ビジネスプランの多様化・インターネットの普及などの理由により起業を目指す人が増えてきました。
アイデア次第で誰もが「社長」になることが可能であり、大きな成功を手にすることも可能です。
会社法の改正により起業のハードルは低くなったものの、しっかりと準備をしなければ成功を手にすることはできません。
この記事では、これから起業を目指す人が知っておきたい起業形態・会社設立形態・起業アイデア・資金調達方法などを解説します。
目次
起業形態の2つの種類
企業形態には「法人設立」「個人事業主」の2つの種類があり、起業する際にはどちらかを選ばなければなりません。
したがって、起業を目指すにはそれぞれのメリット・デメリット・特徴を的確に把握しておくことが不可欠です。
ここでは企業を目指す人が知っておきたい「法人設立」「個人事業主」の概要や特徴について解説します。
法人設立
法人設立とは会社組織を立ち上げ、法人登記などの手続きを行うことで成立する企業形態です。
会社組織を法人とすることで、経費として認められる範囲が広がり社会的な信頼度もアップします。
ただし業績が悪化していても法人税が必要などコスト面での負担が大きいことがデメリットです。
かつては「株式会社」が一般的でしたが、「合同会社」を立ち上げる起業家が増えているのが現状となります。
個人事業主
法人以外の企業形態が個人事業主であり、所轄の税務署に開業届を提出することが必要となります。
法人と比較すると簡単に開業することが可能であり、一定の範囲内の所得額であれば税制上の負担が少ないのもメリットです。
ただし、事業規模の拡大伴い一定の所得額を超えても、税制上の優遇措置を受けることができません。
したがって、個人事業主として開業し、事業規模の拡大のタイミングを見計らって法人へと移行するのが賢明な方法です。
法人(会社)設立の形態は4種類
法人(会社)の設立形態は「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。
開業や個人事業主から移行する際には、これらの内容を理解した上で設立形態を選ばなくてはなりません。
ここでは法人の4つの設立形態について、それぞれの特徴を紹介します。
株式会社
株式会社とは「株式」を発行することで資金を調達する設立形態であり、次の特徴があります。
- 出資者は1名以上
- 出資者と経営者の分離が原則
- 会社の債務には出資金額の範囲内で責任を負う
- 株主総会が最高決定機関
法人といえば「株式会社」を思い浮かべる人が大半であり、顧客や取引先からの信用・信頼度も絶大です。
ただし、会社設立時のコストが大きくなるといったデメリットもあります。
合同会社
別名LLC(Limited Liability Company)と呼ばれる合同会社には次の特徴があります。
- 出資者は1名以上
- 出資者と経営者は同一
- 会社の債務には出資した金額の範囲内で責任を負う
- 重要事項は全社員の同意で決定
合同会社は出資率=分配比率でなくても良いことが大きな特徴でありメリットです。
また、出身者全員が債務に対しては有限責任を負い、意思決定や利益分配方法も決めることができます。
とても自由度の高い設立形態であるものの、知名度がやや低いのがデメリットです。
合資会社
合資会社は合同会社と似通った設立形態であり、次の特徴があります。
- 出資者は2名以上
- 出資者のうち会社の債務に無限の責任を負う無限責任社員が1人以上
- 出資者のうち会社の債務に有限の責任を負う有限責任社員が1人以上
- 無限責任社員が経営を行う
- 重要事項は全社員の同意で決定
合同会社との相違点は、その責任の範囲によって無限責任社員と有限責任社員が混在している点です。
合同会社と同様に自由度の高い形態であるものの知名度が低いのがデメリットだといえます。
合名会社
合名会社は合資会社と似通った設立形態であり、次の特徴があります。
- 出資者は2名以上
- 出資者が会社の債務に無限の責任を負う
- 無限責任社員が経営を行う
- 重要事項は全社員の同意で決定
合資会社との相違点は、合名会社には無限責任社員の概念がなく、出資者は有限責任社員である点です。
合資会社と同様に自由度の高い形態であるものの知名度が低いのがデメリットだといえます。
起業アイディア・ビジネスモデルの種類
起業は会社を設立することが目的ではなく、ビジネスとして成り立たせ実績を上げることだといえます。
そのためには、どういったビジネスを展開するのか、またどういったビジネスモデルを実践するのかが重要です。
ここでは、起業に際して把握しておきたい起業アイデアの活かし方、ビジネスモデルの定番6パターンを解説します。
様々な起業アイデア
起業するには、まずどういったビジネスを展開するのかを決めなくてはなりません。
いわゆる「起業アイデア」は日常生活の中に、いくつものヒントが隠されています。
- 既存の商品・サービスを参考にする
- 自分の得意・好きな分野から探し出す
- 自分の感じる不便から考えてみる
- 物事の「本質」から探し出してみる
起業アイデアの探し方は様々ですが、大切なのは常にアンテナを高く張り「人の役に立つ」といった視点を持ち続けることです。
ビジネスモデルの定番6パターン
起業アイデアを具現化するには、どういったビジネスモデルにマッチするのかを精査することが重要です。
なお、定番となるビジネスモデルの6パターンは以下のとおりとなります。
- 直販
- 小売り
- 卸売り
- 広告
- サブスクリプション
- プラットフォーム
直販・小売り・卸売りは古くからある手法であり、在庫を抱えることもあることからある程度の資本が必要です。
インターネットとの普及とともに浸透しているのが広告であり、アフィリエイトなどがこれに該当します。
一定期間の商品・サービスの利用権に、一定期間の商品の利用権を提供するサブスクリプションは継続的な収入が魅力です。
プラットフォームはユーザーに場所・環境を提供するビジネスモデルであり「LINE」「楽天市場」などが代表例となります。
起業の資金調達の方法は主に4種類
起業するには資金調達を行わなければなりませんが、その金額は事業規模や企業形態によって異なるのが一般的です。
起業する際の資金調達は銀行など金融機関からの融資及び国や地方公共団体からの補助金が定番となります。
しかし、最近は資金調達の方法も多岐にわたっており、いかに必要な資金を集めるかがポイントです。
ここでは、起業の際に知っておきたい代表的な4種類の資金調達方法を紹介します。
補助金
国や地方自治体は中小企業・ベンチャー企業の支援活動を積極的に行っています。
その一環が中小企業・ベンチャー企業に対する補助金制度であり、返済義務が発生しないことが最大のメリットです。
ただし、補助金制度にはいくつもの条件があり、非常にハードルが高いことがデメリットになります。
したがって、補助金を利用する際には利用条件を確認するとともに、条件をクリアできる対策を講ずることが大切です。
クラウドファンディング
近年様々なメディアで話題となっているのが、クラウドファンディングと呼ばれる方法になります。
クラウドファンディングとは、ネット上で自身の事業計画に賛同・出資してくれる人を募る資金調達方法です。
出資者は出資先から適切なリターンが受けられると感じれば、出資してくれる可能性が高くなります。
したがって、誰もが納得できる事業計画を策定することはもちろん、魅力のあるリターンを約束することが重要です。
融資
起業の際の資金調達において最もオーソドックスな方法が銀行や金融機関などから融資を受けることです。
融資先には各種銀行のほかに日本政策金融公庫があり、中小企業やベンチャー企業に特化した融資もあります。
融資のメリットは条件さえクリアすれば、非常に大きな金額を調達できる点です。
もちろん、融資を受けるには綿密な事業計画が必要であり、返済しなければならない点も十分に考慮しておく必要があります。
投資
株式会社を設立する場合のオーソドックスな資金の調達方法が、投資家から投資を受ける方法です。
投資に関しては返済する必要はありませんが、投資に見合った株式を提供しなければなりません。
つまり投資額が多い投資家ほど株主総会などでの発言力が大きくなり、経営の自由度が損なわれることになります。
したがって、投資に依存するのではなく、利益を上げて自社で所有する株式を増やすなどの対策が必要です。
起業する人の種類
会社法の改正により、資本金の金額が大幅に低く設定されたこともあり、多くの人が起業しています。
起業する人を分類すると以下のとおりです。
- 会社員
- 女性(主婦)
- 学生
- シニア世代
働き方改革の一環として、副業を認める企業が増えており、会社員も比較的簡単に起業できるようになりました。
女性の場合、介護などで自宅から自由に外に出ることができないことから、インターネットで起業している人が増加傾向です。
比較的、時間に余裕のある学生は在学中に数名の仲間で会社を立ち上げる、大きな実績を残している人も少なくありません。
今後、高齢化が進むにつれ、さらなる増加が見込まれるのが「シニア世代」です。
時間的な余裕があるだけでなく、パソコンに対する知識・スキルをもった人も少なくありません。
起業は場所を選ばない
起業するにあたって以前であれば、事務所や営業所の場所を決めることからスタートしていました。
しかし、インターネットの普及により起業は場所を選ばなくなり、参入に対するハードルを引き下げる要因の1つとなっています。
なお、起業の場所として選ばれているのは次のとおりです。
- 事務所
- 自宅
- コワーキングスペース・シェアオフィス
株式会社を設立するのであれば、顧客・取引先からの信頼を得るためにも「事務室」を借りるのが一般的になります。
インターネットを中心とした事業展開を目指すなら、自宅やコワーキングスペース・シェアオフィスが便利です。
もちろん、インターネット環境が整っていることが条件ですが、コスト面を考慮しても大きなメリットがあるといえます。
また、起業する地域としては必ずしも都市部に固執する必要はなく、地方や海外を選択する人も少なくありません。
起業は何から始めればいい?
いざ起業したいと考えても、何から始めていいのかわからないといった人も少なくありません。
起業するにあたっては、職種にもよりますが基本的に学歴や資格は必要なく、何より意欲とスキルが大切になります。
ここでは起業を決めたとき何から始めればいいのか、また準備しておきたいことを考えてみましょう。
自分に必要なリソース・スキルを考えよう
起業に向けてまず考えたいのが、自分が企業を展開する上で必要なリソースやスキルが何であるかです。
ビジネスを展開する上でリソースとは人・モノ・資源などのことを指します。
したがって、自身がビジネスを展開する上で必要な人材・資金・道具・商材は何であるかを具体的にピックアップしましょう。
また、スキルとはビジネスを展開する上で必要なスキルのことであり、いわゆる「技術」に加えて免許・許可なども含まれます。
なお、必要なリソース・スキルを考える際には、同じ業種の先輩らに漏れがないかチェックしてもらうと良いでしょう。
必要なリソース・スキルが得られる環境を考えよう
必要なリソース・スキルが精査できたら、それらが得られる環境について考えてみましょう。
例えば開業にあたっての資金が必要な場合、銀行などからの融資が受けられるのか、他の方法で調達するのかを考えます。
営業を展開する上で必要な手続きはないのか、また手続きが完了するまでに時間はあるのかなども考えておきましょう。
なお、必要なリソース・スキルが得られる環境を考える際にも、同業の先輩らにチェックしてもらっておくと安心です。
起業したい人のキャリアの選択肢
起業のハードルは低くなったものの、ノープランで起業するなど無謀以外の何物でもありません。
しっかりと準備期間を設けて起業すべきですが、その間のキャリアをいかに過ごすかも重要です。
既にどういった業界・業種で起業したいかが決まっている人は、同じ業界・業種の会社でキャリアを積むことが得策です。
起業したいといった目的はあるもののノープランの人は、可能な限り知名度が高い会社でキャリアを摘むと良いでしょう。
起業のに向けての資金を積み立てられるだけでなく、起業後においても知名度の高い会社にいたことで信用されやすくなります。
圧倒的成長をするなら勢いのあるベンチャーで
起業に向けてのハードルが低くなったことで、あらゆる業界・業種において起業にチャレンジすることが可能となりました。
数ある業界・業種において圧倒的な成長を目指すならベンチャーが狙い目です。
ただし、多くの起業家がベンチャーに取り組んでおり、初心者が一人で太刀打ちすることはできないでしょう。
初心者が起業を目指すなら勢いのあるベンチャー企業において勉強することも有効です。
本気で起業を考えるなら、起業する力が身につく「Wedia」への入社・転職を検討してみましょう。
まとめ
会社法の改正により起業が非常に身近なものとなりましたが、ノープランでは成功を収めることはできません。
起業を目指すには「法人設立」「個人事業主」の企業形態の違いやそれぞれの特徴を把握しておくことが重要です。
また、起業アイデアをいかにビジネスモデルに落とし込むかを考えることで、成功の可能性はさらに高まるでしょう。
なお、起業するには資金調達が不可欠ですが、業種・業界や事業希望に応じて資金調達の方法を選択することが大切です。
圧倒的な成長を期待するならベンチャー企業が最適ですが、初心者だと成功は望めません。
将来起業を実現したいならノウハウや勢いのあるベンチャー企業で経験を積むのがおすすめです。
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