自動会話プログラム・チャットボットは、LINEや顧客対応などさまざまな場面で活用されています。
チャットボットを導入して、業務の効率化を図りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、チャットボットの作り方やポイント、専用ツールを選ぶときの注意点についても解説しています。
チャットボットに興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
目次
チャットボットの概要
チャットボットとは、短い文章で会話するチャット(chat)とロボット(bot)を組み合わせた言葉です。
名前の通り、人間からの質問に対して音声やテキストで自動的に応答するシステムになります。
iPhoneにインストールされているSiriなどが代表的な例です。
チャットボットを導入することで、ユーザーの質問を早急に解決できるというメリットがあります。
では、チャットボットはどのような仕組みでユーザーの質問に対する答えを導き出しているのでしょうか。
チャットボットの仕組み
チャットボットは、アプリケーションとbotというプログラムがAPI連携でつながることによって成り立っています。
API連携とは、Application Programming Interfaceの略で、ソフトウェアやプログラムをつなげるインターフェース(接点)のことです。
例えば、アプリケーションからユーザーが質問すると、APIを通じてbotが質問を分析して回答を作成します。
botで作成された回答は、APIを通じてアプリケーションに表示される、という仕組みです。
チャットボットの機能
チャットボットの主な機能は次の4つです。
- 問い合わせなどへの自動応答
- 回答精度の向上
- FAQ連携
- 外部システム連携
問い合わせなどへの自動応答は、チャットボットで最も活用されている機能といえるでしょう。
AIが搭載されているチャットボットの場合は、ユーザーとの会話を繰り返すことで回答精度が向上するサービスもあります。
FAQ(よくある質問)と連携させておけば、人の手を煩わすことなく、チャットボットとユーザーの間で問題が解決することも多いでしょう。
外部システムと連携できることもチャットボットの特徴です。
社内の在庫管理システムや人事管理システムと連携することで、在庫数や社員の勤務状況を確認することができます。
チャットボットが担う役割
チャットボットが担う役割はさまざまです。
チャットボットが導入されているサービスには次のようなものがあります。
- 問い合わせ対応
- 接客対応
- 申し込み手続き
- 自動配信
- コミュニケーションツール
チャットボットは、問い合わせ対応だけでなく、ユーザーが探している商品やサービスを紹介する接客対応もこなすことができます。
プログラムを組み込んでおくことによって、申し込み手続きやコンテンツの自動配信なども可能です。
チャットボットを擬人化して会話も楽しむことができるなど、幅広いサービスを展開できるのがチャットボットの魅力といえるでしょう。
チャットボットの種類
チャットボットは、AIを搭載しているかどうかと応答形式の種類によって、いくつかのタイプに分類されます。
それぞれ詳しくご紹介しましょう。
AI搭載の有無による分類
チャットボットは、AI搭載の有無で分類されます。
- 人工無能型
- AI搭載型
人工無能型は、AIを搭載していないチャットボットです。
シナリオ型・ルールベース型とも呼ばれ、人間があらかじめ設定したルールにしたがって自動応答するシステムになります。
手軽に導入することができますし、簡単な質問であれば十分対応可能です。
AI搭載型は、AIが質問内容を学習してくれるので、さまざまな質問に柔軟に対応できるというメリットがあります。
ただし、導入費用は人工無能型よりも高額になってしまうことと、人間によるメンテナンスが必要であることは頭に入れておきましょう。
応答形式の種類
チャットボットの応答形式は、全部で4種類あります。
- 選択肢タイプ
- ログタイプ
- ハッシュタイプ
- Elizaタイプ
選択肢タイプは、名前の通り、あらかじめ設定されているシナリオや選択肢を選んで回答する応答形式になります。
ログタイプは、過去の会話をログとしてチャットボットのデータベースに蓄積し、活用することでより自然な会話が楽しめる応答形式です。
AI搭載型のチャットボットであれば、蓄積するデータが多ければ多いほど応答内容が人間同士の会話に近づきます。
ハッシュタイプは辞書タイプとも呼ばれており、登録されたひな形に沿って回答する応答形式です。
選択肢タイプよりも回答の幅がさらに狭くなります。
Elizaタイプは、いちばん最初に作られたチャットボットの名前からとられており、4つのタイプの中で唯一質問に回答しない応答形式です。
Yes・Noなどを挟みつつ、時にはユーザーの話す内容を要約して反芻するなどして聞き手に専念します。
チャットボットの作り方
チャットボットは、開発の全てを自社で行う方法と、専用ツールを利用して作る方法があります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
自社開発
チャットボットを一から自社で開発する場合は、先ほどご紹介したAPIかフレームワークを活用するのがおすすめです。
APIを提供しているアプリケーションには次のようなものがあります。
- LINE
- Slack
- Kik
APIを活用すれば、それぞれのアプリケーションに対応したチャットボットを作成することができます。
チャットボットを開発するアプリケーションやシステムが整っているフレームワークを活用するのも便利です。
APIは、特定のアプリケーションに対応したチャットボットしか作成できません。
いっぽう、フレームワークであれば複数のアプリケーションに対応したチャットワークが作成可能です。
ただし、プログラミングなどの専門知識がある程度必要となります。
作成ツールの活用
専用の作成ツールを活用すれば、目的に応じたチャットボットを作成することができます。
作成ツールによって、コストや対応しているアプリケーション、得意とするジャンルが違うので、自社に最適なツールを選ぶようにしましょう。
チャットボットの作成をツールに任せるとしても、設定するシナリオやデータを自社で作成するのであればある程度の専門知識は必要となります。
AI搭載型のチャットボットであれば、作成した後もメンテナンスは必要です。
設置する場所がホームページのお問い合わせフォーム内か、アプリ内かによっても選ぶ作成ツールは違ってきます。
つまり、チャットボットを作成するためには、事前に綿密な計画を立てておくことが重要なのです。
チャットボットを作成する前に準備すべきことについて、次の章で詳しく解説していきます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
チャットボットを作る前に準備したいこと
さまざまな使い道があるチャットボットを導入すれば、業務の効率化につながると考える人も多いでしょう。
しかし、チャットボットが全ての用途において効率化を図れるわけではありません。
中にはチャットボットが向いていない場合もあるのです。
チャットボットを作成する前に、きちんと情報収集を行い、準備する必要があります。
目的・目標の明確化
チャットボットを作成するうえで、目的・目標をはっきりさせておくことは必須といえるでしょう。
チャットボットを導入する目的には次のようなことが考えられます。
- カスタマーサポートの人員削減
- 社内業務の効率化
よくある質問への対応をオペレーターではなくチャットボットに任せることにより、カスタマーサポートの人員を削減することができるでしょう。
先にご紹介した通り、チャットボットは社内の在庫管理システムや人事管理システムと連携できるので、社内業務の効率化を図ることも可能です。
もし、チャットボットに設定する情報が限定される場合、人工無能型を選べばコストもあまりかかりません。
設定するデータの情報量に応じて、自社に適したチャットボットを選ぶようにしましょう。
顧客ニーズの調査と情報収集
チャットボットを活用する場合は、顧客ニーズの調査と情報収集も不可欠です。
例えば、FAQを設定する場合はどのような質問内容が多いのか調査する必要があるでしょう。
配信ツールとして活用する場合は、顧客がどのような商品やサービスを求めているのか調査しなければなりません。
顧客のニーズにマッチした選択肢を用意し、チャットボットに設定するのは人間なのです。
では、チャットボットは実際どのように作成するのでしょうか。
チャットボットを作成する流れについて、次の章で解説していきましょう。
チャットボットを作る際の流れ
チャットボットを作る際は、まず下記の手順から始めましょう。
- チャットボットを導入する目的・目標を決める
- ユーザーのニーズを把握する
ここから先は自社で作成する場合とツールを活用する場合で手順が違ってきます。
それぞれ詳しくご紹介しましょう。
自社で作成する場合の流れ
自社で作成する場合の流れは次のとおりです。
- 利用するAPIやフレームワークを決める
- チャットボットに設定するシナリオを作成する
- シナリオを設定し、動作を確認する
次に、ツールを活用して作成する場合の流れをご紹介します。
ツールを活用して作成する場合の流れ
ツールを活用して作成する場合の流れは次のとおりです。
- 人工無能型かAI搭載型にするかを決める
- ツールを選定する
- 設置場所を決める
- シナリオを設定し、動作を確認する
ツールを活用する場合は、作成したチャットボットをアプリケーションやWebサイトに埋め込む必要があります。
チャットボットを作成する前に、設置場所を決めておきましょう。
チャットボットを作る際のポイント
チャットボットを作る際、ポイントとなるのはシナリオです。
チャットボットの導入目的・目標に沿ったシナリオを作成するようにしましょう。
チャットボットが対応できるデータ量には限度があるため、完璧な対応を求めてあれもこれもとシナリオを詰め込みすぎるのは禁物です。
チャットボットのスペックに合わせて、適切な業務量を設定するようにしましょう。
チャットボット作成ツールを選ぶ際のチェック事項
チャットボット作成ツールを選ぶ際、まず気になるのはコストでしょう。
無料で利用できる作成ツールもありますが、効果測定システムやサポート体制が整っていない場合もあります。
チャットボットの運用も念頭に置いて、作成ツールを選ぶことが大切です。
効果検証のしやすさ
チャットボットを運用していくうえで、効果測定・検証は必須といえるでしょう。
チャットボットを最大限活用したいのであれば、分析ツールが備わっている作成ツールを選びましょう。
軌道修正のしやすさ
チャットボットのシナリオは、状況に応じて常にアップデートしなければなりません。
特にAI搭載型の場合、AIが学習して成長するので、自社にマッチした仕様への変更が必要となる場合もあるでしょう。
シナリオの修正が簡単に行えるかどうかも、作成ツールを選ぶうえで重要なポイントといえます。
サポート体制の充実度
チャッドボットの運用でわからないことやトラブルが発生した場合、自社で対応できないことも多いでしょう。
シナリオのアップデートなどのメンテナンスにも専門知識が必要となります。
長期に渡ってチャットボットを運用していくのであれば、サポート体制が充実している作成ツールがおすすめです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
チャットボットを作成し導入する際の注意点
チャットボットを作成して導入するまでには、ある程度時間がかかってしまいます。
例えば、チャットボットに設定するシナリオを作成するためにはまず顧客のニーズの調査から行わなければなりません。
AI搭載型のチャットボットの場合は、AIが自然に応答できるまで、シナリオを学習する時間も必要です。
また、チャットボットを導入してもシナリオのアップデートは欠かせません。
あまりに複雑な質問には対応できませんし、マーケティングに活用しようとしても、思ったような効果が得られない場合もあるでしょう。
チャットボットの導入による費用対効果についても、事前にきちんと検討しておくことをおすすめします。
DX化の事例はこちら
チャットボットの導入に関して悩みがあったら
自社でチャットボットを作成すれば、導入コスト自体は抑えることができますが、プログラミングなどの高い専門知識が必要となります。
チャットボット作成ツールを利用する場合も、チャットボットに設定するシナリオは自社で作成しなければなりません。
ユーザーのニーズを把握するため、マーケティングのノウハウも必要となるでしょう。
このように、チャットボットの導入に関して悩みがあったら、専門コンサルタントのデジマクラスを活用しましょう。
チャッドボットの作成から運用まで、デジマクラスがていねいにサポートいたします。
まとめ
チャットボットは、さまざまな業界で活用されている自動応答システムです。
APIやフレームワークを使って自社で開発することもできますし、専用の作成ツールを活用して開発することもできます。
ただし、チャットボットに設定するシナリオ作成・アップデートには専門知識が必要です。
チャットボットの導入で困ったら、専門コンサルタントのデジマクラスにぜひご相談ください。