BtoB動画マーケティングを導入する企業が増えており、マーケターの動画に対するノウハウが不可欠です。
BtoBとは「Business to Business」の略であり、企業が企業もしくは官公庁を対象に行うマーケティングを指します。
BtoC、いわゆる個人を対象としたマーケティングと異なり、商談の規模が大きく決裁までに時間を要するのが特徴です。
この記事では、今後さらに需要増が予想されるBtoBの動画マーケティングのポイントやシーン別の動画活用方法などを紹介します。
目次
動画の市場変化
BtoBの動画マーケティングが注目を集めた背景には、動画の市場変化が大きく関係しています。
かつてBtoBマーケティングといえば紙ベースの資料が主流であり、担当者間の打ち合わせでプレゼンテーションを行っていました。
しかしインハウスマーケティングなど、対面での商談を行わない手法も導入されているのが現状です。
加えてYouTubeの普及により「動画」そのものに対する認知度がアップしたこともBtoBの動画マーケティングにつながっています。
BtoBで動画を活用する場合
BtoBで動画を活用するビジネスシーンは拡大し続けており、この傾向はさらに続くことが予想されています。
最も早い段階でBtoBで動画が導入されたのが、これまで対面で行っていた商品・サービスに関するプレゼンテーションです。
さらにPR動画や展示会の動画など、あらゆるビジネスシーンにおいてBtoB動画が活躍しています。
外出自粛やテレワークの推奨などライフスタイルが大きく様変わりしているのが現状です。
こういった背景ににおいて動画そのもののメリットが再確認され、BtoB動画を普及させる要因の1つとなりました。
したがって、商品・サービスに関するプレゼンテーションに止まらず、アイデア次第で様々な可能性を秘めているといえます。
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動画活用ポイント
BtoBで動画を活用する場合、単に動画を作れば良いというものではありません。BtoBといえども動画を見るのは担当者です。
したがって、担当者の興味を惹きつけ実績に繋がる動画を制作・活用することが必要不可欠です。
ここでは、BtoB動画マーケティングを行う上で押さえておきたい動画活用のポイントについて解説します。
ビジネスコンセプト
相手の興味を惹くBtoB動画を制作するには、ビジネスコンセプトを明確にすることが不可欠です。
BtoB動画を通じて「伝えたいこと」「成し遂げたいこと」を明確にすることで、動画自体の軸がしっかりとします。
反対に「雰囲気の良いもの」「おしゃれな感じ」など感覚に頼った動画を作成してしまうと、見終わった後に何も残りません。
また、あれもこれも取り込もうとすると、何を伝えたいのかわからない焦点のぼけた動画になります。
つまり、BtoB動画を制作する際には、伝えたいこと・成し遂げたいことを1~3つ程度に絞り込むことがポイントです。
ターゲット
BtoB動画のターゲットは企業となりますが、実際に動画を見るのは「担当者」であることを意識することが大切です。
例えば、エンジニアがエンジニアをターゲットとする動画であれば、専門用語や専門的な知識に解説などは必要ありません。
しかし、相手が営業担当だと専門用語を避け、わかりやすい説明などを盛り込むことで興味を惹きつけることができます。
BtoB動画のターゲットは企業であることに相違はありませんが、実際に動画を見る人であることを念頭に作り込むことがポイントです。
動画設計
BtoB動画を制作する際には、制作担当者との打ち合わせをしっかりと行い設計を重視することが大切です。
相手の興味を惹きつけるBtoB動画にはストーリーがあり、いわゆる「起承転結」がはっきりとしています。
反対に単に商品・サービスの説明ばかりのBtoB動画ばかりだと、見終わる前に飽きてしまうことも少なくありません。
相手を飽きさせないための仕掛けを施し、見終わった時に伝えたい内容が印象に残る動画となるよう設計するのがポイントです。
動画の適切さ
動画の品質・時間が適切であることも、優良なBtoB動画に求められる要素となります。
品質面でいえば、画像の質はもちろん見やすいカット割りを意識すること、さらに聞きやすい音質であることが最低条件です。
動画の長さでいえば10分以内のコンパクトな動画になるよう心がけ、伝えきれない場合には数本に分割します。
当方が伝えたい内容を一方的に伝えるのではなく、視聴する担当者の立場に立って制作することが適切な動画となるポイントです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
動画マーケティングがおすすめな理由
動画マーケティングは多くの企業で導入されていますが、その具体的なメリットとはどういったものでしょうか。
これから動画マーケティングを始めるのであれば、少なくとも以下のメリットを押さえておきましょう。
- 伝達できる情報量が多い
- 視覚的に訴求するので印象に残りやすい
- 情報の質が安定する
動画のメリットといえば、何といっても情報量が多く視覚的に訴求できる点です。
1分間の動画はWebサイトでは3,600ページに相当する上、動画とすることで圧倒的に印象に残りやすいといえます。
また、動画はデータとして残るので、何度でも再生できるため情報の質が安定することは大きなメリットです。
特にBtoBでは多くの関係者が存在しますが、動画であれば同じ質・量の情報を関係者間で共有することができます。
どんな動画が活用されている?
BtoB動画には様々な活用方法がありますが、実際にはどんな動画が活用されているのでしょうか。
有効なBtoB動画を制作するには、どんな活用方法があるのかを把握しておくことが大切です。
ここではマーケターが熟知しておきたい、BtoB動画の活用例について紹介します。
広告動画
BtoB動画マーケティングにおいて、最もオーソドックスな活用方法が広告動画です。
商品・サービスを相手にプレゼンテーションする場合、紙資料やスライドなどでは十分にその魅力を伝えることはできません。
商品の形状を紹介するにしても、複数枚の画像よりも動画の方が断然わかりやすく印象に残ります。
また、他商品との比較や使用前と使用後の状況を表すビフォーアフターなど、動画ならではのコンテンツを制作することも可能です。
採用動画
人材派遣会社等に求人募集を依頼する際に利便性を発揮するのが採用動画です。
採用動画には以下の内容をコンパクトにまとめることで、どういった会社なのかを説明しやすくなります。
- 仕事内容
- 職場の様子
- 社員インタビュー
人材不足は多くの会社で深刻な課題となっており、人材派遣会社に頼る企業も少なくありません。
採用動画を作成することで人材派遣会社のコンサルタントにアピールできるだけでなく、就活生にもアピールすることが可能です。
セミナー動画
BtoBマーケティングにおいてセミナーは有効な手法ですが、ZoomなどWeb会議システムを活用する企業が増えています。
あらかじめセミナーの内容を撮影しておいて、オンラインで配信することで多くのユーザーに見てもらうことが可能です。
また、有観客で開催したセミナーの模様を動画で撮影しておき、参加できなかったリードに配信している企業もあります。
ただし、オンラインで配信する場合、一方通行になりがちですから、別に質問コーナーを設けるなどの工夫が必要です。
インタビュー動画
商品開発者や設計者のインタビュー動画は、商品・サービスのコンセプトを的確に伝えるには非常に有効なコンテンツです。
一般的にBtoBマーケティングでは営業担当者が窓口となって、相手側と商談を進めていきます。
もちろん、営業担当者であっても商品・サービスのコンセプトを相手側に伝えることは可能です。
しかし、開発担当者が伝えことでリアルに完成までのプロセスや苦労した点などが伝わり、説得力を与えることができます。
PR動画
自社の経営理念や仕事内容・経営者のメッセージなどをPR動画として作成しておくと、様々なシーンで活用できます。
初めて商談を進める企業の担当者に対して、いきなり商品・サービスの説明を行うのは得策ではありません。
確実に実績につなげるには信頼関係を構築することが必須であり、まず自社のことを知ってもらうことが大切です。
PR動画を作成しておけば、資料や言葉で説明するよりも的確に自社のことを伝えることが可能となり、信頼関係を構築しやすくなります。
展示会の動画
BtoBマーケティングにおいて展示会はリード獲得の有効な手法ですが、遠方からは参加できない点がデメリットです。
そこで、展示会の様子を動画に収録して、Webサイトなどで配信して自社製品のプロモーションに活用する企業が増えています。
展示会の様子をコンパクトにまとめた動画は、商談の際にも自社の実績をアピールする材料として非常に有効です。
ただし、単に展示会の様子を動画に撮影するのではなく、動画ならではの加工を施すと良いでしょう。
具体的活用シーン
BtoB動画マーケティングは非常に有効な手法ですが、具体的にはどういったシーンで活用されているのでしょうか。
ここでは、BtoBマーケティングにおける具体的な動画の活用シーンについて紹介します。
ツールのデモンストレーション
商談を進める中で紙資料やスライドで説明しにくいのが「クラウド型ツール」です。
クラウド型ツールをプレゼンテーションする際には、実際にツールを操作しているシーンをデモンストレーション動画として撮影します。
商談を成立させる決め手は、相手に「効果」「出来栄え」「作用」をイメージさせ納得させることです。
相手に効果などをイメージさせにくいクラウド型ツールであっても、デモンストレーション動画であれば簡単にイメージしやすくなります。
SNS広告
公式SNSアカウントのSNS広告に動画を活用することで、エンゲージメントの向上が期待できます。
SNSはBtoBマーケティングにおいても有効な手法ですが、インパクトの少ないSNS広告で見逃されることも少なくありません。
その点、動画を活用したSNS広告であればインパクトもあり、ターゲットとなるユーザーの目にも止まりやすくなります。
ただし、SNS広告を動画で作成する場合、動画の長さはコンパクトになるよう注意しましょう。
リード獲得
リードの獲得には前項で紹介した「セミナー動画」「展示会の動画」が有効です。
そもそもオフラインでのリードの獲得には、セミナー・展示会が有効ですが動画とすることで、幅広い地域のリードの獲得が可能になります。
これを機にBtoBマーケティングにインハウスマーケティングを取り入れるのも1つの方法です。
ウェビナーを利用した録画配信に加えリアル配信を取り入れることで、より「濃い」リードの獲得が見込めるでしょう。
FAQ
BtoBマーケティングにおいてカスタマーサービスも重要な要素の1つですが、従来のFAQコンテンツでは十分ではありません。
FAQコンテンツを利用している顧客は、自社商品・サービスに何らかの不満があり、解決できなければ離れていく可能性が高い顧客です。
顧客の抱く問題・課題が解決できるFAQコンテンツを動画で作成することで、顧客は解決方法をイメージしやすくなります。
きめ細かなフォローをもって問題・課題が解決されれば、顧客満足度を大きく改善することが可能です。
商談
BtoBマーケティングにおいて「商談」は実績に直結する最も重要な場面だといえます。
インハウスマーケティングを取り入れている企業もありますが、対面と同様にいかに自社商品・サービスを的確に伝えるかがポイントです。
前項で紹介した「PR動画」・「商品動画」は自社及び商品・サービスを圧倒的な情報量をもってわかりやすく伝えることができます。
もちろん、商談を進めるにあたって営業担当者のスキルは必須であり、動画を活用した営業手法をマスターすることが大切です。
動画コンテンツ活用例
飲料水メーカーの「サントリー」では法人向け健康サービスの「SUNTORY+(サントリープラス)」のPR動画を作成しています。
2分弱の動画ですがアニメーションを上手く活用しており、サービスの概要が分かりやすい内容となっているのが特徴です。
凸版印刷株式会社では企業向け営業支援プラットフォーム「SalesStation+」の紹介動画を作成しています。
3分程度の動画ですが、どういったサービスなのかを3項目に分けて、分かりやすく説明しているのが特徴です。
これらのBtoB動画に共通しているのは伝えたい内容をコンパクトにまとめている点であり、誰もが内容をイメージしやすい点になります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoBで動画マーケティングを加速するには
BtoBで動画マーケティングを加速させるには、その効果を正しく検証しPDCAサイクルを適切に回すことが重要です。
動画マーケティングでは制作することにばかり傾注してしまい、効果測定が疎かになる傾向にあります。
しかし、作成した動画の検証を行わないままだと、実績につながる改善点を見つけることができません。
BtoB動画マーケティングを加速させるには、実際に動画を作成してからが本当の「勝負」であることを心得ておきましょう。
BtoBの動画マーケティングで悩んだら
BtoBの動画マーケティングで悩んだら、迷わずデジマクラスのコンサルタントに相談しましょう。
BtoB動画マーケティングは様々な可能性を秘めた手法ですが、その歴史は浅く簡単に成功できるものではありません。
その点デジマクラスでは様々な業界の案件に対応してきた実績から、BtoB動画マーケティングに関する様々な手法を確立しました。
各業界・企業の実態や目的にマッチした、BtoB動画マーケティングの具体的な手法をレクチャーすることができます。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
BtoB動画マーケティングは多くの可能性をもった手法であり、様々な企業が導入を検討しています。
BtoB動画のメリットは商品・サービスの内容をはじめ、多くの情報を視覚的にわかりやすくユーザーに伝えられる点です。
そのため、広告動画をはじめPR動画・セミナー動画など様々な内容のBtoB動画が、商談などあらゆる場面で活用されています。
ただし、BtoB動画マーケティングは歴史が浅く十分に手法が確立されていないため、悩んでしまうマーケターも少なくありません。
デジマクラスのコンサルティングであれば数多くの案件に対応してきた実績から、的確なアドバイス・レクチャーいたします。