メリットとは、商品が持つ魅力やサービスポイントのことです。

そのため、企業は顧客に対し商品やサービスの「ウリ」をアピールします。

一方、ベネフィットは商品を購入した顧客が得られる変化や体験を表します。

多くの場合、顧客は商品を購入して得られる満足感や結果を求めているのです。

そのため、ベネフィットで顧客に購入目的を与えるのはマーケティングにおいて重要です。

この記事ではベネフィットの効果について詳しくご紹介します。

ベネフィットとメリットの役割

アイテム、サーチ

商品の持つ長所や利点をメリット、欠点をデメリットと呼びます。

メリットについて認知している人は多いですが、ベネフィットの役割はあまり知られていません。

メリットとベネフィットを理解すれば、ビジネスでより利益を得ることができるのです。

では、ベネフィットの役割とメリットとの違いを詳しくご紹介します。

ベネフィットの役割

ベネフィットとは、顧客が商品やサービスを購入して得られる「体験」や「よい変化」を表す言葉です。

商品で満足感を得た顧客が「また利用したい」と思えば、企業側にもプラスになります。

つまり、ベネフィットには顧客に商品を購入する目的と便益をアピールする役割があるのです。

ベネフィットを正しく伝えることができれば、顧客の購買意識の向上へ繋がります。

メリットの役割

メリットは、商品や提供するサービスの利点やセールスポイントを表します。

「高品質」「コスパが良い」「使いやすい」など、商品の長所は積極的にアピールするべき点です。

顧客の購買意欲をかき立てるには、より優れた魅力的な商品が求められます。

メリットには自社製品の特徴や武器を顧客に宣伝する重要な役割があるのです。

ベネフィットとメリットの使い分け方

クエスチョンマークとビジネスマンの画像

メリットは商品そのものの利点や価値、魅力を表す言葉です。

一方、ベネフィットは商品を買うことで顧客が得る満足感やよい体験を意味します。

メリットとベネフィット、両者を活用するのがマーケティング戦略の1つです。

ベネフィットを提示して商品に興味を持たせ、メリットをアピールすれば魅力がより伝わります。

広告でベネフィットを伝えるメリット

広告でベネフィットを伝えるメリットは以下になります。

  • 商品の説明だけでは分からない期待や満足感が伝わる
  • 商品を買う目的をイメージしやすくなる

顧客側は商品の特徴や長所だけを見て購入することはあまりありません。

購入後に得られる自分の利益や満足を重視して、商品を購入しているためです。

そのため、ベネフィットで「商品に便益があります」とアピールするのが大切になります。
 
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ベネフィットを活用して広告成果を高めるには

データ、分析

ベネフィットを活用すれば広告で顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。

まず、商品を購入した顧客の利益をベネフィットでアピールすることです。

「時間が節約できる」や「気分がよくなる」といった、幸福感を伝えると効果的です。

続いて、メリットを解説して商品の長所や特徴を伝えます。

たとえば「低価格で高品質」などの優れた「利便性」のアピールです。

ベネフィットとメリットを提示することで、顧客は商品に期待を抱き目的を見出します。

 

ワンポイント
・メリットは商品自体のアピールポイントや長所のこと
・ベネフィットは商品を購入した顧客が感じる満足や幸福感のこと
・ベネフィットを伝えることで顧客は購入後のイメージをする

ベネフィットの種類

上向きの矢印と男性

ブランドのベネフィットにはいくつか種類があり、顧客へのアピールポイントが異なります。

商品やサービスに合わせたベネフィットを活用することがポイントです。

顧客のニーズに合わせたベネフィット広告なら、より販売促進が期待できます。

では、3つのベネフィットについて詳しく解説していきますので参考にしてみてください。

機能的ベネフィット

機能的ベネフィットは、商品やサービスが提供する機能の利便性をアピールするものです。

機能的ベネフィットは、商品がもたらす便益で顧客に価値を伝えます。

つまり、商品の機能的な長所で顧客に魅力を訴えることがポイントです。

道具なら「切れ味がよい」「軽く扱いやすい」などの長所が、機能的ベネフィットに当たります。

商品の機能や性能は、その商品を扱う専門家や職人にとって重要なベネフィットです。

情緒的ベネフィット

コンサルタント

情緒的ベネフィットとは、その商品に対する感情的な便益を意味します。

衣服を例に挙げると「着心地が快適」「デザインが好き」などの長所が挙げられます。

顧客がその商品に対し、プラスの感情を抱いて満足することが情緒的ベネフィットです。

商品やサービスを購入した顧客の感情が動くと、購入後に高い充足感を得られます。

その結果、情緒的ベネフィットはブランドへの安心感や信頼へと繋がっていくのです。

自己実現ベネフィット

自己実現ベネフットとは、商品やサービスを購入して得る便益や自己実現のことです。

たとえば、商品を使用入して自分自身が向上し、理想の自分になれる点が挙げられます。

顧客は能力が上がったことで価値を感じ、自分に「自信」を持つようになります。

自分自身の体験や実感で便益を得られるのが自己実現のベネフィットです。

ベネフィットを考える前にターゲットの設定を

ID

ベネフィットで商品やサービスを販売するには、ターゲットを定めることが肝心になります。

顧客層によって、優先するべきベネフィットが多岐に渡るためです。

メリットとデメリットの説明は大事ですが、ベネフットをアピールしなければ購買に繋がりません。

自社製品の便益をより効果的に宣伝することが、マーケティングのポイントです。

 

ワンポイント
・まず製品を販売するターゲット設定から始める
・ターゲットをリサーチして適切な便益をベネフィットで伝える

 
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ベネフィットを考えるステップ

「Success」の文字を囲むビジネスマンの画像

ただ闇雲にベネフィットを並べ連ねるだけでは、効果的な宣伝とは言えません。

まずは商品をアピールしたいターゲットについてリサーチする必要があります。

どんなベネフィットなら魅力を伝えられるか、順を追って考えていきましょう。

  • まずは商品の特徴を見つける
  • 見つけた特徴から「どんな良いこと」があるかを追求する
  • 結果、この商品を購入すると顧客がどう感じるか考える

このように、まずは商品の特徴を追及していきます。

すると、その長所を踏まえた上で購入側にどのような利益があるか見えてくるはずです。

たとえば「柔らかい素材」が特徴の服なら、顧客は衣服を着ることで心地よさを感じます。

結果「外出が楽しく開放的に」なり、顧客は機能的ベネフィットを得たことになるのです。

ベネフィットが発見できたら、その点をメリットとセットで顧客に明瞭に提示しましょう。

では、ベネフィットを考える手順について解説していきます。

ターゲットの持つ課題の洗い出し

男性

ターゲットを設定する際は、自社目線で課題を割り出さないことが重要です。

常に相手目線に立ち、顧客のフィルターで考えるのがポイントになります。

これは、顧客層によって感じる便益に差があり求めるベネフィットが異なるためです。

商品を売りたいターゲット側の問題や課題をまずは検証してください。

課題が見えたら、自社製品が課題を解決できる点をアピールするのが効果的です。

ストーリーの作成

ターゲットは、課題を抱えながら自分に相応しい製品やサービスを探します。

「どうすれば課題を解決できるか」に注目した共感できるストーリーが大切です。

まずは顧客に潜在的に抱えている課題を意識させることから始めてください。

相手側に課題を伝え「製品で課題を解決したい」と誘導することがポイントです。

課題を解決できるベネフィットを伝える

パソコン

化粧品や美容サプリ販売の場合で考えてみましょう。

まず、顧客の抱えている肌トラブルや美容の悩みについて提示します。

すると顧客はその課題や悩みに共感を持ち、製品に興味を抱くのです。

「自社製品で課題が解決する」とベネフィットでアピールすれば、購買意欲が上がります。

ストーリーの目的は、まず課題を認識させて生まれた共感を販売に活かすことです。

 

ワンポイント
・抱えている課題を提示して共感を得る
・課題を解決できるベネフットをストーリーで分かりやすく伝える

 
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ベネフィットの例をご紹介

「OK!」と描かれたメモの画像
ベネフィットを活用した具体例を詳しくご紹介します。

自社製品の宣伝の際に参考にしてみてください。

より顧客に訴えかけるストーリーを作成し、ベネフィット広告に活用してみましょう。

一例として、美容サプリメントの例で考えてみましょう。

たとえば「美容成分を高配合」「低価格」「人気モデル愛用」などはメリットになります。

ですが、これだけで顧客はすぐに購入に踏み切れない場合がほとんどです。

この商品の利点に対して、ベネフィットで顧客の感情に訴えかけると効果的です。

  • サプリの美容成分で肌つやがよくなり家族に好評だった
  • 人気モデルのようなスタイルになり友人に自慢できた

上記のように情緒的ベネフィットが加わることで、顧客の購買意欲が向上します。

また、顧客の情報から問題を提示して解決効果を含めることもポイントです。

例として「肌のシミが悩み」という課題を顧客にストーリー作成で提示します。

課題に共感した顧客が「製品で悩みを解決したい」と考え、販売効果アップに繋がります。

 

調理器具の広告では、ブランドや使用素材のメリットを宣伝することがあります。

包丁を例にすると「高級ダマスカス鋼使用」というような製品のウリのことです。

ですが、顧客側は材料だけに魅力を感じて購入することはほとんどありません。

この場合、購入する際に重要なのは購入後に得られる満足感や自分の結果なのです。

つまり、自己実現ベネフィットをアピールすることがポイントになります。

  • 切れ味のいい包丁を使ったら手際がよくなり、料理の腕前が上がった
  • 面倒な下ごしらえの時間が減って、料理がもっと楽しくなった

上記の様に、自分の利益や満足できる結果を顧客側は求めているのです。

そのため、メリットだけではなく「結果」と「満足」を伝えることが大切になります。

ベネフィットを伝える時の注意点

相談

顧客へアピールするためには自社製品への理解がかかせません。

  • どんなターゲット(対象)に向けた製品なのか
  • 製品を使うとその対象にどのような効果があるか
  • ターゲットが望む利益はなんなのか
  • ターゲットの課題や悩みを解決できているか

このようにターゲットに沿ったベネフィットを想定する必要があります。

製品購入後に得られるベネフィットに関して、相手に明確な言葉で伝えるようにしてください。

では、ベネフィットを伝える際に注意するべき点について解説していきます。

ベネフィットを伝える順番も大切

3ステップのイメージ

ベネフィットは、メリットを紹介する前に伝えるとより効果的です。

「自社製品を使えばこんな良いことがあります」と先に顧客にアピールします。

続いて商品の長所を伝えることで、商品のイメージが膨らみやすくなるのです。

顧客は商品の質はもちろんですが、購入後の目的と結果を重視して商品を選びます。

そのため、特徴やメリットだけを押し出して商品の良さを伝えきることは困難です。

しかし、ベネフィットを先に提示すれば「結果」を想像させることができ、購買に繋がります。

顧客は常に商品を購入した後に得られる便益を重視している点を忘れないようにしてください。

ターゲットによって適切なアプローチは変わる

ターゲットの性別や年代によってニーズや求めるベネフィットが異なります。

そのため、事前にターゲットの情報をリサーチをすることが必要不可欠です。

たとえば20代女性と40代女性では、美容に対する認識がそれぞれ違います。

両者の課題に着目し、どんな解決ができるかベネフィットで提示することが肝心です。

ベネフィットを考えていて悩んだ時の対処法

ビジネスの思考法

ベネフィットは商品がもたらす満足感や顧客が得る便益のことです。

ですが、顧客のニーズにより求めるベネフィットが違う点に注意してください。

ターゲットを無視したベネフィット広告はどこに向けた商品か分からず、魅力が伝わりにくくなります。

更に、改めてベネフィットを追求した時に行き詰まってしまうケースもあるでしょう。

もしベネフィットの活用方法で悩んだ時は、デジマクラスまでご相談ください。

ベネフィットの活用法や顧客へのアピール方法について適切にアドバイスいたします。

 

ワンポイント
ターゲットによりニーズが異なるため、迷った時はマーケティングの専門家に相談するのもおすすめ。

まとめ

PDCA

ベネフィットは顧客に対して商品を購入する目的を与える重要な要素です。

商品を使うことで顧客が得る体験や幸福感を適切にアピールし、購買に繋げていきましょう。

ターゲットに合わせたベネフィットを伝えればより商品の魅力が高まります。

商品の特徴やメリット・デメリットを把握して宣伝することは大切です。

しかし、商品の長所だけでは顧客が商品購入に踏み切れないケースもあります。

そんな時、ベネフィットで便益を伝えることは顧客と企業双方のメリットになるのです。

正しくベネフィットを活用して、自社製品の魅力を最大限に伝えていきましょう。