アーンドメディアは上手に活用すれば企業・商材認知度の向上やファン・リピーターの獲得につながります。
すでに多くの企業が注目し運用に乗り出しているため、成功事例・失敗事例ともに有効な分析材料はそろっている状態です。
特に、強力な情報拡散力を獲得した事例や多くのファンを獲得した事例、他メディアとの連携に失敗した事例に注目してみましょう。
目次
アーンドメディアの事例を解説
アーンドメディアはすでに多くの企業がその魅力・メリットに注目し成功を収めています。
特に注目すべき活用例が情報拡散力を活かし、ユーザーからの信頼獲得・ファンの増加につながった事例です。
また、アーンドメディアの活用例の中にはさまざまな失敗事例もあります。
中には炎上につながった事例もあり、アーンドメディア活用の成功を目指す上で貴重なデータサンプルといえるでしょう。
成功した事例と失敗した事例をいずれも分析すればアーンドメディア活用のヒントを得ることができます。
アーンドメディアが注目されている理由
アーンドメディアが注目されている理由として下記が挙げられます。
強い情報拡散力:SNSや既存マスメディアによる報道での情報発信
「広告感」がなく情報の信頼性が高い:情報拡散を行なっている主体は企業と利害関係がない
コストパフォーマンス面のメリット:無料で使えるツールも多い
ターゲットを絞った情報拡散:趣味・嗜好が似ている人に情報を伝えやすい
ファン・リピーターの獲得が期待できる:アーンドメディアを通じて身近さや親しみやすさをアピール
特に広告運用で悩んでいる企業にとって、こうしたアーンドメディアの特徴は魅力的です。
そのため、すでに多くの企業がアーンドメディア運用に乗り出しています。
SNSマーケティングの事例はこちら
媒体の種類と特徴
代表的なアーンドメディアとしてSNS・ブログなどのツールを活用した口コミや既存メディアによる報道などが挙げられます。
こうしたアーンドメディアは広告意図がなく図らずも情報拡散できる点が特徴です。
ブログやSNS
アーンドメディアは企業だけでなく一般ユーザーが1次情報を発信できる点が特徴です。
その際によく利用される媒体として下記があります。
ブログ:アメーバブログ・note など
SNS:Facebook・X(旧Twitter)・Instagram
まとめサイト など
特に情報拡散力に優れていてニーズにマッチした共感を得られるコンテンツは海外にも拡散する可能性があります。
つまり、アーンドメディアの利用によって他メディアで情報を届けられないユーザーにも情報拡散できるかもしれません。
ただし、ユーザーへの情報の伝わり方やイメージ戦略がやりづらいデメリットは押さえておくべきでしょう。
マスメディアの報道・ニュースサイトの記事
テレビ・新聞による報道やニュースサイトの記事が意図せず企業・商材紹介につながるケースもアーンドメディアの1つです。
わかりやすい事例として大手企業がスポンサードしているスポーツチームが挙げられます。
例えば、そのチームに注目すべきトピックが生まれた場合、テレビのニュースや新聞記事などで情報が発信されます。
その際、チームの背景を説明するためにスポンサードしている企業や取扱商材も含めて情報が伝達されるケースが少なくありません。
また、スポンサード企業とのコラボレーションイベントが行われる場合などもチーム・企業の注目度が高いほど大々的に取り上げられます。
報道の主旨上メインで伝えたいことではないものの、意図せず企業・商材紹介がニュースとして情報拡散される例です。
口コミ
口コミはアーンドメディアの中でも基本中の基本です。
爆発的な情報拡散につなげるためには商材やコンテンツに対する口コミが絶対不可欠なものです。
ただし、アーンドメディアの性質を考えると企業側が主体となって口コミを作ることはできません。
そこで登場した手法がネット上で影響力の強いインフルエンサーによるアプローチです。
企業からインフルエンサーに「使ってみて」「レビューしてくれませんか?」と働きかけを行うことは認められています。
また、口コミを投稿してくれたユーザーに合法的なインセンティブを提供する手法もすでに定番でしょう。
メリット・デメリットに限らず、ユーザー主体の発信を企業側から制限しない点がポイントとなります。
PR・パブリシティ
アーンドメディア媒体としてPR(Public Relations)も重要です。
PRとは企業が利害関係なしにメディアでの情報発信を働きかける活動のこと。
取り上げたメディアに対する企業からのインセンティブは原則ありません。
パブリシティ(publicity)は広告を目的としたプロモーション活動が報道で取り上げられることです。
社会的影響力や注目度が大きい企業・商材について新聞・テレビ・ニュースサイトで報道されるケースが挙げられます。
例えば、世界的にヒットしている商材のニューモデル発表会に関するニュースが該当するでしょう。
PR・パブリシティは客観的な第3者情報なのでユーザーからの信頼度が高いというメリットがあります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アーンドメディアの活用事例
アーンドメディア活用事例には企業が積極的に発信する方法とユーザーが発信したものを受け取る方法があります。
企業サイドからの発信はコンテンツの作成や広告をはじめとする他メディアとの連携です。
受け取る活用方法はユーザーの口コミ調査・ユーザーとのコミュニケーションが挙げられます。
自社情報、コンテンツの発信
アーンドメディア活用事例としてツールを利用した自社情報の発信は定番の手法です。
例えば特定の限られた人にしかたどり着けないアカウントを用意し、ファンにのみ動線をアナウンスする手法が挙げられます。
<例>
自社オウンドメディアで限定情報を発信するための会員登録を促進
会員限定のメルマガ・SNSアカウントのアナウンス
こうした取り組みにより精度の高いターゲティングが実現し、コアターゲットに身近さを持ってもらうことができます。
SNSを情報収集ツールとして活用しているユーザーのコンバージョン率向上も期待できるでしょう。
各種広告の出稿
アーンドメディアの活用事例として各SNSやニュースサイトへの広告出稿も挙げられます。
例えば、民放のニュース番組を視聴中に挿入されるテレビCMも該当するでしょう。
さらに、アーンドメディアで広告が行われたことを告知する使い方もポピュラーです。
ペイドメディアやオウンドメディアに出稿したCMをアーンドメディアで告知
季節のセール情報や新作リリース情報といったオウンドメディアコンテンツを各SNSでアナウンス など
ユーザーの声を確認する
アーンドメディアはサイレントカスタマーの本音をあぶりだすツールとしても有効です。
匿名性が高いツールが多く、注意深く読むとユーザーの無意識の感想まで読み取れることがあります。
特に口コミサイトなどに投稿されている自社商材へのコメントとSNSに注目してみてください。
例えば、SNSで飲食店名を検索するとその店舗を利用したユーザーの投稿がたくさん出てきます。
中には料理が提供された状態の写真をアップしている人も少なくありません。
共感を得る内容であれば投稿へのコメントや他ユーザーへのシェアという形でポジティブな本音を汲み取れるでしょう。
ユーザーとのコミュニケーション
アーンドメディアは他のメディアでは実現できない近さでユーザーとのコミュニケーションを図れるツールです。
その特徴を活かし、ユーザーからの共感を得る投稿でファンを増やすことができます。
例えば、多くの企業が行っているのが公式アカウントから自社に関するユーザーの投稿に寄り添うようなコメントを返す手法です。
特にネット上のアーンドメディアは匿名での情報発信が可能で、ユーザーが比較的正直に喜怒哀楽や自分の考えを発信しています。
スタートとなる投稿がネガティブなものであればあるほど寄り添ってくれたことに対するユーザーの共感も大きくなるでしょう。
また受動的な活用方法として、改善につながる口コミの抽出・ユーザーとのコミュニケーションツールとしての活用もされています。
アーンドメディアの成功事例
アーンドメディアの魅力を敏感にキャッチし、いち早く活用に乗り出した企業も少なくありません。
特に、無印良品・メルカリ・シャープに注目してみましょう。
無印良品
無印良品はSNSが一般に普及しはじめた黎明期からそのメリットに注目していました。
特に情報拡散ツールとしての比重が高かったのがFacebookです。
タイムセールなどニュース性の高い内容の投稿をはじめ様々な投稿がユーザーにシェアされました。
現在はInstagramの公式アカウントも開設、積極的な情報発信でフォロワー数276万人を誇る超巨大チャネルになっています。
SNSの中でもFacebookは長文投稿ができる点が特徴です。対してInstagramは視覚的・直感的な共感を得やすい魅力があります。
それぞれの特徴を活かし、固定客獲得ツールというアーンドメディアのメリットを享受できたのが無印良品の成功要因といえるでしょう。
メルカリ
メルカリはSNS、特にX(旧Twitter)活用の成功事例として有名な企業で、特にターゲティングで成功した点が見逃せません。
メルカリのX(旧Twitter)活用事例は主にキャンペーン・アプリの仕様変更・活用方法などの発信です。
プロフィール欄でどのような情報をリリースするか記載し、フォローによってどのような情報を受け取れるか明示しています。
フォロー・フォロワーという親近感を持てる関係性でしか獲得できない情報発信でユーザーのVIP感醸成を図っている事例です。
シャープ
シャープの注目すべきアーンドメディア活用事例はメルカリと同じくX(旧Twitter)です。
商品リリース情報はもちろん、ユーザーが親近感を持てる投稿が多くX(旧Twitter)らしい表現や文脈の使い方に特徴があります。
企業の公式アカウントながら、いわゆる中の人のキャラクターで人気や共感を集めファンの獲得に成功しています。
アーンドメディアで成功するためのコツ
アーンドメディアで成功するためのコツは大きく分けて2つあります。
1つは多くのユーザーに情報を見てもらえるようにすること。
もう1つがユーザー目線でコミュニケーションを取りながら共感してもらい、ファンを増やすことです。
まずは多くのユーザーを集める
アーンドメディアに限らず広告で成功するコツは多くの人に情報を届け認知してもらうことがスタートです。
まずはSNSの公式アカウントでフォロワー数を増やす取り組みから始めてみましょう。
例えば、アーンドメディア活用の成功事例であるメルカリはX(旧Twitter)公式アカウントのフォロワー数が約35万人弱です。
※2021年5月現在
つまり、公式アカウントで情報をつぶやく(投稿する)だけで35万人に発信できる魅力的な情報拡散ツールとなっています。
双方向のコミュニケーションでファンを増やす
ユーザーとの双方向コミュニケーションで成功しているのがX(旧Twitter)で多くのファンを獲得したシャープです。
ユーザーに対するアプローチに積極的で、SNSの企業公式アカウントの中でもトップクラスの返信率を誇ります。
シャープが多くのファンを獲得した背景にはほとんどのユーザーが自分の投稿は大多数に埋もれているという感覚があります。
その中からわざわざ意見を掘り起こし返信をくれた、という印象が共感を得てファンの増加につながりました。
ユーザー目線のコンテンツを発信する
アーンドメディアで爆発的にシェアされるコンテンツの条件として、ユーザーからの共感は無視できないものです。
そこで、投稿の内容がユーザー目線のコンテンツであるかどうかもチェックしてみてください。
例えば、無印良品のInstagram公式アカウントは商材が日常に溶け込んだ映える1シーンを数多く投稿しています。
あわせて商材説明を付け加えることで、ユーザーが商材利用を具体的にイメージし親近感を持つ効果を狙っています。
アーンドメディアの失敗事例
アーンドメディアはペイドメディア・オウンドメディアとあわせてトリプルメディアの1つと位置付けられています。
他の2つとアーンドメディアが明らかに違う点が各メディアとの間に利害関係があるかどうかです。
アーンドメディアはあくまでも第3者による善意の評価であることが前提となっています。
だからこそ、アーンドメディアで拡散される評価・情報にユーザーは高い信頼を寄せるのです。
そこで多くの企業はオウンドメディアの情報をアーンドメディアで評価してもらいやすい手法を取り入れています。
例えば、オウンドメディア上の情報をX(旧Twitter)で拡散する方法として考えらえるのが下記2つです。
- 投稿の文章中にURLをコピペする
- 拡散したい情報のページにあるX(旧Twitter)アイコンを押し、投稿画面を起動させる
特に2の手法はペイドメディア・オウンドメディアでリリースされた情報をアーンドメディアで拡散するために必須です。
しかし自社オウンドメディアが2の仕様に未対応の場合、情報拡散を考慮したUIとはいえません。
つまり1クリックですまない分、情報拡散するユーザーにとっては手間がかかってしまい情報発信ハードルが高まってしまうのです。
トリプルメディア間の連携は必須のため、ユーザーが情報をシェアしやすいUIを意識してみてください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アーンドメディアで失敗しないための注意点
アーンドメディア活用で失敗しないために注意したいポイントとして下記が挙げられます。
アーンドメディアで伝える情報は運用コンセプトに沿っているか
情報発信が定期的で前回発信時から期間が空きすぎていないか
情報発信のタイミングは適切か
広告感があからさまではないか
ユーザーにネガティブな印象を抱かせないか
投稿の内容に共感できるか
デリカシー・リテラシー面で信頼できる内容か
上記中にはこれまでに炎上の原因となったポイントもあり、メディア運用上の重要なデータサンプルです。
なぜユーザーの共感を得られなかったのか、必ず分析してみましょう。
メディアの運用で悩んだら?
アーンドメディアに限らずトリプルメディア運用でお悩みでしたらWebマーケティングコンサルタントを活用してみてください。
メディア活用には投稿内容・運用法に問題がないかチェックできる仕組みづくりや担当者のWebリテラシー向上が重要です。
Webマーケティングコンサルタントは第3者の客観的な視点から企業のメディア運営をサポートできます。
客観的なチェック体制の強化や運用改善施策を提案することも可能です。
SNSマーケティングの事例はこちら
まとめ
アーンドメディアは第3者からの情報拡散で共感・信頼を得ることでマーケティング効果の強化が期待できます。
媒体の選択や活用方法も企業方針にあわせて自由な発想で利用できるのが魅力です。
ただし、成功するコツ・失敗につながる注意ポイントがいくつかあります。
過去の成功事例・失敗事例を分析しポイントを押さえた運用につなげましょう。
その際、分析・運用ノウハウの面からサポートできるWebマーケティングコンサルタントの利用も検討してみてください。