行動心理学がさまざまなビジネスシーンで活用されていることをご存知ですか?

多数が選んだ特定の選択肢は自然と選ばれる傾向にある、というバンドワゴン効果もビジネスで活用されている行動心理学の1つです。

この記事では、バンドワゴン効果のメリットや活用事例だけでなくビジネスで活かすコツについてもご紹介しています。

ビジネスに活用できる行動心理学に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

バンドワゴン効果の概要

折れ線グラフ

バンドワゴン効果とは、多数の人が選んでいる選択肢は、さらにその選択肢を選ぶ人を増やすという心理的な効果になります。

お店がいくつかあればたくさんの人が並んでいる店を自然に選んでしまう、などが代表的な例です。

アメリカの経済学者であるハーヴェイ・ライペンシュタインによって提唱された行動心理学になります。

パレードの先頭を引率する楽隊車を意味するバンドワゴンから転じて、集団心理においての心理的効果を指すようになりました。

人間は、多くの人が選んでいる選択肢をどうして自然に選んでしまうのでしょうか。

バンドワゴン効果が生じる要因について、詳しくみていきましょう。

 

ワンポイント
バンドワゴン効果とは、多くの人が選んでいる選択肢を自然と選ぶようになるという心理効果の1つです。

バンドワゴン効果が生じる要因

考える

バンドワゴン効果が生じる要因は、私たちの祖先が狩りで獲物を獲って暮らしていた頃にさかのぼります。

狩りで大きな動物を捕らえるためには、何人かで協力する必要がありました。

集団で行動することにより、帰属意識(集団に所属していたいという意識)が生まれます。

祖先に芽生えた帰属意識が現代の私たちまで脈々と受け継がれ、バンドワゴン効果を引き起こす要因となっているのです。

 

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バンドワゴン効果と関係が深い心理効果

心理学

バンドワゴン効果と関係が深い心理効果には、次のようなものがあります。

  • スノッブ効果
  • ヴェブレン効果
  • 社会的証明
  • アンダードッグ効果

スノッブ効果とアンダードッグ効果は、バンドワゴン効果と相反する心理効果です。

それぞれ詳しく解説していきます。

スノッブ効果

スノッブ効果は、大衆がやっていないことをやってみたい、みんなが持っているものは欲しくないと思う気持ちのことです。

バンドワゴン効果と正反対の心理効果になります。

例えば、限定品だから欲しい、誰も行ったことがない秘境に行ってみたいという気持ちもスノッブ効果です。

バンドワゴン効果とスノッブ効果は、状況に応じてその特性がビジネスに利用されています。

ヴェブレン効果

高級時計

商品やサービスの値段が高いものであればあるほど価値があると思ってしまう効果をヴェブレン効果といいます。

ヴェブレン効果の代表例といえば高級ブランドショップでしょう。

高価な商品が売れるのは、ヴェブレン効果が働いているという証拠です。

社会的証明

人間は、集団の中で自分に同調する意見が1つもないと判断した場合、無意識のうちにその意見を引っ込めてしまう傾向があります。

しかし、自分の意見に賛同する人が1人でも存在した場合、打って変わってその意見を主張するようになるのです。

この心理効果を社会的証明といいます。

他人の意見に同調してしまうという点では、バンドワゴン効果と似た心理効果といえるでしょう。

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果は、不利であると思われる選択肢に同情して多くの賛同が集まるという効果になります。

人気投票などで特定の候補に票が集まっていると聞くと、自分はもう片方に投票しよう、と思うのがアンダードッグ効果です。

こちらも少数派に賛同が集まることから、バンドワゴン効果とは反対の心理効果といえます。

バンドワゴン効果のメリット

爽やか

バンドワゴン効果によって、商品やサービスの支持者やファンを増やすことができます。

多くの人から賛同を得られれば知名度も高まり、さらに支持者を増やすことも可能でしょう。

バンドワゴン効果で得られるその他のメリットについて、詳しく解説していきます。

他社との差別化が可能

1つ目のメリットは、他社との差別化が可能になるということです。

レイアウトなどを工夫して自社の商品の売れ行きが良くなれば、バンドワゴン効果でさらによく売れるようになることが期待できます。

残り少ない商品=よく売れている商品ということになるので、顧客は残り少ない商品を自然と手に取ってしまうのです。

よく売れている商品、というイメージが定着すれば、似たような他社の商品との差別化を図ることができるでしょう。

信頼性が高くなる

信頼性

2つ目のメリットは、信頼性が高くなるということです。

多くの人に支持されるということは、商品やサービスの信頼性を高めることにつながります。

バンドワゴン効果によって、たくさんの人が使っているから大丈夫だろう、という安心感を与えることができるのです。

顧客やユーザーの支持を集めることは、企業ブランディングにも効果があります。

 

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バンドワゴン効果の活用事例

腕組み

ここからは、バンドワゴン効果の活用事例をご紹介します。

私たちは日常生活の中で、気づかないうちにバンドワゴン効果の影響を受けているのです。

それぞれの事例を1つずつみていきましょう。

選挙

選挙では、優勢である・圧倒的な支持を集めていると聞いた候補者に票が集中するパターンが多いです。

勝ち馬に乗る」ともいわれるこの現象こそ、まさにバンドワゴン効果による影響になります。

多くの人から支持されているということを印象づけることで、有権者の票を集めることが可能です。

選挙は、バンドワゴン効果がもっとも有効活用されている事例といえるでしょう。

投資

株価

投資者は、売れ筋の株の銘柄や金融商品をこぞって買う傾向にあることをご存知ですか?

この現象にもバンドワゴン効果がはたらいています。

バンドワゴン効果は、みんなが買っている金融商品であれば元本割れするリスクも少ないだろう、という安心感にもつながるのです。

SNS

バンドワゴン効果は、SNSを閲覧する際にも私たちの行動に影響を与えています。

フォロワー数が多いインフルエンサーや、いいね!が多い投稿をついチェックしてしまう、という人は多いのではないでしょうか。

注目されている投稿は、自然とアクセス数が伸びるものです。

これもバンドワゴン効果による行動といえます。

バンドワゴン効果のメリットを活かせるSNSをマーケティングに役立てている企業は非常に多いです。

特に、影響力が大きいインフルエンサーを活用したマーケティングは、バンドワゴン効果を最大限活用した事例といえるでしょう。

恋愛

恋愛においてのバンドワゴン効果は、人気者であればさらにファンが増える、という現象が代表的な例です。

異性に人気のある人に対してなんとなく好意を感じてしまう、ということもバンドワゴン効果が影響しています。

自分に人気がある、ということを適度にアピールできれば、恋愛を有利に進めることができるでしょう。

 

ワンポイント
バンドワゴン効果は、日常生活のさまざまな場面で私たちの行動に影響を与えています。

バンドワゴン効果をビジネスで活かすコツ

アイコン

日常生活において、私たちはバンドワゴン効果によるさまざまな影響を受けているということがわかりました。

では、ビジネスにおいてはどのように活用すればいいのでしょうか。

バンドワゴン効果をビジネスで活かすコツについて、詳しく解説していきます。

忙しさのアピール

忙しさ時間制限をアピールすることは、バンドワゴン効果を生み出すきっかけになります。

営業活動する場合、顧客の都合にあわせるよりも具体的な日時を提案して忙しさをアピールする方が効果的です。

商談を多く抱えていると印象づけることができれば、そこにバンドワゴン効果が生まれます。

他人が興味を持っているならきっと良い商品だろうという安心感も生まれ、商談もスムーズに進むでしょう。

商品の売れ行きを強調

バンドワゴン効果の活用には、売れている商品であるとアピールすることも非常に効果的です。

アピール方法には次のような方法があります。

  • 時間を区切る
  • 余裕を持って商品を陳列する
  • 具体的な数字を表示する

通販番組などで「番組終了後から30分限定」などのアナウンスを聞いたことがある人も多いでしょう。

スーパーなどのタイムセールもよくあるケースです。

時間を制限することで、「この商品は売れている」と思わせることができます。

商品を陳列するときは、あえて余裕を持たせることで売れ行きの良い商品であるということを視覚的にアピールできます。

棚いっぱいに商品が並んでいると、いつでも買うことができると思って素通りされてしまうことが多いのです。

「残りわずか」などのポップアップを設置するのもいいでしょう。

どれだけ売れているかということを具体的な数字で表現する方法もあります。

例えば、「販売部数〇〇冊のミリオンセラー」「契約件数No.1」などの文句が書かれた広告はPR効果が非常に高いです。

裏付けされた数字を活用することで、信頼感を与えることもできるでしょう。

上記で紹介した方法はいずれも、売れている商品だから自分も買ってみようかな、と顧客の購買意欲を刺激する効果があります。

多くの人に購入してもらうことができればSNSなどの口コミで情報が拡散されることも多いです。

バンドワゴン効果とSNSの相乗効果で、さらなる売り上げアップが見込めるでしょう。

社会的評価のアピール

受賞歴やマスコミで取り上げられた実績などの社会的評価をアピールすることも、バンドワゴン効果活用のコツです。

「○○賞受賞」や「○○で紹介されました」などのポップアップを見かけたことがある人も多いでしょう。

受賞歴があるということは、多くの人に認められたということになります。

影響力の大きいマスコミで取り上げられたということも、知名度が高いという証明になるのです。

多くの人に受け入れられているから自分も買ってみよう、というバンドワゴン効果を生み出すことができます。

 

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バンドワゴン効果を広告で活用する効果

ホワイトボード

バンドワゴン効果を広告で活用する際、よく使われている手法はキャッチコピーです。

短い言葉で商品やサービスの魅力を伝えるキャッチコピーは、顧客に対して強烈な印象を与えることができます。

前の章でご紹介した「○○賞受賞」や「契約件数No.1」などの言葉を適切に配置してみましょう。

いかにたくさんの人から支持を集めているかということを端的に表現することがポイントです。

魅力的なキャッチコピーによるバンドワゴン効果で、宣伝効果だけでなく購買行動促進にも効果があります。

普段何気なく目にしているチラシやポスターにも、バンドワゴン効果は活用されているのです。

バンドワゴン効果を活用する際の注意点

注意喚起

バンドワゴン効果を活用する際の注意点は、次の2点です。

  • 行き過ぎた表現は避ける
  • 品質も重視する

バンドワゴン効果で人を集めたいからといって、あまりに行き過ぎた表現の宣伝文句を使用することはやめておきましょう。

誇張された表現は、下手をすると人を騙していると誤解されかねません。

法律に抵触する恐れもありますので、事実に基づいた言葉を用いることが大切です。

また、バンドワゴン効果で商品やサービスの売れ行きがよくなっても、品質が伴っていなければ結果として顧客は離脱してしまいます。

商品やサービスに満足しなかった顧客が、悪い評判の口コミをSNSなどに投稿するということも考えられるでしょう。

バンドワゴン効果で獲得した顧客にリピーターとなってもらうためにも、顧客満足度を高める努力は怠らないようにしましょう。

 

ワンポイント
 バンドワゴン効果を活用する際の注意点
・行き過ぎた宣伝文句の使用は避ける
・商品やサービスの品質も重視する

バンドワゴン効果の活用で困った時は

リモート

バンドワゴン効果をマーケティングに活用するためには、マーケティングの専門知識が必要になります。

特に、初めてマーケティングに取り組む場合や短期間で成果を出したい場合はプロに依頼するのがマーケティング成功の近道です。

バンドワゴン効果の活用で困った時は、専門コンサルタントのデジマクラスにぜひ相談ください。

新規顧客やリピーター獲得につなげるマーケティング施策をご案内します。

 

ワンポイント
バンドワゴン効果の活用で困った時は、専門コンサルタントのデジマクラスに相談してみましょう。

まとめ

ガッツ

バンドワゴン効果は、私たちの日常生活にも深く溶け込んでいる心理効果の1つです。

ビジネスにおいては、売れている・人気があると印象づけることで集客力を高めたり売り上げを伸ばしたりする効果があります。

キャッチコピーやタイムセールなどが代表的な例です。

バンドワゴン効果を活用する際は、行き過ぎた表現にならないよう事実に基づいた宣伝文句を考える必要があります。

バンドワゴン効果で効果的なマーケティングを行いたい場合は、専門コンサルタントのデジマクラスに相談してみましょう。