SNSの普及に伴い、多くの企業がSNSマーケティングに力を注いでいます。
SNSマーケティングは、低コストでも十分に効果が期待できるマーケティングです。
では、SNSマーケティングとは一体どのようなマーケティングなのでしょうか。
今回は中小企業を中心にSNSマーケティングで成功した5つの事例をご紹介します。
SNS導入前の準備や活用で得られる効果をはじめ、運用に関するポイントも合わせて解説します。
ぜひ自社のマーケティングの参考にしてみてください。
目次
SNSは大企業より中小企業の方が相性がいい
SNSマーケティングは中小企業こそ積極的に取り入れるべきマーケティング方法です。
では、なぜSNSマーケティングを取り入れるべきなのでしょうか。
その答えはSNS運用で得られるメリットにあります。
誰でも無料で始められる
1つ目に誰でも無料で始められることです。
TVや新聞広告には多額の費用が発生します。
資金力のある大企業はこうした広告を活用することは簡単です。
しかし、予算に制約のある中小企業にはハードルの高いマーケティングといわざるを得ません。
その点、無料で始められ長期的に運用できるSNSは中小企業こそ運用すべきマーケティングツールなのです。
双方向性のコミュニケーションツールである
2つ目にSNSが双方向性のコミュニケーションツールだということです。
SNS上に投稿された記事に対して、ユーザーはコメントを書き込んだりシェアをしたりと自由にコミュケーションを取ることができます。
これに対して企業から返事を返す・いいねを付けるなどのリアクションが起こせます。
自分たちの声に耳を傾けてくれる企業に対して、ユーザーは親しみを感じ積極的に応援をしてくれるでしょう。
また、ユーザーの声を生かした商品やサービスをSNS上で紹介すれば、ユーザーはさらに好意的に受入れてくれるはずです。
こうしたユーザーの行動に対し、即座に答えを返せるのはフットワークの軽い中小企業ならではの強みです。
各種SNSの特徴
SNSには大きく2つのタイプに分類ができます。
- 交流系
- 写真・動画投稿系
SNSにはそれぞれ特徴があります。
実名型のFacebookやLINEは交流系の代表的なSNSです。
同じ交流系でも匿名でも気軽に参加できるX(旧Twitter)は拡散型のSNSといえるでしょう。
写真・動画投稿系の代表的なものにInstagramやYouTubeが含まれます。
これらのSNSにはいいねボタンやシェア機能があり、ユーザー同士で情報の共有が可能です。
瞬時に情報が拡散され、その情報に対してユーザーが反応することで新たなトレンドが生まれるのがSNSの特徴といえるでしょう。
SNSマーケティングの事例はこちら
中小企業のSNS活用の成功事例
SNSにはテキスト重視型・ビジュアル重視型に加え、動画配信型とそれぞれに特性を持ってます。
各SNSの特性を生かした中小企業の成功例を5社ご紹介します。
Facebookを活用した成功事例 藤巻百貨店
元伊勢丹のバイヤー藤巻幸大氏がプロデュースする通販サイトです。
日本をテーマにしたこだわりの商品を丁寧に紹介。
商品の世界観を印象的な写真とキャッチコピーで表現しています。
X(旧Twitter)を活用した成功事例 舟橋屋
くず餅などを販売する老舗和菓子店です。
FacebookやX(旧Twitter)などSNSを活用したマーケティングを積極的に行っています。
老舗店の強みを生かし地元の情報を積極的に発信。
観光客が多く訪れる時期に合わせて、近くの花の開花予想など地方の顧客にも嬉しい情報をツイートしています。
商品の宣伝だけでなくユーザーに役立つ情報を発信していることから多くのフォロワーから支持されています。
LINEを活用した成功事例 サダマツ
国内外に顧客を抱えるジュエリーブランドです。
国内での高級ジュエリーのニーズが減少する中で、インバウンド施策をいち早く行った企業です。
中国版X(旧Twitter)であるWeibo(ウェイボー)のアカウントを開設し、中国で人気の日本人俳優を広告に起用しプロ―モーションを開始。
その後、中国で最も一般的な決済手段である中国版LINEと呼ばれるWeChat(ウィチャット)で商品を購入できるシステムを導入しました。
その利便性と安心感から外国人売り上げの前年比10倍を実現。
現在も成長を続けています。
Instagramを活用した成功事例 O-ed+
福井県のすしとコーヒーが楽しめるカフェです。
スタイリッシュな内装を施した店舗やビジュアルにこだわった商品を掲載。
インスタ映えという言葉が表すように訴求力の強い写真をコンスタントに投稿しています。
YouTubeを活用した成功事例 株式会社ダブルジェイシー
大阪市内物件を主に扱う不動産会社です。
賃貸マンションなどさまざまな物件をYouTubeで紹介をしています。
視聴者から寄せられる住まいの疑問や悩みに自社の管理する物件を例に丁寧に解説しています。
写真や間取り図では分からない細かな部分まで動画で見ることができるので、自宅にいながら内見感覚を味わえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
事例から学ぶSNS活用のコツ
各SNSの特性ごとに成功事例を紹介しましたが、成功にはいくつかのコツがあったことにお気付きでしょうか。
それは自社の特徴とSNSの特性がマッチしているかどうかです。
例えば、顧客とのつながりの強い企業がファッション性の高いInstagramをはじめてもファンはついてこないでしょう。
反対に若年層をターゲットとした企業がFacebookのアカウントを開設しても同様です。
SNSマーケティングをはじめる前に、自社の特性を把握することが成功への近道といえるでしょう。
SNS運用で成功している中小企業は自社の商品やユーザーの特性に合ったSNSを活用しています。
テキストや動画など自社の製品やサービスと親和性のあるSNSを活用することが成功の秘訣です。
中小企業がSNS活用で得られる効果
中小企業がSNS活用で得られる効果は大きく2つあります。
- 知名度の向上
- 売上アップ
知名度の向上
SNS活用の効果はTVや新聞広告以上の拡散力です。
何気ないつぶやきや写真でも一部のユーザーの興味を引くものであればたちまち広く拡散されます。
SNSにはインフルエンサーと呼ばれる独自のファンを持つユーザーも存在しているのは担当者の方もご存じでしょう。
もし彼らが自社の投稿を拡散してくれれば、たちまちSNSで大きな話題となります。
そうすればマスメディアから取材や紹介をされる機会も一気に増えるでしょう。
その結果、大企業並みの知名度の向上につながるのです。
売上アップ
知名度が向上することで自然と見込み客も増加します。
SNSを見たユーザーが自社の商品やサービスを購入し、さらにユーザーのSNSで拡散。
その投稿を見た別のユーザーが購買アクションを起こす。
この連鎖により飛躍的な売上増加も十分に見込めます。
SNSで拡散される情報はユーザーにとって好意的な情報だけでなく不快な情報も瞬時に拡散されます。
SNS運用で効果を得るためにもユーザー目線に立った投稿を心掛けましょう。
SNSを導入する前の準備
SNSマーケティングの成功事例をご紹介しました。
ここからはSNSの導入を考える担当者の方に向けて導入前の準備について解説します。
導入にあたって、まずは以下の準備を進めましょう。
- 自社の強みを分析
- ターゲットの明確化
- 中長期的な施策を考える
- SNSの特徴と自社との相性を検討する
- 社内の体制整備
これらの準備が整ってはじめてSNSマーケティングは成功します。
具体的にどのようなことを始めれば良いかひとつずつ詳しく説明をしていきます。
自社の強みを分析
SNS以外にもマーケティングにおいて重要なポイントは自社の強みを把握することです。
強みといわれるとイメージしにくいですが、他社にはない独自の特徴を探すといっても良いでしょう。
そのためには自社を客観的に見ることが重要です。
自分たちの弱みがユーザーにとっては大きな魅力であったりする場合もあります。
既存の顧客にアンケートを取るなど第3者からの目線を生かした分析を行うと良いでしょう。
ターゲットの明確化
SNSを運用する上でターゲットを明確にしておくことは非常に大切です。
ターゲットを明確にするにはどのようなことをすれば良いのでしょうか。
まずは自社の商品やサービスが誰にとってメリットがあるのかを明確にすることが必要になります。
SNSを利用するユーザーは自分にとって有益な情報にのみ反応をします。
反対に企業側の一方的な宣伝には全く反応を示しません。
このように双方向性のコミュニケーションツールの特性を生かすためにターゲットの設定は明確にしておきましょう。
中長期的な施策を考える
SNSマーケティングを行う上で欠かせないのが中長期的な施策です。
企業のブランディングと同様にSNSも地道なファン作りが重要になります。
運用が手軽なSNSはすぐに結果が出ると考える企業が少なくありません。
しかしSNSマーケティングで成功している企業ほど、長い時間を掛けてユーザーとの信頼関係を築いています。
ユーザーとの関係性を深めることで優良なファンを獲得することができるのです。
SNSの特徴と自社との相性を検討する
それぞれのSNSに特徴があることから、企業の特性によって相性の良いSNSと悪いSNSがあります。
仮に顧客の年齢層の高い企業がInstagramなどで情報を発信してもフォロワーは増えません。
企業向けのBtoBサービスを行う企業も同様のことがいえます。
このように自社の商品・サービスの特性やターゲット層に合わせて運用するSNSを選定することが重要です。
また、複数のSNSを使って訴求内容に応じて使い分けることも必要でしょう。
社内の体制整備
中小企業では1人の担当者がマーケティングや他の業務も受け持つことがほとんどです。
限られた時間の中でSNS運用を行えば、十分なチェックも行えず情報の発信をせざる得ないこともあるでしょう。
その結果、ユーザーに不快感を与える投稿や誤った情報をユーザーに提供してしまう恐れがあります。
これは社内のチェック体制が機能していないことが原因で起こる問題です。
いわゆる炎上と呼ばれるトラブルはこうしたことから起きるのです。
1度炎上をしてしまうとブランドイメージが下がり最悪は社会的信用を失うことも。
社内でのダブルチェックや専門業者に委託するなど、運用方法を含めた体制を整えることが必要です。
中小企業の場合、SNSについての知見が乏しいまま運用を行っているケースが多く見受けられます。
SNSに関する勉強会や教育にも力を入れるべきでしょう。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNS発信のポイント
ここまでSNS導入までの準備について解説をしました。
ここからは実際にSNSでの発信についてのポイントを説明します。
顧客に寄り添う投稿
SNSを運用する目的は自社のファンを増やし顧客につなげていくことです。
そのために投稿内容も企業目線でなく、ユーザー目線を意識することが必要になります。
商品やサービス情報以外に、時にはユーザーの役立つ情報を発信することも求められるでしょう。
こうしたちょっとした気遣いはユーザー側から見ても嬉しいものです。
コメント欄に寄せられる質問やちょっとした発言にも寄り添い、積極的に応えることでファンも獲得しやすくなるでしょう。
継続して発信
SNS運用で重要なポイントの2つ目は継続して情報を発信し続けることです。
準備の部分でもお話ししたように、長期で運用を続けることが自社の存在を広めていく上で欠かせません。
SNSは企業とユーザーの交流の場です。
人間関係と同様に時間を掛けて少しずつ信頼関係を深めることを忘れないようにしましょう。
SNS運用で成功するためにはユーザーとの良好な関係を築くことが最も重要です。
そのためにも長期的にユーザーの立場に立った発信を続けることが必要になります。
SNS広告は利用するべき?
SNSを運用する際に広告は利用すべきか悩む担当者もいるでしょう。
ここではSNS運用と広告の違いや導入について解説します。
SNS広告とSNS運用は別もの
SNS広告とSNS運用は似ているようで、全くの別物であることはあまり知られていません。
では、SNS広告とSNS運用の違いは何なのでしょうか。
それは最終的な着地点の違いです。
SNS運用は自社のブランディングを目的としています。
対してSNS広告は商品やサービスの宣伝を目的としており、両者の活用法には注意が必要でしょう。
SNS広告を活用するメリット
SNS広告を活用するメリットは以下の2つです。
- 具体的なターゲティングの設定が可能
- 広告の拡散力が強い
SNS広告は、各SNSのユーザーデータから自社に興味がありそうなユーザーを特定できます。
特定のユーザーに向けた広告は企業にとってどんな効果をもたらすのでしょうか。
それは潜在顧客へのリーチです。
ユーザーのニーズに合った広告はターゲットのユーザー以外の潜在顧客にも広く拡散されます。
広告を見たユーザーが他のユーザーに向けてリツイートやシェアをするからです。
それらのアクションが別のユーザーに拡散され、広く自社の商品やサービスが知れ渡ることになるでしょう。
SNSマーケティングの事例はこちら
中小企業のSNSの成功事例で悩んだら
さまざまな中小企業の成功事例をご紹介しましたが、自社も同じように成功するか自信のない担当者も多いでしょう。
そんな時は、SNSマーケティングに関しての知識や実績を持つ専門企業に相談されることをおすすめします。
まとめ
今回は中小企業のSNSマーケティングの成功事例と導入や運用に関してのポイントを詳しく解説しました。
資金力のある大企業に比べ、中小企業は自社のプロモーションに多額のコストは掛けられません。
しかし、ちょっとした工夫によっては低コストでも効果的なプロモーションは可能になります。
特にSNSマーケティングは低コストで始められる上、中小企業との相性も良いマーケティング方法です。
自社に合ったSNSを選定し、効率の良いマーケティングを行ってみてはいかがでしょう。