企業が存続を維持するためにも、利益を出し続けなければいけません。

顧客が減り売上が激減してしまい、どのように経営を持ち直していくか悩んでいる企業もあると思います。

そこで注目したいのが、V字回復してきた企業たちです。

ここでは、V字回復した企業の実例についてご紹介していきます。

また会社経営の問題点や、V字回復に導くポイントについても解説していきます。

V字回復の意味と特徴

ビジネスマン

V字回復とは、企業の経営において利益が減り、経営の危機的状況から回復するまでのことを指します。

V字回復は、経営の危機から何か施策を行い経営危機から脱出するというのが大きな特徴です。

その施策にはさまざまあり、必ずしもその施策がヒットするとは限りません。

V字回復で成功した事例についてご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

 

ワンポイント
V字回復は、経営の危機から施策を行い事業を立て直すことを意味します。

 

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企業をV字回復に導いた有名な経営者の例

男性

V字回復に導いた経営者はどのような施策を行い、経営危機から逃れたのでしょうか?

事例をみていきましょう。

無印良品

良品計画は、無印良品の商品開発から販売まで行っている企業です。

無印良品は、2001年に38億円の赤字となりました。そのタイミングで代表に就任したのが松井忠三氏です。

松井氏は、現状の企業の環境について見直すことにしました。

企画が生み出されてもその企画を実行し、その改善を行っていくという流れが出来ていない状況に着目したのです。

企業の環境を見直し、業務内容を共有したり、成功事例を他店舗で共有したりと、情報の見える化を行ったのです。

その結果、他店舗でも売上が伸びるようになり、V字回復の実現に繋がりました。

ジャパネットたかた

ジャパネットたかたはテレビを中心に、通販を行っています。

前代表である高田氏本人もテレビに出演し、商品を紹介しており注目を集めていたのが有名ではないでしょうか。

ジャパネットたかたは2012年頃、約600億円の売上減少に陥りましたが、そこからV字回復させました。

当時、消費税増税もあり、消費者の商品の購入率が下がっていました。

そこで当時代表の高田氏は、新しい施策を行うのではなく、通販の原点に戻ることにしたのです。

消費者との関係について着目し、どのようなことを行ったら、消費者が商品を購入したいかということを考えました。

高田氏は、商品を使った時にどのような幸せがあるかということをテレビを通し伝えたのです。

その熱い想いがテレビを通し消費者へと伝わり、V字回復させる1つの施策となったのです。

マクドナルド

マクドナルドは安価で子供から大人まで幅広い層が利用しているファーストフードです。

2014年に鶏肉偽装事件があり、2015には異物混入事件があり、世間を賑わせました。

このような事件が立て続けに起きたことによりマクドナルドは、約340億円の赤字を出し危機的状況となりました。

当時社長であったサラ・カサノバ氏は危機的状況から脱出するため、ある施策を行ったのです。

その施策とは、「グランシリーズ」の発売です。

当時、消費者の意見は安くて早く提供され食べることができるといった意見が多く、「美味しさ」が求められていないような意見でした。

そこで、マクドナルドは消費者の意見に着目し、「美味しさ」を重視したグランシリーズを発売しました。

グランシリーズでは、ふわふわのバンズに新鮮な野菜、肉厚のビーフが挟まれており、今までのハンバーガーよりも美味しさを求めたのです。

グランシリーズはヒットし、V字回復に至る1つの要因となりました。

大企業のV字回復事例

ビル

大企業のV字回復事例についてみていきましょう。

チョコボール

森永製菓で有名なチョコボールもV字回復させた1つの事例です。

森永製菓は、製菓を中心に製造・販売している企業です。

チョコボールは50年以上の歴史もあり、ロングセラーの商品でした。

しかし2010年頃に他企業から出た競合商品の影響により売上が落ちていったのです。

チョコボールはターゲットを子供としており、子供が楽しめるように箱にくじを付けたりしていました。

競合商品との大きな違いは、競合商品が人気のあるキャラクターを使ったことです。

子供から人気のあるキャラクターだったため、チョコボールの売上が落ちていってしまったのです。

そこで、森永製菓はターゲットを子供から大人に幅を広げました。

その商品が「開かずのチョコボール」「開かずのカンヅメ」です。

簡単には開けられないような仕組みになっており、大人心をくすぐる商品にしました。

SNSで商品が拡散され、売上も伸び、V字回復させることが出来たのです。

雪印メグミルク

雪印メグミルクは乳製品や飲料を中心に製造・販売している企業です。

雪印メグミルクは、2000年の雪印牛乳の食中毒事件によって大幅に利益が激減しました。

食中毒事件により、消費者からの信頼はなくなり、ブランドイメージが落ちてしまったのです。

雪印メグミルクは、現状の課題を解決していくため、ブランド回復の長期的な目標を立てあらゆる施策を行いました。

その施策の1つがサイトのリニューアルです。

サイトに消費者が求めているような情報の見える化を意識してリニューアルを行いました。

またコンテンツも消費者が魅力に感じるような内容にし、アクセス数を伸ばしていったのです。

アクセス数は、約4年半かけて84倍まで伸ばすことが出来ています。

またマーケティングにSNSを利用し、消費者目線でのマーケティングに力を注ぎました。

その結果、消費者の信頼が戻ってきてV字回復をすることが出来たのです。

中小企業のV字回復事例

デメリット

中小企業のV字回復事例にはどのようなものがあるのでしょうか。

具体的に事例をみていきましょう。

ペヤング

まるか食品は、即席ラーメンやスナック麺などの製造・販売を行っている企業です。

まるか食品で有名な商品といえばペヤングではないでしょうか。そのペヤングもV字回復した1つの事例です。

2014年にペヤングの異物混入事件があり、一気に売上は激減しました。

V字回復に至る大きなきっかけとなったのが、激辛ペヤングです。

激辛ペヤングは面白みがあり、ヒット商品となりました。

SNSやYouTubeで取り上げられ、一気に売上を伸ばすことが出来たのです。

現在でも極激辛味やチョコ味など、次々と面白い商品が発売され、発売されるたびに注目を集めています。

リンガーハット

リンガーハットは、長崎ちゃんぽんリンガーハットを始め飲食店を全国に展開している企業です。

リンガーハットは、2009年頃に24億円の赤字を出し危機的状況となっていました。

その原因の1つが、顧客を増やすため価格を下げコストカットを行ったことです。

値下げをしたにも関わらず顧客が増えることなく、利益が落ちていきました。

コストカットを行ったことで、商品の質が落ちてしまったのです。

そこでリンガーハットは、消費者がリンガーハットの商品に何を求めているのかについて着目しました。

そこで実践したのが、ちゃんぽんの野菜を国産に変え、野菜が取れるヘルシー志向にも喜ばれる商品を開発したのです。

この商品が消費者にヒットし、V字回復させる1つの商品となりました。

 

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マーケティング活動におけるよくある問題点

悩む男性

企業が利益を出すためにも、マーケティング活動は重要になります。

IT技術の発展に伴い、マーケティング方法も日々増えています。

効果あるマーケティングは何か、日々模索している企業も多くあるでしょう。

上手く活用していくことで、大きな効果を期待できるのがマーケティングです。

しかしマーケティングについて勉強せず行ってしまうと、効果も出ずコストばかりかかってしまう可能性もあります。

ここでは、マーケティング活動におけるよくある問題点について解説していきます。

顧客単価が低い

顧客単価とは、顧客が購入時に支払う金額のことを指します。

マーケティング活動における問題点の1つは顧客単価が低いことです。

顧客単価を低くすれば、顧客は魅力を感じ購入に至るかもしれないですが、企業にとって売上が落ちてしまう可能性があります。

マーケティングが上手くいかず、施策も立てずに単価を下げてしまうと、利益が減ってしまうのです。

顧客数が少ない

問題点の1つに顧客数が少ないことが挙げられます。

顧客数が少ないほど、比例して利益は下がってしまいます。

マーケティングにおいて新規顧客を獲得していくことはもちろん、既存顧客を維持することも重要です。

新規顧客の獲得には、コストや手間がかかります。

この新規顧客を獲得することだけに注力してしまうと、既存顧客が離れてしまう可能性があります。

企業の利益を維持していくためにも、既存顧客はとても重要な存在なのです。

新規顧客を獲得することも大事ですが、既存顧客の維持のためのマーケティングが出来ているのか確認してみましょう。

営業のモチベーションが低い

疲れている男性

マーケティング活動を行うためにも、営業に動いてもらわなければいけません。

問題点の1つとして挙げられるのが、営業のモチベーションが低いことです。

モチベーションが下がってしまうほど、マーケティングにも影響してきてしまうでしょう。

企業が利益を出すため、マーケティングの施策を考えることは重要です。

そしてその施策を行うためにも、営業のモチベーションを上げる環境を企業内で作りましょう。

給料を上げたり、インセンティブを作ったり、福利厚生を充実させたりモチベーションを上げる方法はいくつもあります。

一度、企業内の環境がどうなっているのか確認してみることも重要です。

営業効率が悪い

よくある問題点の1つに、営業効率が悪いことが挙げられます。

営業活動を行う際に、ツールなどは利用していますか?

営業活動を効率良く運用していくには、ツールを利用することがおすすめです。

ツールを利用することで、営業効率も上がり、利益へと繋げることが出来るでしょう。

 

ワンポイント
マーケティング活動におけるよくある問題点
・顧客単価が低い
・顧客数が少ない
・営業のモチベーションが低い
・営業効率が悪い

マーケティング活動におけるよくある課題

男性

マーケティング活動において成果を出すためにも、どうすれば良いか悩んでいる企業も多いと思います。

他の企業で行っているマーケティング方法が、必ず自社で成果が出るとは限りません。

マーケティング活動におけるよくある課題は、PDCAを上手く回せないところです。

PDCAとは、計画・実行・評価・改善のサイクルを回していき、目標達成を目指すことを指します。

マーケティング活動において、このPDCAサイクルはとても重要なことなのです。

施策を立て、施策の結果が芳しくない時もあるでしょう。

その施策のデータから課題や改善点を見つけ、次の施策を立てていくのです。

このPDCAを回し続けていくことが重要といえるでしょう。

 

ワンポイント
PDCAを上手く回せているか確認してみましょう。

V字回復させるためのポイント

ひらめき

V字回復させるためには、どのようなことをポイントにすれば良いのでしょうか。

ポイントについてみていきましょう。

必要最低限のコストでスタート

V字回復を行う際には、利益を上げていくため大規模な施策も時には必要になります。

そんなマーケティングを行ううえで、多くのコストが必要になる場合もあるでしょう。

ポイントとしては、必要最低限のコストでスタートさせることが重要です。

利益を上げるために、コストをかけ、効果が得られなかった場合はさらに利益が落ちてしまいます。

戦略を練ったマーケティングが必ずしもヒットするとは限りません。

必要最低限のコストから始め、徐々にマーケティングの幅を増やしていくことが重要といえるでしょう。

顧客層の拡大

書類

V字回復をさせるために、顧客層を拡大させることもポイントの1つです。

企業がマーケティングを行ううえで、ターゲットとしている顧客層があるでしょう。

その顧客層に固執せず、顧客層を広げ、マーケティングを行ってみることも手法の1つです。

顧客層を広げることで、顧客のデータも多く取ることが出来ます。

そのデータから新たなマーケティングを生み出すことも出来るかもしれません。

顧客層を拡大させることは、企業にとって視野を広げることができ、新たなビジネスを生むチャンスに繋がる可能性もあるでしょう。

会社をV字回復に導くために今できること

悩み

会社をV字回復に導くために出来ることは何があるのでしょうか?

  • 経営課題の発見
  • 会社内外の経営環境の俯瞰
  • 会社の数字の分析

ポイントごとに解説していきます。

経営課題の発見

現状の経営の課題を見つけるようにしましょう。

まず自社の現状をしっかり把握出来ているのかということが重要になります。

そしてその現状を把握し、どのようなことが今後課題として解決していかなくてはいけないのか理解しておくことが重要です。

経営課題を把握せずそのままにしていると、どんどん経営状況が悪化してしまう可能性へと繋がってしまいます。

経営課題を理解し、改善していくことを心がけるようにしましょう。

会社内外の経営環境の俯瞰

男性,ビジネス,グラフ

V字回復に導くために、会社内外の経営環境を俯瞰してビジネス戦略を立てていくことが重要です。

自社の経営環境はどうなっているのか、業界はどのような動きをしているのか、俯瞰してみてみましょう。

V字回復のビジネス戦略を立てるために、社長だけでなく、従業員の力を借りることもポイントの1つです。

そのために会社内の情報をオープンにしたり、情報を発信できる場を作ったり会社の環境を整えてみましょう。

多くの情報を得ることで、視野も広がり、経営環境を俯瞰してみることができるための道を拓くことができるでしょう。

会社の数字の分析

会社の数字の分析を行うことは、大きな1つのポイントです。

分析を行わなければ、会社の利益が落ちていても改善策を立てることが難しくなるでしょう。

マーケティングは、施策を行い、その施策にどれだけ効果があったのかデータを元に分析することが重要です。

そして次のマーケティングに改善していくことで、大きな効果を期待できます。

分析を行うことは業績を安定させるためにも、必要不可欠といえるでしょう。

経営改革に悩みを抱えている場合は

男性

経営改革にはさまざまな方法があり、悩んでいる企業が多くあるでしょう。

他企業が経営改革で上手くいった施策を自社で取り入れても、必ずしも効果があるかは予想できません。

企業によってどのような施策を行うかは、じっくり戦略を立てていかなくてはいけないのです。

経営改革に悩みを抱えている場合は、デジマクラスへご相談ください。

デジマクラスのコンサルタントが一緒に悩みを解決できるようお手伝いします。

 

ワンポイント
経営改革に悩みがある場合は、プロのコンサルタントの手を借りることも大きなポイントです。

 

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まとめ

ビジネスマン、走る

コロナが流行し、経営危機に陥っている企業が増えています。

V字回復しなければと施策を考えている企業もあるでしょう。

企業の業績の悪化は予期しなくとも、突然訪れる場合もあります。

V字回復の施策を立てている場合は、ご紹介したポイントを参考にしてみてください。

また経営改革に悩みを抱えている場合は、デジマクラスへご相談ください。