マーケティング手法として昨今話題になっている「ゲリラマーケティング」をあなたはご存知でしょうか?
少ないリソースで大きな宣伝効果を生むゲリラマーケティングについて、自社に最適な展開をデジマクラスと共に考えていきましょう。
目次
ゲリラマーケティングの概要
これは今までの広告の常識・慣習に囚われない自由な発想から生まれるマーケティング・キャンペーンを広く指すものです。
現代においては、企業からのメッセージだけではなくSNSによる口コミが消費者の購買決定に大きく影響を与えるようになりつつあります。
発想力を武器に局所的・低予算で実行され、情報拡散の主力をSNSなどに頼っていることが大きな特徴に挙げられます。
そのためこの手法の登場当時は中小企業での採用が主流でした。
現代では非常に効果的なマーケティング手法として、大企業にも多く採用されています。
メッセージを強く顧客の心理に印象付けるために有効で、新規顧客の獲得以上に既存顧客の保持・ブランドイメージの訴求が主な目的です。
この手法の中でも種類は細分化されますが、全体として認識・記憶しやすいように簡潔なメッセージを主軸に設計されています。
ゲリラマーケティングの手法
ゲリラマーケティングといっても、どこで広告展開するのか、何を主軸にして顧客に企業イメージを印象付けるかで種類が変わります。
各手法を概念的に理解することで、より自社に最適化された広告を展開でき、効率的な売上向上が望めるのです。
それぞれの手法を理解、適宜組み合わせて使うことでより自社に最適化されたマーケティングが可能になります。
この項では、ゲリラマーケティングにどんな種類があるのか紹介します。
ストリートマーケティング
ストリートマーケティングとは、駅・道路・建物の外壁など日常生活に密接に関わる公共の場での様々な広告手法のことを指します。
消費者に繰り返し認知を繰り返してもらうことで、商品やブランドのイメージを刷り込み、記憶・想起を繰り返してもらう目的があります。
アンビエントマーケティング
アンビエントマーケティングとは、日常生活内の様々な物理環境の中に広告を提示する手法を指します。
以下がアンビエントマーケティングが行われたことのある物理環境の例です。
- ベンチ
- 電車やバスのつり革
- エスカレーター
- バスや電車の車体外面
- マグカップ
日常生活内の様々な場所で目に入り、無意識に繰り返しの認知・刷り込みが行われます。
局所的ではありますが強くメッセージを伝えられる・残せる手法であるといえます。
アンプッシュマーケティング
アンプッシュ(待ち伏せ)マーケティングとは、企業が直接関与していないイベントなどに対して、暗示するメッセージを広告の中に展開する手法を指します。
広告主の企業としての認知度だけでなく、便乗するイベントの認知度を活用することができ、より効果的なメッセージ訴求を期待することが可能です。
直接的なブランドイメージ伝達ではなく「想起」、つまり連想で思い出してもらうことを主目的に置いています。
これも繰り返しの刷り込みを行う際の手法として有意義な選択肢です。
バイラルマーケティング
バイラル(ウイルス性の)マーケティングとは、口コミを利用した情報拡散・新規顧客獲得を図る手法です。
特にSNSが発展した現代においてある種非常に魅力的な手法と言えますが、広告効果を予測・測定できない点には注意が必要です。
また商品の広告であることを隠してしまうと、倫理観によっては「消費者を騙した」として非難される恐れもあります。
メッセージに対する共感や驚き以前にまず「理解」「受容」を得るために事前に十分な検討が必要です。
強い影響力を持つ反面、豊富な知識・経験が必要とされるため、導入を検討される場合ぜひデジマクラスへの相談を強く推奨します。
体験型マーケティング
体験型マーケティングとは企業と顧客が「体験」を通じて結び付き、ブランドイメージを訴求する手法です。
別名エンゲージメントマーケティングとも呼ばれています。
一般的な広告が一方通行のメッセージの伝達になりがちであるのに対し、「体験」の主体は顧客であることが特徴です。
これにより心理的に強く記憶されたブランドイメージは顧客の潜在意識の中で繰り返し認知され、より強化されていきます。
かつて主流だったマスマーケティングなどと異なり、「個人」と企業ブランドの関係に主軸を置いています。
ゲリラプロジェクション
プロジェクション、つまり「映写・投影」という言葉の通り、建物の外壁などに光を映し出す広告手法のことです。
いわゆるプロジェクションマッピングと呼ばれるようなアートも、ゲリラ広告としてのキャンペーンを通して普及してきた経緯があります。
例えばノキア・サムスン・BMWなど、名だたる大企業も各国の大都市でゲリラプロジェクションを実施してきました。
息を飲むような美しさで観客の心を揺り動かすゲリラプロジェクションも、非常に有効な広告として活用されています。
多くの手法・それに付随する自由度の高さを持つゲリラマーケティングについて、未経験での導入にはリスクを伴います。
不要なリスクを避けつつ売上を最大化するべく、まずはデジマクラスにご相談ください。
マーケティング戦略の事例はこちら
ゲリラマーケティングのメリット
前述の通り、ゲリラマーケティングには非常に魅力的なメリットが多く詰まっています。
この項ではそんなメリットについて、特に主要なものに絞って解説します。
費用対効果が高い
ゲリラマーケティングは一般的な広告と異なり、多くの予算を必要としません。
繰り返しにはなりますがこの手法の武器は発想力や独創性といった「アイデア」を局所でどう活かすかによって生まれるため、必然的に低予算で実現されます。
上手くSNSやメディアの拡散力に便乗、「バズ」に成功できれば、その影響力は一企業の単なる広告とは比にならない成果に繋がります。
センスやリスクヘッジは必要ですが、成功パターンを鑑みればこれほどコストパフォーマンスに優れた宣伝手法は他に類を見ません。
小規模事業者にもおすすめ
後述の事例紹介のようにゲリラマーケティングは大企業や大きな組織でも使用される手法です。
しかし先の特徴を最大限活かすならやはり中規模・小規模の事業者であればこそこの手法の導入を検討するべきでしょう。
基本的に広告規模(≒経営資本の投入量)の勝負にしてしまうと、当然ながら中小規模の事業者が大企業に勝ることはできません。
しかし、単純な経営資本の勝負ではなく、「アイデア勝負」という側面を持つゲリラマーケティングではこの限りではありません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ゲリラマーケティング事例
この項では、世界的に有名な企業・団体の有名なゲリラマーケティング事例を紹介します。
実際にどんな広告展開が行われているのか知ることで、自社に合ったマーケティングイメージも湧きやすくなるでしょう。
UNICEF
UNICEFは、マンハッタンの街に「汚水」の自動販売機を設置することで改めて清潔な水の必要性を訴える広告を展開しました。
先進各国においていつでも手に入るはずの清潔な水が、もし汚水であったらどれだけ不便で危険なことでしょうか?
世界の一部の地域では清潔な水が不足しているという意識をゲリラマーケティングにより効果的に啓蒙している広告です。
キットカット
キットカットは、町中のベンチをキットカットバーに見立てて塗装することで商品を宣伝しています。
“Have a break…Have a Kit Kat!”
誰もが聞いたことのあるフレーズに合わせて、シンプルかつ印象的な広告に仕上がっています。
コペンハーゲン動物園
コペンハーゲン動物園は、バスの外装を塗装することで巨大な蛇がバスに巻き付いているかのような非常にショッキングな広告を作り出しています。
「非日常」を表す広告を町中の日常に紛れ込ませることで、非常に効果的な宣伝に成功している好例といえるでしょう。
NIKE
NIKEは駐車違反の車に対して、車輪止めに似せたスニーカーを設置するキャンペーンを実施しました。
「International Car Free Day」、「この日は車に乗らずに出掛けましょう」というイベントの一環で行われたイベントです。
歩行者・ドライバー両方の意識に働きかけることができ、日常の中に上手く広告を紛れ込ませている点もNIKEの手腕として流石といえます。
Volkswagen
“Speed up your life”という言葉と共に実施されたVolkswagenのイベントは、階段に「Fast Lane」と呼ばれる滑り台を設置するものでした。
同時にこのキャンペーンではショッピングカートに滑り台、エレベーターをスペースシャトルのように飾り付けなども行われました。
日常生活の様々な場面で「速さ」を想起させる工夫が非常にユニークな広告であるといえます。
女性向けゲリラマーケティング事例
ゲリラマーケティングで大切なポイントの1つに「ターゲットを限定する」という点があります。
誰に宛てたかわからない大衆向けのメッセージよりも、限定的な個人に伝えようとした方が「関係構築」という目的達成に近いからです。
女性であることを認識して伝えるCM、ハグやキスを認識してカップルにコーラを配るなど、「性別の限定」も広告に取り入れることができます。
マーケティングターゲットの細分化として、使用できる区分けは積極的に使用して「限定感」を演出していきましょう。
ゲリラマーケティング成功のポイント
ゲリラマーケティング成功の鍵は「アイデア」によって「個人の」心を揺り動かすことです。
これにより企業や商品のブランドイメージの向上を狙います。
しかし、これもマーケティング、すなわちセリングの仕組み作りである以上理論や再現性は必要です。
実行までのプロセスを現実的に描くためにも経験や勘を積極的には取り入れません。
人間の心理原則に基づいたサプライズを演出することがゲリラマーケティングの成功に繋がります。
また、前項でのお話の通り、マーケティング対象を限定して商品・ブランドを訴求することも非常に重要です。
個人のクチコミの原動力は驚きや共感といった「心の動き」から来ています。
その点を鑑みれば、「みんなに」対するメッセージより「あなたに」対してのメッセージの方が心に響くものが生まれやすいでしょう。
ゲリラマーケティングが抱えるリスク
これまでのお話の通りゲリラマーケティングには大きなメリットがある一方、当然注意が必要な点もあります。
日常生活に密接に関わる環境での広告展開となるため、内容によってはある種の「不便」や「不快」を生むことになるのです。
SNSの拡散力を頼りにしている以上、良い面と同様かそれ以上に悪い面も拡散されてしまう点には留意が必要でしょう。
「この広告で何を伝えたいのか」、常にメッセージの主軸を明確にしておかなければ、倫理的批判に晒されかねません。
前述の通り心を揺り動かし「驚き」が生まれたとしても、「不快」な想いが生まれては本末転倒です。ブランドイメージを損なうことになりかねません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ゲリラマーケティングで収益を上げよう
AIDASの法則によれば、顧客の商品購入プロセスは注意・興味・欲求・行動・満足という5つの段階によって説明されます。
顧客の心理に沿ったゲリラマーケティングは、このプロセスの「注意・興味」という段階に非常に有効な手法であるといえるでしょう。
狙いは新規顧客の獲得だけではありません。
既存顧客に対して商品・企業のブランドを強く印象づけることができればLTVを高め、将来的な企業の収益に大きく影響します。
「ブランドイメージの訴求」「将来的(潜在的)な収益拡大」を実現できるゲリラマーケティングは非常に有力な選択肢です。
自社に最適化されたマーケティング手法を導入するため、マーケティング経験豊富なデジマクラスと共に今後の展開を考えてみましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
ゲリラマーケティングで悩んだら
発想力や独創性を武器に少ないリソースで大きな広告効果を挙げられる点は、特に中小規模の事業者にとって非常に魅力的です。
しかしその反面抱えるリスクも多く、加えてゲリラマーケティングの主軸であるアイデア自体もそう易易と思いつくものでもありません。
どんなアイデアで・予算がいくらでなど、自由度の高さ故に悩む項目は多く、その点では非常に実現困難なマーケティング手法であるともいえます。
ぜひ自社だけで抱えこまずに、まずはマーケティング経験豊富なデジマクラスにご相談ください。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
いかがだったでしょうか。
ゲリラマーケティングは個人へのブランド・商品の訴求、そしてその先にある大衆への訴求を見据えた手法です。
かつての主流だったマスマーケティングに代わる手法としてデジタルマーケティングが注目を浴びています。
しかし、併せてこの手法も決して見逃すことができません。
高い効果が望める反面扱いの難しい手法ではありますが、ぜひデジマクラスで最適なマーケティング手法を導入していきましょう。