Googleのパーソナライズ検索はユーザーの位置情報や検索履歴などを踏まえて最適な検索結果を表示するという便利な機能です。
ただデバイスによって表示結果が違ったり自社のSEO対策をする際に正確な順位が表示できなかったりと弊害も少なくありません。
今回の記事ではそんなGoogleのパーソナライズ検索のSEOへの影響について解説します。
検索結果に影響する要素や正確な検索結果を得る方法などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Googleのパーソナライズ検索の概要
Googleのパーソナライズ検索はその名の通りユーザー1人ひとりに最適な検索結果を提供するという優れた機能です。
Googleでは、たとえ同じクエリで検索をしても表示するデバイスによって違う検索結果が表示される場合があります。
検索する地域や検索地点によっても結果は変わりますし、表示されるレコメンドの内容も同じではありません。
これらはいずれもGoogleが検索を行ったユーザーに対して最適と考えられる検索結果を表示するために起こります。
Googleのパーソナライズ検索の仕組み
Googleのパーソナライズ検索についてはっきりしたロジックは公表されていません。
しかし主に以下の要素が大きく影響しているといわれています。
- 位置情報
- アクセス履歴
- 使用中の言語
- SNSの履歴と行動
- 過去の検索キーワード
- その他のGoogleサービスの利用履歴
Googleは2009年12月に「パーソナライズドサーチアップデート」を行って全面的な機能の実装に踏み切りました。
以降、現在に至るまでパーソナライズ検索の機能は検索結果に反映され続けています。
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Googleのパーソナライズ検索が実装されている目的
Googleがパーソナライズ検索を実装している目的はユーザビリティの向上にあります。
Googleは創業時から一貫して「ユーザーファースト」を貫き続けている企業です。
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と行動指針を公表していることからも明らかだといえるでしょう。
ユーザーが意図した検索結果を提供するために、1人ひとりに対して表示をカスタマイズするのがパーソナライズ検索の機能です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
検索結果に影響する要素は?
Googleのパーソナライズ検索の仕組みに関する項目で、検索結果に影響する要素をいくつかご紹介しました。
この項目ではそれらの中からとりわけ重要なものを4つピックアップし、それぞれについて詳しく解説します。
閲覧・検索履歴
検索結果に影響する要素、1つ目は閲覧・検索履歴です。
ユーザーがどのような記事を閲覧し、どんなキーワードで検索をしたかはすべてデータとして記録されています。
それらのデータを詳しく解析することによって、ユーザー自身さえ気付いていない潜在的なニーズも分かるかもしれません。
閲覧・検索履歴はユーザーの趣味嗜好を反映している場合もあるので、ビジネスにおいても価値の高い情報です。
そのためパーソナライズ検索はユーザーが何を見て、何に興味を示したかを常に重視しています。
検索地点
検索結果に影響する要素、2つ目は検索地点です。
ユーザーの位置やどんな場所で検索を行ったかは検索エンジンにとって非常に大事な情報です。
もしも「飲食店」などのキーワードで検索されたなら、ただちに周辺の飲食店の情報を表示しなければなりません。
仮に都内で「イタリアン」というキーワードで検索したとしましょう。その際ナポリの有名店の情報が出ても恐らく無意味です。
ユーザーの意図を正しく汲んで理想の検索結果を表示するために、位置情報や検索地点の確認は欠かせません。
デバイス
検索結果に影響する要素、3つ目は検索に使用するデバイスによる違いです。
今やデジタルデバイスは1人1台必携のものとなり、生活のあらゆる面に深く浸透しています。
当然、検索エンジン側としてもその事実を無視するわけにはいきません。
Googleは2018年3月に「モバイルファーストインデックス」への転換を公表しました。
これは検索順位を決定する際の判断基準としてPCサイトよりもモバイルサイトに重きを置くというものです。
デバイスによるランキングの違いはこのモバイルファーストインデックスによる所も大きいといえます。
SNSなどでの繋がり
検索結果に影響する要素、4つ目はSNSなどでの繋がりです。
今や多くの人がSNSサービスを利用しており、相手が人であるか企業であるかに関わらず無数の繋がりが生まれています。
Googleのパーソナライズ検索はそれらの繋がりに着目することも忘れていません。
ユーザーがどのようなコミュニティに参加していてどんなことに興味を抱いているか、繋がりによって判断して結果に反映させます。
ユーザーが所属する繋がりに注目することは当人の趣味嗜好を分析する上で非常に重要なことです。
パーソナライズ検索によるSEOへの影響
パーソナライズ検索がSEOに与える影響として1番大きな問題は検索順位の正確性が失われかねないことです。
自社サイトのランキングを知りたいと思って社内PCで検索すると、多くの場合、自社サイトは優先的に上位表示されます。
パーソナライズ検索はユーザーごとにカスタマイズされた状態で順位を表示するので、これはある意味仕方のないことでしょう。
しかしSEO対策を講じたいと思った時、第三者から見た順位が正しく表示されないのでは意味がありません。
SEOのためには、パーソナライズ検索の影響を受けない結果を表示することが必要となります。
パーソナライズ検索の実際の影響
パーソナライズ検索が与える影響についてより詳しく見ていきましょう。
避けられない影響やパーソナライズ検索の適用範囲についてご紹介します。
影響するのは直前の検索内容と地域
パーソナライズ検索に大きく影響するのは直前の検索内容と地域です。
今回の検索でユーザーが何を求めているのかを、それより前の検索の履歴を元に判断しています。
仮に自社サイトを検索していれば次の検索結果の上位にも自社サイトが表示されやすくなることでしょう。
地域はユーザーが検索を行った場所のことを示しています。この場合パーソナライズ検索は関連がありそうな周辺情報を表示します。
自社サイトを自社のPCで検索した場合、場所の問題からいっても自社サイトが上位表示されるのは当然というわけです。
周辺情報の優先的な表示は近くにある病院や美容室などを探す際に活躍していて、生活に欠かせないものといえます。
パーソナライズ検索が適用される範囲
Googleのパーソナライズ検索が適用される範囲は、上記の通り直前の検索結果とユーザーがいる場所に関してのみとされます。
その他のシーンではほとんどパーソナライズされないことをGoogleのスタッフが証言しているのです。
真にパーソナライズ検索に影響されない検索結果を得たいと思うなら、この場所に関する問題をクリアする必要があるでしょう。
ローカライズ検索との関係性
パーソナライズ検索と似た機能にローカライズ検索があります。
ローカライズ検索はユーザーがどんな場所で検索を行ったかに焦点を当て、場所によって違う結果を表示させる機能です。
以下のような地域への依存性の高い傾向のあるサイトはローカライズ検索の対象となるのでSEO対策の際は注意が必要でしょう。
- 病院
- 飲食店
- 美容室
- 映画館
- 観光施設
パーソナライズ検索はローカライズ検索の機能を包含しているという意味でより上位の機能にあたると考えることができます。
ローカライズ検索は現在地情報に基づいた検索
これまでの項目で何度か触れた通り、Googleの検索はユーザーが検索を行った場所に大いに着目しています。
東京で「カレー専門店」と検索すれば周辺にあるカレー専門店のサイトが優先的に上位表示されることでしょう。
ユーザーの現在地情報を使用して地域を特定し、検索結果に周辺情報を反映させているのです。
ユーザーが検索を行う場合「近くの病院をすぐに知りたい」など事態が急を要することも少なくありません。
そんな時にローカライズ検索は大いに役立っています。
シークレットモードでも適用される
パーソナライズド検索を可能な限り回避する方法として「シークレットモード」の使用が知られています。
シークレットモードとはブラウザに検索履歴やCookieを残さずに検索できる機能のことです。
SEO対策で自社サイトの正しい検索順位を知りたい時などはこのシークレットモードを使うと良いでしょう。
ただし、シークレットモードもローカライズ検索の影響を免れることはできません。
ユーザーが検索した地域がどこなのかという情報は適用されてしまうので注意してください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Googleで正確な検索結果を得る方法
Googleでパーソナライズ検索機能の影響を可能な限り廃した正確な検索結果を得るためにはどうすれば良いのでしょうか。
ここではそのための方法を5つご紹介します。SEO対策を施した後、検索順位を確認する際はぜひこれらを実践してください。
アカウントをログアウトして検索
Googleで正確な検索結果を得る方法、1つ目はアカウントをログアウトして検索する方法です。
パーソナライズ検索に影響を与えるデータは個人のアカウントと紐付いています。
なので、ログアウトしてユーザーが誰なのか分からない状態で検索を行えばパーソナライズ検索の影響を受けずに済むでしょう。
これはパーソナライズ検索の影響を回避するための最もシンプルな方法です。
シークレットモードで検索
Googleで正確な検索結果を得る方法、2つ目は先の項目でも取り上げたシークレットモードで検索をする方法です。
シークレットモードでは検索内容・サイトの表示履歴・Cookie・ID・パスワードなどを保存しません。
検索にあたってユーザーの履歴やその他の情報を使うこともないので、パーソナライズ検索の影響を受けずに済みます。
ただしこれも上述の通り、ローカライズ検索の影響は受けることになるので注意しましょう。
URLの語尾に「&pws=0」を入力して検索
Googleで正確な検索結果を得る方法、3つ目はURLの末尾に「&pws=0」を付ける方法です。
検索窓にキーワードを入れて検索するとアドレスバーにURLが表示されます。その末尾に「&pws=0」を付けましょう。
「&pws=0」はパーソナライズを無効化するパラメーターです。
これによってシークレットモードで検索をした時と同じ状態を得ることができます。
ここでもやはり位置情報による検索結果への影響を免れることはできないので気を付けましょう。
検索順位測定ツールを活用する
Googleで正確な検索結果を得る方法、4つ目は検索順位測定ツールを使う方法です。
Googleで検索して確かめるのではなく専用のツールを用いて正しい順位を求めます。
様々な種類があり、大きな順位の変動があればアラートを出してくれるなど機能も様々なので自社に適したものを選びましょう。
自社サイトのランキングを確認し、競合の順位まで細かくチェックするのは骨の折れる作業です。ツールはそれらを肩代わりします。
Googleの検索設定を変更する
Googleで正確な検索結果を得る方法、5つ目はGoogleの検索設定を変更する方法です。
あらかじめ検索設定を変更しておけば、いちいちシークレットモードを開いたりパラメータを再入力したりする必要はありません。
通常モードのGoogleの検索結果ページで「設定」をクリックし、その中の「検索設定」をクリックしてください。
表示されたプライベート検索結果の画面の中の「プライベート検索結果を使用しない」を選らんで保存すれば設定完了です。
Googleのパーソナライズ検索で困った時は?
Googleのパーソナライズ検索はユーザー1人ひとりのためにカスタマイズされた検索結果を提供する素晴らしい機能です。
日常的に検索エンジンのお世話になることが増えてきた昨今、私たちは大いにパーソナライズ検索の恩恵を承けています。
しかしSEO対策の担当者となった場合は喜ばしいことばかりではありません。
どうかすると正確な順位を見誤り、誤情報に基づいた的外れな施策を実行してしまいかねないからです。
そんな事態に陥らないためにもSEO対策の実行にあたってはパーソナライズ検索の存在に十分気を付けましょう。
もしもパーソナライズ検索のことで困った時は、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
業界に精通したプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではGoogleのパーソナライズ検索のSEOへの影響について解説しました。
パーソナライズ検索は非常に便利な機能ですが場合によってはSEO対策の妨げともなりえます。
ご紹介したいくつかの対策を講じていつでも正確な検索結果を表示できるようにしておきたいものです。
本稿がSEO担当者の皆様の一助となれば幸いです。