コンバージョンや目標値への貢献度を評価する概念にアトリビューションというものがあります。

このアトリビューションシステムは、世界最大の広告企業Facebookでも計測が可能であり、今注目されている考え方です。

うまく活用することでマーケティング戦略の効果検証・改善が行えます。

本記事では、そのFacebook広告のアトリビューションの使い方や、事前準備について解説します。

Facebookの「アトリビューション」概要

SNS

Facebookのアトリビューションとはどのようなものなのか、その概要を解説していきます。

アトリビューションとは

コンバージョンに至った直接の接点だけでなく、そこまでの過程であった複数の接点の貢献度を評価します。

Facebook広告でも、一部の指標ではこのアトリビューションを計測・確認することが可能です。

これを確認することで、広告にクリックしたりビューが発生したりしてからどれだけアクションに至ったかが評価可能になります。

データを分析する際には、アクションの違いやアクションが発生する場所によってデータ確認の場所が異なるため注意が必要です。

アトリビューション設定について

アトリビューション設定とは、広告の成果としてコンバージョンに至ったと判断できる期間を設定することを指します。

この設定は期間限定のキャンペーンなどに適したものです。

Facebookでは、この期間中に起きたコンバージョンを学習し、コンバージョンの見込みのあるユーザーに広告を表示します。

広告マネージャでキャンペーンを作成する際の設定では、以下のウィンドウがサポートされます。

  • クリックから7日間(デフォルト)
  • クリックから1日間、または表示から1日間
  • クリックから7日間、または表示から1日間

 
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Facebook広告のアトリビューションの活用目的

SNS

次にFacebook広告におけるアトリビューションの活用目的を説明します。

投資収益率の最大化

Facebook広告におけるアトリビューションの活用目的に1つに、投資収益率の最大化が挙げられます。

以下のような見込み客の動きに悩んでいる企業は、この分析方法を用いることで投資収益を最大化できる場合があります。

  • 見込み客が自社の製品やサービスの購入を長期間検討していて、自社の広告やSNSと接触している。
  • 見込み客が自社が開催したキャンペーンを複数の媒体で活用検討している。
  • 複数の広告媒体を活用しているため、コンバージョンの際にダブルコストが発生している。
  • SNSや自社コンテンツでブランディングをしていて、その効果を確認したい。

1つでも当てはまるようであれば、アトリビューションの分析の検討をおすすめいたします。

オーディエンスの最適化

ビジネスを操る手

Facebookアトリビューションツールでは、販売元・流通経路・端末をまたいで広告の貢献度が測定できます。

広告はさまざまなWebサイトに表示されるため、広告の影響を把握できるこのツールは役立つといえるでしょう。

さらには、広告やキャンペーンの効果の最大値を見つけることもできます。

最大値を知ることで、ターゲット層に最適であるチャネルに戦略を持って力を入れられます。

したがって、コンバージョン率が良いキャンペーンに集中させることで、強いアプローチが行えるでしょう。

そのためオーディエンス最適化ができるようになります。

マーケティング戦略の効果検証・改善

先ほどより述べていますが、アトリビューションを活用するとマーケティング戦略の効果検証が可能です。

そのため、コンバージョンに貢献している活動を見つけることができます。

成果を出している広告を分析することで、さまざまな広告の影響について把握できるでしょう。

その有益な情報を基に、効果を上げていない広告を改善することができます。

Facebook広告のアトリビューションの種類

SNS

Facebook広告のアトリビューションの種類は以下の2つがあります。

ビュースルーアトリビューション

これは、インプレッションによりインストールが行われたことを指す言葉です。

ユーザーが広告を見てもクリックには至らなかったが、アトリビューションウィンドウ期間内にアクションした数を表します。

またインプレッション計測ともいわれることがあり、ユーザーが広告を見てからインストールするまでに時間が空く場合もあります。

クリックスルーアトリビューション

ユーザーが広告を実際にクリックし、アトリビューションウィンドウの期間内にアクションを起こした数を指します。

ビュー、及びクリックの両方が発生した場合、Facebookではクリックのみを記録する仕組みです。

また、クリックスルーアトリビューションには、広告へのエンゲージメントクリックを含む場合があります。

Facebook広告のアトリビューション活用の準備

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実際にFacebook広告のアトリビューションを活用する場合には、必要な準備があります。

以下4点についてご紹介します。

  • ビジネスマネージャの作成
  • ビジネスラインの設定方法の把握
  • 広告アカウントとデータソースの管理
  • アクセス許可の取得

ビジネスマネージャの作成

まずは、ビジネスマネージャアカウントを作成する必要があります。

ビジネスマネージャとは、Facebook上でのマーケティング活動を管理できるツールです。

ビジネスマネージャアカウントの作成には、個人Facebookのユーザーネームとパスワードが必要になります。

そして、個人Facebookのユーザーネームとパスワードで本人確認を実施し、ビジネスマネージャを作成しましょう。

ビジネスマネージャを作成するには、ビジネス名・名前・仕事用のメールアドレスが必要です。

ビジネスラインの設定方法の把握

設定

ビジネスラインとは広告アカウント及び、アセットをまとめて広告アカウントのキャンペーン効果を測定できるようにしたものです。

アセットというのは、アプリ・ピクセル・オフラインイベントセットなどを指します。

Facebookアトリビューションを使用すれば、特定のビジネスラインのパフォーマンスをトラッキングすることが可能です。

さらにはカスタムレポートの作成ができ、非常に便利な機能になります。

このビジネスラインは、ビジネスマネージャで作成することができます。

広告アカウントとデータソースの管理

広告アカウントの管理者は、自分の広告アカウントにより他の人の権限の管理ができます。

また、ビジネスマネージャでは以下のデータソースの管理が可能です。

  • カタログ
  • Facebookピクセル
  • オフラインイベントセット
  • カスタムコンバージョン
  • プロパティ
  • イベントソースグループ
  • 共有オーディエンス
  • SDK

これら広告アカウントとデータソースを整理するところから始める必要があります。

アクセス許可の取得

広告アカウントのアクセス許可を取得するには、その人が実行可能な操作情報を選択する必要があります。

また、広告マネージャでFacebookページのアカウントを宣伝する場合、以下の権限が必要です。

  • ページ管理者
  • 編集者
  • モデレーター
  • 広告管理者
  • 求人マネージャ

これらはページ管理者が権限を割り当てることができます。

Facebook広告のアトリビューション活用にあたり念頭に入れておくべき内容といえるでしょう。
 
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「アトリビューションウィンドウ」の意味と変更方法

スマートフォン

アトリビューションウィンドウとは、ユーザーが広告をクリック、または見た後にアクションを起こすまでの日数をいいます。

Facebookでは広告のクリック・ビューに基づき、広告から発生したアクションの計測を行います。

初期設定では閲覧1日、クリック28日となっているため独自で設定が必要です。

これの変更方法は以下の通りです。

  • 広告アカウントの管理者権限を割り当てた状態で広告アカウントにアクセス
  • 画面左上メニューの設定をクリック
  • 画面右上に「アトリビューション」の項目が表示されるのを確認
  • 「編集する」を選択してアトリビューションウィンドウを調整

 

ワンポイント
ビューとクリックのアトリビューションウィンドウは、1日・7日・28日に変更可能です。

広告内外のアクション

スマホでショッピング

アクションとは、広告内のリンククリック・動画広告の視聴・イベント参加などのコンバージョンのことを指します。

このアクションが発生する場所によって、データの確認方法が異なるため注意しましょう。

広告内で発生するアクション

広告内で発生するアクションというと、ユーザーが広告を視聴した際のインプレッション数とその広告のクリック数が挙げられます。

ユーザー自身や友達が投稿した写真・近況・コメントなどが表示される画面をニュースフィードといいます。

この画面上に1度広告が表示され、それをクリックすると1インプレッション・1リンククリックとカウントされる仕組みです。

他にも広告内でのみ発生するアクションとしては、動画の視聴・投稿のリアクション・投稿のシェアなどがあります。

広告外で発生するアクション

アクション

広告外で発生するアクションは、ウェブサイト上での購入が挙げられます。

このアクションはユーザーが広告を見るまたは、クリック後に設定した日数内に発生した場合、広告にアトリビューションされます。

初期設定では、広告セットレベルのアトリビューション設定に沿ったアクションが表示される仕組みです。

広告内と広告外で発生するアクション

広告内と広告外の両方でアクションが発生するケースもあります。

例をあげると、イベント開催の広告が当てはまるでしょう。

ユーザーはそのイベント開催広告内で直に参加の意思表示をすることも、イベントページに移って申し込むことも可能です。

広告内で発生しているアクションは、広告マネージャのパフォーマンス項目から確認できます。

広告外で発生しているアクションは、アトリビューションで確認する必要があります。

 

ワンポイント
広告に対して発生するアクションは3種類となります。

アトリビューション項目の表示方法

イイネをする男性

アトリビューション項目の表示方法は以下の通りとなります。

  • 広告マネージャーにて「パフォーマンス」を選択
  • 「列をカスタマイズ」を選択
  • アトリビューションウィンドウの「比較ウィンドウ」を選択
  • 比較したいアトリビューションウィンドウにチェック
  • 「実行」を選択

 

ワンポイント
上記の通り作業すると、パフォーマンス項目の列に選択したウィンドウが表示され、データの確認ができます。

アトリビューション分析の注意点

チェックリスト,指

アトリビューションを使って分析するにあたり、注意すべき点があります。

この項目では、3つの注意点をご説明します。

ビューアトリビューションと間接効果

まず1つ目は、偶然的にコンバージョンに至った可能性があることを考慮しなくてはならない点です。

ビューアトリビューションは、顧客が広告をクリックをしなくても広告が表示されただけでコンバージョンを計測します。

そのため、偶然コンバージョンが発生する可能性は否めません。

それを含めたくない場合には、アトリビューションウィンドウからビューアトリビューションを除外する必要があるでしょう。

アトリビューション分析には向き不向きがある

2つ目は、この分析には向き不向きがあるという点です。

高額である製品やサービスは消費者が検討する期間が長くなるため、この分析方法が向いています。

逆に少額の製品やサービスの場合には、消費者の検討期間が短いため不向きだといえるでしょう。

このように、向き不向きを見極めた上で導入する必要があります。

コンバージョンに至らなければ評価されない

3つ目は、アトリビューション分析は認知のきっかけであってもコンバージョンに至らなければ評価されない点です。

この分析方法は、コンバージョンに至った過程を追うものです。

そのため優れた広告を出したとしても、成果がないと評価対象外となってしまい、広告の価値に気づきにくくなる場合があります。

分析する際には、この特徴を押さえておく必要があるでしょう。

 

ワンポイント
アトリビューション分析だけに頼ると、評価に偏りが出てしまいます。効果が上がらないときは他の分析手法も利用しましょう。

Facebookのアトリビューション活用で悩んだら

オフィスにいるビジネスマン

どのような業界でも、投資収益率の最大化・オーディエンスの最適化・マーケティング戦略の効果検証は必要不可欠な活動です。

それらの活動を行うにあたり、活用すべきだといえるのがFacebookのアトリビューションです。

しかし、これをうまく活用したくても、思うように進められないケースもあるでしょう。

やみくもに進めても、効果が得られなければ時間と費用が無駄となってしまいます。

そこで、そのようなお悩みを抱えている場合には専門家であるプロのコンサルタントへの相談をおすすめいたします。

コンサルタントに相談すれば効率的に成果を出すことができるでしょう。
 
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まとめ

男性

この記事では、Facebookのアトリビューションの使い方やアトリビューションウィンドウについてご紹介しました。

しかし、すべてにおいてこの分析方法が通用するわけではありません。

消費者が検討する期間によって向き不向きがあるため、製品やサービスの金額に左右されます。

また、分析方法をアトリビューションだけに頼ると評価に偏りが出る場合があるため、さまざまな分析方法を検討しましょう。

それでも不明な点がある場合には、プロのコンサルタントのデジマクラスを是非ご活用ください。