新しいビジネスモデルとして、ライセンスビジネスというものがあります。
このビジネスは、ライセンサー(権利を持っている人)が、ライセンシー(運営者側)にキャラクターの使用を承諾し成立します。
ライセンシーは自社の商品やイベントなどに、そのキャラクターを使用して知名度を上げられるのです。
今回はライセンスの活用方法について、ライセンスのメリット・デメリットなどをご紹介していきます。
目次
ライセンスビジネスの概要と特徴
ライセンスビジネスとは、企業が権利者のキャラクターやブランドの特徴などを活用して、プロモーションを行うことです。
ビジネスが多様化し、企業も従来の事業展開だけでは生き残れない時代になっています。
そこで異業種とコラボするなどして新たな商機を見つけ、顧客を獲得することが重要になってきました。
例えば、あるブランドの持ち主が他の会社に使用を許可することで、新しいブランドの形を作り上げることができます。
私たちの周りでは、有名キャラクターと企業のコラボ商品がライセンスビジネスという契約を通じて新たなビジネスを生んでいるのです。
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ライセンスの対象となるプロパティの種類
ライセンスの対象となっているもののことを「プロパティ」といいます。
ライセンスの対象となるプロパティには以下のような知的財産があります。
- アート
- キャラクター
- ブランド
- 商法
プロパティにはその他、乗り物・雑誌・博物館・学校なども含まれます。
デジタル分野におけるライセンスビジネス
ライセンスビジネスは、プロモーションや商品化だけでなく、デジタル分野においても幅広く活用されています。
ソフトウェアやゲーム業界にもライセンスビジネスが存在します。
それでは、ソフトウェアとゲーム業界のライセンスビジネスについて解説しましょう。
ソフトウェアのライセンスビジネス
ソフトウェアのライセンスビジネスの形態は多岐にわたります。
サプライヤーと呼ばれる開発・提供者とバイヤーの双方により成り立っているのです。
ソフトウェアのライセンスは、サプライヤーのライセンスを購入してから、永続的と期限付きの二つに分類されています。
永続的ライセンスとは一度購入すれば永続的に使用できる契約です。
期限付きはサブスクリプションと呼ばれ、あらかじめ決められた期間までしか使用できない契約になります。
ビジネスで使用するWordやExcel などのソフトも、ライセンスビジネスの一種でパソコンが壊れるまで使える永続的ライセンスです。
ゲーム業界のライセンスビジネス
ゲーム業界でもライセンスビジネスは幅広く行われています。
現在ではさまざまなコラボ商品やイベントがゲーム業界で流通しています。
なかでも、ゲームのキャラクターを企業の商品とコラボさせる形が人気です。
また、他ゲーム業界とのキャラクター同士をコラボさせて新しいキャラクターを作ることもあります。
ゲーム業界ではさまざまなスタイルでのライセンスビジネスが発展されています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ライセンスビジネスの具体例
ライセンスビジネスの特徴や種類で解説したように、ライセンスビジネスは、実際に私たちの身のまわりでも数多く行われています。
ここでは、私たちが日常生活で目にするライセンスビジネスの具体的な例をご紹介していきます。
LAWSON×リラックマ
コンビニ大手であるLAWSONと、サンリオのキャラクター「リラックマ」とのコラボレーションは、ライセンスビジネスの一例です。
対象商品を購入することで、リラックマのスタンプを貯めることができます。
貯まったスタンプでリラックマ柄のタオルやエコバッグなどのコラボ商品がもらえるというものです。
LAWSONとリラックマのライセンスビジネスは定期的に行われています。
リラックマとコラボしたコスメを販売したり、リラックマのくじ引きが設置されたりしています。
2020年には10月23日より「リラックマ 一番コフレ」といったコスメが販売されました。
2021年には、3月2日~5月31日までの期間で「春のリラックマフェア」が開催されました。
ロート製薬×ドラゴンクエスト
ロート製薬は、「ロートジー」の発売30周年の記念として、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」 とコラボしました。
そして、2017年5月27日にスライム型の目薬(限定品)を販売しました。
ロートジーの目薬は、開閉しやすいスクエア容器が特徴です。
このコラボでは容器の形がスライムに似せられ、ドラクエのオリジナルキャラクターの可愛らしさを活かした商品となりました。
容器の他にも、紙箱の形状やテレビCMでもドラクエの世界観を導入することで、コラボの幅をさらに広げています。
Indeed×ONE PIECE
求人情報ウェブサイト「Indeed」 は、尾田栄一郎さん作の人気漫画「ONE PIECE」とのコラボを実現させました。
こちらのコラボは、主にCMを用いて、ONE PIECEのキャラクター達を人気キャストによって実写化したものです。
キャラクターをそのまま用いずに、あえて実写化するという新しい演出が評判になりました。
ライセンスビジネスにおけるプロモーション活動の一つであるといえます。
さらに、実写化をすることによって視聴者側へ与えるインパクトを大きくし、知名度を上げました。
ライセンスの活用方法
ライセンスビジネスにおけるライセンスの活用方法についてお伝えして行きます。
主に自社商品をプロモーションする方法と、プロパティを商品そのものに活用して販売する方法についてご紹介します。
自社商品をプロモーション
自社商品のプロモーションでは、自分の企業で作ったオリジナルの商品を顧客や視聴者にアピールします。
自社商品は、自分で商品を開発しますが生産は他の企業に委託することができます。
そのため生産してくれるメーカーとの契約が必要となります。
またチラシや広告などを作成し自社商品をプロモーションすることが可能です。
自分の企業のオリジナリティをアピールできる絶好の機会となります。
プロパティを商品そのものに活用して販売
プロパティを商品そのものに活用して販売するとは、他企業のアート・ブランド・キャラクターを自社商品にコラボさせ販売することです。
先ほど紹介した「ロート製薬」と「ドラゴンクエスト」のコラボ商品化が具体例となります。
他企業のプロパティの知名度や親しみやすさを活かして、自分の商品をアピールするという方法です。
ライセンサーとのライセンス契約のルールをしっかり守る必要があります。
ライセンスビジネスのメリット
他の企業とのライセンス契約により、自社の商品やサービスの質を高められるライセンスビジネスには、さまざまなメリットがあります。
ここでは、ライセンスビジネスを行うメリットについてご紹介していきます。
商品サービスの認知度向上が見込める
ライセンスビジネスを行うメリットとして、商品サービスの認知度の向上が見込めるという点があります。
例えば、ある有名キャラクターを売りとする企業とライセンス契約を交わす場合です。
そのキャラクターの特徴を活かした自社の商品やサービスを企画します。
そのキャラクターの知名度や親しみやすさから、自社の商品・サービスに興味を持ってもらえ、結果的に認知度の向上が見込めます。
潜在顧客の興味を引くことができる
潜在顧客の興味を引くことができるという点も、ライセンスビジネスを行う上でのメリットでしょう。
ライセンスビジネスでは、キャラクターやブランドを他企業と契約を交わしてシェアします。
コラボさせた自社のサービスや商品は、そのキャラクターやブランドのファンからも注目を集める対象となります。
そのため自社商品に興味や関心がない、または自社商品を知らない顧客も興味を持つ可能性が高いのです。
他企業のブランドやキャラクターとのコラボ企画にはこうした派生的なメリットがあるのです。
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ライセンスビジネスのデメリットは?
ライセンスビジネスを行うにあたって、メリットはもちろんですが、デメリットも知っておく必要があります。
具体的に2点のデメリットについて詳しくご説明していきます。
ライセンスを使わない場合よりも手間や時間が必要
ライセンスビジネスを行うデメリットは、ライセンスを使わない場合よりも手間や時間がかかるという点です。
ライセンスビジネスでは、必ず他企業とのライセンス契約を交わすことが必須です。
契約を交わした企業のブランドやキャラクターなど知的財産を活かし、コラボした商品・イベント・サービス企画を立案する必要があります。
このようにライセンスを使わずに自社商品を最初からアピールする方法よりも、手間や時間がかかるというデメリットがあります。
イメージを損ねてしまう可能性もある
イメージを損ねてしまう可能性があるという点も、ライセンスビジネスを行うにあたって注意しておきたいデメリットの一つです。
ライセンスビジネスを活用すれば今までと一風違ったサービスや商品を開発できます。
しかし、そのイメージが顧客にとってイメージと全く異なっていた場合、あまり興味を持ってもらえなくなる可能性もあります。
まずは自社の商品・イメージ・売りとしている特徴を見極め、そのうえでライセンス契約を交わす相手を選びましょう。
契約を交わす企業によっては、自社とその企業のイメージが異なりすぎて、両社のイメージを損ねてしまう危険性があるので注意しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ライセンスビジネスで注意すべきこと
ライセンスビジネスを行うにあたってのメリットやデメリットなどをご紹介してきました。
実際にライセンスビジネスを行うには、注意すべきことを知っておく必要があります。
ここでライセンスを活用する場合に注意しておくべきことをご紹介していきます。
ライセンスの条件を確認する
注意すべき点はライセンス契約の条件です。
他企業や個人的なライセンサーとのライセンス契約を交わした場合は特に注意が必要です。
そのブランド・アート・キャラクターの活用にあたっての条件が指定されることがあります。
キャラクターの使用目的や、どこまで使用してよいのかを相手側の許可のもとでライセンスビジネスを行わなければなりません。
プロパティの使用がライセンス契約の条件とは異なった場合、ライセンサー側から指摘され、別途ライセンス料を請求されることもあります。
また、これらの条件を破ってしまった場合には契約違反となることがあるため、注意が必要です。
契約期間終了以降は使用できない
ライセンス契約を交わすと、契約期間が付きます。
契約が成立してからは、その契約期間内にプロパティの活用をしなければなりません。
ライセンス期間は、その企業やライセンサー側によって異なりますが、話し合って決める場合もあります。
契約期間が切れると完全にライセンスは無効になってしまうので、必ず契約期間内に商品サービスの発表・販売をする必要があります。
この契約期間を守らないと、のちにトラブルへ発展してしまう可能性も出てくるのです。
最悪の場合は訴訟問題に発展することもあり得ます。
この段階では当事者間だけでは解決するのはかなり難しくなるため弁護士に相談するのがおすすめです。
ライセンスビジネスは契約がメインのビジネスなので、契約に詳しい弁護士に解決を求めると迅速な問題解決が可能になります。
契約は、ライセンサー側とライセンシーの両方の収益に大きく関係してくるものです。
そのため、なにかトラブルが起こってしまうと両社の解決が必要になり、法的ルールも存在するので勝手な判断ができません。
十分注意してプロパティを使用しましょう。
ライセンスビジネスで困ったときは?
ライセンスビジネスは、ブランドやキャラクターのイメージや知名度を利用して商品を企画・開発し、売上げアップを図る手法です。
しかし、実際にライセンスビジネスを行う場合は、デメリットにも目を向けておきましょう。
また、ライセンスビジネスの基本は他社との契約であるため、しっかりと契約の条件を守らなければなりません。
思わぬトラブルになってしまう可能性があるので、十分注意して行う必要があります。
これからライセンスビジネスに参入することを検討中の方は、是非デジマクラスにご相談ください。
ライセンスビジネス全般の注意点やルールなど契約を結ぶ前に確認しておくべき点についてアドバイスいたします。
デジマクラスは市場のニーズを分析し、自社に最適なライセンスビジネスが施行できるようお手伝いさせていただきます。
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まとめ
ライセンスの活用方法について、ライセンスのメリット・デメリットなどをご紹介しました。
ライセンスビジネスは成功すると多大な収益を生み出すことが可能で、売り上げや認知度にも大きく影響します。
さらに、ライセンサー側のアート・ブランド・キャラクターを活用して新しい商品や自社の人気を得られる可能性があります。
条件やモラルを守って、相互の収益を得ることができるのがライセンスビジネスです。
注意点を忘れずに、ライセンスビジネスを行って両社の魅力を最大限にアピールしましょう。