コピーライティングとは、広告宣伝文を書いて人に対して特定の行動を誘発させる技術、または文章をいいます。
天才的なひらめきのようにいわれるコピーライティングですが、在宅ワークや副業としても注目されています。
きちんとした理論とノウハウを理解すれば誰でもコピーライターの扉を開けることができるのです。
コピーライティングの考え方・具体的な作業を進めていく方法・コツ・実践的な注意点も紹介していきます。
目次
コピーライティングの概要
商品を売るためのコピーライティングは印刷媒体やTVなどでは当然必要でした。
しかし、ネットの発達でその主力がどんどんECサイトやSNSなどに移りつつあります。
コピーライティングには2つのタイプがあります。
- キャッチコピー
- セールスレター
「キャッチコピー」は、商品や企業のことを短い文章で端的に伝えるものです。
コピーライティングといえばキャッチコピーをイメージする人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
「セールスレター」は、商品やサービスの特徴を長い文章で伝えるものです。
特に購買意欲を駆り立てる目的で使われることが多いといえます。
キャッチコピーもセールスレターも、読み手のことを入念に考え抜き、何度も練り直してできた技術と労力の結晶です。
広告の媒体としては、新聞・雑誌・チラシ・本の帯などのアナログ媒体があります。
そして、インターネットの普及でWeb広告やホームページといったデジタル媒体が増えています。
必要とされるのは、ユーザーの気持ちを理解し、特定の行動を促すためのテクニックです。
コピーライティングのノウハウを駆使して「売れる文章」を作ることに全力を注ぐのがコピーライターです。
マーケティング戦略の事例はこちら
優れたコピーライティングの具体例
コピーライティングの魅力を知るなら、具体例で理解するのが最適でしょう。
ここでは主に有名な「キャッチコピー」を例になぜ優秀なのか簡単に説明します。
- 株式会社 ルミネ
- 株式会社ファミリーマート
- さがみ典礼
「わたしらしくをあたらしく」はご存知ルミネのキャッチコピーです。
都市生活の中で自由や楽しみを自ら見いだしたい女性という明確なターゲット層の確立が最大のポイントになります。
女性はオンとオフの境界を越え、自由な時間や楽しみ方を確立しつつあります。
今を生き、やりたいことに前向きで素直に生きているからこそ、わたしらしいのです。
新しい商品を購入することは、自分らしさを追い求めることに繋がるというコンセプトです。
ここで使われているのは極めてシンプルで馴染みのある言葉というのもポイントになります。
株式会社ファミリーマートといえば、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」でしょう。
コンビニと購入者との距離感を「コンビ」(一緒)というキーワードで一気に縮めた有名な秀逸なキャッチコピーです。
こうしたキャッチコピーは、リズム感もありいつまでも耳に残るフレーズで参考にしたいものです。
さがみ典礼を最後にご紹介しましょう。
「さようならが あたたかい」という深い言葉がキャッチコピーのさがみ典礼です。
ともすれば暗いイメージになりがちな終活です。
エンディングノートを、過去の楽しかった思い出と結びつけているのが特徴といえるでしょう。
そして多くの人に見守られながら生きてきた人生を「あたたかい」という言葉でイメージさせています。
死という不安に対しても「さようならが」という柔らかく優しい日常のあいさつのような表現にしています。
穏やかな語り口の加藤茶さんのセリフにも深い味わいと優しさが満ち溢れている温かいCMではないでしょうか。
優れたコピーライティングの特徴
優れたコピーライティングとはいったいどんなものなのでしょうか。
まず、ターゲットを設定しておくことはコピーライティングでは重要になります。
誰に向けて書いたキャッチコピーか分からなければ心に響きません。
商品やサービスを万人に購入してもらいたいのが本音ですがそれでは印象に残らないのです。
そして、優れたコピーライティングほど消費者を引きつけるためには分かりやすい言葉を使います。
それでは優れたコピーライティングの特徴を見ていきましょう。
読み手のニーズやメリットを正確に捉えている
商品やサービスを購入してもらうためには読み手がどんな課題を抱えているのか考えることが重要です。
そして、それを解決するためにはどうすればいいのか(何を購入すればいいのか)考えます。
読み手のニーズを把握していなければ、どれだけ優れた文章も効果が期待できなくなります。
具体的な行動を促している
コピーライティングで重要なのは消費者に行動させることです。
そのためには、いつその商品を買った方がいいという、イメージを明確にしてあげることです。
購入後のイメージが映像や言葉で伝えられれば消費行動を起こしやすくなります。
例えば健康グッズで、「父の健康のために、父の日のプレゼントとして」などが典型的な事例でしょう。
具体的な数字を提示している
コピーライティングの中でよく数字を見かけることがあります。
「英語を話せると、10億人と話せる。英会話のジオス」というコピーです。
英会話スクールのジオスのものですが、英語を話す人口が10億人もいるというインパクトある情報が目を引きます。
このコピーが「英語を話せると、世界中の人と話せます」では全く衝撃度が違います。
こうした数字はインパクトを与える効果があるのです。
商品の容量・重さ・効果など、消費者にとって具体的な数字は非常に重要な情報です。
また、数字は切りのいい数字より細かな方がリアルで説得力があります。
例えば、「体脂肪が約5%落ちました」より「体脂肪が4.8%落ちました」の方が、信頼感が増す効果があります。
数字のこうした面をよく理解し、意識しながら使っていくこともコピーライティングの手法の大切なポイントです。
わかりやすい言葉や表現を使っている
優れたコピーライティングというものは、ほとんどがとても分かりやすい言葉で構成されています。
よく小中学生にも理解できる文章を書く必要があるといわれます。
書き慣れている人ほど、ついつい難しい単語や言い回しを使ってしまいがちです。
読み手が理解できない専門用語を使ってみたり、格好をつけて“四字熟語”や“慣用句”を使ってみたりします。
これでは消費者の心に何も届かないどころか消費行動も起きないでしょう。
わかりやすい言葉とはいいかえれば映像がすぐに浮かびやすいということです。
受け手が見たり、聞いたりした時にイメージしやすい言葉が重要になります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
コピーライティングの流れとポイント
コピーライティングのポイントは助けてあげたいターゲットを決めることです。
そして、その人が何に悩んでいるかを理解することが重要になります。
ここではコピーライティングの流れとポイントについて解説します。
ターゲットを分析する
「世の中の全ての人に響く文章」は存在しません。
もちろんある程度の幅を持ったターゲット層は存在します。
しかし、ターゲットが絞られた商品のプロモーションの方が成功しているのは事実です。
特にWebサイトではその傾向が強くなっています。
ターゲットの興味・関心・心理状態・課題・未来への志向などを無視しては、購入に結び付くコピーは書けません。
ターゲットとなる人物像を特定することで、その人が行動を移すメッセージをピンポイントで書けるようになります。
マーケティング用語ではターゲットのことを「ペルソナ」といいます。
ペルソナ像の設定は、一般的な属性はもちろん、抱えている課題・興味のあること・未来への志向が必要です。
大事なことは、設定するペルソナがどんな欲求や興味を持ち、どんなことに困っていてどうしたいのかです。
そのためには十分なリサーチして、相手の立場に立って想像していく緻密さが必要になります。
重要項目の抜粋
次に重要なのはサービス・商品に関する深い理解になります。
サービス・商品がもたらした結果や数値データ、競合と比較した際の優位性など重要な項目を把握しましょう。
ライティングの初期段階では、この重要項目を軸にポイントの抽出や魅力的な構成案などを想定します。
また、全体の構成の中で見出しになるようなセカンドキーワードも候補として考えておきます。
まずは必要情報を全て入れて書いてみる
重要項目の抜粋で集まった要素の取りこぼしがないように、まずは文章の長さを気にせず書き出してみましょう。
そうすることで、ライティングの大枠が見えてくるものです。
長めに書いておくことで、さらに次のステップでの選択肢が増えます。
ただし、あまり価値や訴求点を多く入れると、結局言いたいことがわからない文章になりがちです。
1つのコピーであれば2つ程度の価値や訴求点にとどめておくことをおすすめします。
要素を凝縮していく
長めの文章で書いた後にすることは要素の凝縮になります。
つまり必要なものだけを残し文章をそぎ落としていく作業です。
いくつかのチェックポイントを気にしながら作業を進めていきます。
チェックポイントとしては以下の通りです。
- ユーザーが魅力的な価値だと感じることができるか
- コピーの中核を提供する価値のメッセージを占めているか
- その価値をユーザーがより魅力的だと感じられる工夫がされているか
- わかりやすい言葉が使われ、一瞬で理解できるか
- 商品の強みを押し出せているか
- 不信や疑念を抱かせるような要素はないか
- 誇大広告になっていないか
これらのチェック項目を実践することでより効果的なコピーができ上がります。
細部表現を整える
最終的にいくつかの候補に絞るために、ライティングの細部の表現を整える必要があります。
要素を凝縮していく作業と似ていますが、言葉や表現そのものの整理です。
- まずは具体的に伝えているか
- 曖昧な表現になっていないか
- 無駄に文字数を使っていないか
- 最小の文字数で書かれているか
- テーマに関係にない言葉が入っていないか
- 専門用語の乱発、難解な熟語を使っていないか
- 差別的な言葉を使用していないか
以上の点に注意して細かくチェックして調整してください。
優れたコピーライティングを作るコツ
コピーライティングの考え方が理解できたので、今度は具体的にコピーライティングを作るコツについて解説します。
常に読者目線を第一に
コピーライティングを行う上で一番大切なのが読者目線です。
通常、コピーライティングでは、現在形でユーザーを主役にして書きます。
例えば、耐久性が高く歩きやすい靴を販売するとしたら、「この靴は丈夫で長持ち、汚れにも強いです」ではありません。
「この靴を履くと足取りが軽く、外出が楽しくなります」と書いた方が、読み手はイメージしやすくなります。
優秀なコピーライティングは、消費者を自分のこととしてイメージしコピーライティングします。
好奇心や五感に訴える
最初にまず「これはなんだろう?」と興味を引くことが重要になります。
そして好奇心とは心が動いたからこそ発生し、心が動くというのはユーザーの心が様々な欲求と関係しているからです。
欲求に結び付く五感には、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚があります。
読み手に感覚的・生理的に強い影響を与えていくことができれば、欲求と結びつき心が動きます。
例としてわかりやすいのが食品です。
コピーで味や触感がうまく伝わっていれば食欲へとつながり、その欲求を満たすために行動に移します。
様々な角度で見て時には発想の転換を
例えばプレゼントを贈ることは「相手に喜んでもらうための行為」だと認識されています。
しかし、プレゼントを贈ることによって「自分も利益を受け取る」という見方が可能だとしたらどうでしょう。
伊勢丹の母の日、父の日のコピーで『「父が照れる」を、私がもらう』『「母が笑う」を、私がもらう』というものがあります。
これはプレゼントをあげる自分もギフトをもらっているという発想の転換です。
真逆のアプローチが功を奏した例もあります。
「まずい、もう一杯」(キューサイの青汁)では、飲みにくさが購入の壁になっていました。
そこで、その飲みにくさを逆手に取ってしまおうという発想の転換したのです。
「良薬は口に苦し」という古くからのイメージをうまく引き出し、大ヒット商品となりました。
このようにさまざまな視点から商品やサービスの重要項目を検討してみるのです。
時には全く違ったアプローチをすることで新しい商品購入の行動が生まれてくることがあります。
有名なコピーライティングを参考にする
ネットで検索すると歴代の名コピーが大量に出てきます。
コピーライティング講座でも具体例を通じて考えるという手法は定番です。
いくら理論を教えられても、直感的に理解する部分がないと、理論はとても弱く不安定なものになります。
確信やテクニックとして身に着けるためには数多くの名作を参考にしましょう。
コピーライティングでも「習うより慣れろ」、という側面が初期段階にはとても大切になってきます。
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コピーライティングはチェックも大事
次に重要なのは、でき上がったコピーライティングをチェックすることです。
具体的に見ていきます。
一通り完成したらチェックしたいこと
コピーライティングの作品として出来上がった後にするべきことがあります。
- 誤字脱字のチェック
- このコピーライティングで何を伝えたかったのか確認
- その効果が最大限に発揮されているコピーかどうか
以上を検証し、要素の凝縮や表現の細部をチェックしなければなりません。
さらに、視認性・リズム感・イメージの想起力・読みやすさもチェックしましょう。
また、ECサイトでは、文字の表示され方やバランスを意識してユーザーに伝わりやすくすることも重要なポイントです。
一旦寝かせてみる
文章を一気に完成した時には、作者のテンションが高く充実感と高揚感に満たされることがあります。
読み手目線にしっかりなっているかを確かめることがおろそかになりがちです。
そのため、コピーを書いたら翌日まで寝かしてみてください。
人は睡眠中に頭が整理され、完成時より深くそのコピーを理解できる状態になっています。
冷静な状態で、再度コピーを見直すと意外なミスを発見できたり、さらにいい表現が浮かんだりすることがあります。
より客観的なチェックができるようになるので、一晩寝かせるという習慣を是非取り入れてください。
まずは課題と目的を明確に
ここで少しコピーライティングの目的と課題を整理しておきます。
おもにWebでのコピーライティングは、大きく分けてSEO系・情緒系・セールス系などに分類されます。
SEO系(検索エンジン最適化)では、検索エンジンの検索の仕方に合わせたライティングをしなければいけません。
つまりユーザーが検索しそうな重要なキーワードを中心にわかりやすくライティングする必要があります。
情緒系は言葉の雰囲気や組み合わせで、イメージを作り出し、心を動かすことで行動を起こさせるライティングです。
企業のキャッチフレーズや商品サービスのネーミングなどに使われます。
この場合はイメージの操作というテクニックが非常に重要になってきます。
セールス系は、購入という行動を起こさせるのが目的です。
文章の力で人の心を動かし、消費者のニーズと企業の価値がいかに合致しているかアピールしなければいけません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
コピーライティングの注意点
「面白いと感じさせ、読む人を惹きつけて買う気にさせる」ことがコピーライティングです。
消費者に斬新なイメージを伝えることができれば、行動に繋がる可能性が大きくなるのです。
消費者は常に新しい情報を求める傾向が強いので、目新しさや新鮮さは購買の大きな動機となります。
注意点として、話題性というアプローチ方法があります。
週刊誌的な興味をそそるような扇情的なコピーライティングで注意を引く手法です
しかし、こうした表現は陳腐であると思われる可能性が高いので注意が必要です。
コピーライティングなどマーケティング戦略で悩んだら
言葉選びやイメージの構築がうまくいかずライティングが止まり悩んでしまったら、デジマクラスに相談しましょう。
発想の転換といっても簡単にできるものではありません。
特に初心者は誤った方向性でコピーライティングやマーケティング戦略を考えがちです。
デジマクラスなら経験豊富なコンサルタントが最適な助言や提案をします。
成功体験があるコンサルタントから直接指導を受ければ、費用対効果の面でもメリットがあります。
想定以上の成功に近づけるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
コピーライティングの特徴や実践的な手法などを紹介してきました。
コピーライティングは、消費者の人生を豊かにする手助けだともいえます。
一度身につけてしまえば、書くことがどんどん楽しくなります。
1つのコピーや記事で何万人もの人びとにアプローチができるのです。
是非コピーライティングの扉を開いてみてください。