の中で最も使用頻度が高いのは、「サイトエクスプローラー」で確認できる被リンク状況の分析でしょう。
被リンクの獲得数や参照ドメインの推移のほか、ページ単位での被リンクやアンカーテキストについても詳細に分析することができます。
自社サイトはもちろん、競合サイトの被リンク状況も詳しく調査することで、自社サイトとの違いを把握することも可能です。
被リンクについては定期的に確認し、質の低いリンクを拒否するなどのメンテナンスも必要になります。
競合サイトの流入キーワード調査
「サイトエクスプローラー」ではさらに、競合サイトの流入キーワードについても調査することが可能です。
「オーガニック検索」の機能では、具体的にどのキーワードからそのサイトに流入しているのかを明確に把握することができます。
この中に自社サイトで対策していないキーワードがあれば、それに関する新たなコンテンツを作成するなどの対策が可能です。
自社サイトの改善に直接役立てることができるため、SEO対策としては欠かせない活用方法といえるでしょう。
対策キーワードを選定
「キーワードエクスプローラー」では、該当するキーワードに対して検索ボリュームや難易度を調べることが可能です。
さらに便利な機能として、入力したキーワードに関する対策キーワードの候補も提案してくれるため、キーワードの選定に役立ちます。
ただし、このページには日本語機能がありません。そのため、よく使う用語についてはあらかじめ調べておくとよいでしょう。
代表的なものでは「Volume=キーワードの検索回数」「Parent Topic=親トピック」などが挙げられます。
順位変動の履歴から傾向を読み取る
「キーワードエクスプローラー」の中に「SERP position history」という機能があります。
これは、それぞれのキーワードに対する上位表示サイトの順位変動の履歴が確認できるという機能です。
これによって、それぞれのサイトの内容と順位を比較することで、どのような内容が評価されるかという傾向を読み取ることができます。
自社サイトの順位が下がってしまった場合などに、この機能を活用して対策を講じることが可能です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Ahrefsでわかる課題
これまで見てきた機能から、Ahrefsを活用することでSEO対策における課題を明確化することができるようになります。
対策すべきキーワードを選定して自社サイトに欠けている部分を補充し、競合サイトの強みから自社サイトの改善点を炙りだすことも可能です。
SEO対策では、思いつく全てのことを同時にこなすことは難しく、課題に優先順位をつけて取り組んでいく必要があります。
そのような時にAhrefsを利用することで、優先的に取り組むべき課題を明らかにすることができるでしょう。
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サイトエクスプローラーの活用法
Ahrefsのメイン機能であるサイトエクスプローラーの活用法について、さらに詳しく見ていきましょう。
サイトエクスプローラーでは被リンクの調査だけでなく、オーガニックキーワードやリスティングキーワードも調べることが可能です。
トップページにはライブインデックス統計が表示されていますが、その数字からも膨大なデータ量であることが示されています。
概要画面の使用方法
概要画面(ダッシュボード)では以下のデータを確認することができます。
- Ahrefsランク
- UR(URL Rating)
- DR(Domain Rating)
- 被リンク(総数)
- 被リンクドメイン(総数)
- オーガニックキーワード
- オーガニックトラフィック
- 有料検索広告の推定月間コスト
羅列すると情報量が多いように感じますが、ダッシュボードはすっきりとまとまったデザインで見やすく整理されています。
オーガニックキーワードで競合サイトを調べる
「オーガニック検索」というタブでは、オーガニックトラフィックやキーワードについて詳しい情報が得られます。
オーガニックキーワードを調べることにより、競合サイトがアクセスを得ているキーワードを正確に把握することが可能です。
キーワードごとに検索ボリュームやトラフィック・難易度・順位動向も確認でき、キーワードリサーチに大いに役立ちます。
競合サイトがアクセスを得ているキーワードを参考にコンテンツを作成することで、効率的なアクセス増が見込めるでしょう。
リスティングキーワード
「有料検索広告」のタブでは、リスティングキーワードについて詳しい情報が得られます。
競合サイトがリスティング広告に出稿しているキーワードについて、実際の広告や検索ボリューム・キーワードの難易度が判定可能です。
これにより収益性の高いキーワードの選定が可能になるでしょう。
キーワードエクスプローラーの活用法
キーワードエクスプローラーの活用法についても詳しく見ていきましょう。
Ahrefsのキーワードエクスプローラーでは30億以上ものキーワードデータベースを参照することで、精度の高い選定が可能です。
独自の切り口でのデータが多く、キーワード選定ツールとして頭角を現しつつあります。
概要画面が大切
概要画面(ダッシュボード)では以下のデータを一望することができます。
- キーワード難易度
- 検索ボリューム
- クリック数
- CPC(Cost Per Click)
- 全世界の検索ボリューム
- 親トピック(より範囲を広げたキーワード)
- 関連キーワード
- SERP順位変動
- SERP表示
こちらも項目の数は多いですが、すっきりと整理され分かりやすいレイアウトとなっています。
「Keyword ideas」を有効活用
「Keyword ideas」のボックスでは、関連キーワードの詳細を把握することが可能です。
入力したキーワードを含むフレーズや質問とみなされたフレーズ・検索サジェストなどについての情報がここからわかります。
この情報を参考にして自社サイトに組み込むべきコンテンツを検討することで、よりニーズに沿ったページを作成できるでしょう。
フィルタリング機能で情報をチェック
キーワードエクスプローラーではフィルタリング機能を活用することができます。
入力したキーワードに対して、検索ボリューム・キーワード難易度・SERP 表示の有無などでフィルターをかけることができるのです。
これによってさらに最適なキーワードを発見することが容易になり、得られた結果を自社サイトに活かしやすくなります。
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ahrefsの料金体系
Ahrefsの料金体系は以下の4つのプランから成り立っています。
- ライト
- スタンダード
- アドバンスド
- エージェンシー
「ライト」は手軽に導入できるエントリープランで、月額費用は$99です。
登録可能なサイト数は5サイトまで、1日に計測可能なURL数は100までと、機能がかなり制限されます。
「スタンダード」は人気の高いベーシックなプランで、月額費用は$179でサイト数は10サイトまで、URL数は500までです。
「アドバンスド」は3ユーザーで使用できる上級プランで、月額$399で豊富なクロールデータを使用できます。
「エージェンシー」は5ユーザーで使用できる代理店向けプランで、月額$999で複数クライアントの支援向きです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ahrefsの無料機能
Ahrefsには無料体験版がないことはすでにお伝えしました。
しかし、実はAhrefsに含まれる機能を単品で使える無料機能が存在するのです。(2021年4月現在)
Ahrefsの公式HP(英語版ですが言語を選択できます)を見てみると、フッター部分に「無料ツール」というメニューがあります。
ここでは被リンク分析やキーワードジェネレーターなど、13種類ものツールを無料で試すことができるのです。
中には無料登録が必要なものもありますが、ログイン不要ですぐに試せるものもいくつかあります。
もちろん機能はある程度制限されていますが、本格的な導入の前にこちらを使ってみてから判断しても遅くはないでしょう。
ahrefsの使い方で困った時は?
Ahrefsのコンテンツは日本語版もありますが、基本的にヘルプページは英語版しか用意されていません。
英語が堪能な方でなければ、使い方に困った場合に行き詰ってしまうことも多いでしょう。
もし問い合わせのハードルが高いと感じる場合は、マーケティングコンサルタントなどの専門家に相談することをおすすめします。
せっかく素晴らしいツールを導入しても、活用できないまま運用していては意味がありません。
正しい知識を持つコンサルタントに相談してツールの持つ機能を最大限に活用し、自社サイトの改善に十分役立てましょう。
まとめ
SEO対策における被リンク分析やキーワード分析について、Ahrefsの果たす役割は非常に大きいといえます。
この便利な分析ツールを最大限に活用することで、自社サイトの運用効率を大きく上げることもできるでしょう。
公式HPでは、英語ですが活用方法を動画で確認することもできます。導入前の検討にぜひ役立ててみてください。