ブランドの方向性や理念を社員に浸透させたいと考える企業は多いです。

社員に向けて発行するブランドブックを利用すれば多くの社員に企業の理念や方向性を伝えることができるでしょう。

この記事ではブランドブックの事例を紹介します。

成功事例を見ることでどのようなブランドブックを作成すれば良いか確認してください。

ブランドブック以外のインナーブランディング手法も紹介します。

ブランドブックの概要

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ブランドブックは社員に向けて発行する冊子です。多くの場合、企業の理念や方向性を伝えるための情報が掲載されています。

ロゴやイラストを掲載して分かりやすくイメージを伝えることもあるでしょう。

ブランドブックの目的は社員にブランドの理念や方向性・考え方を浸透させることにあります。

ブランドの理念を理解すれば業務に活かしていくことも可能です。

目指すべき理想が社員に浸透することにより、モチベーションのアップや業務におけるブランドの価値向上につながります。

そのためブランドブックは、ただのパンフレットとは異なるものです。

ブランドブックを作成する場合は、ブランドブックの完成や配布を目標とするのでは意味がありません。

社員にブランドの理念などが浸透することを目的にするよう心がけてください。

またブランドの価値が問われる昨今では、ブランドの理念を浸透させ実践させるツールとしての目的もあります。

 

ワンポイント
ブランドブックはパンフレットとは異なり、ブランドの理念や考え方を社員に浸透・実践させるためのものです。

 
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ブランドブックの役割・目的

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ブランドブックの役割は社員にブランドの理念や方向性を浸透させることです。

ブランドブックを読んで理解することで、社員ひとりひとりが業務にブランドの考え方を取り入れることが重要になるでしょう。

この章ではブランドブックの目的や役割について紹介します。

単なるパンフレットとならないようにするためにブランドブックが果たす役割を確認してください。

インナーブランディング戦略で重要な役割

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インターネットの発展に伴い、消費者は多種多様な商品を手にすることが出来るようになりました。

そのため価格が安い商品や質の高い商品というだけでは消費者の目に留まることが難しくなっているのです。

世の中に商品が溢れている時代だからこそ、インナーブランディング戦略が重要になってきました。

そこで市場競争をするためにも価格や質に加えて付加価値が必要になります。

ブランドのコンセプトを理解して業務を行うことで、情緒的な付加価値につながっていくのです。

社員にブランドの理念や考え方を浸透させるためにブランドブックは重要な役割を担っています。

理念や考え方を理解した社員が業務に活用し実践するためにもブランドブックは必要です。

ブランドブックを渡す相手の変化

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ブランドブックは従来社員に配布するものでした。それが変化してユーザーにも配布するようになってきたのです。

ブランドブックを読んだ社員はブランドの考え方を理解して業務に反映していきます。

そのため従来は社員に向けて発行・配布することが一般的でした。

すべての社員が理解できるよう、その内容は明確で理解しやすいものになっています。

つまりブランドブックはブランドの理念やイメージを伝えるための優秀なツールといえるのです。

インターネットの発達に伴いユーザーのファン化が重要になってくると、ブランドの理念やイメージを伝えることも重要になりました。

そこで理念やイメージを明確に伝えることのできるツールであるブランドブックをユーザーにも渡すようになってきたのです。

 

ワンポイント
ブランドブックはユーザーにブランドイメージを伝える役目をすることもある。

 
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ブランドブックの主な内容

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ブランドブックにはどのような情報が掲載されているのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

この章ではブランドブックに掲載される内容を紹介していきます。

ブランドの理念やイメージ・コンセプトを伝えるためには何を掲載すれば良いのか見ていきましょう。

ブランドステートメント・コンセプト

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ブランドの理念や考え方を浸透させるためにはブランドのステートメントコンセプトを記載するのも良いでしょう。

ブランドの考え方や世界観を掲載することで、ブランド全体のイメージを持つことができます。

これらはブランドの提供する価値観を表現するものともいえるでしょう。

ブランドブックを読んだ社員がブランドのコンセプトを理解することで、どのような行動を取るべきかが分かります。

シンボル・デザインの意図

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ブランドブックにはブランドのシンボルデザインが掲載されていることもあります。

ただビジュアルイメージとして掲載するのではなく、それがどのような意味を持つのか解説を入れるのもおすすめです。

ロゴやカラーの意味や表現したい意図を伝えることで、ブランドのスタンスが理解できるようになります。

シンボルやデザインは、ユーザーがひと目見てブランドをイメージするブランドのデザイン要素です。

デザインのガイドラインを掲載して周知することで、製品全体に統一感をもたらす効果もあるでしょう。

ブランドビジョン実現のための行動指針

ブランドブックはただのパンフレットではありません。

ブランドのコンセプトを理解して業務に反映していくためのツールです。

そのためブランドのビジョンを実現するための行動指針を掲載しているブランドブックも多くあります。

社員ひとりひとりがどう行動すべきかを示すことによって、インナーブランディングを行うのです。

ブランドブックの事例と考察①:日本コカ・コーラ

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日本コカ・コーラ株式会社といえば飲料メーカーとして広く知られている企業です。

毎日のようにテレビCMが流れており、街を歩けばコカ・コーラの自動販売機を見かける機会も多いでしょう。

ブランドの価値としてはトップクラスの同社がどのようなインナーブランディング戦略を行っているのか見てみましょう

名前を刻印した「こころざし読本」

日本コカ・コーラ株式会社は社員ひとりひとりに「こころざし読本」を配布しています。

これは社員がどのように行動すればよいかをまとめたブランドブックです。

自社ブランドのマーケティング手法を社員に浸透させるために配布している「こころざし読本」には仕掛けがあります。

それは表紙に社員ひとりひとりの名前を刻印していることです。

こうすることにより社員にとって「こころざし読本」は単なる読み物ではなく、自分の読むべき「本」になりました。

この取組は社員に受け入れられ、自社ブランドのマーケティング手法が浸透していったのです。

成果から学べること

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ブランドブックをただ配布するだけでは、社員ひとりひとりにブランドの考え方が浸透することは難しいでしょう。

読んで終わり、その後の業務に活かすことができない社員も多くいるはずです。

日本コカ・コーラ株式会社の取り組みでは、ブランドブックと社員を「名前の刻印」で結びつけていることが分かります。

社員が自分に対して関わりのあるものだと認識することで、ブランドの考え方を理解・実践することができるようになるのです。

 

ワンポイント
日本コカ・コーラはブランドブックの表紙に社員の名前を刻印することで、行動の指針を浸透させた。

ブランドブックの事例と考察②:スターバックス

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スターバックスコーヒージャパン株式会社はコーヒーストアの経営や関連商品の販売を行う企業です。

落ち着いた店内の雰囲気と統一されたコンセプトが好きだという方もいらっしゃるかもしれません。

同社は店内にソファスペースを作り寛げる空間を演出したり、紙コップのデザインに拘ったりしてブランドイメージを確立しています。

スターバックスコーヒージャパン株式会社のブランドブックについて紹介しますので参考にしてください。

限定カードが付録された「STARBUCKS OFFICIAL BOOK」

スターバックスが監修した「STARBUCKS OFFICIAL BOOK」が株式会社宝島社から発売されています。

これはスターバックス公認のブランドブックであり、本誌限定のスターバックスカードが付録するなどファンから支持を得ました。

同誌には日本全国のスターバックス店舗の紹介やコーヒー調達の裏側・従業員の紹介などが掲載されています。

このブランドブックを手にしたユーザーはスターバックスの魅力を感じることができるでしょう。

ユーザーをファン化することで継続的な利益につなげているのです。

成果から学べること

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インターネットが発達し消費者はいつでもどこでも商品を手に入れることができるようになりました。

豊富な商品の中から自社の商品を選んでもらうためには価格や品質はもちろんのこと、それにプラスした付加価値も必要です。

スターバックスはユーザーに向けたブランドブックを発売することで、自社のファンを増やすことに成功しました。

スターバックスの魅力が詰まったブランドブックを見たユーザーは、ますます同社に親近感を抱くでしょう。

限定のカード付録などユーザーを惹き付ける工夫もポイントです。

 

ワンポイント
スターバックスは自社の魅力やコンセプトを掲載したブランドブックを販売することでユーザーをファン化しました。

その他のブランドブックの事例

男性と本

ブランドブックの事例は他にも多くあります。

日清食品グループナイキについて紹介しますので、どのように工夫しているのか見ていきましょう。

日清食品グループ

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日清食品はブランドブックのタイトルを「NISSIN RULES!」としています。

これは「日清の規則」と「日清最高」というダブルミーニングになっているのです。

タイトルにグループメッセージを込め、自社ブランドのコンセプトやイメージを周知しようとしました。

同社はブランドブック刷新と同時期に名刺のデザインも変更するなどブランドイメージの価値を高めようとしています。

ナイキ

NIKE(ナイキ)はスポーツ関連用品を取り扱う企業です。

スポーツウェアやシューズなどに付けられている特徴的なマークは広く知られているでしょう。

ナイキのロゴは何度か変更されています。初期のデザインは「女神の翼と文字のnike」を組み合わせたものでした。

その後「翼の部分を塗りつぶし文字部分はNIKE」としたデザインに変更され、現在は翼の部分だけのロゴマークになっています。

ナイキはブランドブックの1シーンに、ロゴを活用したページを掲載しているのです。

このシーンはナイキのブランドをひと目で想起させ、ユーザーの心を惹きつけています。

ブランドブック以外のインナーブランディング手法

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社内向けのインナーブランディングはブランドブックだけではありません。

ブランドの理念や考え方を浸透させることが目的ですので、ブランドブック以外にも活用できるものはあるのです。

ブランドブック以外のインナーブランディング手法には以下のようなものがあります。

  • 社内ポスター
  • 社員向けブランド研修
  • 社内向けWebサイト
  • クレド

社内向けのコンテンツを作成することで社員ひとりひとりに自覚を促すことができるでしょう。

この章では社内ポスターと社員向けブランド研修について見ていきます。

社内ポスター

社内ポスターにはブランドの目指すべき世界観が表現されていることが多いです。

ひと目見てどのようなコンセプトを目指せば良いのか理解できるようなものが良いでしょう。

ポスターは社員が毎日見ることができるような場所に貼っておくと効果的です。

社員向けブランド研修

研修

ブランドブック配布やポスター展示だけでは社員ひとりひとりに確実にブランドの理念が浸透することは難しいです。

ブランドブックやポスターを配って終わりでは意味がりません。

ブランドの理念や考え方を浸透させるための研修を行うこともインナーブランディングでは有効になります。

ブランドについて話し合ったり情報を共有したりすることで、ブランドのコンセプトを業務に反映することができるのです。

ブランドブックを作成するなら

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ブランドブックを作成することで社員ひとりひとりにブランドの理念や考え方を浸透させることができます。

ブランドコンセプトを業務に落とし込んで活用することでブランドの価値が上がっていくのです。

ブランドブックを作成する際は単なるパンフレットになってしまわないように注意しましょう。

もし作成に関して悩み不安があればデジマクラスにご相談ください。

一緒にブランドブックの問題点や悩みを解消して、目標を達成できるようにしていきましょう。
 
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まとめ

男性と本

ブランドブックを活用することで社員ひとりひとりにブランドの考え方や行動を浸透させることができます。

ブランドの理念や考え方を行動に反映することで、ブランドの価値が向上するでしょう。

社員にブランドの考えを実践させるようなブランドブックになっているかどうかがポイントです。

ブランドブックを作成することが目標にならないように注意しましょう。

あくまでも社員ひとりひとりにブランドの考え方を浸透させ、それを実践してもらうことを考えます。

ブランドブックの作成に悩みや不安がありましたらデジマクラスにご相談ください。

ブランドの理念をどのように社員に浸透させていくのかを一緒に考えましょう。